抜け毛

朝の枕の抜け毛本数の平均は20本・30本・50本?どれくらいか解説

    白い枕の上に抜け毛
    よくある質問(FAQ)すべての回答を開く
    質問:朝の枕の抜け毛が平均で何本くらいなら安心できますか?
    回答

    枕元の抜け毛の本数だけで一概に安心・危険を判断することはできません。

    健康な人でも1日に50本から100本は自然に脱毛しており、枕の抜け毛はその一部に過ぎないため、日によって本数が変動するのは自然なことです。

    大切なのは「以前と比べて明らかに本数が増えていないか」「抜け毛の中に細く短い毛が混じっていないか」といった変化であり、絶対的な本数よりも抜け毛の質やご自身の過去との比較を重視することが重要となります。

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    当記事のここがポイント
    • 枕の抜け毛の平均本数と、危険なサインの見分け方
    • 抜け毛のメカニズムと、シルク素材の枕カバーが有効な理由
    • 正しいヘアケアや生活習慣の見直しといった具体的な対策
    • セルフケアで改善しない場合に専門的な治療が必要なケース

    目次

    朝、枕に落ちている抜け毛の平均本数は?

    多くの方が最も気になるのは、「枕についている抜け毛が何本だったら安心で、何本以上だと危険なのか」という具体的な本数でしょう。

    しかし、この問いに「〇本です」と断言することは、実は非常に難しいのです。

    1日の抜け毛の平均本数から考える

    枕の抜け毛の本数だけでは判断が難しい一方で、人間が1日に抜ける髪の毛の本数には、ある程度の目安が存在します。

    健康な頭皮環境を持つ人の場合、1日あたりに自然に抜け落ちる髪の毛は、およそ50本から100本程度であるとされています。

    これは、後ほど詳しく解説する「ヘアサイクル」という髪の毛の生まれ変わりのサイクルによる、ごく自然な現象です。

    この50本から100本という抜け毛は、一日を通して様々な場面で発生します。

    その中でも最も多く抜けるのが、洗髪時です。

    シャンプーをする際には、すでに寿命を迎えていた休止期の髪の毛が、物理的な刺激によって一気に洗い流されるため、排水溝に溜まった髪の毛を見て驚く方も多いでしょう。

    次いで、ブラッシングや手ぐしを通した時などにも髪は抜けます。

    つまり、睡眠中に枕との摩擦で抜ける髪の毛は、この1日の抜け毛全体の一部に過ぎない、ということです。

    仮に1日の抜け毛が100本だとしても、そのすべてが睡眠中に抜けるわけではありません。

    「20本」「30本」「50本」は危険信号?以前と比較するのが重要

    それでは、枕の抜け毛が20本、30本、50本といった本数のみで判断するのは全く無意味なのでしょうか。

    決してそうではありません。

    これらの数字は、絶対的な基準値というよりも、「自身の変化に気づくための一つの目安」として捉えるのが適切です。

    重要なのは、特定の本数を超えたかどうかよりも、「以前と比較して、明らかに抜け毛が増加したかどうか」という点です。

    例えば、これまで枕の抜け毛が5本程度だった方が、コンスタントに20本以上抜けるようになったのであれば、それは何らかの注意信号かもしれません。

    また、枕の抜け毛の本数と合わせて、以下のような他のサインがないかを確認することが重要です。

    • シャンプーやブラッシング時の抜け毛も明らかに増えた
    • 抜けた毛が細く、短いものが多い
    • 髪全体のボリュームが減り、地肌が透けて見えるようになった
    • 頭皮にかゆみやフケ、赤みがある

    これらの症状が併発している場合、単なる生理現象としての抜け毛ではなく、ヘアサイクルの乱れや頭皮環境の悪化、あるいはAGA(男性型脱毛症)やFAGA(女性男性型脱毛症)といった進行性の脱毛症のサインである可能性が考えられます。

    枕の抜け毛は、あくまで自分の髪と頭皮の状態を知るための「きっかけ」と捉え、その本数だけでなく、抜け毛の質や他の変化にも目を向けるようにしましょう。

    なぜ髪は抜けるの?抜け毛のメカニズムを理解しよう

    枕の抜け毛の多さに不安を感じたとき、その根本原因を理解することが対策への第一歩となります。

    髪の毛は、ただ生え続けているわけではなく、一本一本に寿命があり、一定のサイクルで生まれ変わりを繰り返しています。

    この仕組みを知ることで、目の前の抜け毛が自然なものなのか、あるいは注意すべきものなのかを見極めるヒントが得られます。

    髪の寿命「ヘアサイクル」とは?

    私たちの髪の毛は、「ヘアサイクル(毛周期)」と呼ばれる周期に従って、絶えず生えたり抜けたりを繰り返しています。

    このサイクルは、大きく分けて3つの期間から構成されています。

    成長期(2年~6年)

    毛母細胞が活発に細胞分裂を繰り返し、髪の毛が太く長く成長していく期間。

    頭髪全体の約85%~90%が、この成長期にあるとされています。

    期間が長いほど、髪は長く丈夫に育ちます。

    退行期(約2週間)

    毛母細胞の分裂が停止し、髪の毛の成長が止まる期間。

    毛根が徐々に小さくなり、頭皮の浅い部分へと移動していきます。

    全頭髪の約1%がこの状態にあたります。

    休止期(約3ヶ月~4ヶ月)

    髪の毛の成長が完全にストップし、毛根が完全に退化して、やがて抜け落ちるのを待つだけの期間。

    この休止期の髪は、ブラッシングやシャンプーなどのわずかな刺激で簡単に抜け落ちます。

    そして、その毛穴の奥では、次の新しい髪の毛(成長期の髪)が生まれる準備が始まっています。

    全頭髪の約10%~15%が休止期にあるとされ、1日に50本~100本抜けるというのは、この休止期の髪が寿命を迎えて抜け落ちることを指します。

    この「成長期→退行期→休止期→脱毛」という一連の流れがヘアサイクル。

    健康な状態であれば、このサイクルが規則正しく繰り返されることで、髪全体のボリュームは一定に保たれます。

    正常な抜け毛と異常な抜け毛の見分け方

    枕に落ちていた抜け毛を手に取り、じっくりと観察してみてください。

    その抜け毛の状態から、ヘアサイクルが正常に機能しているかどうかをある程度推測することができます。

    見分けるポイントは主に「毛根の形」と「毛の太さ」です。

    毛根の形に注目する

    正常な抜け毛は、ヘアサイクルの「休止期」を全うして自然に抜け落ちたものです。

    このような抜け毛の毛根は、マッチ棒の先端のように、白っぽく丸みを帯びてふくらんでいるのが特徴。

    これは「毛根鞘(もうこんしょう)」と呼ばれる組織が付着しているためで、髪の毛がしっかりと成長し、寿命を迎えた証拠と言えます。

    一方で、注意が必要な異常な抜け毛には、以下のような特徴が見られます。

    • 毛根が細く尖っている、あるいは毛根自体が見当たらない:これは、成長期の髪が何らかの外的要因(過度なブラッシングなど)やストレスによって無理やり引き抜かれてしまった可能性があります。
    • 毛根にベタっとした皮脂が付着している:頭皮の皮脂分泌が過剰になっているサインです。皮脂が毛穴を塞ぎ、炎症(脂漏性皮膚炎)を引き起こして抜け毛につながることがあります。
    • 毛根の形がいびつで、萎縮している:ヘアサイクルが乱れ、髪が十分に成長しきれていない可能性があります。
    抜けた毛の太さに注目する

    抜け毛の中に、明らかに他の髪の毛よりも細く、短い毛が多く混じっている場合も注意が必要。

    これは、本来であれば長く太く成長するはずの「成長期」が、何らかの理由で短縮されてしまっているサインです。

    髪の毛が十分に成長しきる前に退行期・休止期へと移行してしまうため、産毛のような弱々しい毛のまま抜け落ちてしまうのです。

    このような細く短い抜け毛の割合が増加している場合、AGAやFAGAの初期症状である可能性が考えられます。

    ヘアサイクルが乱れる主な原因

    では、本来規則正しく機能するはずのヘアサイクルは、なぜ乱れてしまうのでしょうか。

    その原因は多岐にわたり、複数の要因が複雑に絡み合っている場合も少なくありません。

    生活習慣の乱れ

    睡眠不足は、髪の成長に不可欠な成長ホルモンの分泌を妨げます。

    また、偏った食生活は、髪の主成分であるタンパク質や、その生成を助けるビタミン、ミネラル(特に亜鉛)の不足を招き、健康な髪の育成を阻害します。

    過度なストレスも自律神経やホルモンバランスを乱し、頭皮の血行不良を引き起こす大きな要因です。

    ホルモンバランスの乱れ

    特にAGA(男性型脱毛症)の主な原因は、男性ホルモンの一種であるテストステロンが、5αリダクターゼという酵素と結びつくことで生成される「DHT(ジヒドロテストステロン)」です。

    このDHTが、毛乳頭細胞にある受容体と結合すると、髪の成長期を著しく短縮させる脱毛シグナルが発信されてしまいます。

    女性の場合も、加齢やストレス、出産などによって女性ホルモン(エストロゲン)が減少し、相対的に男性ホルモンが優位になることで、薄毛(FAGA)が進行することがあります。

    頭皮環境の悪化

    間違ったヘアケアによる頭皮の乾燥や、皮脂の過剰分泌、血行不良などは、髪が育つ土壌である頭皮の環境を悪化させます。

    不健康な土壌からは、健康な作物が育たないのと同じように、不健康な頭皮からは、健康な髪は育ちません。

    遺伝的要因

    AGAの発症しやすさは、遺伝的な要素が関わっていることが分かっています。

    特に、5αリダクターゼの活性度や、男性ホルモン受容体の感受性の高さは、親から子へと受け継がれやすいとされています。

    このように、抜け毛は単一の原因で起こるわけではありません。

    ご自身の生活を振り返り、思い当たる節がないかを確認することが、対策への第一歩となります。

    枕と抜け毛の深い関係|素材選びが重要

    毎晩6時間から8時間もの間、私たちの頭と髪は枕に接しています。

    この長い時間、枕が髪や頭皮に与える影響は、決して無視できるものではありません。

    枕の選び方、特にカバーの素材が、抜け毛や切れ毛の要因になっている可能性も考えられます。

    なぜ枕で抜け毛が増えることがあるのか?

    枕が抜け毛を助長する原因は、主に「摩擦」「蒸れ」「血行不良」の3つが挙げられます。

    1. 摩擦によるダメージ

    私たちは、一晩の睡眠中に平均して20回以上の寝返りを打つと言われています。

    寝返りを打つたびに、髪の毛は枕カバーの表面と擦れ合います。

    このときに生じる摩擦が、髪の表面を覆っているウロコ状の「キューティクル」を傷つけ、剥がれさせてしまうのです。

    キューティクルが傷つくと、髪内部の水分やタンパク質が流出しやすくなり、髪は乾燥してパサつき、強度が低下します。

    その結果、少しの刺激でも切れやすい「切れ毛」や、毛根から抜けてしまう「抜け毛」につながるのです。

    特に、ゴワゴワとした硬い素材の枕カバーを使用している場合、この摩擦によるダメージはより大きくなります。

    2. 蒸れによる頭皮環境の悪化

    人間は睡眠中に、コップ1杯分(約200ml)もの汗をかくと言われています。

    頭皮も例外ではなく、多くの汗や皮脂を分泌します。

    枕カバーの吸湿性や通気性が悪いと、この汗や皮脂が枕にこもり、湿度と温度が高い状態が続いてしまいます。

    このような高温多湿の環境は、マラセチア菌などの雑菌が繁殖するのに最適な条件です。

    雑菌が異常繁殖すると、頭皮にかゆみ、フケ、赤み、炎症などを引き起こし、頭皮環境を悪化させます。

    これは、抜け毛の原因となる脂漏性皮膚炎などにつながるリスクを高めることになります。

    また、枕自体を清潔に保っていない場合も同様です。

    3. 枕の高さや硬さが合わないことによる血行不良

    枕の役割は、単に頭を乗せるだけではありません。

    立っている時の自然な頚椎(首の骨)のカーブを、寝ている間も維持することが重要な役割です。

    枕が高すぎると、顎が引けて首が圧迫され、気道が狭くなるだけでなく、首や肩周りの筋肉が緊張し、血行が悪くなります。

    逆に枕が低すぎると、頭に血が上りやすくなると同時に、首が後ろに反る形となり、やはり負担がかかります。

    硬すぎる枕や柔らかすぎる枕も、頭部が安定せず、同様に首や肩への負担となります。

    頭皮の毛細血管は、首を経由して心臓から血液を供給されています。

    首や肩周りの血行が悪くなるということは、髪の毛の成長に必要な栄養素や酸素が、頭皮の毛母細胞まで十分に届きにくくなることを意味します。

    栄養不足に陥った毛母細胞は、健康な髪の毛を作り出すことができず、結果として抜け毛や薄毛を招く一因となるのです。

    抜け毛対策におすすめの枕カバー素材とは?

    こうした枕に起因する抜け毛のリスクを軽減するためには、枕カバーの素材選びが非常に重要になります。

    ここでは、代表的な素材のメリット・デメリットを比較してみましょう。

    シルク(絹)素材

    抜け毛や美髪対策として、近年最も注目されているのがシルク素材です。

    メリット

    シルクの最大の特長は、その表面の滑らかさです。

    繊維の断面が丸いため、髪との摩擦を最小限に抑えることができます。

    これにより、寝返りによるキューティクルへのダメージを防ぎ、切れ毛や抜け毛を効果的に予防します。

    また、シルクは人間の肌や髪と同じタンパク質(アミノ酸)で構成されているため、肌なじみが非常に良いのも利点。

    さらに、吸湿性と放湿性の両方に優れており、夏は蒸れにくく、冬は適度な湿度を保って静電気を防ぐなど、一年を通して快適な頭皮環境を維持するのに役立ちます。

    デメリット

    一方で、シルクはデリケートな素材であるため、価格が比較的高価。

    また、洗濯には注意が必要で、基本的には中性洗剤を使った手洗いが推奨されます。

    洗濯機で洗う場合は、必ずネットに入れ、おしゃれ着洗いなどの弱い水流のコースを選ぶ必要があります。

    日光(紫外線)に当たると黄ばみや劣化が進むため、陰干しが必須となるなど、手入れに手間がかかる点がデメリットと言えるでしょう。

    綿(コットン)素材

    最も一般的で、多くの方が使用しているのが綿素材です。

    デメリット

    綿は吸水性に非常に優れており、汗をしっかりと吸い取ってくれます。

    肌触りも柔らかく、天然素材であるため肌への刺激も少ないです。

    価格も手頃なものが多く、洗濯機で気軽に洗える耐久性があるため、扱いやすさが最大のメリットです。

    デメリット

    吸水性が高い反面、乾きにくいという性質があります。

    吸い取った汗が乾かずに枕カバーに留まり続けると、それが蒸れや雑菌繁殖の原因になることもあります。

    また、シルクに比べると繊維の表面に凹凸があるため、摩擦は起きやすくなります。

    特に、使い古してゴワゴワになった綿の枕カバーは、髪へのダメージが大きくなる可能性があります。

    麻(リネン)素材

    夏向けの素材として人気があるのが麻です。

    メリット

    麻は、天然繊維の中で最も吸湿速乾性に優れていると言われています。

    汗をかいてもすぐに吸収・発散するため、常にサラッとした肌触りを保ち、夏場の寝苦しい夜でも快適。

    通気性が抜群で、雑菌の繁殖を抑える効果も期待できます。

    また、非常に丈夫な素材であることも特長です。

    デメリット

    新品の状態では、ゴワゴワとした硬い肌触りのものが多いです。

    使い込むうちに柔らかくはなりますが、最初のうちはその硬さが摩擦の原因となる可能性があります。

    また、シワになりやすいという点もデメリットとして挙げられます。

    テンセル™(再生繊維)などの新素材

    近年では、化学の力で天然素材の良さを引き出した新素材も登場しています。

    メリット

    例えば「テンセル™」は、ユーカリの木材パルプを原料とした再生繊維。

    シルクのように滑らかで光沢があり、摩擦が少ないという特徴を持っています。

    同時に、コットンのように吸湿性に優れ、洗濯もしやすいという、両者の良いとこ取りをしたような素材です。

    デメリット

    比較的新しい素材であるため、製品の種類がまだ限られていたり、シルクほどではないにせよ、綿製品よりは高価な傾向があります。

    抜け毛対策にはシルク素材が有力な選択肢

    ここまで各素材の特徴を見てきましたが、「髪と頭皮への優しさ」という観点で総合的に判断すると、やはりシルク素材が最も有力な選択肢であると言えます。

    摩擦の少なさは、他の素材と比べて群を抜いており、抜け毛や切れ毛の直接的な原因となる物理的ダメージを最も効果的に軽減してくれます。

    もちろん、価格や手入れの手間といったデメリットは存在します。

    そのため、まずは週末だけシルクの枕カバーを使ってみる、あるいは比較的安価な片面シルクの製品から試してみるのも良いでしょう。

    予算やライフスタイルに合わせて、ご自身にとって最適な選択をすることが大切。

    しかし、本気で枕による抜け毛対策を考えるのであれば、シルクへの投資は十分に価値があると言えるでしょう。

    枕以外にも!今すぐできる抜け毛対策

    枕カバーを最適なものに見直すことは、非常に有効な抜け毛対策の一つです。

    しかし、髪の健康は、日々の生活習慣やヘアケアといった、より幅広い要素の積み重ねによって成り立っています。

    枕の対策と並行して、これからご紹介するような総合的なケアに取り組むことで、より効果的に健やかな髪を育むことができます。

    生活習慣の見直し

    髪は、私たちの健康状態を映し出す鏡とも言えます。

    不規則な生活や乱れた食生活は、真っ先に髪に影響を及ぼします。

    健やかな髪を育む土台作りのために、まずは日々の暮らし方を見直してみましょう。

    1. 質の良い睡眠を確保する

    髪の成長に欠かせない「成長ホルモン」は、主に睡眠中に分泌されます。

    特に、入眠後の最初の深い眠り(ノンレム睡眠)の時間帯に最も多く分泌されることが分かっています。

    単に長い時間眠るだけでなく、「睡眠の質」を高めることが重要です。

    • 就寝前のスマートフォンやPCの使用を控える:ブルーライトは脳を覚醒させ、自然な眠りを妨げます。少なくとも就寝1時間前には電子機器から離れることを心掛けましょう。
    • 規則正しい時間に就寝・起床する:体内時計を整えることで、自然な入眠と質の高い睡眠につながります。
    • 寝室の環境を整える:遮光カーテンで光を遮断したり、快適な温度・湿度を保ったりすることも大切です。

    2. バランスの取れた食事を摂る

    髪の毛の約90%は、「ケラチン」というタンパク質でできています。

    そのため、まずは良質なタンパク質を十分に摂取することが基本となります。

    • タンパク質:肉、魚、卵、大豆製品などに多く含まれます。
    • 亜鉛:タンパク質を髪の毛に合成する際に不可欠なミネラルです。不足すると髪の成長が滞るため、意識的に摂取したい栄養素です。牡蠣、レバー、牛肉、チーズなどに多く含まれます。
    • ビタミン類:特にビタミンB群は、頭皮の新陳代謝を促し、血行を促進する働きがあります。ビタミンB2はレバーやうなぎ、ビタミンB6はマグロやカツオなどに豊富です。また、ビタミンCはコラーゲンの生成を助け、ビタミンEは血行促進効果が期待できます。緑黄色野菜や果物も積極的に取り入れましょう。

    外食やコンビニ食が多くなりがちな方は、栄養バランスが偏りやすい傾向にあります。

    一日三食、これらの栄養素をバランス良く摂取することを意識してみてください。

    3. ストレスを溜めない工夫

    過度なストレスは、自律神経のバランスを崩し、血管を収縮させて頭皮の血行不良を引き起こします。

    また、ホルモンバランスの乱れにもつながり、抜け毛を促進する要因となります。

    現代社会でストレスを完全になくすことは難しいですが、自分なりの解消法を見つけて、上手に付き合っていくことが大切です。

    • 適度な運動:ウォーキングやジョギングなどの有酸素運動は、血行促進だけでなく、気分転換にも効果的です。
    • 趣味に没頭する時間を作る:仕事や家庭のことを忘れ、好きなことに集中する時間は、心のリフレッシュにつながります。
    • リラックスできる時間を持つ:ゆっくりと湯船に浸かる、アロマを焚く、好きな音楽を聴くなど、心身をリラックスさせる習慣を取り入れましょう。

    正しいヘアケアの実践

    良かれと思って毎日行っているヘアケアが、実は頭皮や髪にダメージを与え、抜け毛の原因になっているケースも少なくありません。

    一度、ご自身のケア方法を見直してみましょう。

    1. シャンプーの選び方と洗い方

    シャンプーの最も重要な役割は、髪を洗うことよりも「頭皮の汚れを落とし、清潔に保つこと」です。

    シャンプーの選び方

    洗浄力が強すぎるシャンプー(高級アルコール系など)は、頭皮に必要な皮脂まで奪ってしまい、乾燥やフケ、かゆみの原因となることがあります。

    頭皮への刺激がマイルドな「アミノ酸系」や「ベタイン系」の洗浄成分を配合したシャンプーを選ぶのがおすすめです。

    正しい洗い方
    1. 予洗い:シャンプーをつける前に、ぬるま湯(38℃程度)で1~2分かけて頭皮と髪をしっかりとすすぎます。これだけで、髪の汚れの7割程度は落ちると言われています。
    2. 泡立てる:シャンプーは直接頭皮につけず、手のひらでよく泡立ててから髪全体になじませます。
    3. 優しく洗う:爪を立てず、指の腹を使って、頭皮を優しくマッサージするように洗いましょう。
    4. 十分にすすぐ:シャンプー成分が頭皮に残ると、かゆみや炎症の原因になります。洗いにかかった時間の2倍程度の時間をかけて、すすぎ残しがないように丁寧に洗い流します。

    2. 髪の乾かし方

    濡れた髪は、キューティクルが開いて非常にデリケートな状態。

    濡れたまま放置すると、雑菌が繁殖しやすくなるだけでなく、摩擦によるダメージも受けやすくなります。

    • タオルドライ:ゴシゴシと擦るのではなく、タオルで髪を挟み込み、優しくポンポンと叩くようにして水分を吸収させます。吸水性の高いマイクロファイバータオルを使うのも良いでしょう。
    • ドライヤー:髪から20cm程度離し、同じ場所に熱が集中しないように、ドライヤーを常に振りながら風を当てます。まずは根元から乾かし、毛先に向かって乾かしていくのがポイントです。全体が8割ほど乾いたら、最後に冷風を当てると、開いたキューティクルが引き締まり、髪にツヤが出ます。

    3. ブラッシングの注意点

    ブラッシングは、髪の絡まりをほどき、頭皮の血行を促進する効果がありますが、やり方を間違えると髪を傷める原因になります。

    • 無理にとかさない:髪が絡まっている場合は、毛先の方から少しずつ優しくほぐしていきます。根元から一気にとかそうとすると、髪が切れたり抜けたりする原因になります。
    • ブラシの素材:静電気が起きやすいプラスチック製のブラシは、キューティクルを傷つける可能性があります。静電気が起きにくく、頭皮への刺激が適度な、豚毛や猪毛といった天然毛のブラシや、木製のブラシなどがおすすめです。

    これらの生活習慣やヘアケアの見直しは、すぐに劇的な変化が現れるものではありません。

    しかし、地道に続けることで、髪が育つための土壌である頭皮環境が着実に改善され、数ヶ月後には抜け毛の減少や、新しく生えてくる髪の質の変化として実感できるはずです。

    枕の抜け毛が減らない…もしかしてAGA・FAGA?

    枕カバーをシルクに変え、生活習慣やヘアケアにも気を配っている。

    それなのに、枕元の抜け毛が減る気配がない、

    むしろ地肌が目立ってきたように感じる…。

    もしあなたがそのような状況にあるのなら、その抜け毛は単なる生活習慣の乱れや一時的な不調が原因ではなく、治療が必要な「脱毛症」である可能性を考える必要があります。

    AGA(男性型脱毛症)・FAGA(女性男性型脱毛症)とは?

    AGA(Androgenetic Alopecia)は「男性型脱毛症」、FAGA(Female Androgenetic Alopecia)は「女性男性型脱毛症」の略称で、どちらも成人以降に発症し、ゆっくりと進行していく脱毛症です。

    これらは、前述したような生活習慣の乱れによる一時的な抜け毛とは異なり、遺伝的要因やホルモンバランスが大きく関与しています。

    特にAGAのメカニズムは解明が進んでいます。

    男性ホルモンの一種「テストステロン」が、頭皮に存在する「5αリダクターゼ」という酵素の働きによって、より強力な「DHT(ジヒドロテストステロン)」に変換されます。

    このDHTが、毛根にある男性ホルモン受容体と結合すると、髪の成長を阻害するシグナルが発信され、髪のヘアサイクルにおける「成長期」が極端に短くなってしまうのです。

    その結果、髪の毛は太く長く成長する前に抜け落ちてしまい、次第に細く短い毛ばかりになって、地肌が透けて見えるようになります。

    AGAは進行性であるため、何も対策をしなければ、薄毛は時間をかけて着実に進行していきます。

    女性の場合(FAGA)も、加齢やホルモンバランスの変化により、男性ホルモンの影響が相対的に強まることで同様のメカニズムが起こると考えられていますが、男性のように生え際が後退したり、頭頂部だけが禿げ上がったりすることは少なく、髪全体のボリュームが均等に失われていく「びまん性脱毛」という症状を呈することが多いのが特徴です。

    AGA・FAGAのセルフチェックリスト

    ご自身の抜け毛や薄毛が、AGAやFAGAの可能性があるかどうか、以下の項目でチェックしてみましょう。

    • 枕や排水溝に、細くて短い抜け毛が目立つようになった
    • 髪の毛全体のハリやコシがなくなり、ペタッとするようになった
    • 以前に比べて、髪の分け目や頭頂部の地肌が目立つ気がする
    • 生え際が後退してきたように感じる(特に男性)
    • 父方、母方の家系に薄毛の人がいる
    • 髪のスタイリングが、以前のように決まらなくなった
    • 頭皮が脂っぽく、ベタつくことが多い

    これらの項目に複数当てはまる場合は、自己流のケアだけでは改善が難しい可能性があります。

    いたずらに時間を費やしてしまう前に、一度専門家の診断を仰ぐことをお勧めします。

    専門クリニックで受けられる治療法

    AGAおよびFAGAは、医療機関での治療によって、その進行を抑制したり、発毛を促したりすることが可能。

    セルフケアで効果が見られない場合、あるいは薄毛の進行を明らかに感じる場合は、皮膚科や薄毛治療を専門とするクリニックへ相談することが、最も確実で効果的な解決策となります。

    専門クリニックでは、医師による問診や視診、場合によっては血液検査などを通じて、薄毛の原因を正確に診断し、一人ひとりの症状や進行度に合わせた最適な治療法を提案してくれます。

    主な治療法には、以下のようなものがあります。

    内服薬治療

    ヘアサイクルの乱れを引き起こす原因に、体の内側からアプローチする治療法。

    AGAの原因であるDHTの生成を抑制する薬などが処方されます。

    継続的に服用することで、抜け毛を減らし、ヘアサイクルを正常化させる効果が期待できます。

    外用薬治療

    発毛効果が認められている成分を配合した塗り薬を、頭皮に直接塗布する治療法。

    頭皮の血行を促進し、毛母細胞を活性化させることで、発毛を促します。

    内服薬と併用して行われることも多くあります。

    植毛

    AGAの影響を受けにくい後頭部や側頭部の自身の毛髪を、毛根ごと薄毛の気になる部分に移植する外科的な治療法。

    薄毛がかなり進行してしまった場合でも、見た目を改善できるというメリットがあります。

    これらの治療は、基本的に健康保険が適用されない自由診療となります。

    そのため、治療にかかる費用は全額自己負担となりますが、専門医の管理のもとで科学的根拠に基づいた治療を受けられるという大きなメリットがあります。

    自己判断で効果の不明確な育毛剤やサプリメントに多額の費用を投じるよりも、まずは専門クリニックのカウンセリングを受け、正確な診断と適切な治療法の説明を聞いてみることが、結果的に時間と費用の両面で最善の道となるケースは少なくありません。

    まとめ:枕の抜け毛は体からのサイン。早めの対策で未来の髪を守ろう

    記事のポイントのまとめです。

    この記事では、朝の枕の抜け毛の平均本数、抜け毛のメカニズム、そして具体的な対策に至るまで、幅広く掘り下げて解説してきました。

    最後に、今回の重要なポイントを改めて振り返ってみましょう。

    • 枕の抜け毛の「本数」に一喜一憂しないこと。健康な人でも1日に50本〜100本は自然に抜けており、枕の抜け毛はその一部です。重要なのは「以前と比べた変化」や、「抜け毛の質(細くないか、毛根の状態は正常か)」です。
    • 抜け毛対策として、枕カバーを摩擦の少ない「シルク素材」に変えることは、物理的なダメージを減らす上で非常に有効な手段の一つです。
    • しかし、髪の健康は、質の良い睡眠、バランスの取れた食事、ストレス管理、そして正しいヘアケアといった、総合的な生活習慣の土台の上に成り立っています。枕の対策と並行して、日々の暮らしを見直すことが何よりも大切です。
    • セルフケアを続けても抜け毛が減らない、あるいは薄毛が進行していると感じる場合、それはAGAやFAGAといった進行性の脱毛症のサインかもしれません。

    枕に落ちている抜け毛は、単に不快なだけでなく、あなたの体や頭皮が発している重要なサイン。

    そのサインを見過ごさず、なぜ抜け毛が増えているのか、その原因に目を向けることが、未来の豊かな髪を守るための第一歩となります。

    今日、この記事を読んで得た知識を元に、まずは一つでも行動に移してみてください。

    枕カバーを新しいものにしてみる、食事のメニューを少し意識してみる、シャンプーの仕方を変えてみる。

    そんな小さな一歩の積み重ねが、あなたの髪の未来を大きく変える力を持っています。

    そして、もしご自身の努力だけでは改善が見られず、深刻な悩みを抱えているのであれば、決して一人で抱え込まないでください。

    薄毛治療の専門クリニックに相談するという選択肢は、今や決して特別なことではありません。

    専門家の力を借りることは、あなたの不安を解消し、解決へと導いてくれます。

    あなたの今日の気づきと行動が、5年後、10年後の自信に満ちたあなた自身に繋がっていることを願っています。