はい、健康な人でも1日に50本から100本は抜けますが、これは1日全体の合計本数であり、その大部分がシャンプー時に集中することを考慮しても、シャンプーだけで80本〜100本近い数が抜けるのは異常な状態と言えます。
朝のブラッシングや日中の自然脱毛を合わせると1日の総数が150本を超えている可能性があり、新しい髪が生えるスピードを上回っているため、薄毛が進行するリスクが非常に高い状態です。
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- シャンプー時の抜け毛が80本〜100本はなぜ多いと言えるのか
- 抜け毛がひどくなる生活習慣や脱毛症などの原因
- 今日から実践できる正しいシャンプー方法や食生活の改善策
- セルフケアの限界と専門クリニックで受けられる治療法の種類
目次
- シャンプー時の抜け毛がひどい…80本〜100本は多い?
- シャンプー時の抜け毛がひどい場合のセルフケア術
- シャンプーの抜け毛がひどい場合は専門家への相談が必要なサイン
シャンプー時の抜け毛がひどい…80本〜100本は多い?
シャンプー時にある程度の髪が抜けるのは自然なことです。
しかし、その本数が毎回のように80本〜100本に達する場合、それは単なる生理現象ではなく、何らかの異常が起きている可能性を示唆する危険信号と捉えるべきです。
なぜシャンプーだけで80本〜100本は多いと言えるのか
シャンプーをする時だけで80本から100本、あるいはそれ以上の抜け毛が続く場合、それはヘアサイクルの乱れや、何らかの脱毛症が進行している可能性が高い状態です。
その理由は、1日の抜け毛の総本数が正常範囲を大きく超えている可能性が極めて高いからです。
仮に、抜け毛の大部分が集中するシャンプー時だけで100本抜けているとしましょう。
それに加えて、朝のスタイリング時や日中の自然な脱落分を考慮すると、1日の合計抜け毛は150本、あるいは200本近くに達しているかもしれません。
これは、新しい髪が生えてくるスピード(生産)を、髪が抜けるスピード(消費)が上回っている「赤字」の状態。
この状態が続けば、髪の毛全体のボリュームは徐々に減少し、薄毛が進行していくことになります。
例えば、シャンプーで90本の髪が抜け、朝起きて枕元に15本、日中に服や床に落ちている髪が30本あったとします。
この場合、1日の合計抜け毛は135本となり、正常範囲とされる100本を大幅に超えています。
このような日が1ヶ月、半年、1年と続いた場合、頭髪全体にどのような変化が現れるかは想像に難くないでしょう。
したがって、排水溝にたまる髪の毛の量をみて「いつもより明らかに多い」「数えてみたら80本以上あった」という日が続くのであれば、それは見過ごすべきではない、頭皮からの重要なSOSサインなのです。
本数だけじゃない!チェックすべき「危険な抜け毛」のサイン
抜け毛の「量」に加えて、「質」にも注意を払うことが、より正確に頭皮の状態を把握する上で重要になります。
シャンプー後に抜けた髪の毛を数本手に取り、よく観察してみてください。
以下のような特徴が見られる場合、注意が必要です。
毛根の形が異常
健康な抜け毛の毛根は、マッチ棒の先端のように、丸くふくらんでいるのが特徴。
これは、髪が寿命を全うして自然に抜けた証拠。
しかし、毛根がなかったり、歪な形をしていたり、ギザギザしていたりする場合は、成長途中の髪が何らかの外的要因で引き抜かれてしまった可能性があります。
また、毛根にベタっとした白い塊(皮脂)が付着している場合は、皮脂の過剰分泌が起きているサインかもしれません。
細く短い毛が多い
抜けた毛の中に、明らかに他の髪よりも細く、短い、いわゆる「産毛」のような毛が多数混じっている場合も危険な兆候。
これは、本来であれば太く長く成長するはずの「成長期」の髪が、その期間を十分に全うできずに短期間で抜け落ちてしまっていることを示しています。
この「成長期の短縮」は、後述するAGA(男性型脱毛症)やFAGA(女性男性型脱毛症)の典型的な症状の一つです。
これらの「質」のチェックを「量」のチェックと併せて行うことで、ご自身の抜け毛が正常なものか、あるいは対策が必要な異常なものかを、より高い精度で判断することができます。
まずは知っておきたい、髪の毛の基礎知識と正常な抜け毛
抜け毛について正しく理解するためには、まず髪の毛がどのように生え、そして抜けていくのかという基本的なメカニズムを知ることが重要。
多くの抜け毛は、実は生理現象の一環であり、過度に心配する必要がないケースもあります。
髪の毛が生え変わる仕組み「ヘアサイクル」とは?
私たちの髪の毛は、一本一本が独立した寿命を持っており、一定の周期で生え変わっています。
この周期のことを「ヘアサイクル(毛周期)」と呼びます。
ヘアサイクルは、大きく分けて3つの期間で構成されています。
成長期(2年〜6年)
髪の毛が活発に成長する期間。
毛母細胞が分裂を繰り返し、髪が太く長く伸びていきます。
通常、頭髪全体の約85%〜90%がこの成長期にあるとされています。
退行期(約2週間)
毛母細胞の分裂が停止し、髪の毛の成長が止まる期間。
毛根が徐々に小さくなり、頭皮の浅い部分へと移動していきます。
全体の約1%の髪がこの状態にあたります。
休止期(約3ヶ月〜4ヶ月)
髪の毛の成長が完全にストップし、自然に抜け落ちるのを待つだけの期間。
この休止期の髪は、ブラッシングやシャンプーなどのわずかな刺激で簡単に抜けます。
そして、その毛穴の奥では、次の新しい髪の毛(成長期の髪)が生まれ始めています。
全体の約10%〜15%がこの休止期にある髪です。
このヘアサイクルが正常に機能している限り、髪の毛は抜けても新しい髪が生えてくるため、全体の毛量はほぼ一定に保たれます。
つまり、「髪が抜けること」自体は、誰にでも起こるごく自然な現象なのです。
1日に抜ける髪の毛の平均本数は50本〜100本
では、具体的に1日に何本くらいの髪が抜けるのが正常なのでしょうか。
一般的に、健康な人の場合、1日に抜ける髪の毛の本数は平均して50本から100本程度と言われています。
もちろん、これには個人差があり、髪の総本数が多い人ほど抜け毛も多くなる傾向があります。
また、季節によっても変動があり、特に秋口は夏の間に受けた紫外線ダメージや気候の変化により、抜け毛が増えやすいと感じる方もいるでしょう。
重要なのは、この50本から100本という数字は、朝起きた時、日中、そしてシャンプー時など、1日を通して抜ける髪の毛の合計本数であるという点です。
なぜシャンプーで抜け毛がひどくなる?考えられる9つの原因
シャンプー時の抜け毛が危険な水準に達している場合、その背景には様々な原因が考えられます。
それは日々のヘアケア習慣から生活習慣、ストレス、さらには病気に至るまで多岐にわたります。
ここでは、考えられる主な原因を9つに分けて詳しく解説していきます。
原因1:間違ったシャンプーの方法
毎日行っているシャンプーが、実は頭皮にダメージを与え、抜け毛を助長しているケースは少なくありません。
以下のような洗い方をしていないか、ご自身の習慣を振り返ってみてください。
洗いすぎ・洗浄力の強すぎるシャンプー
頭皮の汚れを落とそうと、1日に何度もシャンプーをしたり、洗浄力の非常に強いシャンプーを使ったりすると、頭皮を守るために必要な皮脂まで奪ってしまいます。
これにより頭皮が乾燥し、バリア機能が低下。
かえって皮脂が過剰に分泌されたり、外部からの刺激に弱くなったりして、抜け毛に繋がります。
爪を立ててゴシゴシ洗う
頭皮を爪で掻くように洗うと、頭皮に無数の細かい傷がつき、そこから雑菌が侵入して炎症を起こす原因となります。
頭皮環境の悪化は、健康な髪の成長を妨げる直接的な要因です。
すすぎ残し
シャンプー剤やコンディショナーが頭皮や髪の生え際に残っていると、それが毛穴を塞ぎ、炎症やかゆみ、フケの原因となります。
毛穴の詰まりは、髪の成長を阻害し、抜け毛を引き起こします。
熱すぎるお湯の使用
40度を超えるような熱いお湯は、頭皮に必要な皮脂を過剰に奪い、乾燥を招きます。
シャワーの適温は、38度程度のぬるま湯です。
原因2:あなたに合っていないシャンプー剤
市場には多種多様なシャンプー剤が溢れていますが、自分の頭皮タイプに合わないものを使用し続けると、頭皮環境を悪化させる原因になります。
シャンプーの洗浄成分(界面活性剤)は、主に以下の3つのタイプに分けられます。
高級アルコール系
市販のシャンプーに最も多く使われているタイプ。
「ラウレス硫酸Na」「ラウリル硫酸Na」などが主な成分。
泡立ちが良く洗浄力が高いのが特徴ですが、その分、頭皮への刺激が強く、乾燥肌や敏感肌の方には不向きな場合があります。
石けん系
天然由来の成分でできており、洗浄力は比較的高めです。
さっぱりとした洗い上がりが特徴ですが、髪がきしみやすく、アルカリ性であるためキューティクルが開きやすいという側面もあります。
アミノ酸系
洗浄力がマイルドで、頭皮への刺激が少ないのが最大の特徴。
「ココイルグルタミン酸Na」「ラウロイルメチルアラニンNa」などが代表的な成分。
頭皮の潤いを保ちながら優しく洗い上げるため、乾燥肌や敏感肌の方、抜け毛が気になる方におすすめです。
ただし、洗浄力が穏やかな分、スタイリング剤などを多用する方には物足りなく感じることもあります。
ご自身の頭皮が乾燥しがちか、あるいはベタつきやすいかといった状態を把握し、それに合った洗浄成分のシャンプーを選ぶことが重要です。
原因3:頭皮環境の悪化
健康な髪は、健康な土壌(頭皮)から育ちます。
頭皮環境が悪化していると、髪の成長が妨げられ、抜け毛が増えるのは必然です。
皮脂の過剰分泌や乾燥
前述の通り、皮脂が多すぎれば毛穴が詰まり、少なすぎればバリア機能が低下してしまいます。
フケやかゆみ、炎症
これらは頭皮で何らかのトラブルが起きているサイン。
脂漏性皮膚炎や接触性皮膚炎などの皮膚疾患が隠れている可能性もあります。
血行不良
頭皮の毛細血管は、髪の成長に必要な栄養素や酸素を毛母細胞に届ける重要な役割を担っています。
血行が悪くなると、栄養が十分に行き渡らず、髪が細くなったり、成長が止まってしまったりします。
原因4:生活習慣の乱れ
髪は、私たちが日々摂取する栄養から作られています。
そのため、食生活をはじめとする生活習慣の乱れは、髪の健康に直接的な影響を及ぼします。
栄養バランスの偏った食事
髪の主成分は「ケラチン」というタンパク質。
肉、魚、卵、大豆製品などのタンパク質が不足すると、髪の材料そのものが足りなくなります。
また、タンパク質の合成を助ける亜鉛や、頭皮の健康を保つビタミン群(特にビタミンB群、C、E)も不可欠。
ジャンクフードやインスタント食品中心の食生活は、これらの栄養素が不足しがちなので注意が必要です。
睡眠不足
髪の成長を促す「成長ホルモン」は、私たちが眠っている間に最も多く分泌されます。
特に、入眠後の深いノンレム睡眠中に分泌が活発になります。
睡眠時間が不足したり、眠りの質が悪かったりすると、成長ホルモンの分泌が減少し、髪の成長に悪影響を及ぼします。
運動不足
適度な運動は、全身の血行を促進する効果があります。
運動不足になると、血行が悪化しやすく、頭皮にも十分な栄養が届きにくくなります。
原因5:心身のストレス
「ストレスで髪が抜ける」というのは、決して気のせいではありません。
過度な精神的・肉体的ストレスは、自律神経やホルモンバランスの乱れを引き起こします。
自律神経のうち、緊張状態のときに優位になる「交感神経」が働き続けると、血管が収縮し、頭皮の血行が悪化します。
これにより、毛母細胞への栄養供給が滞り、抜け毛が増えることがあります。
また、強いストレスが引き金となって「円形脱毛症」を発症するケースもあります。
原因6:ホルモンバランスの変化
ホルモンは、髪の成長と密接に関わっています。
特に女性の場合、ライフステージの変化に伴うホルモンバランスの変動が、抜け毛の大きな原因となることがあります。
産後の抜け毛(分娩後脱毛症)
妊娠中は、女性ホルモンである「エストロゲン」の分泌量が高い状態で維持され、本来なら休止期に入るはずの髪が抜けずに成長を続けます。
しかし、出産を終えるとエストロゲンが急激に減少し、成長を続けていた髪が一斉に休止期に入るため、一時的に抜け毛が急増します。
これは通常、産後半年から1年程度で自然に回復します。
更年期
更年期を迎えると、女性ホルモンの分泌が減少し、相対的に男性ホルモンの影響が強まることがあります。
これにより、髪のハリやコシがなくなり、全体的に薄くなる「びまん性脱毛症」や、後述するFAGAを発症しやすくなります。
原因7:過度なダイエット
美しくなるためのダイエットが、かえって髪の健康を損なうことがあります。
食事量を極端に制限するような過度なダイエットは、髪の成長に必要なタンパク質、ビタミン、ミネラルといった栄養素の絶対的な不足を招きます。
体は生命維持に重要な臓器から優先的に栄養を回すため、髪の毛への栄養供給は後回しにされてしまうのです。
結果として、髪が細くなったり、抜け毛が増えたりします。
原因8:特定の病気や薬の副作用
抜け毛は、体の内部に隠れた病気のサインである可能性もあります。
甲状腺機能の異常
甲状腺ホルモンは、体の新陳代謝を司るホルモンであり、髪の成長にも関わっています。
このホルモンの分泌が多すぎる「甲状腺機能亢進症(バセドウ病)」や、少なすぎる「甲状腺機能低下症(橋本病)」では、症状の一つとして脱毛が見られることがあります。
鉄欠乏性貧血
特に女性に多い貧血ですが、血液中のヘモグロビンが減少すると、全身に酸素を十分に運搬できなくなります。
頭皮も酸欠状態となり、毛母細胞の働きが低下して抜け毛に繋がります。
膠原病
自己免疫疾患である膠原病の一部でも、脱毛が症状として現れることがあります。
また、治療のために服用している薬の副作用として、脱毛が起こることもあります。
代表的なものに抗がん剤がありますが、他にも一部の降圧剤や抗うつ薬などで報告されています。
原因9:進行性の脱毛症(AGA・FAGA)
上記のような原因に心当たりがなく、セルフケアをしても抜け毛が減らない場合、それは進行性の脱毛症である「AGA(男性型脱毛症)」や「FAGA(女性男性型脱毛症)」を発症している可能性があります。
AGA(Androgenetic Alopecia)
男性ホルモンの一種である「テストステロン」が、「5αリダクターゼ」という酵素と結びつくことで、より強力な「ジヒドロテストステロン(DHT)」に変換されます。
このDHTが、毛根にある受容体と結合すると、髪の成長期を著しく短縮させる信号を出します。
その結果、髪が太く長く成長する前に抜け落ちてしまい、徐々に薄毛が進行していきます。
生え際の後退や頭頂部の薄毛が特徴です。
FAGA(Female Androgenetic Alopecia)
女性の薄毛も、男性ホルモンが関与していると考えられていますが、そのメカニズムはAGAほど明確には解明されていません。
女性ホルモンの減少による相対的な男性ホルモンの影響、頭皮の血行不良、ストレスなど、複数の要因が複雑に絡み合って発症すると考えられています。
頭頂部を中心に髪が全体的に薄くなり、地肌が透けて見えるようになるのが特徴です。
AGAやFAGAは進行性の脱毛症であり、残念ながら生活習慣の改善や市販の育毛剤といったセルフケアだけで進行を食い止め、改善させることは極めて困難です。
シャンプー時の抜け毛がひどい場合のセルフケア術
原因が多岐にわたるからこそ、対策も多角的に行うことが重要です。
ここでは、進行性の脱毛症(AGA/FAGA)以外の原因による抜け毛に対して、今日から自分で始められる具体的なセルフケア方法を6つのステップに分けてご紹介します。
ステップ1:正しいシャンプー方法をマスターする
まずは、抜け毛が最も気になるシャンプーそのものを見直すことから始めましょう。
以下の手順を参考に、頭皮をいたわる洗髪を心がけてください。
予洗い(約1分〜2分)
シャンプーをつける前に、38度程度のぬるま湯で頭皮と髪を十分に濡らします。
指の腹を使って頭皮を優しくマッサージするように洗い流すことで、汗やホコリ、皮脂汚れの7割程度は落とすことができます。
予洗いをしっかり行うことで、シャンプーの使用量を減らし、泡立ちを良くする効果もあります。
泡立て
シャンプーを直接頭皮につけるのではなく、一度手のひらに取り、少量のお湯を加えて軽く泡立ててから髪全体になじませます。
こうすることで、洗浄成分が一部分に集中するのを防ぎ、頭皮への刺激を和らげることができます。
優しく洗う
指の腹を使い、頭皮をマッサージするように優しく洗います。
爪を立てるのは絶対に避けてください。
下から上へ、ジグザグに指を動かしながら、毛穴の汚れを揉み出すようなイメージで洗いましょう。
洗う時間は1分〜2分程度で十分です。
念入りにすすぐ(2分〜3分)
シャンプーで洗った時間の倍以上の時間をかけて、丁寧にすすぎます。
特に、髪の生え際(額、こめかみ、襟足)や耳の後ろは、すすぎ残しが起こりやすい部分なので意識して洗い流しましょう。
頭皮にぬめり感がなくなるまで、しっかりとすすぐことが重要です。
しっかり乾かす
タオルドライは、ゴシゴシこするのではなく、タオルで頭皮と髪を優しく挟み込むようにして水分を吸い取ります。
その後、ドライヤーで髪の根元から乾かしていきます。
頭皮から20cm以上離し、同じ場所に熱風が当たり続けないようにドライヤーを振りながら乾かすのがポイント。
濡れたまま放置すると雑菌が繁殖し、頭皮トラブルの原因になるため、必ず完全に乾かしましょう。
ステップ2:自分の頭皮に合ったシャンプーを選ぶ
正しい方法で洗うことと同じくらい、使用するシャンプー剤選びも重要。
前述のシャンプーの種類を参考に、ご自身の頭皮タイプに合ったものを選びましょう。
簡単な頭皮タイプチェック
- 夕方になると髪がベタつく、頭皮が脂っぽい → 脂性肌タイプ
- 頭皮がカサつき、フケが出やすい、洗髪後につっぱり感がある → 乾燥肌タイプ
- 少しの刺激で赤みやかゆみが出やすい → 敏感肌タイプ
抜け毛や頭皮の乾燥が気になる場合は、洗浄力がマイルドで保湿成分が配合された「アミノ酸系シャンプー」がおすすめです。
逆に、脂性肌でベタつきが気になる場合は、適度な洗浄力のある石けん系や、アミノ酸系の中でもさっぱりとした洗い上がりのものを選ぶと良いでしょう。
また、「ノンシリコンシャンプー」が必ずしも良いというわけではありません。
シリコン(ジメチコンなど)は髪の指通りを良くし、摩擦によるダメージを防ぐコーティング剤。
毛穴に詰まるという説もありますが、現在の製品に使われているシリコンは粒子が細かく、きちんとすすげば問題ないことがほとんどです。
ご自身の髪質や好みの使用感に合わせて選ぶことが大切です。
ステップ3:頭皮の血行を促進するマッサージ
硬くなった頭皮は血行不良のサイン。
頭皮マッサージは、血行を促進し、毛母細胞に栄養を届ける手助けをします。
リラックス効果もあるため、ストレス解消にも繋がります。
簡単なセルフマッサージ
- 両手の指の腹を使い、こめかみあたりを円を描くように優しくほぐします。(1分)
- 両手の指を組み、頭全体を包み込むように持ち、頭皮を頭蓋骨から動かすようなイメージで前後左右に動かします。(1分)
- 指の腹で、頭頂部にある「百会(ひゃくえ)」というツボを心地よい強さで数秒間押します。(数回繰り返す)
シャンプー中や、お風呂上がりの体が温まっている時に行うとより効果的。
ここでも爪を立てず、指の腹を使うことを徹底してください。
ステップ4:髪と頭皮が喜ぶ食生活を心がける
美しい髪は、内側からの栄養によって作られます。
バランスの取れた食事は、抜け毛対策の基本中の基本。
特に意識して摂取したい栄養素は以下の通りです。
- タンパク質:髪の主成分「ケラチン」の材料。肉、魚、卵、大豆製品、乳製品に豊富。
- 亜鉛:タンパク質を髪の毛に合成する際に不可欠なミネラル。牡蠣、レバー、牛肉(赤身)、チーズ、ナッツ類などに多く含まれます。
- ビタミンB群:頭皮の新陳代謝を促し、皮脂のバランスを整える働きがあります。特にビタミンB2(レバー、卵、納豆)やB6(マグロ、カツオ、バナナ)が重要です。
- ビタミンC:コラーゲンの生成を助け、頭皮の血管を丈夫にする働きがあります。また、鉄分の吸収を助けます。ピーマン、ブロッコリー、キウイフルーツなどに豊富です。
- ビタミンE:強い抗酸化作用を持ち、血行を促進する効果があります。ナッツ類、アボカド、植物油などに多く含まれます。
これらの栄養素を特定の食品だけで摂るのではなく、様々な食材を組み合わせて、バランス良く摂取することを心がけましょう。
ステップ5:質の高い睡眠で成長ホルモンを分泌させる
睡眠は、日中に受けたダメージを修復し、髪を成長させるための大切な時間です。
かつては「夜22時〜深夜2時が髪のゴールデンタイム」と言われていましたが、近年の研究では、時間帯そのものよりも「入眠後、最初の3時間に訪れる深いノンレム睡眠」が最も重要であると考えられています。
この時間帯に成長ホルモンが最も多く分泌されるためです。
睡眠の質を高めるために、以下のことを試してみましょう。
- 就寝1〜2時間前に入浴し、体を深部から温める。
- 就寝前のスマートフォンやパソコンの使用を控える(ブルーライトは睡眠を妨げます)。
- カフェインやアルコールの摂取は就寝3〜4時間前までにする。
- 寝室を暗く、静かで快適な温度に保つ。
ステップ6:上手なストレス解消法を見つける
現代社会でストレスを完全になくすことは難しいですが、上手に発散する方法を見つけることは可能。
ストレスが溜まると自律神経が乱れ、血行不良やホルモンバランスの乱れに繋がり、抜け毛の原因となります。
- 軽い運動(ウォーキング、ヨガなど)
- 趣味に没頭する時間を作る
- 友人や家族と話す
- 自然の多い場所に出かける
- 瞑想や深呼吸でリラックスする
自分に合った方法で、心と体をリフレッシュする時間を意識的に作ることが、巡り巡って髪の健康にも繋がります。
シャンプーの抜け毛がひどい場合は専門家への相談が必要なサイン
ここまでご紹介したセルフケアは、頭皮環境や生活習慣の乱れが原因の抜け毛に対しては非常に有効。
しかし、これらの対策を続けても一向に改善が見られない場合は、別の原因を考える必要があります。
セルフケアを続けても抜け毛が減らない場合
食生活の改善や正しいヘアケアなど、生活習慣の見直しを始めてから効果が実感できるまでには、少なくとも3ヶ月から6ヶ月程度の時間が必要。
これは、新しい髪が生え、ヘアサイクルが正常化するのに時間がかかるためです。
しかし、半年以上セルフケアを続けてもシャンプー時の抜け毛が80本を超える日が続いたり、抜け毛が減るどころかむしろ増えているように感じたり、あるいは抜け毛の本数だけでなく、髪のハリやコシが失われて地肌が透けて見えるようになってきたりした場合は、セルフケアの限界を超えている可能性が高いと言えます。
なぜ専門のクリニックに相談すべきなのか
そのような場合、一人で悩み続けたり、高価な育毛剤を次々と試したりするよりも、皮膚科や薄毛治療を専門とするクリニックで、一度専門家の診断を受けることを強くお勧めします。
一般的な皮膚科でも相談は可能ですが、薄毛治療を専門とするクリニックには、より専門的な知識と診断設備が整っています。
専門クリニックでは、マイクロスコープを使って頭皮の状態や毛穴、毛根の様子を詳細に観察したり、場合によっては血液検査を行って体内の栄養状態やホルモン値を調べたりすることで、抜け毛の根本原因を正確に特定することができます。
原因がわからなければ、正しい対策は打てません。
医師の診断に基づき、自分にとって本当に必要なアプローチを知ることが、改善への最も確実な近道となるのです。
進行性の抜け毛に対する専門的な治療法とは?
もし、専門クリニックでの診断の結果、あなたの抜け毛の原因がAGA(男性型脱毛症)やFAGA(女性男性型脱毛症)といった進行性の脱毛症であった場合、セルフケアに加えて、医学的根拠に基づいた治療が必要となります。
ここでは、代表的な治療法について、あくまで客観的な情報としてご紹介します。
これらの治療は医師の診断と処方が必要であり、自由診療となる場合がほとんどです。
AGA(男性型脱毛症)の主な治療法
AGA治療の基本は、抜け毛の原因であるDHTの生成を抑制し、ヘアサイクルを正常化させることです。
内服薬
フィナステリドやデュタステリドといった成分の薬が用いられます。
これらは、DHTの生成に関わる酵素「5αリダクターゼ」の働きを阻害する作用があります。
ヘアサイクルの乱れに直接アプローチするため、AGA治療の中心的役割を担います。
副作用として、ごく稀に性機能の低下や肝機能障害、また治療開始初期に一時的に抜け毛が増える「初期脱毛」が起こることがあります。
外用薬
ミノキシジルという成分の塗り薬が用いられます。
頭皮の血管を拡張させて血行を促進し、毛母細胞に直接働きかけて発毛を促す効果が期待できます。
副作用として、頭皮のかゆみやかぶれ、動悸などが報告されています。
FAGA(女性男性型脱毛症)の主な治療法
女性の薄毛治療は、原因が複合的であるため、複数のアプローチを組み合わせて行われることが多くなります。
外用薬
男性同様、ミノキシジルの外用薬が治療の第一選択肢となることが多いです。
女性の場合は、男性用よりも濃度の低い製剤が推奨されています。
内服薬
スピロノラクトンという、もともとは利尿薬や降圧剤として使われる薬が、男性ホルモンの働きを抑制する作用があることから、FAGA治療に応用されることがあります。
ただし、日本では薄毛治療薬としての承認は受けておらず、医師の判断による処方となります。
サプリメントや栄養療法
髪の成長に必要な栄養素(パントテン酸、ケラチン、亜鉛など)を補給するサプリメントの処方や、栄養指導が行われることもあります。
植毛
薬物療法で十分な効果が得られない場合や、薄くなった部分を確実に取り戻したい場合には、「自毛植毛」という選択肢もあります。
これは、男性ホルモンの影響を受けにくい後頭部や側頭部の自分の髪の毛を、毛根ごと採取し、薄毛が気になる生え際や頭頂部に移植する外科手術。
自分の組織を使うため拒絶反応のリスクが低く、一度生着すれば半永久的に生え変わり続けるというメリットがあります。
一方で、外科手術であるためダウンタイムがあり、治療費も高額になるというデメリットも存在します。
まとめ:シャンプー時の抜け毛がひどい場合は、AGA/FAGAの可能性も
記事のポイントのまとめです。
この記事では、シャンプー時の抜け毛について、その本数の目安から原因、対策までを詳しく解説してきました。
最後に、重要なポイントを改めて整理します。
- 1日の正常な抜け毛は50本〜100本。その多くはシャンプー時に抜ける。
- しかし、シャンプー時だけで80本〜100本抜ける日が続くのは、薄毛が進行している危険信号の可能性が高い。
- 抜け毛の原因は、ヘアケア、生活習慣、ストレス、ホルモンバランス、病気、そしてAGA/FAGAなど多岐にわたる。
- まずは、正しいシャンプーや生活習慣の改善といったセルフケアを試みることが第一歩。
- セルフケアを3ヶ月〜6ヶ月続けても改善しない場合は、決して一人で悩まず、薄毛治療を専門とするクリニックに相談することが、根本的な解決への最も確実な道筋です。
シャンプーのたびに排水溝を見てため息をつく日々は、精神的にもつらいものです。
しかし、抜け毛はあなたの頭皮が発している重要なサイン。
そのサインに正しく気づき、適切な行動を起こすことで、未来は大きく変わります。