1日の正常な抜け毛は50〜100本で、そのうち睡眠中に抜けるのは20〜30%程度のため、朝起きた際にベッドシーツなどで20〜30本の抜け毛を見つけても、それは生理現象の範囲内である可能性が高いです。
しかし、毎朝明らかに50本を超える大量の抜け毛が見つかる場合や、以前と比較して急激に量が増えたと感じる場合は、何らかの頭皮トラブルや体の不調が起きているサインかもしれません。
大切なのは、ベッド上の抜け毛だけで判断せず、シャンプー時なども含めた1日の総本数が200本を超える日が続くかどうかという視点で、一度ご自身の状態を確認することです。
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- ベッドシーツ上の正常な抜け毛の本数と危険なサインの見分け方
- 生活習慣や頭皮環境など抜け毛が増える様々な原因
- 自分でできる具体的な抜け毛対策と正しいヘアケア方法
- セルフケアで改善しない場合に専門家へ相談すべきタイミング
ベッドシーツ上の抜け毛、何本からが多い?
1日に50本~100本抜けるのが正常だとしても、そのうち朝起きた時にベッドシーツで見つかるのは一体何本くらいなのでしょうか。
1日の抜け毛が発生する主なタイミングは、シャンプー時、ブラッシング時、そして睡眠時。
最も多く抜けるのはシャンプー時で、全体の半分以上を占めることもあります。
睡眠中に抜ける髪の毛は、1日の総抜け毛のうち20%~30%程度と考えられています。
つまり、1日の抜け毛が100本だと仮定すると、ベッドシーツや枕に20本~30本程度の抜け毛があっても、それは正常な範囲内である可能性が高いです。
しかし、毎朝明らかに50本を超えるような大量の抜け毛が見つかる場合や、以前と比較して急激に量が増えたと感じる場合は、何らかの異常が起きているサインかもしれません。
大切なのは、ベッドの抜け毛だけで判断するのではなく、シャンプーの時や、日中のブラッシング、手ぐしを通した時などの抜け毛と合わせて、1日のトータルの本数が200本を超えるような日が続くかどうか、という視点です。
本数だけじゃない!抜け毛の「質」をチェックしよう
抜け毛の量をチェックすることに加えて、実はもっと重要なのが「抜け毛の質」を確認することです。
正常なヘアサイクルを終えて自然に抜けた髪と、何らかのトラブルによって抜けてしまった髪とでは、その見た目に違いが現れます。
ぜひ、あなたのベッドに落ちている抜け毛を数本手に取り、じっくりと観察してみてください。
正常な抜け毛の特徴
健康な状態で抜け落ちた髪の毛は、毛根部分に特徴があります。
- 毛根が白っぽく、マッチ棒の先端のように丸く膨らんでいる
- 髪の毛自体にハリとコシがある
- ある程度の太さと長さがある
このような毛根の膨らみは「毛棍(もうこん)」と呼ばれ、ヘアサイクルの休止期を正常に終えた証拠です。
注意が必要な危険な抜け毛の特徴
一方で、以下のような特徴を持つ抜け毛が多く見られる場合は、頭皮や髪の健康状態に問題が生じている可能性があります。
短くて細い、うぶ毛のような毛
これは、本来長く太く成長するはずの「成長期」の髪が、何らかの原因で十分に育たないまま抜け落ちてしまっているサイン。
AGA(男性型脱毛症)やFAGA(女性男性型脱毛症)の初期症状としてよく見られます。
毛根がない、または毛根が尖っている・細い
毛根部分がなかったり、細く委縮していたりする毛は、成長途中で抜けてしまった可能性を示唆します。
ストレスや栄養不足、血行不良などが原因として考えられます。
毛根に白い付着物がある
毛根にベタベタとした皮脂の塊や、乾燥したフケのようなものが付着している場合、頭皮環境が悪化しているサイン。
皮脂の過剰分泌や乾燥が、炎症を引き起こし、抜け毛に繋がっている可能性があります。
毛の太さがまばら
1本の毛の中で、根本は細いのに毛先は太い、といったように太さが均一でない場合も注意が必要。
これは、髪が成長する過程で栄養が十分に行き渡っていないことを示している可能性があります。
もし、あなたの抜け毛にこれらの「危険なサイン」が多く見られるのであれば、本数が正常範囲内であっても、一度その原因を探ってみることをお勧めします。
ベッドシーツ上の抜け毛の主な原因
ここでは、抜け毛を引き起こす代表的な原因を、「生活習慣」「頭皮環境」「寝具」「病気」の4つの側面から詳しく見ていきましょう。
ご自身の生活と照らし合わせながら、原因を探るヒントにしてください。
1. 生活習慣の乱れが引き起こす抜け毛
私たちの髪の毛は、日々の生活習慣を映し出す鏡のような存在。
健やかな髪を育むためには、体全体の健康が不可欠なのです。
睡眠不足
睡眠中に分泌される「成長ホルモン」は、体の細胞を修復し、新陳代謝を促す重要な役割を担っています。
もちろん、髪の毛を作り出す毛母細胞も例外ではありません。
成長ホルモンは、入眠後、特に深いノンレム睡眠の間に最も多く分泌されます。
睡眠時間が不足したり、眠りの質が悪かったりすると、成長ホルモンの分泌が減少し、毛母細胞の働きが低下します。
これにより、髪の成長が妨げられ、細く弱い髪になったり、抜け毛が増えたりする原因となります。
食生活の偏り
髪の毛の主成分は「ケラチン」というタンパク質。
そのため、日々の食事でタンパク質が不足すると、髪の材料が足りなくなり、健康な髪を作ることができません。
肉、魚、卵、大豆製品などを意識的に摂取することが重要です。
また、タンパク質を髪の毛に変える過程では、ビタミンやミネラルが不可欠な役割を果たします。
特に「亜鉛」は、ケラチンの合成を助ける重要なミネラル。
亜鉛が不足すると、髪の成長が滞り、抜け毛に繋がることがあります。
牡蠣やレバー、赤身肉などに多く含まれます。
その他にも、頭皮の血行を促進するビタミンE(ナッツ類、アボカドなど)や、頭皮の新陳代謝をサポートするビタミンB群(豚肉、うなぎなど)も、健やかな髪を育むためには欠かせない栄養素。
インスタント食品やファストフード中心の偏った食生活は、これらの栄養素の不足を招き、抜け毛を助長する可能性があります。
ストレス
過度なストレスは、自律神経のバランスを乱す大きな原因となります。
自律神経には、体を活動的にする「交感神経」と、リラックスさせる「副交感神経」があります。
ストレス状態が続くと交感神経が優位になり、血管が収縮してしまいます。
頭皮には毛細血管が張り巡らされていますが、血管が収縮すると血流が悪化し、髪の成長に必要な栄養素や酸素が毛根まで届きにくくなります。
これが、抜け毛や薄毛を引き起こす一因です。
さらに、ストレスはホルモンバランスの乱れにも繋がり、皮脂の過剰分泌を招いて頭皮環境を悪化させることもあります。
運動不足
デスクワーク中心の生活などで運動不足になると、全身の血行が悪化しやすくなります。
心臓から最も遠い位置にある頭皮は、ただでさえ血行不良に陥りやすい部位。
運動不足が続くと、頭皮の血流はさらに滞り、髪への栄養供給が不足してしまいます。
適度な運動は、血行を促進するだけでなく、ストレス解消にも繋がるため、髪の健康にとって非常に有効です。
喫煙・過度な飲酒
喫煙は、髪にとって多くのデメリットをもたらします。
タバコに含まれるニコチンには、血管を強力に収縮させる作用があります。
これにより頭皮の血行が悪化し、髪に必要な栄養が届きにくくなります。
また、喫煙は体内のビタミンCを大量に消費します。
ビタミンCは、頭皮のコラーゲン生成や血管の健康維持に重要な役割を果たしているため、その欠乏は頭皮環境の悪化に繋がります。
一方、過度な飲酒も注意が必要。
アルコールを分解する過程で、髪の成長に必要なビタミンB群や亜鉛が大量に消費されてしまいます。
また、過剰なアルコール摂取は睡眠の質を低下させ、成長ホルモンの分泌を妨げる原因にもなります。
2. 頭皮環境の悪化が原因の場合
直接的に髪が生えている土壌である「頭皮」。
この頭皮環境が悪化すると、健康な髪は育ちません。
間違ったヘアケア
良かれと思って行っているヘアケアが、実は頭皮にダメージを与え、抜け毛の原因になっていることがあります。
シャンプーの選択と洗い方
洗浄力の強すぎるシャンプー(高級アルコール系など)は、頭皮に必要な皮脂まで洗い流してしまい、乾燥を招きます。
乾燥した頭皮は、バリア機能が低下し、外部からの刺激に弱くなります。
逆に、皮脂を補おうとして過剰に分泌され、毛穴詰まりの原因になることもあります。
また、爪を立ててゴシゴシ洗う行為は、頭皮を傷つけ炎症を引き起こします。
すすぎ残し
シャンプーやコンディショナーのすすぎが不十分だと、それらの成分が頭皮に残り、毛穴を塞いだり、かゆみや炎症の原因になったりします。
髪が濡れたまま寝る
濡れた髪と頭皮は、雑菌が繁殖しやすい絶好の環境。
雑菌が繁殖すると、頭皮のかゆみやフケ、炎症、嫌な臭いの原因となり、抜け毛を引き起こします。
また、濡れた髪はキューティクルが開いているため、枕との摩擦で非常に傷つきやすくなっています。
頭皮の乾燥・皮脂の過剰分泌
頭皮が乾燥すると、フケ(カサカサした乾性フケ)が発生し、かゆみを伴うことがあります。
掻きむしることで頭皮が傷つき、抜け毛に繋がります。
逆に、皮脂が過剰に分泌されると、ベタベタした脂性フケが発生し、古い皮脂が酸化して毛穴に詰まったり、炎症(脂漏性皮膚炎)を起こしたりします。
これも抜け毛の大きな原因となります。
紫外線ダメージ
顔や腕と同じように、頭皮も紫外線の影響を受けます。
特に、髪の分け目やつむじは直接紫外線を浴びやすく、注意が必要。
紫外線は頭皮を乾燥させ、炎症(日焼け)を引き起こします。
また、活性酸素を発生させ、髪を作り出す毛母細胞にダメージを与え、ヘアサイクルを乱す原因にもなります。
3. 寝具の問題が抜け毛を助長している可能性
意外と見落としがちなのが、毎日使っている枕やシーツといった寝具の問題です。
枕やシーツの素材による摩擦
睡眠中、私たちは無意識に何度も寝返りを打ちます。
その際に、髪と枕・シーツとの間で摩擦が生じます。
ゴワゴワした硬い素材や、化学繊維などの摩擦が起きやすい素材を使っていると、髪のキューティクルが剥がれたり、髪が絡まって引っ張られたりして、切れ毛や抜け毛が増える原因になります。
寝具の不衛生
私たちは睡眠中に、コップ1杯分もの汗をかくと言われています。
その汗や皮脂、フケなどが付着した枕カバーやシーツを長期間交換せずにいると、それをエサにしてダニや雑菌が繁殖します。
これらのダニや雑菌が頭皮に付着すると、かゆみやアレルギー反応、炎症を引き起こし、頭皮環境を悪化させて抜け毛を増やす原因となります。
4. 病気や脱毛症の可能性
セルフケアをしても抜け毛が減らない、あるいは急激に増えた場合、何らかの病気や脱毛症が隠れている可能性があります。
AGA(男性型脱毛症)とFAGA(女性男性型脱毛症)
成人男性の抜け毛・薄毛の最も一般的な原因がAGA(Androgenetic Alopecia)。
これは、男性ホルモンの一種である「テストステロン」が、酵素「5αリダクターゼ」と結びつくことで、より強力な「ジヒドロテストステロン(DHT)」に変換されることが原因で起こります。
このDHTが、毛根にある受容体と結合すると、髪の成長期を短縮させる脱毛シグナルが発せられます。
その結果、髪が十分に太く長く成長する前に抜け落ちてしまい、徐々に薄毛が進行していきます。
生え際の後退や頭頂部の薄毛が特徴的なパターン。
AGAは進行性のため、放置すると薄毛は進み続けます。
一方、女性の場合も同様のメカニズムで起こる薄毛があり、FAGA(Female Androgenetic Alopecia)と呼ばれます。
女性は男性に比べて男性ホルモンの量が少ないため、男性のように完全に禿げ上がることは稀ですが、頭頂部を中心に髪の密度が全体的に低くなり、地肌が透けて見えるようになるのが特徴。
特に更年期以降、女性ホルモンの減少に伴い、相対的に男性ホルモンの影響を受けやすくなることで発症・進行しやすくなります。
AGAもFAGAも、ヘアサイクルそのものに異常をきたしている状態なので、生活習慣の改善だけでは進行を食い止めるのが難しいケースが多くあります。
その他の脱毛症
- 円形脱毛症:自己免疫疾患の一つで、免疫細胞が誤って自身の毛根を攻撃してしまうことで、突然円形や楕円形に髪が抜けてしまう病気です。ストレスが引き金になることもありますが、原因は完全には解明されていません。
- 脂漏性(しろうせい)脱毛症:皮脂の過剰分泌により、頭皮でマラセチア菌という常在菌が異常繁殖し、炎症を起こす「脂漏性皮膚炎」が悪化して抜け毛が増える状態です。
- 牽引(けんいん)性脱毛症:ポニーテールなど、毎日同じ髪型で髪を強く引っ張り続けることで、毛根に負担がかかり、生え際や分け目の髪が抜けてしまう状態です。
- 分娩後脱毛症:妊娠中に増加していた女性ホルモンが、出産後に急激に減少することでホルモンバランスが乱れ、一時的に抜け毛が急増する現象です。通常は産後半年~1年ほどで自然に回復します。
これらのように、抜け毛の原因は多岐にわたります。
まずは自分の生活を見直し、原因を特定することが、効果的な対策への第一歩となります。
ベッドシーツ上の抜け毛を減らすセルフケア
抜け毛の原因が分かったら、次はいよいよ具体的な対策。
専門的な治療が必要な場合もありますが、まずは自分でできることから始めてみましょう。
ここでは、「生活習慣」「ヘアケア」「頭皮環境」「寝具」の4つの観点から、今日からすぐに実践できるセルフケア方法を詳しくご紹介します。
1. 生活習慣の見直し編
髪の健康は、体全体の健康と密接に繋がっています。
体の内側から健やかな状態を整えることが、抜け毛対策の基本です。
質の良い睡眠を確保する
前述の通り、髪の成長に欠かせない成長ホルモンは、深い睡眠中に最も多く分泌されます。
単に長く寝るだけでなく、「質の高い睡眠」を意識することが重要です。
就寝前のスマホ・PC操作を控える
スマートフォンやパソコンの画面から発せられるブルーライトは、脳を覚醒させ、睡眠を促すホルモン「メラトニン」の分泌を抑制します。
少なくとも就寝1時間前には使用を終え、リラックスできる時間を作りましょう。
寝室の環境を整える
快適な睡眠のためには、寝室の環境も大切。
遮光カーテンで光を遮断し、静かな環境を保ちます。
温度や湿度も、自分が心地よいと感じる設定に調整しましょう。
夜の食事やカフェインに注意
就寝直前の食事は、消化活動のために内臓が働き、眠りが浅くなる原因になります。
食事は就寝の3時間前までに済ませるのが理想。
また、コーヒーやお茶に含まれるカフェインには覚醒作用があるため、午後の遅い時間以降は摂取を控えるのが賢明です。
リラックスできる入浴を
ぬるめのお湯(38~40℃)に15分~20分ほどゆっくり浸かると、副交感神経が優位になり、心身ともにリラックスできます。
血行促進効果もあり、質の良い睡眠に繋がりやすくなります。
就寝の1~2時間前に入浴を済ませておくと、体温が自然に下がり、スムーズな入眠が期待できます。
バランスの取れた食事を心がける
健やかな髪を育むためには、バランスの取れた食事が不可欠。
特定の食品だけを食べるのではなく、さまざまな食材を組み合わせて、髪に必要な栄養素をしっかり補給しましょう。
- タンパク質(髪の主成分):肉、魚、卵、大豆製品、乳製品など
- 亜鉛(ケラチンの合成を助ける):牡蠣、レバー、赤身肉、チーズ、納豆など
- ビタミンB群(頭皮の新陳代謝を促進):豚肉、レバー、うなぎ、マグロ、カツオ、玄米など
- ビタミンE(血行促進):ナッツ類、アボカド、かぼちゃ、植物油など
- ビタミンC(頭皮のコラーゲン生成、抗酸化作用):パプリカ、ブロッコリー、キウイ、柑橘類など
- 鉄分(酸素を運搬):レバー、赤身肉、ほうれん草、ひじきなど
これらの栄養素を日々の食事にバランス良く取り入れることが、体の内側からの抜け毛対策となります。
ストレスを上手に発散する
現代社会でストレスを完全になくすことは難しいかもしれません。
だからこそ、自分なりのストレス解消法を見つけ、上手に付き合っていくことが大切です。
- 軽い運動:ウォーキングやジョギング、ヨガなどの有酸素運動は、血行を促進し、気分転換にもなります。幸福感をもたらすホルモン「セロトニン」の分泌も促され、ストレスの緩和に効果的です。
- 趣味に没頭する時間を作る:仕事や家庭のことを忘れて、読書や音楽鑑賞、映画、ガーデニングなど、自分が心から楽しめることに没頭する時間を作りましょう。
- 自然に触れる:公園を散歩したり、森林浴をしたりするだけでも、リラックス効果が期待できます。
- 誰かに話を聞いてもらう:友人や家族など、信頼できる人に悩みを打ち明けるだけでも、心が軽くなることがあります。
自分に合った方法で、ストレスを溜め込まない生活を心がけましょう。
2. 正しいヘアケア編
毎日のヘアケアは、頭皮環境を左右する重要な要素。
正しい方法を身につけ、頭皮への負担を減らしましょう。
シャンプーの選び方と正しい洗い方
シャンプーは、汚れを落とすだけでなく、頭皮環境を整えるための大切なステップです。
- シャンプー選び:頭皮の乾燥や刺激が気になる方は、「アミノ酸系」や「ベタイン系」の洗浄成分を使った、マイルドなシャンプーがおすすめです。成分表示で「ココイルグルタミン酸~」「ラウロイルメチルアラニンNa」「~ベタイン」といった表示があるものを選ぶと良いでしょう。
- 予洗い:シャンプーをつける前に、ぬるま湯で1~2分かけて髪と頭皮をしっかりとすすぎます。これだけで、髪についたホコリや皮脂汚れの7割程度は落ちると言われています。
- 泡立て:シャンプーは直接頭皮につけず、必ず手のひらでよく泡立ててから髪全体に広げます。泡がクッションとなり、髪や頭皮への摩擦を軽減します。
- 優しく洗う:指の腹を使って、頭皮をマッサージするように優しく洗いましょう。決して爪を立ててはいけません。頭皮を傷つけ、炎症の原因になります。
- しっかりすすぐ:シャンプー成分が頭皮に残らないよう、洗い時間の2倍以上の時間をかけて、ぬるま湯で念入りにすすぎます。特に、生え際や耳の後ろはすすぎ残しが多い部分なので、意識して洗い流しましょう。
髪の乾かし方
濡れた髪は非常にデリケート。
優しく、そして素早く乾かすことが重要です。
- タオルドライ:ゴシゴシと擦るのではなく、タオルで髪を挟み込み、ポンポンと優しく叩くようにして水分を吸収させます。吸水性の高いマイクロファイバータオルを使うのも効果的です。
- ドライヤー:ドライヤーは、髪や頭皮から20cm以上離して使います。同じ場所に熱風が集中しないように、ドライヤーを小刻みに振りながら全体に風を当てましょう。まずは根元から乾かし、次に中間、毛先の順で乾かしていきます。
- 仕上げは冷風で:全体の8割~9割程度乾いたら、仕上げに冷風を当てます。開いていたキューティクルが引き締まり、髪にツヤが出ると同時に、オーバードライ(乾かしすぎ)を防ぎます。
完全に乾かしてから就寝することが、雑菌の繁殖を防ぎ、摩擦によるダメージを最小限に抑えるための鉄則です。
3. 頭皮環境の改善編
健康な髪は、健康な頭皮という土壌から育ちます。
頭皮環境を整えるためのプラスアルファのケアを取り入れてみましょう。
頭皮マッサージ
頭皮マッサージは、硬くなった頭皮をほぐし、血行を促進するのに効果的。
リラックス効果も高く、ストレス解消にも繋がります。
シャンプー中や、お風呂上がりの体が温まっている時に行うのがおすすめです。
簡単な頭皮マッサージの方法
- 両手の指の腹を、こめかみから側頭部に当て、円を描くようにゆっくりと揉みほぐします。
- 次に、耳の上あたりから頭頂部に向かって、指の腹で頭皮を優しく引き上げるようにマッサージします。
- 最後に、後頭部の首の付け根あたりを、親指で心地よい圧をかけながら押します。
痛みを感じない、気持ち良い程度の力加減で行うことがポイントです。
育毛剤・発毛剤の活用
セルフケアの一環として、市販の育毛剤や発毛剤を取り入れるのも一つの方法。
ただし、これらは効果や目的が異なるため、正しく理解して使用する必要があります。
- 育毛剤(医薬部外品):主な目的は「抜け毛の予防」と「育毛(今ある髪を健康に育てること)」です。血行促進成分や抗炎症成分などが配合されており、頭皮環境を整えることで、抜け毛を防ぎ、ハリやコシのある髪を育てる効果が期待できます。新しい髪を生やす効果はありません。
- 発毛剤(第1類医薬品):主な目的は「発毛(新しい髪を生やすこと)」です。日本で唯一、発毛効果が認められている成分「ミノキシジル」が配合されています。ヘアサイクルに直接働きかけ、毛母細胞を活性化させることで、発毛を促し、髪を成長させる効果が期待できます。
これらの製品を使用する際は、必ず用法・用量を守りましょう。
また、発毛剤には副作用のリスク(頭皮のかゆみ、かぶれ、動悸など)も伴うため、使用前に薬剤師に相談することが推奨されます。
効果を実感するには、最低でも3ヶ月~6ヶ月の継続使用が必要です。
4. 寝具の見直し編
毎晩6~8時間も直接触れる寝具は、髪の健康に意外なほど大きな影響を与えています。
摩擦の少ない素材を選ぶ
睡眠中の寝返りによる髪への摩擦を減らすために、枕カバーやシーツの素材を見直してみましょう。
おすすめは、なめらかで肌触りの良い「シルク」や「サテン」です。
これらの素材は摩擦係数が低く、髪への負担を軽減してくれます。
綿素材を選ぶ場合でも、なるべく高密度で織られた、なめらかな生地のものを選ぶと良いでしょう。
清潔を保つ
皮脂や汗は雑菌の温床。
頭皮の健康を守るため、寝具はこまめに洗濯し、清潔を保つことを心がけましょう。
- 枕カバー:顔や頭皮に直接触れるため、最も汚れやすいアイテムです。可能であれば2~3日に1回、少なくとも週に1回は洗濯するのが理想です。
- シーツ:週に1回程度の洗濯を目安にしましょう。
定期的な洗濯が難しい場合は、枕にタオルを敷き、そのタオルを毎日交換するだけでも効果があります。
これらのセルフケアは、すぐに劇的な変化が現れるものではありません。
しかし、根気強く続けることで、少しずつ頭皮環境が改善され、抜け毛の悩みの解消に繋がっていくはずです。
ベッドシーツ上の抜け毛が減らない場合は専門家への相談サイン
これまでにご紹介した様々なセルフケアを数ヶ月間試してみても、ベッドシーツの抜け毛が一向に減らない、あるいは、抜け毛の質(細く短い毛)に改善が見られない。
そのような場合は、AGAやFAGAといった、セルフケアだけでは対応が難しい脱毛症が進行している可能性があります。
抜け毛の悩みは、一人で抱え込まずに専門家へ相談することが、解決への最も確実で早い道筋となります。
なぜ専門クリニックへの相談が必要なのか?
「まだ病院に行くほどではない」「もう少し自分で頑張ってみたい」と考える気持ちもよく分かります。
しかし、特にAGAやFAGAの場合、早期に専門的な対策を始めることが非常に重要です。
AGA・FAGAは進行性である
最も重要な点は、AGAやFAGAは進行性の脱毛症であるということです。
セルフケアで生活習慣を改善したり、頭皮環境を整えたりすることは、進行を「緩やかに」することはできても、その根本原因にアプローチして進行を「止める」ことは極めて困難です。
放置している間にも、ヘアサイクルは乱れ続け、髪は細く、短くなり、毛根の寿命は着実に短くなっていきます。
治療の開始が遅れれば遅れるほど、回復に時間がかかったり、満足のいく効果が得られにくくなったりする可能性があるのです。
原因の自己判断は危険
抜け毛の原因は多岐にわたります。
自分では「ストレスかな?」と思っていても、実はAGAが始まっていたり、あるいは甲状腺の病気など、他の疾患が隠れていたりする可能性もゼロではありません。
専門クリニックでは、医師が問診や視診、場合によっては血液検査などを通じて、抜け毛の根本原因を正確に診断します。
この正確な診断こそが、効果的な治療の第一歩。
誤った自己判断で時間とお金を無駄にしてしまう前に、まずは専門家の目で正しく状態を把握してもらうことが賢明です。
クリニックではどんな治療が受けられる?
薄毛治療専門のクリニックでは、医学的根拠に基づいた様々な治療法が提供されています。
ここでは、代表的な治療法をご紹介します。
AGA治療(男性向け)
男性のAGA治療は、主に内服薬と外用薬が中心となります。
内服薬(飲み薬)
フィナステリドやデュタステリドといった成分の薬が処方されます。
これらは、AGAの原因物質であるDHT(ジヒドロテストステロン)の生成を阻害する働きがあります。
抜け毛の進行を抑制し、ヘアサイクルを正常な状態に戻す効果が期待されます。
副作用として、ごく稀に性機能の低下などが報告されています。
外用薬(塗り薬)
ミノキシジルを主成分とする塗り薬。
頭皮の血行を促進し、毛母細胞を活性化させることで、発毛を促す効果が期待されます。
内服薬と併用されることが多く、相乗効果が期待できます。
副作用として、頭皮のかゆみやかぶれなどが起こることがあります。
FAGA治療(女性向け)
女性の薄毛治療(FAGA)は、男性とは異なるアプローチが取られます。
内服薬・サプリメント
女性の薄毛の原因となるホルモンバランスの乱れを整えるため、スピロノラクトンといった薬が処方されることがあります。
また、髪の成長に不可欠なビタミンやミネラル、アミノ酸などをバランス良く配合した、クリニック独自のサプリメントが処方されることも多いです。
外用薬(塗り薬)
男性と同様にミノキシジル外用薬が用いられますが、女性の場合は副作用のリスクを考慮し、男性用よりも濃度の低いものが推奨されています。
植毛
植毛は、薄毛が進行してしまった部分に、自分の毛髪を移植する外科的な治療法です。
AGAの影響を受けにくい後頭部や側頭部の毛髪を、毛根ごと採取し、薄毛の気になる部分に移植します。
自分の組織を使うため、拒絶反応が起こる心配が少なく、移植した髪はその後も生え変わり続けます。
メリットは、根本的な改善が期待でき、メンテナンスが不要な点。
デメリットとしては、他の治療法に比べて費用が高額になることや、外科手術であるためダウンタイム(回復期間)が必要な点が挙げられます。
これらの治療は、医師の診断のもと、個々の症状や進行度、ライフスタイルに合わせて最適なものが選択されます。
まとめ:ベッドシーツ上の抜け毛が多い場合は専門のクリニックへ相談しよう
記事のポイントのまとめです。
朝、ベッドシーツの上に散らばる抜け毛。
その一本一本が、あなたの体からのメッセージかもしれません。
抜け毛の正常な本数は1日に50本~100本で朝の寝床で見つかるのが20本~30本程度であれば、ヘアサイクルによる自然な現象である可能性が高いです。
しかし、大切なのは本数だけでなく、その「質」です。
細く短い毛や、毛根に異常が見られる毛は、頭皮や体の不調を示す危険なサインかもしれません。
その原因は、睡眠不足や食生活の乱れといった生活習慣から、間違ったヘアケアによる頭皮環境の悪化、さらにはAGA・FAGAといった進行性の脱毛症まで、多岐にわたります。
抜け毛が改善しない、あるいは明らかにAGAやFAGAの兆候が見られる場合は、決して一人で悩まないでください。
これらの脱毛症は、放置すれば進行してしまいます。
しかし、専門のクリニックで早期に適切な治療を心がけましょう。