1日に500本という抜け毛は、正常範囲を大幅に超える異常な脱毛状態です。
健康な人の自然な抜け毛は1日50〜100本、季節変動で増えても200本程度が目安であり、500本という数値はヘアサイクルが深刻に乱れているサインと言えます。
このレベルの脱毛は、AGA(男性型脱毛症)や甲状腺疾患などの病気、または極度のストレスが原因となっている可能性が考えられるため、自己判断で放置せず、専門のクリニックに相談して原因を特定することが不可欠です。
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- 1日500本という抜け毛が正常か異常かの判断基準
- ストレスや生活習慣、AGAなど男女別に考えられる抜け毛の主な原因
- 食生活の改善や正しいヘアケアなど、自分で始められる具体的な対策
- セルフケアで改善しない場合に専門クリニックで受けられる治療の種類
目次
1日の抜け毛、正常な本数は?500本は多い?
まず、抜け毛500本という数が、どの程度深刻なものなのかを客観的に把握するために、健康な人の平均的な抜け毛の本数や、髪の毛の仕組みについて理解を深めていきましょう。
日本人の平均的な抜け毛の本数
健康な成人であっても、髪の毛は毎日自然に抜け落ちています。
これは「ヘアサイクル(毛周期)」と呼ばれる、髪の毛の生まれ変わりのサイクルによるものです。
ヘアサイクルは、大きく分けて以下の3つの期間で構成されています。
- 成長期(2年~6年):髪の毛が太く長く成長する期間。全体の約85~90%を占めます。
- 退行期(約2週間):髪の毛の成長が止まり、毛根が縮小していく期間。全体の約1%です。
- 休止期(約3~4ヶ月):髪の毛が完全に成長を止め、抜け落ちるのを待つ期間。全体の約10~15%を占めます。
この休止期に入った髪の毛が、ブラッシングやシャンプーなどの刺激によって自然に抜け落ちるのです。
一般的に、この自然な抜け毛の本数は1日あたり50本から100本程度とされています。
したがって、100本程度の抜け毛であれば、ヘアサイクルの範囲内であり、過度に心配する必要はないと言えるでしょう。
季節による抜け毛本数の変動
また、抜け毛の本数は一年を通して一定というわけではなく、季節によって変動することがあります。
特に「秋」は抜け毛が増えやすい季節として知られています。
これにはいくつかの理由が考えられます。
- 夏の間に浴びた紫外線のダメージが、秋になって頭皮に現れる。
- 夏バテによる栄養不足や、自律神経の乱れの影響。
- 動物の毛が生え変わる「換毛期」の名残が、人間にもあるという説。
季節的な要因で抜け毛が増える場合、一時的に1日に200本程度まで増加することもあります。
これも生理的な現象の一環と捉えることができます。
1日500本は明らかに「多い」状態
前述の通り、健康な人の抜け毛は1日50~100本程度、多くても季節変動で200本程度が目安となります。
これを踏まえると、1日に500本という抜け毛は、ヘアサイクルや季節変動の範囲を明らかに超えた「異常な脱毛」である可能性が極めて高いと言えます。
何らかの原因によってヘアサイクルが著しく乱れ、本来であればまだ成長するはずの髪の毛までが、大量に抜け落ちてしまっている状態と考えられます。
この状態を放置すると、薄毛が進行してしまう恐れがあるため、早急に原因を特定し、適切な対策を講じることが重要です。
抜け毛が1日500本に達する主な原因
では、なぜ1日に500本もの髪の毛が抜けてしまうのでしょうか。
ここからは、男女共通で考えられる主な原因を詳しく見ていきます。
過度なストレスによる影響
精神的なストレスは、私たちが思う以上に体に大きな影響を与えます。
特に髪の毛との関係は深く、過度なストレスは抜け毛の大きな引き金となり得ます。
ストレスを感じると、私たちの体は緊張状態となり、自律神経のうち「交感神経」が優位になります。
交感神経が活発になると、血管が収縮するため、全身の血行が悪化します。
頭皮の毛細血管も例外ではなく、血行不良に陥ると、髪の毛を育てる「毛母細胞」へ十分な酸素や栄養素を届けることができなくなります。
栄養不足になった毛母細胞は正常に機能できず、結果として健康な髪の毛を作れなくなったり、ヘアサイクルが乱れて成長途中の髪が抜けてしまったりするのです。
また、ストレスは円形脱毛症の誘因の一つとも考えられています。
生活習慣の乱れ
日々の生活習慣も、髪の健康に直結しています。
特に「睡眠」「食事」「嗜好品」は重要な要素です。
- 睡眠不足:髪の毛の成長を促す「成長ホルモン」は、主に私たちが眠っている間に分泌されます。特に、入眠後の深い眠り(ノンレム睡眠)の時間帯に最も多く分泌されると言われています。睡眠時間が不足したり、眠りが浅かったりすると、成長ホルモンの分泌が減少し、髪の成長が妨げられてしまいます。
- 食生活の偏り:髪の毛は、そのほとんどが「ケラチン」というタンパク質でできています。そのため、肉や魚、大豆製品などのタンパク質が不足すると、髪の毛の材料が足りなくなり、細く弱い髪しか作れなくなります。また、タンパク質の合成を助ける「亜鉛」や、頭皮の血行を促進する「ビタミンE」、頭皮環境を健やかに保つ「ビタミンB群」なども、健康な髪を育てる上で欠かせない栄養素です。インスタント食品やファストフード中心の偏った食生活は、深刻な栄養不足を招き、抜け毛の原因となります。
- 過度な飲酒・喫煙:アルコールを分解する過程で、髪の成長に必要なビタミンやアミノ酸が大量に消費されてしまいます。また、喫煙は血管を収縮させ、頭皮の血行を著しく悪化させる原因です。
誤ったヘアケア
良かれと思って行っている毎日のヘアケアが、実は頭皮や髪にダメージを与え、抜け毛を増やしているケースも少なくありません。
- 洗浄力の強すぎるシャンプー:頭皮の汚れをしっかり落としたいという思いから、洗浄力の強い高級アルコール系のシャンプーを使っている方もいるかもしれません。しかし、洗浄力が強すぎると、頭皮を守るために必要な皮脂まで洗い流してしまい、頭皮の乾燥を招きます。乾燥した頭皮は、バリア機能が低下して刺激に弱くなったり、逆に皮脂を過剰に分泌して毛穴を詰まらせたりする原因になります。
- 不適切な洗い方:シャンプーの際に爪を立ててゴシゴシ洗うと、頭皮が傷つき、炎症を起こすことがあります。また、シャンプーやコンディショナーのすすぎ残しは、毛穴に詰まって雑菌の繁殖や炎症を引き起こし、頭皮環境を悪化させる一因です。
- ドライヤー:ドライヤーの熱髪を乾かす際に、ドライヤーを頭皮に近づけすぎたり、同じ場所に長時間温風を当て続けたりすると、頭皮が乾燥し、髪の毛のタンパク質が熱で変性してしまいます。これも、抜け毛や切れ毛の原因となります。
特定の病気や医薬品の副作用
大量の抜け毛は、何らかの病気が隠れているサインである可能性も考慮しなければなりません。
例えば、甲状腺ホルモンのバランスが乱れる「甲状腺機能亢進症(バセドウ病)」や「甲状腺機能低下症(橋本病)」では、新陳代謝の異常からヘアサイクルが乱れ、脱毛症状が現れることがあります。
他にも、自己免疫疾患である「膠原病」、血液中のヘモグロビンが不足する「鉄欠乏性貧血」、頭皮の皮脂が過剰になる「脂漏性皮膚炎」なども、抜け毛の原因となり得ます。
また、服用している薬の副作用として脱毛が起こることもあります。
代表的なものに抗がん剤がありますが、それ以外にも高血圧の治療薬や抗うつ薬など、一部の医薬品で脱毛の副作用が報告されています。
急に抜け毛が増えたと感じた場合は、現在服用中の薬について、医師や薬剤師に確認することも大切です。
【男性特有】抜け毛500本の原因として考えられるAGA(男性型脱毛症)
男性で、特に生え際や頭頂部の薄毛が気になり始めた場合、抜け毛の原因として最も可能性が高いのが「AGA(男性型脱毛症)」です。
AGAとは?
AGAは、Androgenetic Alopeciaの略で、成人男性に最も多く見られる進行性の脱毛症。
遺伝や男性ホルモンの影響が主な原因とされています。
AGAの発症には、「テストステロン」という男性ホルモンと、「5αリダクターゼ」という還元酵素が深く関わっています。
体内のテストステロンが、頭皮(特に前頭部や頭頂部)に多く存在する5αリダクターゼと結合すると、「DHT(ジヒドロテストステロン)」という、より強力な男性ホルモンに変換されます。
このDHTが、毛根にある毛乳頭細胞の受容体(アンドロゲンレセプター)と結合すると、脱毛を促す信号が発せられます。
その結果、髪の毛のヘアサイクルのうち「成長期」が大幅に短縮されてしまうのです。
本来であれば数年間かけて太く長く成長するはずの髪の毛が、十分に育たないまま細く短い状態で抜け落ちてしまうため、徐々に薄毛が目立つようになります。
AGAの進行パターンとセルフチェック
AGAには、薄毛が進行していく特徴的なパターンがあります。
- M字型:額の生え際、特に両サイドから後退していく。
- O字型:頭頂部(つむじ周り)から円形に薄くなっていく。
- U字型:M字型とO字型が同時に進行し、最終的に側頭部と後頭部の髪だけが残る。
ご自身の抜け毛をチェックしてみて、以下のような特徴が見られる場合はAGAの可能性を疑ってみると良いでしょう。
- 抜け毛が細く、短いものが多い。
- 以前に比べて髪全体のハリやコシがなくなった。
- 生え際が後退してきた、または頭頂部の地肌が透けて見えるようになった。
- 家族(特に父方・母方の祖父や父)に薄毛の人がいる。
AGAは放置すると進行する
AGAの最も重要な特徴は、「進行性」であるという点。
生活習慣の改善やヘアケアの見直しだけで、AGAの進行を完全に止めることはできません。
何の対策もせずに放置していると、DHTの影響でヘアサイクルは乱れ続け、薄毛は徐々に、しかし確実に進行していきます。
したがって、AGAが疑われる場合は、できるだけ早い段階で専門的な対策を始めることが、将来の髪を守る上で非常に重要になります。
【女性特有】抜け毛500本の原因として考えられる脱毛症
女性の抜け毛もまた、男性とは異なる特有の原因が考えられます。
500本という異常な抜け毛の背景には、ホルモンバランスの変化などが隠れている可能性があります。
FAGA(女性男性型脱毛症)またはFPHL(女性型脱毛症)
女性の薄毛で最も一般的なものが、FAGA(Female Androgenetic Alopecia)やFPHL(Female Pattern Hair Loss)と呼ばれる脱毛症です。
男性のAGAが局所的に薄くなるのに対し、女性の場合は頭部全体の髪の毛が均等に薄くなり、ボリュームが失われる「びまん性脱毛」という特徴があります。
分け目が目立つようになった、髪の毛のコシがなくなり地肌が透けて見える、といった症状で気づかれることが多いです。
主な原因は、加齢や閉経などに伴う女性ホルモン(エストロゲン)の減少と、相対的に男性ホルモンが優位になることによるホルモンバランスの乱れと考えられています。
エストロゲンには髪の成長を維持する働きがあるため、これが減少するとヘアサイクルが乱れ、抜け毛が増加してしまうのです。
産後脱毛症(分娩後脱毛症)
出産を経験した女性の多くが直面するのが「産後脱毛症」です。
妊娠中は、女性ホルモンである「エストロゲン」と「プロゲステロン」の分泌量が非常に高くなります。
エストロゲンには、髪の成長期を維持する働きがあるため、妊娠中は本来であれば休止期に入って抜けるはずの髪の毛が、抜けずに成長し続ける状態になります。
しかし、出産を終えると、これらの女性ホルモンの分泌量は急激に元のレベルまで減少します。
すると、今まで抜けずにいた髪の毛が一斉に休止期に入り、産後2~3ヶ月頃からごっそりと抜け始めるのです。
これは一時的な生理現象であり、通常は産後半年から1年ほどで自然に回復していきます。
ただし、500本という本数は、通常の産後脱毛症の範囲を超えている可能性も否定できません。
育児によるストレスや睡眠不足、栄養の偏りなどが重なり、症状が悪化しているケースも考えられます。
牽引性(けんいんせい)脱毛症
髪型が原因で起こる抜け毛もあります。
それが「牽引性脱毛症」です。
毎日きつく髪を結ぶポニーテールや、引っ張る力の強いエクステンションなどを長期間続けていると、特定の部位の毛根に常に物理的な負担がかかり続けます。
この慢性的な牽引力によって、生え際や分け目部分の血行が悪くなり、髪が抜けやすくなってしまうのです。
仕事柄、毎日同じ髪型で髪をきつく結んでいる方などは、一度ご自身の髪型を見直してみることも必要かもしれません。
1日500本の抜け毛を減らすためのセルフケア対策
原因が何であれ、髪と頭皮にとって良い環境を整えることは、抜け毛対策の基本。
ここでは、今日からでも始められる具体的なセルフケア方法をご紹介します。
これらの対策は、専門的な治療を受ける場合でも、その効果を高める土台となります。
食生活の見直しで内側からケア
髪は、私たちが食べたものから作られます。
バランスの取れた食事は、健康な髪を育てるための最も重要な要素の一つです。
- タンパク質を十分に摂る:前述の通り、髪の主成分はケラチンというタンパク質です。肉、魚、卵、大豆製品などを毎日の食事にバランス良く取り入れましょう。
- 亜鉛を意識する:亜鉛は、タンパク質を髪の毛に合成する際に不可欠なミネラルです。不足すると健康な髪が作られにくくなります。牡蠣、レバー、赤身肉、チーズなどに多く含まれています。
- ビタミン類をバランス良く:ビタミンB群(特にビオチン、B2、B6)は頭皮の新陳代謝を促し、ビタミンCはコラーゲンの生成を助け血管を丈夫にし、ビタミンEは血行を促進する働きがあります。緑黄色野菜、果物、ナッツ類などを積極的に食事に取り入れましょう。
過度なダイエットは、深刻な栄養不足を招き、抜け毛の直接的な原因になります。
健康的に体重を管理することが大切です。
質の高い睡眠を確保する
睡眠は、体のあらゆる細胞を修復し、再生させるための大切な時間。
髪の成長を促す成長ホルモンは、午後10時から午前2時の間に最も活発に分泌されると言われてきましたが、近年の研究では、時間帯よりも「入眠後の最初の深い眠り」が重要であるとされています。
質の高い睡眠を確保するために、以下の点を心がけてみましょう。
- 毎日同じ時間に寝て、同じ時間に起きる習慣をつける。
- 寝る前のスマートフォンやパソコンの使用は控える(ブルーライトが睡眠の質を低下させます)。
- ぬるめのお風呂にゆっくり浸かってリラックスする。
- 寝室を暗く、静かで快適な温度に保つ。
最低でも6時間以上の睡眠時間を確保することが理想的です。
ストレスとの上手な付き合い方
現代社会でストレスを完全になくすことは困難。
だからこそ、ストレスを溜め込まず、上手に発散する方法を見つけることが重要になります。
- 軽い運動を習慣にする(ウォーキング、ヨガなど)。
- 自分の好きな音楽を聴いたり、映画を観たりする。
- 親しい友人や家族と話す時間を作る。
- ゆっくりと深呼吸をして、心身をリラックスさせる。
自分に合ったリフレッシュ方法を見つけ、意識的に休息を取る時間を作りましょう。
正しいヘアケア方法の実践
毎日のシャンプーは、頭皮環境を左右する重要なケア。
以下のポイントを見直してみてください。
シャンプーの選び方
ご自身の頭皮タイプに合ったものを選びましょう。
特に頭皮が乾燥しがちな方や、刺激に弱い方は、洗浄力がマイルドな「アミノ酸系」や「ベタイン系」のシャンプーがおすすめです。
正しいシャンプーの手順
- シャンプー前に、乾いた髪を優しくブラッシングし、ホコリや絡まりを取ります。
- 38℃程度のぬるま湯で、頭皮と髪を1~2分かけてしっかりと予洗いします。これだけで汚れの7割は落ちると言われています。
- シャンプーを直接頭皮につけず、手のひらで十分に泡立ててから髪全体になじませます。
- 指の腹を使って、頭皮を優しくマッサージするように洗います。爪を立てるのは絶対にやめましょう。
- シャンプー剤が残らないように、時間をかけて丁寧にすすぎます。特に生え際や襟足は残りやすいので注意が必要です。
正しいドライヤーの使い方
濡れた髪はキューティクルが開いており、非常にデリケートな状態。
タオルでゴシゴシこすらず、優しく押さえるように水分を拭き取ります(タオルドライ)。
その後、ドライヤーを頭皮から20cm以上離し、温風を全体に分散させるようにして乾かします。
8割ほど乾いたら、最後に冷風を当てるとキューティクルが引き締まり、髪にツヤが出ます。
頭皮マッサージで血行促進
頭皮マッサージは、硬くなった頭皮をほぐし、血行を促進するのに効果的。
血流が改善されることで、毛根に栄養が行き渡りやすくなります。
指の腹を使い、頭皮全体を優しくつかむように、下から上へ、ゆっくりと動かします。
「気持ちいい」と感じる程度の力加減で行いましょう。
シャンプー中や、お風呂上がりの血行が良い時に行うのがおすすめです。
1日500本の抜け毛が続く場合は専門家への相談も視野に
セルフケアは抜け毛対策の基本ですが、1日に500本という大量の抜け毛が続く場合や、原因がAGAなどセルフケアだけでは対処が難しいものの場合は、専門家である医師に相談することが最善の選択となります。
セルフケアで改善が見られない場合は専門医へ
以下のような状況に当てはまる場合は、自己判断で様子を見続けるのではなく、皮膚科、または薄毛治療を専門とするクリニックの受診をしましょう。
- この記事で紹介したセルフケアを1ヶ月以上続けても、抜け毛の量が全く減らない、むしろ増えている。
- 生え際の後退や頭頂部の薄毛など、AGAやFAGAが疑われる症状が明らかに見られる。
- 抜け毛だけでなく、頭皮に強いかゆみ、赤み、フケ、湿疹などの異常がある。
- 急激に、かつ大量に髪が抜けている。
医療機関では、専門的な知識と検査に基づいて抜け毛の根本原因を診断し、一人ひとりに合った最適な治療法を提案してくれます。
AGA・FAGAの主な治療法
AGAやFAGAの治療は、皮膚科や専門クリニックで受けることができます。
治療の目的は、ヘアサイクルの乱れを正常化させ、抜け毛を減らし、健康な髪の毛を育てる(育毛・発毛)ことです。
主な治療法には以下のようなものがあります。
内服薬治療
- 男性向け(AGA):「フィナステリド」や「デュタステリド」といった薬が処方されます。これらは、AGAの原因物質であるDHTの生成を抑制する働きがあり、抜け毛を防ぎ、ヘアサイクルを正常に戻す効果が期待できます。
- 女性向け(FAGA):男性ホルモンの働きを抑制する「スピロノラクトン」などが処方されることがあります。ただし、女性への処方は医師の慎重な判断が必要です。
- 男女共通:「ミノキシジル」のタブレット(内服薬)は、血管を拡張して頭皮の血流を改善し、毛母細胞を活性化させることで、発毛を促進する効果が期待できます。
外用薬治療
「ミノキシジル」を配合した塗り薬(外用薬)も広く用いられています。
頭皮に直接塗布することで、毛根に働きかけ、血行を促進し、発毛を促します。
市販薬もありますが、クリニックで処方されるものは濃度が高い場合が多く、より高い効果が期待できます。
注入治療(メソセラピーなど)
これは、髪の成長に必要な成長因子(グロースファクター)やミノキシジルなどを、注射や特殊な機器を使って頭皮に直接注入する治療法。
内服薬や外用薬と組み合わせることで、相乗効果が期待できるとされています。
これらの治療には、それぞれ効果だけでなく、副作用のリスク(初期脱毛、性機能不全、動悸、多毛症など)も伴います。
治療を始める前には、必ず医師から十分な説明を受け、理解した上で進めることが重要です。
植毛
薬物治療で十分な効果が得られない場合や、AGAがかなり進行してしまった場合の選択肢として「自毛植毛」があります。
これは、AGAの影響を受けにくい後頭部や側頭部の自分自身の髪の毛を、毛根ごと採取し、薄毛が気になる前頭部や頭頂部に移植する外科手術です。
- メリット:自分自身の組織を移植するため、拒絶反応が起こる心配がほとんどありません。また、移植した毛髪が生着すれば、その後はヘアサイクルを保ち、半永久的に生え変わり続けます。
- デメリット:外科手術であるため、ダウンタイム(回復期間)が必要です。また、公的医療保険が適用されない自由診療のため、費用は高額になる傾向があります。
植毛は、薄毛の悩みを根本的に解決できる可能性がある一方で、身体的・経済的な負担も大きい治療法。
メリットとデメリットを十分に理解し、信頼できるクリニックでカウンセリングを受けることが不可欠です。
まとめ:抜け毛が1日500本は非常に多いので専門のクリニックに相談しよう
記事のポイントのまとめです。
1日に500本の抜け毛は、単なる抜け毛が多いというレベルではなく、あなたの髪と体が発している危険信号である可能性が高いと考えられます。
原因は、ストレスや生活習慣の乱れ、誤ったヘアケアといった身近な問題から、AGAやFAGAといった進行性の脱毛症、さらには何らかの病気が隠れている可能性まで、多岐にわたります。
セルフケアだけでは改善が見られない場合や、AGA・FAGAの兆候が明らかな場合は、決して一人で悩みを抱え込まないでください。
現代では、医療の力で薄毛の悩みにアプローチできる有効な治療法が確立されています。
早期に原因を特定し、正しい対策を始めることが、5年後、10年後のあなたの髪を守るための賢明な一歩となります。