髪の毛が2本同時に抜けていても、それが薄毛の始まりと決まったわけではありません。
一つの毛穴から複数の毛が生える「複合毛幹」があり、それらの毛の寿命が偶然尽きたために同時に抜けるのは自然な現象です。
本数に一喜一憂するよりも、抜け毛が細く短くなっていないか、毛根の形は正常かといった「抜け毛の質」を観察することが重要になります。
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- 心配すべき抜け毛と自然な抜け毛の見分け方
- 抜け毛や薄毛を引き起こす主な原因
- 自分でできる抜け毛・薄毛の予防と対策
- 専門クリニックでの治療が必要なケースと内容
目次
抜け毛が2本同時に抜ける原因
まず結論からお伝えしますと、髪の毛が2本同時に抜けたからといって、それが直ちに薄毛の兆候であると断定することはできません。
多くの場合、これは生理現象の範囲内であり、過度に心配する必要はないケースがほとんどです。
私たちの髪の毛は、一本一本が独立したサイクルで成長し、やがて抜け落ちていきます。
これを「ヘアサイクル(毛周期)」と呼びます。
このサイクルがあるため、健康な人でも1日に50本から100本程度の髪の毛は自然に抜け落ちているのです。
それでは、なぜ2本の髪の毛が同時に抜けるという現象が起こるのでしょうか。
考えられる理由として、「複合毛幹(ふくごうもうかん)」の存在。
通常、一つの毛穴からは一本の髪の毛が生えていると考えられがちですが、実際には一つの毛穴から2本、場合によっては3〜4本の髪の毛が生えていることは決して珍しくありません。
これを複合毛幹と呼びます。
これらの毛のヘアサイクルが偶然同じタイミングで休止期(髪の毛が抜け落ちる準備期間)を迎えれば、シャンプーやブラッシングなどのわずかな刺激で、同時に抜け落ちることがあるのです。
あなたの2本同時の抜け毛は大丈夫?危険な抜け毛か見分ける7つのポイント
2本同時に髪が抜けること自体は、必ずしも異常ではありません。
しかし、それが薄毛や何らかの頭皮トラブルのサインである可能性もゼロではありません。
ここでは、あなたの抜け毛が「心配ない自然な抜け毛」なのか、それとも「注意すべき危険な抜け毛」なのかを判断するための、7つのチェックリストをご用意しました。
ご自身の抜け毛を観察しながら、一つずつ確認してみてください。
チェック1:抜け毛の本数が明らかに増えた
まず基本となるのが、抜け毛の全体量。
前述の通り、1日に50本〜100本程度の抜け毛は正常な範囲内とされています。
しかし、この本数を毎日正確に数えるのは現実的ではありません。
そこで、日々の生活の中での変化に注目してみましょう。
例えば、「最近、シャワー後の排水溝に溜まる髪の量が明らかに増えた」「朝、枕についている髪の毛が以前より格段に多くなった」「手ぐしを通しただけで、ごっそりと髪が抜ける感覚がある」といった体感的な変化です。
もし、1日の抜け毛がコンスタントに150本を超えているような印象を受ける場合は、ヘアサイクルが乱れている可能性が考えられます。
季節の変わり目などで一時的に増えることもありますが、その状態が2ヶ月以上続くようであれば注意が必要です。
チェック2:抜け毛が細く、短い
次に、抜け毛の「太さ」と「長さ」をチェックします。
健康な髪の毛は、ヘアサイクルの「成長期」に太く長く成長し、その寿命を全うしてから自然に抜け落ちます。
このような正常な抜け毛は、ある程度の太さとハリ、コシがあります。
一方で、薄毛が進行している場合、この成長期が短縮してしまう傾向にあります。
すると、髪の毛は十分に成長しきる前にヘアサイクルが次の段階(退行期・休止期)へ移行してしまい、結果として「細くて短い」未熟な状態で抜け落ちてしまうのです。
これは「軟毛化(なんもうか)」と呼ばれ、AGA(男性型脱毛症)やFAGA(女性男性型脱毛症)の典型的なサインの一つです。
排水溝や枕に落ちている抜け毛の中に、これまで見られなかったような、明らかに細くて頼りない毛や、数センチ程度の短い毛の割合が増えてきたら、注意深く観察する必要があります。
チェック3:毛根の形がいびつ、または膨らみがない
抜け毛を観察する上で、非常に重要なのが「毛根」の状態。
毛根は、髪の毛が頭皮の中でどのように育ち、どのようにして抜け落ちたかを知るための貴重な情報源となります。
正常で健康な抜け毛の毛根は、先端がマッチ棒のように少し丸く膨らんでおり、白っぽい色をしています。
この膨らみは「毛球(もうきゅう)」と呼ばれ、髪の毛がその寿命をしっかりと終えて自然に抜けた証です。
しかし、注意すべきなのは以下のような毛根です。
- 毛根の膨らみがなく、全体的に細く尖っている、あるいは萎縮している
- 毛根の形がいびつで、ギザギザしている
このような毛根は、髪の毛が成長途中で何らかのダメージを受けたり、栄養不足に陥ったりして、強制的に引き抜かれた、あるいは抜けてしまった可能性を示唆します。
例えば、過度なストレスや円形脱毛症などでは、このような異常な形の毛根が見られることがあります。
チェック4:毛根の色が黒い、または白いカスが付着している
毛根の「色」や「付着物」も大切なチェックポイント。
正常な毛根は、半透明から白っぽい色をしています。
毛根の周りに半透明のゼリー状のものが付着していることがありますが、これは「毛根鞘(もうこんしょう)」と呼ばれる組織の一部で、髪の毛を保護する役割を持っています。
これが付いているのは、毛根が健康である証拠なので心配ありません。
注意したいのは、毛根が黒っぽかったり、ベタベタとした白い塊が付着していたりする場合です。
- 毛根が黒い:血行不良や強いストレス、何らかの疾患により毛根部で炎症やトラブルが起きている可能性があります。
- ベタついた白い塊が付着:毛根鞘ではなく、過剰に分泌された皮脂の塊である可能性が考えられます。これは、頭皮環境が悪化しているサインであり、脂漏性皮膚炎(しろうせいひふえん)などを引き起こし、抜け毛の原因となることがあります。
チェック5:特定の部位だけ抜け毛が目立つ
抜け毛が頭部全体から均等に抜けているのか、それとも特定の部位から集中して抜けているのかも重要な判断基準です。
男性の場合、AGA(男性型脱毛症)は特定のパターンで進行することが知られています。
代表的なのは、生え際が後退していく「M字型」や、頭頂部が薄くなる「O字型」、そしてその両方が同時に進行する「U字型」です。
もし、抜け毛がこれらの部位に集中している、あるいはその部分の髪が細くなっていると感じる場合は、AGAの可能性を考える必要があります。
女性の場合は、FAGA(女性男性型脱毛症)やびまん性脱毛症が多く、頭頂部や分け目を中心に髪全体が薄くなる傾向があります。
分け目が以前より広がって見えたり、髪をかき上げたときに地肌が透けて見えやすくなったりした場合は、注意が必要です。
また、コインのような円形や楕円形に髪が突然ごそっと抜ける場合は、円形脱毛症の可能性が高いでしょう。
チェック6:頭皮にかゆみ、フケ、赤みがある
抜け毛と直接関係ないように思えるかもしれませんが、頭皮の状態は髪の健康の土台そのものです。
頭皮にトラブルを抱えていると、健康な髪が育ちにくくなり、結果として抜け毛の増加につながります。
以下のような症状がないか、鏡で頭皮をチェックしたり、日々の感覚を思い出したりしてみてください。
- 頭皮に強いかゆみがある
- 乾いたパラパラとしたフケ、あるいはベタついた大きなフケが出る
- 頭皮が赤みを帯びている、または炎症を起こしている
- 頭皮に湿疹やできものができやすい
これらの症状は、頭皮の乾燥、皮脂の過剰分泌、あるいはシャンプーなどが合わないことによる接触性皮膚炎、カビの一種であるマラセチア菌の増殖による脂漏性皮膚炎など、様々な頭皮トラブルのサイン。
頭皮環境の悪化は、抜け毛の直接的な原因にも間接的な原因にもなり得ます。
チェック7:髪全体のボリュームが減り、地肌が透けて見える
最後のチェックポイントは、抜け毛そのものではなく、髪全体の印象の変化。
毎日鏡を見ていると気づきにくいかもしれませんが、ふとした瞬間に「あれ?」と感じることがあります。
- 髪をセットしても、以前のようにボリュームが出なくなった
- 髪の分け目がくっきりと目立つようになった
- 光に当たると、地肌が透けて見える範囲が広がった
- 髪全体のハリやコシがなくなり、ペタッとするようになった
これらの変化は、一本一本の髪が細くなる「軟毛化」や、髪の毛の密度が低下していることによって引き起こされます。
抜け毛の本数に劇的な変化がなくても、このような全体的なボリュームダウンを感じる場合は、薄毛が静かに進行している可能性があります。
以上の7つのチェックリストで、一つでも当てはまる項目があった、あるいは複数の項目に心当たりがある場合は、単なる生理現象としての抜け毛ではなく、何らかの対策が必要な「危険な抜け毛」である可能性が考えられます。
なぜ一気に2本同時の抜け毛が起こるのか?考えられる主な原因
セルフチェックの結果、ご自身の抜け毛に注意が必要かもしれないと感じた方もいるでしょう。
それでは、一体なぜ、2本同時の抜け毛は起こってしまうのでしょうか。
その原因は一つではなく、性別や年齢、生活習慣などによって様々。
ここでは、考えられる主な原因を男性、女性、そして男女共通の要因に分けて詳しく解説します。
男性の場合:AGA(男性型脱毛症)の進行
成人男性の薄毛の悩みで、最も多くの割合を占めるのがAGA(Androgenetic Alopecia)、すなわち「男性型脱毛症」です。
これは、思春期以降に始まり、徐々に進行していく脱毛症です。
AGAの主な原因は、男性ホルモンの一種である「テストステロン」が、頭皮に存在する「5αリダクターゼ」という酵素と結びつくことで、「ジヒドロテストステロン(DHT)」という、より強力な男性ホルモンに変換されることにあります。
このDHTが、髪の毛を作り出す毛母細胞の働きを阻害し、髪の成長期を著しく短縮させてしまうのです。
本来であれば数年間続くはずの成長期が、数ヶ月から1年程度に短くなってしまうため、髪は太く長く成長する前に抜け落ちてしまいます。
これが、先ほどのチェックリストにあった「細く短い抜け毛(軟毛化)」が増えるメカニズムです。
AGAは遺伝的要因が大きく関わっているとされ、特に母方の家系に薄毛の人がいる場合は、その体質を受け継いでいる可能性が高いと言われています。
そして最も重要な特徴は、AGAは「進行性」であるということです。
一度発症すると、自然に治ることはなく、何も対策をしなければ薄毛は時間をかけてゆっくりと、しかし確実に進行していきます。
そのため、生え際の後退や頭頂部の薄毛といった特徴的な症状に気づいた場合は、早期の対策が不可欠となります。
女性の場合:FAGA(女性男性型脱毛症)やその他の要因
女性の薄毛もまた、深刻な悩みの一つです。
女性の場合、その原因は男性よりも多岐にわたることが特徴です。
FAGA(女性男性型脱毛症)とびまん性脱毛症
女性の薄毛で最も多いとされるのが、FAGA(Female Androgenetic Alopecia)。
これは、男性のAGAと同様にホルモンの影響が関わっていますが、男性のように生え際が後退したり、頭頂部だけが禿げ上がったりすることは稀。
その代わりに、頭部全体の髪が均等に細くなり、密度が低下することで、分け目や頭頂部を中心に地肌が透けて見えるようになる「びまん性脱毛症」という症状を呈することが一般的。
加齢による女性ホルモン(エストロゲン)の減少と、相対的に男性ホルモンの影響が優位になることが主な原因と考えられており、特に更年期前後に症状が現れやすくなります。
産後脱毛症(分娩後脱毛症)
出産を経験した多くの女性が直面するのが、産後脱毛症。
これは、妊娠中に高濃度で維持されていた女性ホルモン(エストロゲン)が、出産後に急激に正常値に戻ることで発生します。
妊娠中はエストロゲンの働きで、本来なら抜けるはずだった髪の毛が抜けずに成長期を維持し続けます。
しかし、産後、ホルモンバランスが元に戻ると、それまで抜けずにいた髪が一斉に休止期に入り、産後2〜3ヶ月頃をピークに一気に抜け落ちてしまうのです。
これは一時的な生理現象であり、多くは半年から1年程度で自然に回復しますが、育児のストレスや睡眠不足、栄養の偏りなどが重なると、回復が遅れたり、そのまま慢性的な薄毛に移行してしまったりするケースもあります。
牽引性(けんいんせい)脱毛症
これは、特定のライフスタイルに起因する脱毛症。
毎日ポニーテールやきついお団子ヘアなど、髪を強く引っ張り続ける髪型をしていると、毛根に常に物理的な負担がかかり続けます。
この慢性的な牽引力が、毛根周辺の血行不良を引き起こしたり、毛母細胞にダメージを与えたりして、生え際や分け目部分の髪が抜けやすくなり、薄毛になってしまうのです。
これは髪型を変え、頭皮への負担をなくすことで改善が見込めます。
男女共通の原因
上記で挙げた性別特有の原因以外にも、男女を問わず抜け毛や薄毛を引き起こす可能性のある要因は数多く存在します。
これらはしばしば、AGAやFAGAの進行を加速させる引き金にもなります。
生活習慣の乱れ(食生活・睡眠・運動)
髪の毛は、私たちが日々摂取する栄養素から作られています。
特に、髪の主成分であるタンパク質(ケラチン)、その合成を助ける亜鉛、頭皮の健康を保つビタミン類が不足すると、健康な髪は育ちません。
偏った食事や過度なダイエットは、髪への栄養供給を滞らせ、抜け毛を増やす直接的な原因となります。
また、睡眠不足も髪にとっては大敵。
髪の成長を促す「成長ホルモン」は、私たちが深い眠りについている間に最も多く分泌されます。
睡眠時間が不足したり、眠りの質が悪かったりすると、成長ホルモンの分泌が妨げられ、髪の成長サイクルが乱れてしまいます。
さらに、運動不足は全身の血行不良を招きます。
頭皮にある毛細血管は非常に細く、血行が悪くなると真っ先に影響を受けます。
栄養を運ぶ血液が毛根まで十分に行き渡らなければ、毛母細胞は活力を失い、抜け毛につながってしまうのです。
精神的なストレス
「ストレスで髪が抜ける」という話はよく聞かれますが、これには医学的な根拠があります。
強いストレスを感じると、私たちの体では自律神経が乱れ、交感神経が優位になります。
交感神経は血管を収縮させる働きがあるため、頭皮の毛細血管が収縮し、血行が悪化します。
これにより、髪への栄養供給が滞ってしまうのです。
また、慢性的なストレスはホルモンバランスの乱れを引き起こしたり、睡眠の質を低下させたりと、複合的に髪の健康に悪影響を及ぼします。
場合によっては、自己免疫疾患である円形脱毛症の引き金になることもあります。
頭皮環境の悪化(間違ったヘアケア)
良かれと思って行っている毎日のヘアケアが、実は頭皮にダメージを与え、抜け毛を助長しているケースも少なくありません。
例えば、洗浄力の強すぎるシャンプーは、頭皮に必要な皮脂まで洗い流してしまい、乾燥やかゆみ、フケの原因となります。
逆に、皮脂を気にするあまり洗いすぎると、頭皮は失われた皮脂を補おうとして、かえって皮脂を過剰に分泌する悪循環に陥ることもあります。
シャンプーのすすぎ残しは、毛穴の詰まりや炎症の原因になりますし、濡れた髪を自然乾燥させることは、雑菌の繁殖を招き、頭皮環境を悪化させます。
日々の小さな積み重ねが、頭皮の健康を損ない、抜け毛につながることを理解しておく必要があります。
病気や薬の副作用
一部の病気や、その治療に用いられる薬の副作用として、脱毛が起こることもあります。
代表的なものには、甲状腺機能の異常(亢進症・低下症)、膠原病(こうげんびょう)、鉄欠乏性貧血などがあります。
また、抗がん剤や一部の降圧剤、抗うつ薬など、特定の薬剤の副作用リストに脱毛が含まれている場合もあります。
急激な抜け毛が始まった場合は、何か他に体調の変化がないか、服用している薬がないかを確認し、必要であればかかりつけの医師に相談することが重要です。
これらの原因は、一つだけが単独で作用するのではなく、複数がお互いに影響し合って抜け毛や薄毛の症状を悪化させていることがほとんどです。
だからこそ、多角的な視点での対策が求められるのです。
抜け毛・薄毛の進行を食い止めるセルフケア
危険な抜け毛の原因が分かったところで、次に知りたいのは「では、何をすれば良いのか?」ということでしょう。
幸いなことに、私たちの努力で改善できることは数多くあります。
ここでは、今日から自宅で始められる抜け毛・薄毛対策を、具体的なアクションプランとして網羅的にご紹介します。
これらのセルフケアは、AGAやFAGAの進行を緩やかにしたり、健康な髪が育つための土台を整えたりする上で非常に重要です。
栄養バランスの取れた食生活を心掛ける
髪は「血余(けつよ)」、つまり血液の余りから作られる、と東洋医学では言われます。
これは、栄養状態が髪に直接影響することを端的に表した言葉。
健康な髪を育てるためには、まずその材料となる栄養を食事からしっかりと摂取することが基本中の基本です。
積極的に摂りたい栄養素と食材
- タンパク質:髪の主成分である「ケラチン」の元になります。肉類、魚介類、卵、大豆製品(豆腐、納豆など)に豊富です。
- 亜鉛:タンパク質を髪の毛に合成する際に不可欠なミネラルです。不足すると髪の成長が滞ります。牡蠣、レバー、牛肉(赤身)、チーズ、ナッツ類などに多く含まれます。
- ビタミンB群(特にB2, B6):皮脂の分泌をコントロールし、頭皮の新陳代謝を促します。レバー、うなぎ、卵、マグロ、カツオ、バナナなどに豊富です。
- ビタミンC:コラーゲンの生成を助け、頭皮の健康を保ちます。また、鉄分の吸収を高める働きもあります。ピーマン、ブロッコリー、キウイフルーツ、柑橘類などに多く含まれます。
- ビタミンE:強力な抗酸化作用を持ち、血行を促進する効果が期待できます。ナッツ類、アボカド、植物油、かぼちゃなどに豊富です。
避けるべき食生活
一方で、高脂質・高糖質な食事は控えるようにしましょう。
揚げ物やジャンクフード、甘いお菓子やジュースの摂りすぎは、皮脂の過剰分泌を招き、頭皮環境を悪化させる原因となります。
また、過度な食事制限を伴うダイエットは、深刻な栄養不足を引き起こし、抜け毛を急激に増やす可能性があるため絶対に避けましょう。
質の高い睡眠を確保する
髪の成長を司る「成長ホルモン」は、主に睡眠中に分泌されます。
特に、入眠後最初の90分間に訪れる最も深いノンレム睡眠中に、その分泌はピークに達します。
かつては「夜10時〜深夜2時がゴールデンタイム」と言われていましたが、現在では時間帯そのものよりも「眠り始めの質」が重要であると考えられています。
最低でも6時間、できれば7〜8時間の睡眠時間を確保することを目指しましょう。
そして、ただ長く眠るだけでなく、その質を高めるための工夫も大切です。
- 寝る1〜2時間前に入浴を済ませる(深部体温が下がるタイミングで眠りやすくなる)。
- 寝る前のスマートフォンやパソコン操作は避ける(ブルーライトが脳を覚醒させる)。
- 寝室は暗く、静かで、快適な温度・湿度に保つ。
- カフェインやアルコールの摂取は就寝の3〜4時間前までにする。
適度な運動で血行を促進する
頭皮の隅々まで栄養を届けるためには、良好な血流が欠かせません。
運動不足は全身の血行を滞らせ、頭皮の血行不良の大きな原因となります。
特におすすめなのが、ウォーキングやジョギング、サイクリング、水泳といった「有酸素運動」です。
これらの運動は、心肺機能を高め、全身の血流を改善する効果があります。
週に3回、1回30分程度からでも良いので、無理のない範囲で習慣にすることを目指しましょう。
忙しくて時間が取れないという方でも、エレベーターを階段に変える、一駅手前で降りて歩く、仕事の合間にストレッチをするなど、日常生活の中でこまめに体を動かす意識を持つだけでも効果はあります。
ストレスを上手に解消する
現代社会において、ストレスを完全にゼロにすることは不可能。
大切なのは、ストレスを溜め込まず、自分なりの方法で上手に発散させることです。
ストレスは自律神経を乱し、血管を収縮させて頭皮の血行を悪化させるだけでなく、ホルモンバランスにも悪影響を与えます。
- 趣味に没頭する時間を作る(音楽鑑賞、映画、読書、ガーデニングなど)。
- 軽い運動やスポーツで汗を流す。
- ゆっくりとお風呂に浸かり、心身をリラックスさせる。
- 友人や家族と話をして、気持ちを共有する。
- アロマテラピーや瞑想、ヨガなどを試してみる。
「これをやれば絶対に解消できる」という万能薬はありません。
あなたが「心地よい」「楽しい」「スッキリする」と感じられる方法を見つけ、日常生活に組み込むことが重要です。
正しいヘアケア方法を実践する
毎日行うシャンプーは、頭皮環境を健やかに保つための重要なステップですが、やり方を間違えると逆効果になってしまいます。
この機会に、ご自身のヘアケア方法を見直してみましょう。
シャンプーの選び方:洗浄力がマイルドな「アミノ酸系」や「ベタイン系」のシャンプーがおすすめです。
成分表示で「ココイルグルタミン酸」「ラウロイルメチルアラニンNa」といった表記があるものを選びましょう。
フケやかゆみが気になる場合は、有効成分が配合された薬用シャンプーも選択肢になります。
正しいシャンプーの手順
- 予洗い:シャンプーをつける前に、ぬるま湯(38℃前後)で1〜2分かけて髪と頭皮をしっかりとすすぎます。これだけで汚れの7割は落ちると言われています。
- 泡立て:シャンプーは直接頭皮につけず、手のひらでよく泡立ててから髪全体になじませます。
- 洗う:爪を立てず、指の腹を使って、頭皮を優しくマッサージするように洗います。ゴシゴシと力を入れるのは禁物です。
- すすぎ:最も重要な工程です。シャンプー剤が頭皮に残らないよう、洗うとき以上に時間をかけて、ぬめり感が完全になくなるまで丁寧にすすぎます。
髪の乾かし方
濡れた髪はキューティクルが開いており、非常にデリケートな状態。
自然乾燥は雑菌の繁殖や頭皮の冷えにつながるため避けましょう。
まず吸水性の高いタオルで、髪をこすらずに優しく叩くようにして水分を取ります(タオルドライ)。
その後、ドライヤーを頭皮から20cm以上離し、同じ場所に熱が集中しないように小刻みに動かしながら全体を乾かします。
8割ほど乾いたら、冷風に切り替えて仕上げると、キューティクルが引き締まり、髪にツヤが出ます。
頭皮マッサージ
血行促進を目的とした頭皮マッサージも有効。
指の腹を使い、頭皮全体を優しく動かすように揉みほぐします。
ただし、爪を立てたり、強くこすったりすると頭皮を傷つける原因になるため、力加減には注意が必要。
シャンプー中や、リラックスタイムに行うのが良いでしょう。
これらのセルフケアは、すぐに劇的な効果が現れるものではありません。
しかし、健康な髪が育つための土台となる「健康な身体」と「健やかな頭皮環境」を作る上で、避けては通れない道。
根気強く、最低でも3ヶ月から半年は続ける意識で取り組んでみてください。
2本同時の抜け毛が心配な場合は専門クリニックへの相談を
これまでご紹介してきたセルフケアは、抜け毛の予防や頭皮環境の改善に非常に有効。
しかし、もしあなたの2本同時の抜け毛の原因が、進行性であるAGA(男性型脱毛症)やFAGA(女性男性型脱毛症)である場合、残念ながらセルフケアだけで症状の進行を完全に食い止めたり、元の状態に回復させたりすることは極めて困難です。
生活習慣の改善やヘアケアの見直しを数ヶ月続けても、抜け毛が減らない、あるいは薄毛が進行しているように感じる場合は、一人で悩み続けずに、なるべく早く専門のクリニックに相談することを強くおすすめします。
なぜ専門クリニックが良いのか?
皮膚科でも薄毛の相談は可能ですが、薄毛治療を専門に扱っているクリニックには、より専門的な知見と選択肢があります。
正確な診断が受けられる
専門クリニックでは、医師による問診や視診に加えて、マイクロスコープを使って頭皮や毛穴の状態、髪の毛の太さなどを詳細に観察します。
これにより、あなたの薄毛が本当にAGAやFAGAなのか、あるいは他の原因によるものなのかを正確に診断することができます。
原因を正しく特定することが、効果的な治療への第一歩です。
医学的根拠のある治療が受けられる
クリニックでは、厚生労働省によって効果と安全性が認められた治療薬など、医学的根拠(エビデンス)に基づいた治療を受けることができます。
市販の育毛剤やサプリメントとは異なり、医師の処方がなければ使用できない医薬品を用いた、より積極的なアプローチが可能です。
自分に合った治療法を提案してもらえる
薄毛の進行度や原因、体質、そしてあなたの希望や予算に応じて、最適な治療プランをオーダーメイドで提案してもらえます。
内服薬が良いのか、外用薬が良いのか、あるいは他の治療法を組み合わせるべきなのか、専門家の視点からアドバイスがもらえるのは大きなメリットです。
クリニックで受けられる主な治療法
薄毛治療専門のクリニックでは、主に以下のような治療法が提供されています。
AGA治療(男性向け)
- 内服薬(フィナステリド・デュタステリド):AGAの根本原因であるDHT(ジヒドロテストステロン)の生成を抑える薬です。5αリダクターゼという酵素の働きを阻害することで、ヘアサイクルの乱れを正常化し、抜け毛を減らしてAGAの進行を抑制する効果が期待できます。
- 外用薬(ミノキシジル):頭皮に直接塗布するタイプの薬で、毛根の血管を拡張させて血流を改善し、毛母細胞を活性化させることで発毛を促進する効果が認められています。
FAGA治療(女性向け)
- 外用薬(ミノキシジル):女性の薄毛治療においても、ミノキシジル外用薬が第一選択肢となります。男性用よりも低濃度のものが処方されるのが一般的です。
- 内服薬(スピロノラクトンなど):ホルモンバランスの乱れを整える目的で、スピロノラクトンなどの内服薬が処方されることがあります。男性ホルモンの働きを抑制する効果が期待されます。
- その他:鉄分や亜鉛、ビタミンなど、髪の成長に不可欠な栄養素を補うためのサプリメントが処方されることもあります。
植毛(男女共通)
植毛は、薬物治療とはアプローチが異なる根本的な治療法の一つです。
特に「自毛植毛」は、AGAの影響を受けにくい後頭部や側頭部の自分自身の髪の毛を、毛根ごと採取し、薄毛が気になる部分に移植する外科的な手術。
移植した髪は、元の性質を保ったまま、その場で生え変わり続けるという大きなメリットがあります。
薬物治療で十分な効果が得られなかった場合や、より確実な見た目の変化を望む場合の有力な選択肢となります。
ただし、外科手術であるため、費用が高額になることや、ダウンタイムが必要になるといった側面も理解しておく必要があります。
早期に治療を開始すれば、それだけ進行を食い止め、改善する可能性も高まります。
不安を抱えたまま時間を過ごすことは、精神的なストレスにもなり、症状を悪化させることにもなりかねません。
まずは無料カウンセリングなどを利用して、専門家の意見を聞いてみることから始めてみてはいかがでしょうか。
まとめ:2本同時の抜け毛は薄毛の兆候の場合もある
記事のポイントのまとめです。
今回は、抜け毛が2本同時に抜けるのは薄毛の兆候なのか、その原因から見分け方、そして具体的な対策までを詳しく解説してきました。
この記事の要点を改めて整理します。
- 抜け毛が2本同時に抜けること自体は、複合毛幹の存在や偶然によるものであり、直ちに薄毛のサインと決まるわけではない。
- 本当に注意すべきは、抜け毛の「本数」よりも「質(細い・短い)」「毛根の状態」「抜ける場所」や、頭皮の状態、髪全体のボリューム感の変化である。
- 薄毛の主な原因には、AGA・FAGAといったホルモンや遺伝が関わるものから、生活習慣の乱れ、ストレス、間違ったヘアケアまで多岐にわたる。
- まずは、食生活の改善、質の高い睡眠、適度な運動、ストレスケア、正しいヘアケアといったセルフケアを実践し、髪が育つための土台を整えることが重要である。
- セルフケアを続けても改善が見られない、あるいはAGAやFAGAが強く疑われる場合は、進行を食い止めるために、できるだけ早く専門のクリニックに相談することが最善の策である。
床や枕などに2本の抜け毛を見つけたときの不安な気持ちは、あなたの髪と頭皮が発している「もっと自分を気遣ってほしい」というメッセージなのかもしれません。
この記事をきっかけに、ご自身の身体や生活習慣を一度見直し、必要なケアを始めてみてください。
そして、もし専門家の力が必要だと感じたら、決して一人で抱え込まず、勇気を出して専門のクリニックの扉を叩いてみましょう。
正しい知識と適切な行動が、あなたの髪の未来を守る鍵となります。