
抜け毛が増える主な原因には、出産後や更年期のホルモンの変化、月経による鉄不足、無理な食事制限、強いストレス、甲状腺の病気、薬の副作用、髪をきつく結ぶ髪型などがあります。
多くは原因が落ち着けば抜け毛も減っていく一時的なものです。
一方で、分け目や頭頂部の髪が少しずつ細く少なくなっていく場合は、FAGA(女性男性型脱毛症)が関わっている可能性があり、自然に戻るのを待つより医師に状態を確かめてもらうことが大切です。
原因は1つとは限らず、いくつかが重なっていることも多いため、抜け毛が増えた時期や月経・体調の変化をメモしたうえでFAGA治療に対応するクリニックに相談すると、原因を見極めやすくなります。
- 女性の抜け毛は出産・更年期・鉄不足・FAGAなど原因がさまざま
- FAGAは20代でも見られ、年齢とともに割合が上昇
- 20〜30代は出産、40〜50代は更年期など、年代で抜け毛の原因が異なる
- 分け目の広がりや髪の細さが気になったら早めにFAGA対応クリニックへ相談
女性の抜け毛が多い原因と年代ごとの確認ポイント
抜け毛が増える原因は、大きく分けると「一時的なもの」と「少しずつ進むもの」の2種類です。
一時的なものは原因がなくなれば落ち着くことが多い一方で、少しずつ進むものは放っておくと髪の密度が下がり続ける場合があります。
どちらに当てはまるかを見た目だけで判断するのは難しいため、原因ごとの特徴を知っておくと、医師に相談するときにも状況を伝えやすくなります。
FAGA(女性男性型脱毛症)


FAGAは、分け目や頭頂部を中心に、髪が全体的に細く少なくなっていく脱毛症です。
生え際が大きく後退することは少なく、地肌が透けて見える範囲がじわじわと広がっていくのが特徴とされています。
髪が一気に抜けるというより、1本1本が細く短くなり、ボリュームが減ったと感じて気づく方も多くいます。
中国の6都市で行われた調査では、FAGAのある女性の割合は全体で6.0%でした。
また、FAGAのある女性の19.2%に薄毛の家族歴がありました。

FAGAは少しずつ進むタイプの脱毛症です。
自然に戻るのを待つより、早めにFAGA治療に対応するクリニックで今の状態を確認しておくと、その後の変化を比べやすくなります。
出産後のホルモン変化

妊娠中は女性ホルモンの働きで髪が抜けにくい状態が続きます。
出産後にホルモンの量が急に下がると、抜けずに残っていた髪がまとめて抜け始めることがあります。
これは産後の休止期脱毛と呼ばれ、多くは時間がたつにつれて落ち着いていきます。
ただし、抜け毛の量が落ち着いたあとも分け目の広がりが戻らない場合は、FAGAが隠れていないか確かめる必要があります。
更年期の女性ホルモンの減少

40代後半から50代にかけての更年期には、女性ホルモンのエストロゲンが大きく減っていきます。
エストロゲンには髪の成長期を保つ働きがあると考えられており、減少すると髪が細くなったり、ハリやコシがなくなったりしやすくなります。
一方で、更年期は男性ホルモンの影響が相対的に強まる時期ともいわれており、FAGAが目立ち始める時期と重なりやすいとされています。

「年齢的に仕方ない」と片づけてしまうと、FAGAに気づくのが遅れることもあります。
月経周期や生理不順の影響

生理前になると抜け毛が増えた気がする、という声は少なくありません。
月経周期によってホルモンのバランスは変化しますが、生理前の抜け毛との関係は医学的に十分にわかっていないのが現状です。
一方、生理不順が続いている場合は、ホルモンバランスの乱れや、多嚢胞性卵巣症候群のように男性ホルモンが多くなる状態が関わっていることもあります。
月経の周期だけで原因を決めつけず、抜け毛が増えた時期と月経の状態をメモしておくと、診察の際に役立ちます。
鉄不足や無理な食事制限

女性は月経によって毎月鉄を失うため、鉄が不足しやすい状態になりがちです。
髪をつくる毛母細胞は活発に分裂している細胞なので、鉄やたんぱく質などの栄養が足りなくなると影響を受けやすいと考えられています。

また、短期間で体重を大きく落とすダイエットをすると、しばらくたってから抜け毛がまとめて増えることがあります。
甲状腺の病気や薬の副作用

甲状腺ホルモンは、多すぎても少なすぎても髪が抜けやすくなることが知られています。
抜け毛のほかに、疲れやすさ、むくみ、動悸、体重の急な変化といった症状がある場合は、甲状腺の働きを血液検査で確かめる必要があります。
また、服用している薬が原因で髪が抜けることもあります。
自己判断で薬をやめるのは避け、飲んでいる薬の名前を控えたうえで医師に相談しましょう。
ストレスや髪を強く引っ張る髪型


強いストレスや高熱、手術などをきっかけに、しばらくたってから髪がまとめて抜けることがあります。

前述の通り、休止期脱毛は原因がなくなると落ち着いていくことが多い脱毛です。
一方で、ポニーテールやおだんごなど、髪をきつく結ぶ髪型を毎日続けていると、引っ張られる部分の毛根に負担がかかり、生え際や分け目の髪が少なくなる場合もあります。
20代・30代で多い原因と確認したいこと

20代・30代は、ダイエットによる栄養不足、出産、就職や転職などの生活の変化が重なりやすい年代です。

こうした原因による抜け毛は一時的なことが多い一方で、若い年代でもFAGAは起こります。
韓国の女性4,601人を対象にした調査では、FAGAの割合は20代で0.2%、30代で2.3%でした。

中国の6都市の調査でも、18〜29歳で1.3%、30〜39歳で2.3%という結果が出ています。
:The prevalence and types of androgenetic alopecia in Korean men and women.|アメリカ国立生物工学情報センター
割合は高くありませんが、「まだ若いから大丈夫」とは言い切れません。
抜け毛が増えた時期に思い当たる出来事がないか、分け目の幅が以前より広がっていないかを確認しておきましょう。
40代・50代で多い原因と確認したいこと

40代・50代は、更年期による女性ホルモンの減少とFAGAが重なりやすい年代です。
韓国の調査ではFAGAの割合が40代で3.8%、50代で7.4%、中国の調査では40〜49歳で5.4%、50〜59歳で7.5%と、20代・30代より高くなっていました。
:The prevalence and types of androgenetic alopecia in Korean men and women.|アメリカ国立生物工学情報センター
この年代は仕事や家庭の負担も大きく、ストレスや睡眠不足、鉄不足などが同時に起こっていることもあります。

原因が1つとは限らないため、抜け毛の変化に加えて、月経の状態や体調の変化もまとめて医師に伝えることが大切です。
60代以降で多い原因と確認したいこと

FAGAの割合は年齢とともに高くなり、韓国の調査では60代で11.7%、70歳以上で24.7%でした。
中国の調査でも、60〜69歳で10.3%、70歳以上で11.8%となっています。
:The prevalence and types of androgenetic alopecia in Korean men and women.|アメリカ国立生物工学情報センター
60代以降は加齢による髪の変化も加わるため、薄毛を「年のせい」と考えがちです。
しかし、原因は年齢だけとは限らず、FAGAや甲状腺の病気、服用している薬の影響が関わっている場合もあります。
持病の薬を飲んでいる方が多い年代でもあるので、治療を考える際は、今飲んでいる薬をすべて医師に伝えておきましょう。
早めにクリニックへ相談したいサイン

抜け毛は、本数だけで正常か異常かを判断できません。
抜けた本数を数えるより、次のような変化がないかを確認してみてください。
- 分け目の幅が以前より広がってきた
- 頭頂部の地肌が透けて見えるようになった
- 髪が細く柔らかくなり、ボリュームが減った
- まとめ髪にしたときの束が細くなった
- 抜け毛が増えた状態が数ヶ月続いている
1つでも当てはまる場合は、FAGAなどの可能性を確かめるために、早めにFAGA治療に対応するクリニックへ相談してみましょう。
なお、急に髪がまとまって抜けた場合や、頭皮に強い痛み・赤みがある場合は、早めに医療機関で対面の診察を受けてください。
女性の抜け毛を理解するための基礎知識
ヘアサイクルと一時的に髪が抜ける仕組み

髪は、伸び続ける「成長期」、成長が止まる「退行期」、抜け落ちるのを待つ「休止期」というサイクルを繰り返しています。
健康な頭皮でも毎日ある程度の髪が抜けるのは、休止期を終えた髪が自然に抜け落ちているためです。
前述の通り、出産やストレスなどをきっかけに多くの髪が一斉に休止期へ移ると、しばらくしてから抜け毛がまとめて増えます。

一方、FAGAでは成長期が短くなるため、髪が太く長く育つ前に抜けてしまい、細く短い毛が増えていくのが特徴です。
一時的な抜け毛では「抜ける量」が増えますが、FAGAでは「育つ髪の太さ」が変わっていく点に違いがあります。
FAGA治療に対応するクリニックの診察で聞かれること


FAGA治療に対応するクリニックでは、まず問診で、抜け毛が増えた時期や気になる部分を詳しく聞かれます。
問診で伝えておきたい主な内容は、次のとおりです。
- 抜け毛が増え始めた時期と、きっかけとして思い当たる出来事
- 月経の周期や、生理不順の有無
- 妊娠・出産・授乳の状況や、妊娠を希望しているかどうか
- 服用している薬やサプリメント
- 疲れやすさや体重の変化など、体調の変化
- 家族に薄毛の人がいるかどうか
問診のあとは、頭皮や髪の状態を目で見たり、マイクロスコープで拡大したりして確認するのが一般的です。
オンライン診療では、スマートフォンのカメラを使って頭皮の状態を確認することもあります。
甲状腺の働きや鉄不足を調べるために、血液検査を行うクリニックもあります。
血液検査を行うかどうかや料金はクリニックによって違うため、予約の前に確認しておきましょう。
FAGA治療の主な方法と費用の考え方

FAGA治療では、医師が頭皮の状態や体調を確認したうえで、塗り薬や飲み薬などから治療方法を提案します。
日本の診療ガイドラインでは、女性の薄毛に対して第一選択として推奨されている塗り薬がある一方で、男性のAGA治療で使われる一部の飲み薬は、女性には使用してはいけないとされています。

塗り薬でも飲み薬でも副作用が出ることがあるため、起こりうる副作用と、症状が出たときの相談方法を診察の際に確認しておきましょう。
妊娠中や授乳中、妊娠を希望している時期には使えない薬もあるので、診察の際に必ず伝えてください。
FAGA治療は健康保険が使えない自由診療のため、費用は全額自己負担です。

料金はクリニックによって異なります。
診察料、薬代、配送料、検査料を含めた月々の総額と、途中でやめる場合の条件を事前に確認しておくと、あとから費用の面で困ることを避けやすくなります。
女性の抜け毛を相談するクリニックの選び方


相談先を選ぶときは、まず女性の薄毛の診療に対応しているかを確認しましょう。
AGA治療を中心に行っているクリニックの中には、男性しか受け付けていないところもあります。
そのうえで、次のような点を比べてみてください。
- オンライン診療と対面診療のどちらに対応しているか
- 診察料や薬代などの費用がサイトにわかりやすく書かれているか
- 妊娠中・授乳中の相談を受け付けているか
- 副作用が出たときに相談できる窓口があるか
- 定期配送などの契約条件と、解約の方法が書かれているか

オンライン診療は、通院の時間をとりにくい方や、近くにFAGA治療に対応するクリニックがない方でも、自宅から相談しやすいのが利点です。
一方で、頭皮を直接診てもらいたい場合や、血液検査をその場で受けたい場合は、対面診療が向いています。
まとめ:女性の抜け毛は原因を確かめてから対策を選ぶ
記事のポイントのまとめです。


抜け毛が増える原因はさまざまです。
出産や更年期によるホルモンの変化、鉄不足、ストレス、甲状腺の病気といった一時的なものもあれば、少しずつ進むFAGAもあります。
年代によって起こりやすい原因は変わりますが、FAGAは20代でも見られ、年齢とともに割合が高くなる傾向があります。
見た目や本数だけで原因を判断するのは難しいため、分け目の広がりや髪の細さが気になり始めたら、早めにFAGA治療に対応するクリニックで相談してみましょう。
診察を受けても、すぐに治療を始めなければならないわけではありません。
原因と費用の説明を聞いたうえで、治療を始めるかどうかを決められます。













































































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