抜け毛

お風呂の排水溝の抜け毛がやばい…1日平均100本の本数は危険信号?

    抜け毛がお風呂の排水溝に溜まっている様子
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    質問:お風呂での抜け毛、1日に何本くらいまでなら正常範囲ですか?
    回答

    1日の抜け毛の総数は平均50本から100本が正常範囲とされており、そのうちシャンプー時には全体の5割から7割、つまり25本から70本程度が抜けるのが一般的です。

    これは髪の生まれ変わりであるヘアサイクル(毛周期)に伴う自然な現象で、寿命を迎えた「休止期」の髪が洗い流されているにすぎません。

    そのため、排水溝に溜まる髪の毛の量だけで過度に心配する必要はありませんが、もし1日に150本を超えるような状態が続く場合は、何らかの対策が必要なサインである可能性があります。

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    当記事のここがポイント
    • お風呂で抜ける髪の毛の正常な平均本数
    • 心配のない抜け毛と注意すべき抜け毛の見分け方
    • 抜け毛を減らすための具体的なセルフケア方法
    • 抜け毛が改善しない場合に相談できる専門機関と治療法

    目次

    お風呂の排水溝に溜まる抜け毛、平均本数はどれくらい?

    まず、皆さんが最も気になるであろう「抜け毛の本数」について解説します。

    具体的な数値を知ることで、ご自身の状況を客観的に判断する第一歩となります。

    1日の抜け毛の平均本数(全体)

    健康な人の場合、1日に抜ける髪の毛の本数は、平均して50本から100本程度と言われています。

    これは、髪の毛に「ヘアサイクル(毛周期)」と呼ばれる生まれ変わりのサイクルがあるためです。

    私たちの髪の毛は、常に成長し続けているわけではなく、「成長期」「退行期」「休止期」という3つの期間を繰り返しています。

    • 成長期(2年~6年):髪の毛が成長する期間。全体の約85~90%がこの状態です。
    • 退行期(約2週間):髪の毛の成長が止まり、毛根が縮小していく期間。全体の約1%です。
    • 休止期(約3~4ヶ月):髪の毛が完全に成長を止め、抜け落ちるのを待っている期間。全体の約10~15%がこの状態にあり、ブラッシングやシャンプーなどの刺激で自然に抜け落ちます。

    つまり、1日に50本から100本抜ける髪の毛の多くは、この「休止期」を迎えた髪の毛なのです。

    言ってしまえば、寿命を迎えた髪の毛が、新しい髪の毛に場所を譲るために抜け落ちている、ごく自然な現象といえます。

    そのうちシャンプー時の抜け毛は何本?

    1日の抜け毛のうち、シャンプー時に抜ける髪の毛の割合が最も多いとされています。

    具体的には、全体の約50%~70%、つまり25本から70本程度の髪の毛がシャンプー時に抜けている計算になります。

    なぜシャンプー時に抜け毛が集中するのでしょうか。

    これにはいくつかの理由が考えられます。

    第一に、シャンプーで頭皮をマッサージするように洗うことで、すでに休止期に入って抜け落ちる準備ができていた髪の毛が、物理的な刺激によって一気に抜け落ちるためです。

    第二に、髪が濡れると一本一本が束になりやすく、排水溝などに集まることで量が多く見えやすいという視覚的な効果も影響しています。

    乾いているときには気づかずに落ちていた髪の毛が、シャンプーによって可視化されるのです。

    したがって、お風呂の排水溝に溜まった髪の毛の量に驚いたとしても、その多くはその日に抜けるべくして抜けた髪の毛である可能性が高いといえるでしょう。

    男女での抜け毛本数の違い

    一般的に、男性と女性で1日の正常な抜け毛の本数に大きな差はないとされています。

    どちらも50本から100本が目安です。

    ただし、髪の長さによって、抜け毛の量の見え方には違いが生じます。

    当然ながら、髪が長い女性の方が、同じ本数でも抜け毛の塊が大きく見える傾向にあります。

    排水溝に溜まった髪の毛のボリュームだけで、抜け毛が異常に多いと判断するのは早計かもしれません。

    むしろ、注目すべきは本数そのものよりも、「以前と比べて急激に増えていないか」「抜け毛の質に変化はないか」といった点です。

    季節による抜け毛本数の変動

    一年を通して、抜け毛の本数には若干の変動があります。

    特に「秋」は抜け毛が増えやすい季節として知られており、人によっては通常の2倍近くまで抜け毛が増加することもあります。

    これには主に二つの理由が考えられています。

    一つは、夏の間に浴びた紫外線のダメージ。

    紫外線は肌だけでなく、頭皮にもダメージを与え、毛根の働きを弱らせてしまいます。

    その影響が数ヶ月後の秋になって現れ、抜け毛の増加につながるのです。

    もう一つは、動物の換毛期の名残という説。

    多くの動物が季節の変わり目に毛が生え変わるように、人間にもその習性がわずかに残っており、秋になると抜け毛が増えるのではないかと考えられています。

    もし秋頃に抜け毛が増えたと感じても、一時的なものであれば過度に心配する必要はないかもしれません。

    ただし、冬になっても抜け毛の量が変わらない、あるいはさらに増えるような場合は、他の原因を疑う必要があります。

    なぜお風呂で抜け毛が目立つのか?

    1日の抜け毛の大半はシャンプー時に発生すると解説しましたが、なぜこれほどまでにお風呂場では抜け毛が目立ってしまうのでしょうか。

    その理由をもう少し詳しく掘り下げてみましょう。

    髪が濡れることによる視覚的な影響

    最大の理由は、やはり「水」の存在。

    乾いた髪の毛は一本一本が軽く、部屋の床に落ちてもあまり目立ちません。

    しかし、髪が水分を含むと重くなり、互いにくっつきやすくなります。

    その結果、排水溝や浴槽の壁などに黒い塊として付着し、非常に目立ちやすくなるのです。

    乾いている状態なら10本でも気にならないかもしれませんが、濡れて束になった10本は、まるでごっそりと抜けてしまったかのような印象を与えます。

    このように、視覚的なインパクトが不安を煽る一因となっているのです。

    シャンプーによる物理的な刺激

    前述の通り、シャンプーの際の「洗う」「すすぐ」という行為は、頭皮や髪にとって物理的な刺激となります。

    特に、ゴシゴシと力を入れて洗っている場合、本来であればまだ抜ける時期ではなかった成長期の髪の毛まで引き抜いてしまう可能性があります。

    また、シャンプーの洗浄成分が頭皮に合っていなかったり、すすぎ残しがあったりすると、頭皮環境が悪化し、抜け毛を助長することにもつながりかねません。

    シャンプーは、休止期の髪の毛が抜け落ちるきっかけとなる最大のイベントなのです。

    すでに抜け落ちる運命だった髪の毛がまとまって流れるため

    日中、私たちは知らず知らずのうちに髪の毛を落としています。

    歩いているとき、仕事をしているとき、寝ているときなど、生活のあらゆる場面で休止期の髪は自然に抜け落ちています。

    しかし、これらの抜け毛は様々な場所に散らばるため、その総量を認識することはほとんどありません。

    これに対して、お風呂場では、その日1日かけて頭皮にとどまっていた「抜ける運命の髪の毛」が、シャンプーによって一斉に洗い流されます。

    つまり、一日の抜け毛の総決算が排水溝で行われるため、どうしても量が多く見えてしまうのです。

    このように考えると、お風呂での抜け毛が目立つのは、ある意味で当然のことだと言えるでしょう。

    これって大丈夫?心配ない抜け毛と危険な抜け毛の見分け方

    お風呂での抜け毛が正常な現象であることは理解できても、やはりご自身の抜け毛が「大丈夫な範囲」なのかどうかは気になるところです。

    ここでは、正常な抜け毛と、薄毛のサインかもしれない危険な抜け毛の見分け方について詳しく解説します。

    正常なヘアサイクル(成長期・退行期・休止期)

    見分け方を理解する上で、もう一度ヘアサイクルについておさらいしましょう。

    髪の毛は「成長期」→「退行期」→「休止期」というサイクルを繰り返しており、自然に抜ける髪の毛は、この「休止期」の最後に抜け落ちるものです。

    正常なヘアサイクルが保たれていれば、髪の毛は太く長く成長した後に寿命を迎え、自然に抜けていきます。

    そして、その毛穴からはまた新しい髪の毛が生えてくる準備が始まります。

    しかし、何らかの原因でこのヘアサイクルが乱れると、髪の毛が十分に成長しきらないうちに抜け落ちてしまうようになります。

    これが、薄毛や抜け毛の悩みにつながる危険なサインなのです。

    心配ない抜け毛の特徴(毛根の形、髪の太さ)

    まず、心配する必要のない「自然な抜け毛」には、以下のような特徴があります。

    お風呂で抜けた髪の毛を数本拾い上げ、じっくりと観察してみてください。

    • 毛根の形:毛根の先端が、マッチ棒のように丸く膨らんでいる、あるいは少し白っぽいものが付着している状態。これは、毛根が寿命を全うし、自然に抜け落ちた証拠です。この白っぽいものは「毛根鞘(もうこんしょう)」と呼ばれる組織の一部で、髪の毛を頭皮に固定する役割を担っていました。
    • 髪の太さと長さ:全体的に太さが均一で、ある程度のハリやコシがある。長さもしっかりとある髪の毛は、成長期を十分に経てきた健康な髪と言えます。

    これらの特徴を持つ抜け毛がほとんどであれば、現在の抜け毛はヘアサイクルに伴う自然な現象である可能性が高いでしょう。

    危険な抜け毛のサイン(細く短い毛、毛根がない・小さい、急激な増加)

    一方で、以下のような特徴を持つ抜け毛が増えてきた場合は、注意が必要。

    ヘアサイクルが乱れ、頭皮環境が悪化しているサインかもしれません。

    細くて短い毛

    全体的に細く、弱々しい毛や、まだ短いまま抜けてしまっている毛が目立つ場合。

    これは、髪の毛が十分に成長する「成長期」が短縮され、成長しきらないうちに抜け落ちてしまっていることを示唆しています。

    毛根がない、または小さい

    毛根部分に膨らみがなく、尖っていたり、萎縮して細くなっていたりする状態。

    これは、髪の毛が成長途中で何らかのダメージを受けて無理やり引き抜かれたか、毛根自体が弱っている可能性があります。

    毛根に皮脂が付着している

    毛根にベタっとした黄色っぽい皮脂の塊が付着している場合。

    これは、頭皮の皮脂が過剰に分泌され、毛穴を詰まらせている「脂漏性皮膚炎」などの頭皮トラブルが原因の可能性があります。

    急激な抜け毛の増加

    上記のような抜け毛の質の問題に加えて、明らかに以前よりも抜け毛の本数が増えたと感じる場合。

    例えば、1日の抜け毛がコンスタントに150本や200本を超えるようであれば、何らかの脱毛症が進行していることも考えられます。

    これらのサインが見られたら、まずは次の章で解説するセルフケアを見直すことから始めてみてください。

    自分でできる抜け毛チェック方法

    シャンプー時以外にも、ご自身の抜け毛の状況を手軽にチェックする方法があります。

    枕元の抜け毛をチェック

    朝起きたときに、枕に何本くらいの髪の毛が落ちているか確認してみましょう。

    数本程度であれば問題ありませんが、毎日20~30本以上落ちているようであれば、抜け毛が増えているサインかもしれません。

    フィンガーテスト

    清潔な乾いた手の指で、髪の毛を軽くつまんで、すーっと梳いてみてください。

    これを数回繰り返し、毎回5~6本以上抜けるようであれば、注意が必要です。

    これらの方法はあくまで簡易的な目安ですが、日々の変化に気づくきっかけになります。

    お風呂での抜け毛を増やすNG行動と正しいヘアケア

    抜け毛の原因は様々ですが、毎日のお風呂での習慣が、知らず知らずのうちに頭皮にダメージを与え、抜け毛を悪化させているケースは少なくありません。

    ここでは、今すぐやめるべきNG行動と、今日から実践できる正しいヘアケア方法を徹底的に解説します。

    【NG行動編】間違ったシャンプー方法

    良かれと思ってやっていることが、実は逆効果になっているかもしれません。

    以下の項目に心当たりがないか、チェックしてみましょう。

    熱すぎるお湯で洗う

    熱いお湯(40℃以上)は、頭皮に必要な皮脂まで洗い流してしまいます。

    皮脂は頭皮を乾燥や外部の刺激から守るバリアの役割を果たしているため、これを取り除きすぎると、頭皮が乾燥したり、逆に皮脂が過剰に分泌されたりして頭皮環境の悪化を招きます。

    シャンプーの最適なお湯の温度は、38℃程度のぬるま湯です。

    爪を立ててゴシゴシ洗う

    頭皮をスッキリさせたいからといって、爪を立てて力任せに洗うのは絶対にやめましょう。

    頭皮は非常にデリケートなため、爪を立てることで細かい傷がつき、そこから雑菌が繁殖して炎症を起こす原因となります。

    炎症は抜け毛の直接的な原因になり得ます。

    洗うときは、必ず指の腹を使い、優しくマッサージするように洗いましょう。

    シャンプーのすすぎ残し

    シャンプーやコンディショナーの成分が頭皮に残ってしまうと、毛穴を詰まらせたり、頭皮のかゆみやフケ、炎症の原因になったりします。

    特に、髪の生え際や耳の後ろ、襟足などはすすぎ残しが多い部分。

    洗う時間の2倍以上の時間をかけて、ヌルヌル感が完全になくなるまで、丁寧にすすぐことを心がけてください。

    コンディショナーやトリートメントを頭皮に塗り込む

    コンディショナーやトリートメントは、主に髪の毛のダメージを補修し、指通りを良くするためのものです。

    これらの製品に含まれる油分が頭皮の毛穴に詰まると、頭皮トラブルの原因となることがあります。

    特別な記載がない限り、頭皮にはつけず、髪の中間から毛先にかけて塗布するようにしましょう。

    1日に何度もシャンプーする

    汗をかいたから、あるいは皮脂が気になるからといって、1日に2回も3回もシャンプーをするのは洗いすぎです。

    前述の通り、シャンプーは必要な皮脂まで奪ってしまうため、洗いすぎは頭皮の乾燥を招き、かえって抜け毛を増やす原因になります。

    シャンプーは、基本的には1日1回で十分です。

    【実践編】抜け毛を減らす正しいシャンプーの手順

    では、具体的にどのようにシャンプーをすれば、頭皮への負担を最小限に抑えられるのでしょうか。

    理想的なシャンプーの手順を7つのステップに分けてご紹介します。

    ステップ1

    ブラッシングで汚れを浮かすシャンプー前に、乾いた髪を目の粗いブラシで優しくブラッシングします。

    これにより、髪の絡まりをほどき、髪の毛や頭皮に付着したホコリやフケを浮き上がらせることができます。

    結果として、シャンプー時の泡立ちが良くなり、少ない洗浄力で効率的に汚れを落とすことが可能になります。

    ステップ2

    ぬるま湯でしっかり予洗いシャンプーをつける前に、38℃程度のぬるま湯で頭皮と髪全体を1分〜2分ほどしっかりと洗い流します。

    実は、この予洗いだけで髪の汚れの約7割は落ちると言われています。

    予洗いを丁寧に行うことで、シャンプーの使用量を減らすことができ、頭皮への負担を軽減できます。

    ステップ3

    シャンプーを泡立ててから髪にのせるシャンプーの原液を直接頭皮につけるのは避けましょう。

    手のひらに適量を取り、少量のお湯を加えながら、両手でしっかりと泡立てます。

    きめ細かい泡を作ることで、髪や頭皮への摩擦を減らし、洗浄成分が均一に行き渡りやすくなります。

    ステップ4

    指の腹でマッサージするように洗う泡立てたシャンプーを髪全体になじませたら、指の腹を使って頭皮を優しくマッサージするように洗います。

    爪は絶対に立てず、頭皮を動かすようなイメージで、下から上へ、ジグザグに指を動かしながら全体を洗いましょう。

    頭皮の血行を促進する効果も期待できます。

    ステップ5

    時間をかけて丁寧にすすぐシャンプーが頭皮に残らないよう、時間をかけて入念にすすぎます。

    シャワーヘッドを頭皮に近づけ、髪の根元にお湯が届くように意識しながら、襟足、耳の後ろ、生え際など、すすぎ残しやすい部分も忘れずに洗い流してください。

    目安は、シャンプーにかかった時間の2倍以上です。

    ステップ6

    トリートメントは毛先中心にトリートメントやコンディショナーを使用する場合は、水気を軽く切ってから、髪の中間から毛先を中心に塗布します。

    頭皮にはなるべく付着しないように注意しましょう。

    製品に記載されている時間放置した後、これも同様にヌルつきがなくなるまでしっかりとすすぎます。

    ステップ7

    すぐに乾かす(自然乾燥はNG)お風呂から上がったら、濡れた髪を放置せず、できるだけ速やかに乾かしましょう。

    髪が濡れた状態が続くと、頭皮で雑菌が繁殖しやすくなり、臭いやかゆみ、フケの原因となります。

    また、濡れた髪はキューティクルが開いていて非常にデリケートなため、摩擦によるダメージも受けやすくなります。

    ドライヤーの正しい使い方

    シャンプー後のドライヤーも、使い方を間違えると髪や頭皮にダメージを与えてしまいます。

    以下のポイントを押さえて、優しく乾かしましょう。

    • タオルドライで水分をしっかり取る:まずは吸水性の高いタオルで、髪を優しく挟み込むようにして水分を拭き取ります。ゴシゴシと擦るのはキューティクルを傷つける原因になるのでNGです。頭皮の水分も、タオルを押し当てるようにして優しく吸い取りましょう。
    • 髪から20cm以上離す:ドライヤーの熱は、髪のタンパク質を傷める原因になります。髪から最低でも20cmは離して、熱が一点に集中しないようにしましょう。
    • 同じ場所に当て続けない:ドライヤーを常に小刻みに振りながら、髪全体に風が当たるようにします。まずは乾きにくい根元から乾かし始め、その後、中間から毛先へと乾かしていくのが効率的です。
    • 最後は冷風で仕上げる:全体が8割~9割ほど乾いたら、温風から冷風に切り替えて仕上げます。冷風を当てることで、開いていたキューティクルが引き締まり、髪にツヤが出るとともに、スタイルもまとまりやすくなります。

    生活習慣が原因?抜け毛を招く日常の落とし穴

    正しいヘアケアを実践しているにもかかわらず、抜け毛が改善しない場合、その原因は日々の生活習慣にあるかもしれません。

    髪の毛は、体全体の健康状態を映し出す鏡とも言えます。

    ここでは、抜け毛を引き起こす可能性のある生活習慣について見ていきましょう。

    栄養バランスの乱れ(髪に必要な栄養素)

    髪の毛の主成分は「ケラチン」というタンパク質。

    そのため、偏った食事や過度なダイエットによってタンパク質が不足すると、健康な髪の毛を作ることができず、細く弱い毛が増えたり、抜け毛が増えたりする原因となります。

    健康な髪を育むためには、タンパク質はもちろん、それをサポートするビタミンやミネラルもバランス良く摂取することが不可欠。

    特に意識して摂取したい栄養素は以下の通りです。

    • タンパク質:髪の毛の主成分。肉、魚、卵、大豆製品などに多く含まれます。
    • 亜鉛:ケラチンの合成を助ける重要なミネラル。不足すると髪の成長が阻害されます。牡蠣、レバー、牛肉、チーズなどに豊富です。
    • ビタミンB群(特にB2, B6, ビオチン):頭皮の新陳代謝を促し、皮脂の分泌をコントロールする働きがあります。レバー、豚肉、マグロ、バナナ、ナッツ類などから摂取できます。
    • ビタミンE:血行を促進し、頭皮に栄養を届けやすくします。ナッツ類、アボカド、植物油などに多く含まれます。

    これらの栄養素を特定のサプリメントだけで補おうとするのではなく、まずは日々の食事からバランス良く摂取することを心がけるのが基本です。

    睡眠不足(成長ホルモンの重要性)

    髪の毛の成長に深く関わっているのが「成長ホルモン」です。

    この成長ホルモンは、私たちが眠っている間、特に夜22時から深夜2時の間に最も多く分泌されると言われています。

    睡眠不足が続くと、成長ホルモンの分泌が減少し、髪の毛の成長が妨げられたり、頭皮のターンオーバーが乱れたりして、抜け毛や薄毛の原因となります。

    質の良い睡眠を確保するためにも、毎日決まった時間に就寝・起床する、寝る前のスマートフォンやパソコンの使用を控える、リラックスできる環境を整えるなどの工夫が大切。

    少なくとも6時間以上の睡眠時間を確保するよう努めましょう。

    ストレス(血行不良との関係)

    「ストレスは万病のもと」と言われますが、髪の毛にとっても大敵。

    過度なストレスを感じると、自律神経が乱れ、血管が収縮してしまいます。

    血管が収縮すると、頭皮の血行が悪くなり、髪の毛の成長に必要な栄養素が毛根まで十分に行き届かなくなってしまいます。

    これが、抜け毛や髪の成長不良を引き起こすのです。

    また、ストレスはホルモンバランスの乱れにもつながり、男性ホルモンが優位になることで抜け毛を促進してしまう可能性もあります。

    ストレスを完全になくすことは難しいかもしれませんが、適度な運動をする、趣味に没頭する時間を作る、ゆっくりと入浴するなど、自分なりのストレス解消法を見つけて、心身をリラックスさせることが重要です。

    過度なダイエット

    急激な体重減少を伴う過度なダイエットは、抜け毛の深刻な原因となり得ます。

    食事量を極端に減らすと、体は生命維持に必要な臓器へ優先的に栄養を送ろうとします。

    その結果、生命維持の優先順位が低い髪の毛への栄養供給は後回しにされ、栄養不足に陥ってしまいます。

    これにより、髪が細くなったり、大量に抜けたりする「休止期脱毛」を引き起こすことがあります。

    ダイエットを行う場合でも、必要な栄養素はしっかりと摂取し、健康的に体重をコントロールすることが、美しい髪を保つ上でも不可欠です。

    喫煙・過度な飲酒

    喫煙は、髪にとって百害あって一利なしと言っても過言ではありません。

    タバコに含まれるニコチンには、血管を収縮させる作用があります。

    これにより頭皮の血行が悪化し、髪の成長に必要な栄養や酸素が届きにくくなります。

    また、喫煙は体内のビタミンCを大量に消費します。

    ビタミンCは、頭皮の健康を保つコラーゲンの生成に不可欠な栄養素であるため、その欠乏も抜け毛の一因となります。

    一方、過度な飲酒も問題。

    アルコールを分解する過程で、髪の成長に必要なアミノ酸やビタミン、亜鉛などが大量に消費されてしまいます。

    適度な飲酒は問題ありませんが、飲み過ぎは髪の健康を損なう可能性があることを覚えておきましょう。

    抜け毛の原因となる可能性のある病気や状態

    セルフケアや生活習慣の改善を試みても抜け毛が減らない、あるいは「危険な抜け毛」のサインが多く見られる場合は、何らかの病気や医学的な状態が背景にある可能性も考えられます。

    ここでは、抜け毛を引き起こす代表的な脱毛症や疾患について解説します。

    男性型脱毛症(AGA)

    AGA(Androgenetic Alopecia)は、成人男性に最も多く見られる脱毛症で、一般的に「薄毛」と呼ばれる状態の多くがこれに該当します。

    主な原因は、男性ホルモンの一種である「テストステロン」が、頭皮に存在する「5αリダクターゼ」という酵素によって、より強力な「ジヒドロテストステロン(DHT)」に変換されることです。

    このDHTが毛根の受容体と結びつくことで、髪の成長期が短縮され、髪の毛が十分に育たないまま細く短くなって抜け落ちてしまいます。

    AGAは進行性であり、生え際の後退や頭頂部の薄毛といった特徴的なパターンで症状が現れます。

    遺伝的な要因も大きいとされています。

    女性男性型脱毛症(FAGA)

    FAGA(Female Androgenetic Alopecia)は、女性に見られる薄毛の症状で、「女性のAGA」とも呼ばれます。

    男性のAGAのように生え際が後退するのではなく、頭頂部を中心に髪の毛が全体的に薄くなり、地肌が透けて見えるようになるのが特徴。

    加齢による女性ホルモンの減少や、ホルモンバランスの乱れが主な原因と考えられています。

    ストレスや生活習慣の乱れも、症状を悪化させる要因となります。

    円形脱毛症

    円形脱毛症は、年齢や性別に関係なく発症する可能性のある脱毛症。

    ある日突然、コインのような円形または楕円形の脱毛斑ができるのが特徴で、1ヶ所だけの場合もあれば、多発する場合もあります。

    自己免疫疾患の一種と考えられており、免疫機能の異常によってリンパ球が成長期の毛根を攻撃してしまい、髪の毛が抜けてしまいます。

    アトピー性皮膚炎や甲状腺疾患などを合併することもあります。

    ストレスが発症の引き金になることもありますが、直接的な原因ではないとされています。

    産後脱毛症

    出産を経験した女性の多くが、産後2~3ヶ月頃から抜け毛の増加を経験します。

    これは「産後脱毛症」と呼ばれる一時的な症状です。

    妊娠中は、女性ホルモンである「エストロゲン」の分泌量が増加し、本来であれば休止期に入って抜けるはずの髪の毛が抜けにくくなります。

    しかし、出産を終えるとホルモンバランスが急激に妊娠前の状態に戻るため、抜けずにいた髪の毛が一斉に休止期に入り、まとまって抜け落ちてしまうのです。

    多くの場合、産後半年から1年ほどで自然に回復しますが、育児によるストレスや睡眠不足が回復を遅らせることもあります。

    牽引性脱毛症

    ポニーテールやきついお団子ヘアなど、毎日同じ髪型で髪の毛を強く引っ張り続けることで、特定の部位の毛根に負担がかかり、髪が抜けやすくなる脱毛症です。

    生え際や分け目の部分の髪が薄くなるのが特徴。

    髪型を変えたり、頭皮への負担を減らしたりすることで改善が見込めますが、長期間にわたって頭皮に負担をかけ続けると、毛根がダメージを受けて髪が生えてこなくなる可能性もあります。

    脂漏性脱毛症

    頭皮の皮脂が過剰に分泌されることで発症する「脂漏性皮膚炎」が悪化し、抜け毛を引き起こす状態です。

    過剰な皮脂によって毛穴が詰まり、頭皮に常在するマラセチア菌などが異常繁殖して炎症を起こします。

    頭皮の赤み、かゆみ、ベタついた大きなフケなどが主な症状で、頭皮環境の悪化が髪の成長を妨げ、抜け毛につながります。

    甲状腺機能の異常など

    甲状腺ホルモンの異常も、抜け毛の原因となることがあります。

    甲状腺ホルモンは、全身の新陳代謝を活発にする働きがあり、髪の毛の成長にも関わっています。

    甲状腺機能が低下する「橋本病」では、髪がパサついたり、全体的に薄くなったりすることがあります。

    逆に、機能が亢進する「バセドウ病」でも、脱毛が見られることがあります。

    抜け毛以外にも、急激な体重の変化、倦怠感、動悸などの全身症状がある場合は、内科や内分泌科の受診を検討しましょう。

    セルフケアで改善が見られない場合は専門機関へ

    これまでにご紹介したヘアケアや生活習慣の見直しを1〜3ヶ月ほど続けても抜け毛が改善しない、あるいは薄毛が進行しているように感じる場合は、専門の医療機関に相談することをお勧めします。

    特に、AGAやFAGAは進行性であるため、早期の対策が非常に重要です。

    医療機関を受診するタイミングの目安

    以下のようなサインが見られたら、一度専門家の診察を受けることを検討してみてください。

    • 1日の抜け毛が、明らかに150本以上ある状態が続いている
    • 以前に比べて、髪の毛全体のボリュームが減ったと感じる
    • 細く短い、弱々しい抜け毛が増えた
    • 地肌が透けて見える部分が出てきた
    • 生え際が後退してきた、または頭頂部が薄くなってきた
    • フケやかゆみ、頭皮の赤みなどのトラブルが治らない

    これらのサインは、セルフケアだけでは対応が難しい脱毛症の可能性があります。

    何科を受診すればいい?(皮膚科、AGA専門クリニック)

    抜け毛や薄毛の相談は、まずは「皮膚科」を受診するのが一般的。

    皮膚科では、頭皮の状態を診察し、円形脱毛症や脂漏性皮膚炎などの皮膚疾患が原因であるかどうかを診断してもらえます。

    一方で、抜け毛の原因がAGAやFAGAである可能性が高いと考えられる場合や、より専門的な薄毛治療を希望する場合は、「AGA専門クリニック」や「薄毛治療専門クリニック」を受診するのが良いでしょう。

    これらの専門クリニックでは、薄毛治療に特化した医師が在籍しており、詳細なカウンセリングや検査を通じて、一人ひとりの症状や原因に合わせた最適な治療法を提案してくれます。

    専門クリニックで受けられる治療法とは

    専門クリニックでは、主に医学的根拠に基づいた以下のような治療が行われます。

    ここでは、代表的な治療法を簡単にご紹介します。

    AGA治療薬(内服薬・外用薬)

    AGA治療の基本となるのが、薬による治療です。

    • 内服薬:主に「フィナステリド」や「デュタステリド」といった成分の薬が用いられます。これらは、AGAの原因物質であるDHTの生成を抑制する働きがあり、抜け毛を防ぎ、ヘアサイクルを正常化させる効果が期待できます。
    • 外用薬:「ミノキシジル」という成分の塗り薬が用いられます。ミノキシジルには、頭皮の血行を促進し、毛母細胞を活性化させることで発毛を促す効果があります。内服薬と併用されることも多くあります。
    FAGA治療薬

    女性の薄毛治療では、主にミノキシジルの外用薬が第一選択となります。

    また、ホルモンバランスを整えるための内服薬(スピロノラクトンなど)や、髪の成長に必要な栄養素を補うサプリメントなどが併用されることもあります。

    植毛

    薬物治療で十分な効果が得られない場合や、すでに薄毛がかなり進行している場合には、「植毛」という選択肢もあります。

    植毛は、AGAの影響を受けにくい後頭部や側頭部の自分の髪の毛を、毛根ごと薄毛の部分に移植する外科手術。

    自分の髪の毛なので、拒絶反応が少なく、生着すればその後も生え変わり続けるというメリットがあります。

    治療のメリットと注意点

    専門的な治療を受ける最大のメリットは、医学的根拠に基づいて、ご自身の抜け毛の原因に直接アプローチできる点。

    セルフケアでは難しい「発毛を促す」「抜け毛の進行を止める」といった効果が期待できます。

    一方で、注意点も理解しておく必要があります。

    • 費用:薄毛治療の多くは自由診療となるため、健康保険が適用されず、治療費は全額自己負担となります。治療内容や期間によって費用は大きく異なります。
    • 期間:治療効果を実感するまでには、最低でも3ヶ月から6ヶ月程度の期間が必要です。根気強く治療を続ける必要があります。
    • 副作用:医薬品である以上、副作用のリスクはゼロではありません。例えば、AGA治療薬では、ごく稀に性機能の低下や肝機能障害などが報告されています。治療を始める前には、必ず医師から詳しい説明を受け、リスクを理解した上で判断することが重要です。

    まずはカウンセリングを受けて、ご自身の状態を正確に把握し、治療内容や費用、リスクについて十分に納得した上で、治療を開始するかどうかを決めるのが良いでしょう。

    まとめ:お風呂で抜け毛が増えてきたと感じたら対策を

    記事のポイントのまとめです。

    今回は、お風呂での抜け毛に悩む方に向けて、平均本数から原因、対策、そして専門的な治療法まで解説しました。

    最後に、この記事の重要なポイントを振り返ります。

    • 1日の正常な抜け毛は50本~100本で、その多くはシャンプー時に抜ける。
    • 抜け毛が目立つのは自然なことだが、「細く短い毛」や「急激な増加」は注意が必要なサイン。
    • 正しいシャンプー方法とドライヤーの使い方を実践することが、抜け毛対策の第一歩。
    • 栄養バランス、睡眠、ストレス管理といった生活習慣の見直しも非常に重要。
    • セルフケアで改善が見られない場合は、AGAやFAGAなどの可能性も考え、皮膚科や専門クリニックへの相談を検討する。

    お風呂の排水溝にたまる髪の毛は、誰にでも起こる自然な現象です。

    まずはご自身の抜け毛が正常な範囲なのか、危険なサインなのかを冷静に見極めてみてください。

    もし、不安が解消されなかったり、薄毛の進行が気になったりする場合には、決して一人で抱え込まず、専門家である医師に相談するという選択肢があることを忘れないでください。