薄毛

産後の薄毛が戻らない理由と対策!抜け毛が一年以上続いているけど大丈夫?

    片手で生後6ヶ月ほどの赤ちゃんを抱えた女性が抜けた毛を見てびっくりしている様子
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    質問:産後の抜け毛が1年以上経っても戻らないのはなぜですか?
    回答

    産後の抜け毛が長引くのは、出産によるホルモンバランスの急激な変化に加え、育児に伴う「慢性的なストレス」「睡眠不足」「栄養不足」などが複合的に影響し、体の回復を遅らせているためです。

    通常、ホルモンバランスは産後1年ほどで整いますが、これらの要因が重なるとヘアサイクルが正常に戻らず、抜け毛が続いたり新しい髪が育ちにくくなったりします。

    そのため、生活習慣全体を見直し、体の内側から健やかな状態へ整えていくことが、改善への第一歩となります。

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    当記事のここがポイント
    • 産後の抜け毛が長引く原因と「分娩後脱毛症」の仕組み
    • 日常生活で実践できる食事・睡眠・ヘアケアなどのセルフケア対策
    • 抜け毛が続く場合に考えられるFAGA(女性男性型脱毛症)との違い
    • 専門クリニックで受けられる薄毛治療の具体的な内容と注意点

    目次

    産後の薄毛が戻らない理由

    産後の薄毛が戻らない…考えられる5つの理由

    通常の分娩後脱毛症であれば、1年ほどで落ち着くはずなのに、なぜあなたの薄毛は戻らないのでしょうか。

    それには、ホルモンバランス以外の複数の要因が複雑に絡み合っている可能性が考えられます。

    理由1:ホルモンバランスの乱れが長引いている

    出産によって急激に減少した女性ホルモンは、通常であれば時間をかけて徐々に回復していきます。

    しかし、育児によるストレスや不規則な生活が続くことで、ホルモンバランスの回復が遅れてしまうことがあります。

    ホルモンバランスを司っているのは、脳の視床下部や下垂体といった部分ですが、ここは自律神経の中枢でもあります。

    強いストレスや睡眠不足が続くと自律神経が乱れ、それがホルモンバランスの乱れにも繋がってしまうのです。

    ホルモンバランスが不安定な状態では、正常なヘアサイクルが再開されにくく、抜け毛が長引いたり、新しい髪が育ちにくくなったりする原因になります。

    理由2:育児による慢性的なストレス

    「夜泣きで眠れない」「授乳がうまくいかない」「ワンオペ育児で休む暇がない」など、産後のママは心身ともに極度のストレスにさらされています。

    初めての育児であれば、そのプレッシャーは計り知れません。

    過度なストレスは、自律神経のバランスを崩し、血管を収縮させる原因となります。

    頭皮の血管が収縮すると、血行が悪化し、髪の毛の成長に必要な栄養や酸素が毛根まで十分に行き渡らなくなります。

    栄養不足に陥った毛根では、健康な髪を育てることができず、結果として抜け毛が増えたり、髪が細くなったりしてしまうのです。

    理由3:睡眠不足による成長ホルモンの減少

    赤ちゃんのいる生活では、まとまった睡眠時間を確保することは非常に困難。

    数時間おきの授乳やおむつ替えで、慢性的な睡眠不足に陥っているママは少なくないでしょう。

    しかし、睡眠中、特に深い眠り(ノンレム睡眠)に入っている間に、私たちの体では「成長ホルモン」が分泌されます。

    この成長ホルモンは、体の細胞を修復したり、新陳代謝を促したりする重要な役割を担っており、もちろん髪の毛の成長にも不可欠です。

    睡眠不足が続くと、この成長ホルモンの分泌が減少し、髪の毛の成長やダメージの修復が追いつかなくなります。

    これも、抜け毛が長引き、新しい髪が生えにくい状態を招く一因となります。

    理由4:偏った食事による栄養不足

    育児に追われるあまり、自分の食事は後回しになりがちです。

    パンやおにぎりだけで済ませたり、子どもの食べ残しで済ませたりと、栄養バランスが偏ってしまうことも多いのではないでしょうか。

    髪の毛は、主に「ケラチン」というタンパク質から作られています。

    そのため、タンパク質が不足すると、健康な髪を作ることができません。

    また、タンパク質を髪の毛に合成する際には「亜鉛」が、頭皮に栄養を運ぶためには「鉄分」が、頭皮環境を整えるためには各種「ビタミン」が必要です。

    これらの栄養素が一つでも不足すると、髪は細く、弱々しくなり、抜けやすい状態になってしまいます。

    特に、母乳育児をしている場合は、母乳を通して赤ちゃんに多くの栄養が移行するため、ママ自身が栄養不足に陥りやすい傾向があります。

    理由5:頭皮環境の悪化

    産後の忙しさから、ヘアケアにかける時間が取れなくなることも、薄毛を助長する一因です。

    例えば、シャンプーをしっかり洗い流せていなかったり、逆に洗いすぎて必要な皮脂まで落としてしまったりすると、頭皮が乾燥したり、雑菌が繁殖したりして、頭皮環境が悪化します。

    また、疲れて髪を乾かさずに寝てしまうと、頭皮が蒸れて血行不良や炎症を引き起こすこともあります。

    フケやかゆみ、赤みといった症状がある場合は、頭皮がSOSサインを出している証拠。

    不健康な頭皮という土壌では、健康な髪という作物を育てることはできません。

    なぜ産後に髪が抜けるの?「分娩後脱毛症」のメカニズム

    そもそも、なぜ出産後にこれほど多くの髪が抜けてしまうのでしょうか。

    その主な原因は、妊娠から出産にかけて起こる、女性ホルモンの劇的な変化にあります。

    女性ホルモンの急激な変化が最大の原因

    女性の体は、妊娠すると「プロゲステロン(黄体ホルモン)」と「エストロゲン(卵胞ホルモン)」という2つの女性ホルモンの分泌量が急激に増加します。

    特にエストロゲンには、髪の毛の成長期を維持し、髪を太く、抜けにくくする働きがあります。

    妊娠中に髪がツヤツヤになったり、毛量が増えたように感じたりするのは、このエストロゲンの影響が大きいのです。

    本来であれば、成長期を終えて「退行期」「休止期」へと移行し、自然に抜け落ちるはずの髪の毛が、エストロゲンの力によって「成長期」の状態のまま留められています。

    しかし、出産を終えると、胎盤が排出されるとともに、これらの女性ホルモンの分泌量は一気に妊娠前の状態まで減少します。

    妊娠中に抜けなかった髪が一気に抜ける「休止期脱毛」

    出産によって、髪の成長を支えていたエストロゲンという”応援団”がいなくなると、これまで成長期に留まっていた大量の髪の毛が一斉に「休止期」へと移行します。

    そして、休止期に入った髪の毛は、その約3ヶ月後に一気に抜け落ちていきます。

    これが「分娩後脱毛症」の正体であり、「休止期脱毛」と呼ばれる現象の一種。

    病気や異常ではなく、ホルモンバランスの変動によって引き起こされる生理的な現象なのです。

    抜けているのは、妊娠中に抜けずにいた髪の毛が、まとめて抜けているだけ、と考えると少し安心できるかもしれません。

    通常は産後半年~1年ほどで落ち着く

    この抜け毛のピークは産後4~6ヶ月頃に訪れることが多く、多くの場合は産後半年から1年程度でホルモンバランスが安定し、抜け毛の量は徐々に落ち着いていきます。

    そして、毛根が正常なヘアサイクルを取り戻せば、また新しい髪の毛(産毛)が生え始め、時間をかけて元の状態に戻っていきます。

    しかし、この「1年」という期間はあくまで目安。

    育児環境や生活習慣、体質などによって回復のペースには個人差があるため、1年を少し過ぎたからといって、すぐに「異常だ」と判断する必要はありません。

    抜け毛が1年以上…これって大丈夫?注意すべきサインとは

    産後の抜け毛が1年以上続くと、「何か病気なのでは?」と深刻に悩んでしまう方もいるでしょう。

    ここでは、どのような場合が様子を見て大丈夫で、どのような場合に注意が必要なのか、その目安について解説します。

    基本的には心配しすぎなくても大丈夫なケース

    前述の通り、産後の体の回復スピードには大きな個人差があります。

    ホルモンバランスの乱れや生活習慣の乱れが長引けば、抜け毛が落ち着くまでに1年以上かかることも決して珍しくはありません。

    特に、以下の様な状況であれば、過度に心配しすぎる必要はないと考えられます。

    • 抜け毛の量が、ピーク時に比べると少しずつ減ってきている。
    • 短い産毛や、ツンツンとした新しい毛が生えてきているのが確認できる。
    • 薄毛以外の症状(ひどいかゆみ、フケ、湿疹、痛みなど)がない。

    このような場合は、体の回復が少しゆっくり進んでいるだけかもしれません。

    焦らず、後述するセルフケアを継続し、気長に様子を見てみましょう。

    1年半~2年経っても改善しない場合は注意が必要

    もし、産後1年半から2年が経過しても、抜け毛の量が全く減らない、あるいはむしろ増えているように感じる場合は、単なる分娩後脱毛症ではない可能性も考えられます。

    また、新しい髪が生えてくる気配が全くなく、地肌の透ける範囲がどんどん広がっているように感じる場合も注意が必要。

    このような状態が続くときは、他の原因が隠れている可能性を疑い、一度専門家に相談することを検討した方が良いでしょう。

    薄毛以外の症状(かゆみ、フケ、湿疹など)はないか

    抜け毛に加えて、頭皮に強いかゆみ、大量のフケ、赤み、湿疹、痛みなどの症状がある場合は、「脂漏性皮膚炎(しろうせいひふえん)」や「接触性皮膚炎」といった頭皮の病気の可能性があります。

    これらの皮膚炎は、皮脂の過剰分泌や、シャンプーなどのヘアケア製品が合わないことなどが原因で起こります。

    頭皮に炎症が起きている状態では、正常な育毛が妨げられるため、抜け毛の原因となったり、薄毛を悪化させたりすることがあります。

    症状が改善しない場合は、皮膚科を受診しましょう。

    全体的に髪が薄くなる「びまん性脱毛症」の可能性

    分娩後脱毛症は、主に生え際や頭頂部が目立ちやすい傾向がありますが、髪全体のボリュームが減って、地肌が全体的に透けて見えるようになる場合は、「びまん性脱毛症」の可能性があります。

    びまん性脱毛症は、特定の原因だけでなく、加齢、ストレス、栄養不足、ホルモンバランスの乱れなど、様々な要因が複合的に絡み合って発症する、女性に多い脱毛症。

    産後の身体的な・精神的な負担が引き金となって、このびまん性脱毛症に移行してしまうケースも考えられます。

    母乳育児は薄毛に関係する?

    「母乳育児をしていると、髪が抜けやすいって本当?」

    「ミルクに切り替えた方が、薄毛は早く治るの?」

    産後のママたちの間で、まことしやかに囁かれるこの噂。

    結論から言うと、母乳育児自体が、抜け毛の直接的な原因になるわけではありません。

    母乳育児が抜け毛の直接的な原因ではない

    産後の抜け毛の最も大きな原因は、あくまで出産に伴うホルモンバランスの急激な変化。

    これは、母乳育児をしているか、ミルク育児をしているかに関わらず、出産したすべての女性に起こる現象です。

    実際に、ミルク育児をしているママでも、産後の抜け毛に悩む方は大勢います。

    ですから、「母乳をあげているから髪が抜けるんだ」と自分を責めたり、薄毛を理由に断乳を考えたりする必要は全くありません。

    ただし、栄養不足が抜け毛を助長する可能性は否定できない

    一方で、母乳育児が産後の薄毛に「間接的に」影響を与える可能性はあります。

    それは、栄養面での影響です。

    母乳は、ママの血液から作られています。

    赤ちゃんが健やかに成長するために必要な栄養素が、母乳を通してママの体から赤ちゃんへと届けられます。

    これはつまり、ママ自身が栄養不足に陥りやすい状態にある、ということです。

    特に、髪の毛の主成分であるタンパク質や、髪の成長に欠かせない鉄分、亜鉛、ビタミン類などは、母乳の生成に優先的に使われます。

    そのため、ママ自身の食事からの摂取が不十分だと、髪の毛を作るための栄養が後回しにされ、不足してしまうのです。

    この栄養不足が、抜け毛を助長したり、新しい髪の成長を妨げたりする一因となることは考えられます。

    ママの栄養が最優先!バランスの取れた食事を心がけよう

    これを理解した上で大切なのは、「母乳育児をやめる」ことではなく、「栄養不足にならないように、いつも以上にバランスの取れた食事を意識する」ことです。

    赤ちゃんのためにも、そしてご自身の髪と健康のためにも、ママがしっかりと栄養を摂ることが何よりも重要。

    もし、薄毛の回復を早めたいと考えるのであれば、母乳育児の是非を悩むよりも、まずは日々の食生活を見直すことから始めてみましょう。

    今日から始められる!産後の薄毛セルフケア対策

    長引く薄毛に悩んでいると、何か特別なことをしなければならないと思いがちですが、まずは日々の生活習慣を見直すことが、改善への一番の近道。

    ここでは、「食事」「生活習慣」「ヘアケア」の3つの観点から、今日からすぐに実践できるセルフケア対策をご紹介します。

    【食事編】髪の成長をサポートする栄養素と摂り方

    あなたの体と髪は、あなたが食べたもので作られています。

    特に産後は、意識して栄養を摂ることが大切です。

    タンパク質(髪の主成分)

    髪の約99%は「ケラチン」というタンパク質でできています。

    良質なタンパク質が不足すると、髪が細くなったり、ハリやコシがなくなったりする原因になります。

    • 多く含まれる食品:肉、魚、卵、大豆製品(豆腐、納豆など)、乳製品
    亜鉛(髪の合成を助ける)

    亜鉛は、食事から摂取したタンパク質を、髪の毛の成分であるケラチンに再合成する際に不可欠なミネラル。

    不足すると、うまく髪を作ることができなくなります。

    • 多く含まれる食品:牡蠣、レバー、牛肉(赤身)、チーズ、ナッツ類
    鉄分(頭皮への栄養運搬)

    鉄分は、血液中のヘモグロビンの成分となり、全身に酸素を運ぶ役割を担っています。

    鉄分が不足すると、頭皮が酸欠・栄養不足状態になり、健康な髪が育ちにくくなります。

    産後の女性や授乳中の女性は特に不足しがちなので、積極的に摂取しましょう。

    • 多く含まれる食品:レバー、赤身の肉、ほうれん草、ひじき、あさり
    ビタミン類(頭皮環境を整える)

    ビタミンは、それぞれが協調して働き、頭皮の健康を支えてくれます。

    • ビタミンA:頭皮の新陳代謝を促し、乾燥を防ぐ。(にんじん、かぼちゃなど)
    • ビタミンB群:皮脂の分泌をコントロールし、血行を促進する。(豚肉、レバー、玄米など)
    • ビタミンC:コラーゲンの生成を助け、血管を丈夫にする。鉄分の吸収も高める。(ピーマン、ブロッコリー、柑橘類など)
    • ビタミンE:強い抗酸化作用で血行を促進し、頭皮の老化を防ぐ。(ナッツ類、アボカドなど)

    これらの栄養素を、特定の食品に偏ることなく、バランス良く毎日の食事に取り入れることが重要。

    忙しい時は、具沢山の味噌汁やスープ、サバ缶などを活用するのもおすすめです。

    【生活習慣編】ホルモンバランスと血行を整える

    健康な髪を育むためには、体の内側から調子を整えることが欠かせません。

    質の良い睡眠を確保する

    工夫まとまった睡眠が難しい産後ですが、「質」を高める工夫はできます。

    赤ちゃんが寝ている間に一緒に昼寝をする、寝る1~2時間前はスマートフォンやパソコンの画面を見ないようにする、アロマを焚いたり、リラックスできる音楽を聴いたりするなど、短時間でも深く眠れる環境を整えましょう。

    パートナーや家族に協力してもらい、週に一度でも数時間まとまって眠れる時間を作ってもらうのも効果的です。

    ストレスを溜めないためのリフレッシュ法

    「ストレスを溜めるな」と言われても難しいのが現実。

    だからこそ、意識的にストレスを発散する時間を作ることが大切になります。

    好きな音楽を聴く、温かいハーブティーを飲む、短い時間でも散歩に出かける、気心の知れた友人と電話で話すなど、あなたなりのリフレッシュ法を見つけましょう。

    完璧な育児を目指さず、「まあ、いっか」と肩の力を抜くことも時には必要です。

    適度な運動を取り入れる

    激しい運動は必要ありません。

    天気の良い日にベビーカーを押して少し長めに散歩をする、家でできる簡単なストレッチやヨガを行うなど、軽い運動を習慣にすることで、全身の血行が促進されます。

    血行が良くなれば、頭皮にも栄養が届きやすくなり、気分転換にも繋がるため、一石二鳥です。

    【ヘアケア編】頭皮への負担を減らす正しい方法

    毎日のヘアケアも、やり方次第で頭皮への負担になったり、逆に育毛のサポートになったりします。

    シャンプーの選び方と洗い方

    産後のデリケートな頭皮には、洗浄力の強い高級アルコール系のシャンプーよりも、肌に優しいアミノ酸系のシャンプーがおすすめです。

    洗い方のポイントは、「予洗い」と「すすぎ」です。

    シャンプーをつける前に、ぬるま湯で1~2分かけて頭皮と髪をしっかりと濡らすことで、汚れの7~8割は落ちると言われています。

    シャンプーは手のひらでよく泡立ててから、指の腹を使って頭皮をマッサージするように優しく洗いましょう。

    爪を立てるのは厳禁。

    そして、洗い残しがないよう、時間をかけて丁寧にすすぎます。

    ドライヤーの正しい使い方

    濡れた髪はキューティクルが開いて傷つきやすい状態。

    自然乾燥は頭皮の雑菌繁殖の原因にもなるため、必ずドライヤーで乾かしましょう。

    まずはタオルで髪を挟むようにして、優しく水分を拭き取ります(ゴシゴシこすらない)。

    ドライヤーは髪から15~20cmほど離し、同じ場所に熱が集中しないように小刻みに振りながら乾かします。

    根元から乾かし始め、8割ほど乾いたら冷風に切り替えると、キューティクルが引き締まり、ツヤが出やすくなります。

    頭皮マッサージ

    シャンプーのついでや、テレビを見ながらなど、リラックスタイムに頭皮マッサージを取り入れるのも良いでしょう。

    指の腹で頭皮全体を優しく掴むように動かしたり、下から上へ引き上げるように圧をかけたりすることで、頭皮の血行が促進されます。

    心地よいと感じる程度の力で行うのがポイントです。

    髪型を工夫して目立たなくする方法

    薄毛が改善するまでの間、髪型を工夫してストレスを軽減するのも一つの手。

    分け目をいつもと逆にする、ジグザグにするだけでも、地肌の目立ち具合は変わります。

    また、思い切ってショートやボブにすると、トップにボリュームが出やすくなり、薄毛が目立ちにくくなることもあります。

    産後の薄毛が戻らない場合の本格的な対策方法

    もしかしてFAGA?産後の薄毛と女性のAGAの違い

    「産後の抜け毛だと思っていたら、実はFAGAだった」というケースも、稀ですが存在します。

    ここでは、産後の薄毛と間違われやすいFAGAについて解説します。

    FAGA(女性男性型脱毛症)とは?

    FAGAは「Female Androgenetic Alopecia」の略で、日本語では「女性男性型脱毛症」と呼ばれます。

    男性のAGA(男性型脱毛症)の女性版と考えると分かりやすいでしょう。

    AGAが男性ホルモンの影響で生え際や頭頂部が薄くなるのに対し、FAGAは女性ホルモンの減少などによって、頭頂部を中心に髪の分け目が広がるように、全体的に薄くなる(びまん性脱毛)のが特徴です。

    加齢による女性ホルモンの減少が主な原因とされていますが、ストレスや生活習慣の乱れなども発症に関わると考えられています。

    産後の抜け毛とFAGAの見分け方のポイント

    産後の抜け毛(分娩後脱毛症)とFAGAは、どちらもホルモンバランスの変化が関わっているため見分けがつきにくいことがあります。

    しかし、いくつか違いがあります。

    項目産後の抜け毛(分娩後脱毛症)FAGA(女性男性型脱毛症)
    主な原因出産による女性ホルモンの急激な減少加齢、遺伝、ホルモンバランスの乱れなど
    進行性一時的なもので、通常は自然に回復する進行性で、放置すると徐々に薄毛が広がる
    抜け毛の質太く健康な髪も抜ける細く短い、弱々しい髪が多く抜ける
    薄くなる範囲全体的に抜けるが、特に生え際が目立つことも頭頂部の分け目を中心に、びまん性(全体的)に薄くなる
    回復産後1年~1年半ほどで自然に軽快することが多い自然に回復することはほとんどない

    もし、抜け毛の中に細く短い毛が多く混じっていたり、産後2年以上経っても改善せず、むしろ分け目がどんどん広がっているように感じたりする場合は、FAGAの可能性を考えても良いかもしれません。

    FAGAは進行性、気になったら早めの相談を

    最も大きな違いは、FAGAが「進行性」であるという点。

    分娩後脱毛症が一時的なものであるのに対し、FAGAは何も対策をしなければ、薄毛はゆっくりと、しかし確実に進行していきます。

    そのため、もし「FAGAかもしれない」と感じたら、できるだけ早く専門のクリニックに相談することが重要。

    早期に適切な治療を開始することで、薄毛の進行を食い止め、改善させることが期待できます。

    クリニックで行われるFAGA治療とは?

    ここでは、薄毛治療専門クリニックで、主にFAGAと診断された場合に行われる治療について、客観的な情報としてご紹介します。

    産後の抜け毛の悩みで受診した場合も、医師がFAGAの可能性を考慮して診察を進めることがあります。

    注意点として、これから紹介する治療法は、医師の診断と処方が必要であり、授乳中には行えないものがほとんどです。

    必ず医師に現在の状況(授乳の有無など)を正確に伝え、指示に従ってください。

    専門医によるカウンセリングと診断

    まず、クリニックでは専門の医師による詳細なカウンセリングが行われます。

    いつから抜け毛が気になり始めたか、生活習慣、既往歴、家族歴などを詳しくヒアリングします。

    その後、マイクロスコープで頭皮や毛穴、髪の毛の状態を観察したり、必要に応じて血液検査を行い、ホルモン値や栄養状態をチェックしたりして、薄毛の根本原因を診断します。

    この診断に基づき、一人ひとりの症状や体質、ライフスタイルに合わせた最適な治療プランが提案されます。

    主な治療法:外用薬と内服薬

    FAGA治療の基本は、外用薬(塗り薬)と内服薬(飲み薬)の組み合わせです。

    外用薬(ミノキシジル)

    ミノキシジルは、日本で唯一、壮年性脱毛症への発毛効果が認められている成分で、女性のFAGA治療にも用いられます。

    元々は血圧を下げる薬として開発されましたが、副作用として多毛が見られたことから、発毛剤として転用された経緯があります。

    • 効果:頭皮の血管を拡張して血流を改善し、毛母細胞を活性化させることで、発毛を促進し、髪の成長期を延長する働きが期待できます。
    • 副作用・注意点:主な副作用として、使用初期の脱毛(初期脱毛)、頭皮のかゆみやかぶれ、発疹などが報告されています。また、もともと血圧の薬であるため、低血圧や心臓に疾患のある方は使用に注意が必要です。市販薬もありますが、医師の指導のもとで使用することが推奨されます。
    内服薬(スピロノラクトンなど)

    FAGAの進行には、男性ホルモンが関与していると考えられています。

    内服薬は、この男性ホルモンの働きを抑制することで、抜け毛を減らし、ヘアサイクルを正常化させることを目指します。

    • 主な内服薬「スピロノラクトン」:元々は高血圧の治療に使われる利尿薬ですが、男性ホルモン(アンドロゲン)の働きを抑制する作用があることから、FAGA治療に応用されています。
    • 効果:男性ホルモンが毛根に作用するのをブロックし、抜け毛を抑制する効果が期待されます。
    • 副作用・注意点:副作用として、利尿作用による頻尿や口の渇き、生理不順、不正出血、乳房の痛みなどが起こる可能性があります。また、胎児への影響が懸念されるため、妊娠中や授乳中、妊活中の女性は服用できません。これらの内服薬は、必ず医師の処方が必要です。

    治療にかかる費用と期間の目安

    FAGA治療は、健康保険が適用されない自由診療となります。

    そのため、治療費は全額自己負担となり、クリニックによって費用は異なります。

    一般的に、内服薬と外用薬を併用する場合、月々の費用は15,000円~30,000円程度が目安となります。

    治療効果を実感できるまでには、最低でも6ヶ月程度の継続が必要とされており、効果を維持するためには治療を続ける必要があります。

    クリニック選びで注意すべきポイント

    もしクリニックでの治療を検討する際は、いくつかの点に注意しましょう。

    • 女性の薄毛治療の実績が豊富なクリニックを選ぶ。
    • 治療内容や費用、リスクについて、事前に丁寧な説明があるかを確認する。
    • 不安を煽ったり、高額な契約を急かしたりするようなクリニックは避ける。

    まとめ:産後の薄毛が戻らない場合はFAGA治療のクリニックにも相談しよう

    記事のポイントのまとめです。

    出産という大きな仕事を乗り越えたママの体は、自分が思っている以上に大きな変化を経験し、ダメージを負っています。

    産後の抜け毛が長引き、なかなか元に戻らないのは、決してあなたの努力が足りないからではありません。

    この記事で解説してきたように、長引く産後の薄毛の原因は、ホルモンバランスだけでなく、ストレス、睡眠不足、栄養不足、ヘアケアの問題など、複数の要因が複雑に絡み合っています。

    だからこそ、回復にも時間がかかってしまうのです。

    それでも、一人で抱える不安が大きすぎるとき、改善の兆しが見えずに辛いときは、どうか専門家を頼ることを躊躇しないでください。

    産婦人科医、皮膚科医、そしてFAGA専門のクリニック。

    あなたに寄り添い、力を貸してくれる専門家は必ずいます。

    鏡を見るのが楽しみになる日は、必ずやってきます。

    できることから一歩ずつ、ゆっくりと進んでいきましょう。