ドライヤー時に抜ける髪が20本から40本程度であれば、ヘアサイクルにおける正常な範囲内です。
健康な人でも髪全体の約10%が休止期(抜け落ちる準備期間)にあり、1日に50本から100本が自然に抜けるため、ドライヤー時の抜け毛はその一部に過ぎません。
シャンプーで浮き上がった休止期の髪が、乾かす際の物理的な刺激で一気に表面化すること、そして白い洗面台の上では黒い髪が視覚的に目立つことから、ごっそり抜けたと不安に感じやすくなるのです。
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- ドライヤー時の正常な抜け毛の本数と危険な抜け毛との違い
- 抜け毛が増える原因となる生活習慣やヘアケアの問題点
- 自分でできる抜け毛を減らすための具体的な対策
- 専門のクリニックに相談すべきタイミングとその治療法
ドライヤー時の抜け毛、平均本数は何本?
ドライヤーをかけるたびに「ごっそり抜けた」と感じると、焦ってしまいますよね。
まずは、客観的な数値として、どのくらいの抜け毛が「正常範囲」なのかを把握しましょう。
ドライヤー時の抜け毛で20本〜40本程度は正常範囲内
結論から言うと、ドライヤー時に抜ける髪の毛が20本から40本程度であれば、過度に心配する必要はないでしょう。
もちろん個人差はありますが、これは1日の抜け毛全体から見れば、ごく一部の数字。
髪を洗ったり乾かしたりする行為は、すでに寿命を迎え、自然に抜け落ちるはずだった髪の毛が物理的な刺激によって表面化するタイミングに過ぎません。
そのため、ドライヤー時にある程度の髪が抜けるのは、生理現象としてごく自然なことなのです。
大切なのは本数に一喜一憂することではなく、その抜け毛が「健康的なサイクル」の中で抜けているかどうかを見極めることになります。
1日全体の抜け毛本数との関係(50本〜100本が目安)
より広い視点で見てみましょう。
健康な人の場合、1日全体で抜ける髪の毛の本数は、平均して50本から100本程度と言われています。
私たちの髪の毛には「ヘアサイクル(毛周期)」というものがあり、「成長期(髪が伸びる期間)」「退行期(成長が止まる期間)」「休止期(髪が抜け落ちる準備期間)」という3つの段階を繰り返しています。
そして、休止期に入った髪の毛が、シャンプーやブラッシング、そしてドライヤーといった刺激をきっかけに抜け落ちるのです。
日本人の髪の毛の総数は約10万本と言われており、そのうちの約10%が休止期にあるとされています。
つまり、毎日100本程度の髪が抜けるのは、新しい髪が生えるための正常な新陳代謝の一環なのです。
ドライヤー時の抜け毛は、この1日50本~100本という総数の中に含まれるものです。
シャンプーで30~60本、ドライヤーで20~40本、その他(ブラッシングや睡眠中など)で10~20本というのが、大まかな内訳のイメージと言えるでしょう。
なぜドライヤー時に抜け毛が目立つのか?
では、なぜ特にドライヤーの時に抜け毛が「やばい」と感じやすいのでしょうか。
これにはいくつかの理由が考えられます。
第一に、シャンプーで浮き上がった休止期の髪の毛が、ドライヤーの風や手ぐしによって一気に抜け落ちるためです。
洗髪によって頭皮との結びつきが弱くなった髪が、乾かす過程でまとめて表面化するため、多く抜けたように感じやすくなります。
第二に、背景とのコントラスト。
洗面台の白い背景や明るい色の床の上では、黒い髪の毛は非常によく目立ちます。
日中の生活の中で知らず知らずのうちに抜けている髪の毛と違い、一か所に集まることで視覚的に多く見えてしまうのです。
このように、ドライヤー時に抜け毛が目立つのは、物理的な要因と視覚的な要因が重なっているためです。
本数だけを見て焦るのではなく、次に解説する「危険な抜け毛のサイン」に当てはまっていないかを確認することが重要です。
それは大丈夫?危険な抜け毛を見分ける5つのチェックポイント
1日の抜け毛が100本以内であっても、その「質」によっては注意が必要。
ここでは、単なる生理現象ではない、薄毛につながる可能性のある「危険な抜け毛」のサインを5つのチェックポイントにまとめました。
ご自身の抜け毛と見比べてみてください。
チェックポイント1:抜け毛の本数が明らかに増えた(1日100本以上)
まず最も分かりやすい指標は、抜け毛の絶対数。
排水溝やドライヤー後の床に落ちている髪の毛が、明らかに以前より増えている場合、注意が必要です。
具体的な目安として、1日の抜け毛の合計がコンスタントに100本を超えるようであれば、ヘアサイクルが乱れている可能性があります。
特に、150本や200本といったレベルで抜け毛が続く場合は、何らかの脱毛症が進行しているサインかもしれません。
毎回正確に数えるのは難しいですが、「最近、枕元の抜け毛が増えた」「排水溝の髪の毛を掃除する頻度が上がった」といった体感的な変化も重要な判断材料になります。
チェックポイント2:抜けた毛が細く短い
次に、抜けた髪の毛の太さや長さを確認してみましょう。
健康なヘアサイクルを経て自然に抜けた髪の毛は、太くてコシがあり、ある程度の長さがあります。
これは、髪が寿命である「成長期」を全うした証拠です。
一方で、抜けた毛の中に、細くて短い「産毛」のような毛が多く混じっている場合は危険信号。
これは、髪の毛が十分に成長しきる前に、成長期が短縮されて抜け落ちてしまっていることを意味します。
このような状態は、AGA(男性型脱毛症)やFAGA(女性男性型脱毛症)の典型的な症状の一つです。
チェックポイント3:毛根の形に異常がある(膨らみがない、白いものがついていない)
抜け毛の「根元」、つまり毛根部分の状態も重要なチェックポイントです。
正常なヘアサイクルで抜けた髪の毛の毛根は、マッチ棒の先のように、少し丸く膨らんでいます。
これは、毛根部にある「毛球」と呼ばれる部分で、髪の成長に不可欠な毛母細胞などが含まれています。
この毛球がしっかりついているのは、髪が寿命を迎えて自然に抜けた証拠です。
しかし、抜けた毛の毛根が細く尖っていたり、そもそも膨らみがなかったりする場合は、成長途中で抜けてしまった可能性があります。
また、毛根にベタっとした皮脂が付着している場合は、脂漏性皮膚炎などが原因で頭皮環境が悪化しているサインかもしれません。
逆に、毛根に白い塊(角栓様物質)が付着している場合は、皮脂や古い角質が毛穴に詰まっている状態を示唆しています。
チェックポイント4:頭皮に赤み、かゆみ、フケなどの異常がある
抜け毛だけでなく、頭皮自体の状態も確認しましょう。
頭皮に赤み、かゆみ、湿疹、あるいは大量のフケ(乾いたもの、湿ったもの両方)といった症状がある場合、頭皮環境が悪化している証拠です。
頭皮は髪の毛が育つ土壌。
その土壌で炎症が起こっていたり、乾燥や皮脂の過剰分泌が起きていたりすると、健康な髪は育ちません。
結果として、髪が弱々しくなったり、抜け毛が増えたりすることにつながります。
これらの頭皮トラブルは、接触性皮膚炎、脂漏性皮膚炎、アトピー性皮膚炎など、様々な皮膚疾患の可能性も考えられます。
チェックポイント5:特定の部位だけが薄くなってきた
抜け毛が全体的に起こるのではなく、頭頂部や生え際など、特定の部位だけが目立って薄くなってきた場合も注意が必要です。
AGA(男性型脱毛症)は、前頭部や頭頂部の髪が選択的に薄くなるという特徴があります。
また、円形脱毛症は、コインのような形の脱毛斑が突然現れる自己免疫疾患です。
このように、抜け毛の分布に偏りがある場合は、単なるヘアサイクルの乱れではなく、特定の疾患が原因である可能性が高まります。
鏡で頭頂部や生え際の状態を定期的にチェックする習慣をつけると良いでしょう。
これらの5つのチェックポイントのうち、一つでも当てはまるものがあれば、単なる「ドライヤー時の抜け毛」として放置せず、その原因を探り、適切な対策を始めることをお勧めします。
ドライヤー時に抜け毛が増える主な原因7選
ドライヤー時の抜け毛が気になるとき、その背景には様々な原因が隠れています。
ここでは、抜け毛を引き起こす代表的な7つの原因を詳しく解説していきます。
ご自身の生活習慣や頭皮の状態と照らし合わせながら、原因を探ってみましょう。
原因1:ヘアサイクル(毛周期)の乱れ
前述の通り、私たちの髪は「成長期」「退行期」「休止期」というヘアサイクルを繰り返しています。
このサイクルが正常に機能していれば、髪は太く長く成長し、寿命を迎えてから自然に抜け落ちます。
しかし、何らかの要因でこのサイクルが乱れ、成長期が短縮されてしまうと、髪が十分に育たないまま休止期へと移行してしまいます。
その結果、細くて短い、未熟な髪の毛が抜けるようになり、全体として抜け毛が増えたように感じられるのです。
ヘアサイクルが乱れる原因は多岐にわたり、後述する生活習慣の乱れやストレス、ホルモンバランスの変化などが複雑に絡み合っています。
原因2:間違ったシャンプーの方法
毎日のシャンプーが、かえって頭皮にダメージを与え、抜け毛の原因になっているケースは少なくありません。
例えば、洗浄力の強すぎるシャンプーは、頭皮に必要な皮脂まで奪ってしまい、乾燥やバリア機能の低下を招きます。
逆に、すすぎが不十分でシャンプー剤が頭皮に残ってしまうと、毛穴の詰まりや炎症の原因となります。
また、爪を立ててゴシゴシと力強く洗う行為は、頭皮を傷つけるだけでなく、まだ抜けるべきではない成長期の髪まで引き抜いてしまう可能性があります。
シャンプーは「髪を洗う」というよりも「頭皮を優しくマッサージするように洗う」という意識が大切です。
原因3:間違ったドライヤーの使い方
ドライヤーの熱や風も、使い方を誤ると抜け毛を助長する原因になります。
最もやってはいけないのが、頭皮にドライヤーを近づけすぎることです。
100℃を超える熱風を至近距離から当て続けると、頭皮は軽いやけど状態になり、乾燥や炎症を引き起こします。
髪の毛自体も、熱によってタンパク質が変性し、もろく切れやすくなってしまいます(切れ毛)。
また、早く乾かしたいからといって、同じ場所に長時間熱風を当て続けるのもNG。
頭皮の水分が過剰に奪われ、乾燥性のフケやかゆみの原因となり、頭皮環境の悪化につながります。
原因4:生活習慣の乱れ(食生活、睡眠、ストレス)
髪の毛は、私たちが日々摂取する栄養素から作られ、睡眠中に成長が促されます。
そのため、生活習慣の乱れは、髪の健康にダイレクトに影響します。
- 食生活の乱れ:髪の主成分であるタンパク質(ケラチン)や、その合成を助ける亜鉛、ビタミン類が不足すると、健康な髪は作られません。過度なダイエットや、脂っこいもの、インスタント食品中心の偏った食事は、抜け毛のリスクを高めます。
- 睡眠不足:髪の成長を促す成長ホルモンは、主に睡眠中に分泌されます。特に、入眠後最初の深い眠り(ノンレム睡眠)の間に最も多く分泌されるため、睡眠時間が短い、眠りが浅いといった状態が続くと、髪の成長が妨げられてしまいます。
- 過度なストレス:ストレスは自律神経やホルモンバランスを乱す大きな要因です。自律神経が乱れると、血管が収縮して頭皮の血行が悪化し、髪の毛に十分な栄養が届かなくなります。また、ストレスホルモンであるコルチゾールは、ヘアサイクルを乱し、休止期脱毛の原因となることも知られています。
原因5:頭皮環境の悪化(乾燥、皮脂の過剰分泌)
髪が育つ土壌である頭皮の環境が悪化することも、抜け毛の直接的な原因です。
- 乾燥:頭皮が乾燥すると、外部からの刺激に弱い敏感な状態になります。フケやかゆみが発生しやすくなるだけでなく、頭皮のバリア機能が低下し、炎症を起こしやすくなります。
- 皮脂の過剰分泌:逆に、皮脂が過剰に分泌されると、毛穴が詰まりやすくなります。詰まった皮脂が酸化すると、炎症を引き起こしたり、常在菌が異常繁殖したりして、脂漏性皮膚炎などを発症し、抜け毛につながることがあります。
これらの頭皮トラブルは、間違ったヘアケアのほか、食生活やホルモンバランスの乱れなど、様々な要因が複合的に絡み合って起こります。
原因6:季節的な要因(夏、秋)
特定の季節に抜け毛が増えると感じる人も少なくありません。
特に「秋」は抜け毛が増えやすい季節と言われています。
これにはいくつかの説がありますが、一つは夏の間に浴びた紫外線のダメージが、数ヶ月後の秋になって頭皮に現れるというものです。
紫外線は頭皮を乾燥させ、毛母細胞にダメージを与えます。
また、夏場の食欲不振による栄養不足や、夏バテによる体力の消耗なども、秋の抜け毛に影響すると考えられています。
動物の換毛期の名残であるという説もあり、ある程度の季節的な抜け毛は生理現象とも言えますが、あまりに多い場合は他の原因も探る必要があります。
原因7. AGA(男性型脱毛症)・FAGA(女性男性型脱毛症)の進行
セルフケアを頑張っても抜け毛が減らない、特に細く短い毛が抜ける、生え際や頭頂部が薄くなってきた、という場合は、AGA(男性型脱毛症)やFAGA(女性男性型脱毛症)を疑う必要があります。
AGA・FAGAは、男性ホルモンの一種である「ジヒドロテストステロン(DHT)」が主な原因で起こる進行性の脱毛症。
DHTが毛乳頭細胞にある受容体と結合すると、髪の成長期を短くする脱毛因子が生成されます。
これにより、髪が太く長く成長する前に抜け落ちてしまい、徐々に薄毛が進行していくのです。
このAGA・FAGAは、遺伝的な要因が大きく、生活習慣の改善や市販の育毛剤だけでは進行を食い止めることは困難。
そのため、疑わしい場合は早期に専門のクリニックへ相談することが極めて重要になります。
ドライヤー時の抜け毛を減らすためのセルフケア
抜け毛の原因が分かったら、次はいよいよ具体的な対策。
ここでは、「ヘアケア」と「生活習慣」の2つの側面から、今日からすぐに始められるセルフケアの方法をご紹介します。
正しいヘアケア編
毎日の習慣であるヘアケアを見直すことが、抜け毛対策の第一歩。
正しい知識を身につけ、頭皮と髪に優しいケアを心がけましょう。
シャンプーの選び方と正しい洗い方
シャンプーの目的は、髪の汚れではなく「頭皮の余分な皮脂や汚れを落とすこと」です。
シャンプーの選び方
- 乾燥肌・敏感肌の方:洗浄力がマイルドな「アミノ酸系」のシャンプーがおすすめです。頭皮の潤いを保ちながら優しく洗い上げます。
- 脂性肌の方:適度な洗浄力を持つ「石けん系」や、さっぱりとした洗い上がりの高級アルコール系の中でもベタイン系などのマイルドな洗浄成分を組み合わせたものが良いでしょう。ただし、洗浄力が強すぎると乾燥を招くこともあるため、頭皮の状態を見ながら選びます。
- フケやかゆみが気になる方:抗真菌成分(ミコナゾール硝酸塩など)や抗炎症成分(グリチルリチン酸2Kなど)が配合された薬用シャンプーを試してみるのも一つの方法です。
正しい洗い方の手順
- ブラッシング:シャンプー前に、乾いた状態で髪のもつれを優しくときほぐします。これにより、シャンプー中の髪の絡まりを防ぎ、ホコリなどの大きな汚れを落とすことができます。
- 予洗い:38℃程度のぬるま湯で、1分〜2分かけて頭皮と髪をしっかりとすすぎます。これだけで汚れの7割程度は落ちると言われており、シャンプーの泡立ちも良くなります。
- 泡立て:シャンプーを直接頭皮につけるのではなく、手のひらでしっかりと泡立ててから髪に乗せます。泡立てることで、髪同士の摩擦を減らし、洗浄成分を均一に行き渡らせることができます。
- 洗う:指の腹を使って、頭皮を優しくマッサージするように洗います。爪を立ててゴシゴシ擦るのは絶対にやめましょう。特に、皮脂の分泌が多い生え際や頭頂部は念入りに、しかし優しく洗うことを意識してください。
- すすぎ:洗い終わったら、シャンプーが残らないように、洗った時間の2倍以上の時間をかけて丁寧にすすぎます。耳の後ろや襟足はすすぎ残しが多い部分なので、特に意識して洗い流しましょう。
タオルドライの正しい方法
濡れた髪はキューティクルが開いており、非常にデリケートな状態。
タオルドライでゴシゴシと摩擦を与えると、キューティクルが剥がれ、切れ毛や枝毛の原因になります。
- まず、吸水性の高いタオルで頭皮全体の水分を優しく押さえるように拭き取ります。
- 次に、髪の中間から毛先をタオルで挟み込み、ポンポンと軽く叩くようにして水分を吸収させます。
- 決して、タオルで髪をこすったり、乱暴に拭いたりしないでください。
この工程を丁寧に行うことで、後のドライヤーの時間を大幅に短縮でき、熱によるダメージを軽減することにも繋がります。
正しいドライヤーのかけ方(温度、距離、時間)
ドライヤーは、抜け毛対策において非常に重要なプロセス。
以下のポイントを守り、頭皮と髪への負担を最小限に抑えましょう。
- 根元から乾かす:まず、髪の根元、つまり頭皮に近い部分から乾かし始めます。タオルドライ後、洗い流さないトリートメントなどを毛先中心につけてから、最も乾きにくい根元に指を入れて、頭皮を優しくこするようにしながら温風を当てます。
- 距離を保つ:ドライヤーの吹き出し口と頭皮は、最低でも15cm〜20cmは離してください。近づけすぎると熱で頭皮を傷めてしまいます。
- 風を動かし続ける:同じ場所に熱風が集中しないように、ドライヤーを小刻みに振りながら全体に風を送ります。
- 8割乾いたら冷風に切り替え:全体が8割程度乾いたら、温風から冷風に切り替えます。冷風を当てることで、開いていたキューティクルが引き締まり、髪にツヤが出ると同時に、髪内部の水分を閉じ込める効果があります。また、頭皮に残った熱を冷ますことで、雑菌の繁殖を防ぎます。
- オーバードライはNG:乾かしすぎは、髪と頭皮の乾燥を招きます。完全に乾かしきるのではなく、少ししっとり感が残る「9割乾き」の状態で終えるのが理想です。
頭皮マッサージの方法と効果
頭皮マッサージは、血行を促進し、髪の毛に栄養を届けるための有効な手段。
リラックス効果もあるため、ストレス軽減にもつながります。
マッサージのタイミングは、シャンプー中や、お風呂上がりの血行が良い時に行うのが効果的。
育毛剤をつけた後に行うのも良いでしょう。
マッサージの方法
- 指の腹を使い、頭皮全体を優しく押したり、揉んだりします。「頭皮を動かす」ようなイメージで行いましょう。
- 生え際から頭頂部へ、耳の上から頭頂部へ、襟足から頭頂部へと、下から上に向かってマッサージしていくと、血行が促進されやすくなります。
- 1回あたり3分〜5分程度を目安に、気持ち良いと感じる強さで行ってください。強く押しすぎたり、爪を立てたりしないように注意しましょう。
生活習慣改善編
健康な髪は、健康な体から生まれます。
ヘアケアと並行して、日々の生活習慣を見直すことが、根本的な抜け毛対策につながります。
髪に良い栄養素と食事メニュー例
バランスの取れた食事は、抜け毛予防の基本。
特に以下の栄養素を意識的に摂取しましょう。
- タンパク質:髪の主成分。肉、魚、卵、大豆製品、乳製品に多く含まれます。
- 亜鉛:タンパク質を髪の毛に合成する際に不可欠なミネラル。牡蠣、レバー、牛肉、チーズ、ナッツ類に豊富です。
- ビタミンB群:頭皮の新陳代謝を促し、皮脂の分泌をコントロールします。特にビタミンB2(レバー、うなぎ、卵)、B6(マグロ、カツオ、バナナ)が重要です。
- ビタミンE:血行を促進し、抗酸化作用で頭皮の老化を防ぎます。ナッツ類、アボカド、植物油に多く含まれます。
- イソフラボン:女性ホルモン「エストロゲン」に似た働きをし、ヘアサイクルの維持を助けます。大豆製品(豆腐、納豆、豆乳など)に豊富です。
(食事メニュー例)
- 朝食:納豆ごはん、味噌汁(わかめ、豆腐入り)、卵焼き
- 昼食:鶏肉と野菜の炒め物定食(玄米)、ほうれん草のおひたし
- 夕食:サバの塩焼き、ひじきの煮物、アボカドのサラダ
質の高い睡眠をとるためのポイント
髪の成長を促す成長ホルモンは、深い睡眠中に最も多く分泌されます。
睡眠の質を高めるために、以下の点を心がけましょう。
- 就寝前のスマホ・PC操作を控える:ブルーライトは脳を覚醒させ、眠りを妨げます。就寝1〜2時間前には使用を終えましょう。
- ぬるめのお風呂にゆっくり浸かる:38℃〜40℃のお湯に15分〜20分浸かると、副交感神経が優位になり、リラックスして入眠しやすくなります。
- 毎日同じ時間に寝て、同じ時間に起きる:体内時計を整えることが、質の高い睡眠につながります。
- カフェインやアルコールの摂取を控える:特に就寝前の摂取は、眠りを浅くする原因になります。
効果的なストレス解消法
現代社会でストレスをゼロにすることは困難。
自分に合ったストレス解消法を見つけ、上手に付き合っていくことが大切です。
- 軽い運動:ウォーキングやジョギング、ヨガなどの有酸素運動は、血行を促進し、気分転換にもなります。
- 趣味に没頭する時間を作る:読書、音楽鑑賞、映画鑑賞など、仕事や悩みを忘れられる時間を意識的に作りましょう。
- 深呼吸や瞑想:数分間、ゆっくりと深い呼吸を繰り返すだけでも、自律神経が整い、リラックス効果が得られます。
- 信頼できる人に話を聞いてもらう:悩みを一人で抱え込まず、友人や家族に話すことで、気持ちが楽になることもあります。
やってはいけないNG行動
良かれと思ってやっていることが、実は抜け毛を悪化させているかもしれません。
以下の行動は今日からやめましょう。
- 濡れたまま寝る:濡れた髪はキューティクルが開き、摩擦に非常に弱い状態です。枕との摩擦で髪が傷むだけでなく、濡れた頭皮は雑菌が繁殖しやすく、かゆみやフケ、臭いの原因になります。
- 自然乾燥に任せる:ドライヤーの熱を避けるために自然乾燥を選ぶ人もいますが、これもNGです。髪が濡れている時間が長引けば長引くほど、雑菌が繁殖しやすくなります。また、キューティクルが開いたまま乾燥するため、髪内部の水分が蒸発し、パサつきの原因にもなります。
- 高温で長時間ドライヤーをあてる:前述の通り、過度な熱は頭皮と髪にダメージを与えます。必ず適切な距離を保ち、温風と冷風を使い分けましょう。
これらのセルフケアを継続することで、頭皮環境は少しずつ改善され、ヘアサイクルが正常化し、抜け毛の減少が期待できます。
ただし、効果を実感するまでには最低でも3ヶ月〜6ヶ月はかかります。
焦らず、根気強く続けることが何よりも大切です。
ドライヤー時の抜け毛が改善しない場合は?専門家への相談を検討しよう
これまでご紹介したセルフケアを数ヶ月間続けても、一向に抜け毛が減らない、むしろ増えているように感じる…。
その場合は、自己判断で対策を続けるのではなく、専門家の力を借りることを推奨します。
抜け毛は身体からのSOSサインかもしれない
多くの抜け毛は、単なる美容の問題ではなく、AGAやFAGAといった進行性の脱毛症、あるいは甲状腺機能の異常、膠原病、栄養障害といった全身性の疾患の一症状として現れている可能性があります。
特に、抜け毛の量が異常に多い、特定の箇所だけが薄くなる、体毛も抜ける、体調不良(倦怠感、体重減少など)を伴うといった場合は、速やかに医療機関を受診すべきサイン。
放置することで、原因疾患が悪化したり、脱毛が不可逆的な状態になったりするリスクがあります。
皮膚科とAGA専門クリニックの違い
抜け毛の相談先として、主に「一般皮膚科」と「AGA・薄毛治療専門クリニック」の2つがあります。
どちらを受診すべきか迷う方のために、それぞれの特徴を解説します。
一般皮膚科
- 特徴:円形脱毛症や、頭皮の炎症(脂漏性皮膚炎など)が原因の抜け毛の診断・治療に適しています。健康保険が適用される治療が中心です。
- メリット:保険適用のため治療費を抑えられる場合がある。全身性の疾患が疑われる場合の窓口にもなる。
- デメリット:AGA・FAGA治療の専門性はクリニックによって差があり、最新の治療法(メソセラピーなど)に対応していない場合が多い。
AGA・薄毛治療専門クリニック
- 特徴:AGA(男性型脱毛症)やFAGA(女性男性型脱毛症)の治療に特化しています。
- メリット:薄毛治療に関する症例数が豊富で、専門的な知識を持つ医師が在籍。内服薬や外用薬だけでなく、メソセラピーや植毛など、幅広い治療の選択肢を提示してもらえます。無料カウンセリングを行っているところも多く、気軽に相談しやすいです。
- デメリット:治療の多くは自由診療となるため、保険適用の治療に比べて費用が高額になる傾向があります。
どちらを選ぶべきかは、ご自身の抜け毛の症状や原因によって異なります。
「頭皮にかゆみや赤みがある」場合はまず皮膚科へ、「生え際や頭頂部が薄くなってきた」などAGA・FAGAが疑われる場合は、最初から専門クリニックに相談するのが効率的かもしれません。
相談するタイミングの目安
「いつクリニックに行けばいいのかわからない」という方も多いでしょう。
以下のような状態が見られたら、一度専門家に相談するタイミングと考えてください。
- 3ヶ月以上セルフケアを続けても、抜け毛の量が減らない。
- 1日の抜け毛が明らかに100本を超えている日が続く。
- 抜けた毛に、細くて短いものが多く混じっている。
- 以前と比べて、髪のハリやコシがなくなった。
- 地肌が透けて見えるようになってきた。
- 家族や友人から薄毛を指摘された。
AGA・FAGAは進行性のため、治療の開始が早ければ早いほど、その進行を食い止め、良好な状態を維持しやすくなります。
手遅れになる前に、勇気を出して専門の扉を叩いてみましょう。
専門クリニックで受けられる薄毛治療の選択肢
AGA・FAGAは、医療機関で適切な治療を受けることで、その進行を抑制したり、発毛を促したりすることが可能。
ここでは、専門クリニックで提供されている代表的な治療法について、その概要と特徴を解説します。
AGA・FAGA治療の基本(内服薬・外用薬)
現在の薄毛治療の主流は、投薬による治療。
主に「抜け毛を抑える薬」と「発毛を促す薬」の2種類を組み合わせて用います。
内服薬(飲み薬)
- フィナステリド・デュタステリド(AGA治療):AGAの原因であるDHTの生成を抑制する薬です。ヘアサイクルを正常化させ、抜け毛を防ぎ、髪の毛の成長を助けます。
- スピロノラクトン(FAGA治療):男性ホルモンの働きを抑制する作用があり、女性の薄毛治療に用いられることがあります。
外用薬(塗り薬)
- ミノキシジル:頭皮の血管を拡張させて血行を促進し、毛母細胞を活性化させることで発毛を促す効果があります。日本皮膚科学会のガイドラインでも推奨度A(行うよう強く勧める)と評価されている成分です。濃度は1%〜15%程度まで様々で、症状に応じて処方されます。
これらの投薬治療は、AGA・FAGA治療の基本となり、多くのケースでまず検討される選択肢です。
植毛(自毛植毛)
投薬治療などを行っても満足のいく効果が得られなかった場合や、すでにある程度薄毛が進行してしまった部位に、確実な変化を望む場合の選択肢として「自毛植毛」があります。
これは、AGAの影響を受けにくい後頭部や側頭部の自分の髪の毛を、毛根ごと採取し、薄毛が気になる部分に移植する外科手術です。
- メリット:移植した髪の毛は、元の場所の性質を引き継ぐため、生えそろった後は半永久的に生え変わり続けます。自分の組織なので拒絶反応の心配もありません。見た目の変化が劇的で、満足度が非常に高い治療法です。
- デメリット:外科手術であるため、ダウンタイムがあり、費用も他の治療法に比べて高額になります。また、移植できる本数には限りがあります。
植毛は、薄毛治療における「最後の砦」とも言える確実な方法ですが、メリット・デメリットを十分に理解した上で検討する必要があります。
治療のメリット・デメリットと費用感
専門的な治療には、それぞれメリットとデメリットがあります。
メリット
- 医学的根拠に基づいた効果が期待できる。
- 自己流のケアよりも、効率的かつ効果的に悩みを改善できる可能性がある。
- 医師の管理下で治療を進めるため、副作用などにも迅速に対応してもらえる。
デメリット
- 自由診療のため、治療費が高額になる場合がある。
- 治療には即効性はなく、効果を実感するまでには数ヶ月〜1年程度の継続が必要。
- 医薬品であるため、副作用のリスクがゼロではない(ただし、頻度は低いものが多い)。
費用については、クリニックや治療内容によって大きく異なりますが、大まかな目安は以下の通りです。
- 投薬治療:月額15,000円〜30,000円程度
- 自毛植毛:100万円〜(移植する本数による)
多くのクリニックでは、初回のカウンセリングは無料で行っています。
まずは相談だけでもしてみることで、ご自身の状態に合った治療法や、具体的な費用について知ることができます。
まとめ:ドライヤー時の抜け毛を正しく理解し、適切な対策を
記事のポイントのまとめです。
今回は、ドライヤー時の抜け毛について、その平均本数から原因、対策、そして専門治療に至るまで、幅広く解説してきました。
ドライヤー時に抜ける20本〜40本の髪は、多くの場合、ヘアサイクルにおける自然な現象。
しかし、その本数が急激に増えたり、抜ける毛が細く短かったりする場合は、頭皮や体が発する危険なサインかもしれません。
もしセルフケアを続けても改善が見られない場合や、AGA・FAGAの兆候が見られる場合は、決して一人で悩まず、専門のクリニックに相談する勇気を持ってください。
早期の適切な治療は、あなたの髪の未来を大きく左右します。