
正しい用法で使用していれば、トリートメントの成分が毛根に作用して直接的に髪を抜けさせることはほとんどありません。
トリートメント時に抜け毛が増えたように感じるのは、トリートメントによって髪の滑りが良くなることで、ヘアサイクルの休止期(テロゲン期)にあった毛髪がまとめて離脱するためです。
健常者の場合、1日の洗髪で約28本前後の抜け毛は正常範囲とされています。
参考:Hair Shedding Evaluation for Alopecia: A Refined Wash Test
ただし、すすぎが不十分だと頭皮に成分が残留し、毛穴周囲の炎症や酸化ストレスを招く可能性があるため、塗布は毛先中心にし、しっかりすすぐことが大切です。
あなたの抜け毛は、本当に自然な抜け毛でしょうか?

頭皮の状態が、以下のイラストに当てはまる場合、あなたはAGA(男性型脱毛症)やFAGA(女性男性型脱毛症)の可能性があります。


もし、AGA・FAGAの場合、残念ながら自然に治ることがなく今も進行し続けています。
正しい対策をしなければ、髪の毛の数は減り続け、抜け毛・薄毛が徐々に目立ってきます。

ただし、AGA・FAGAは原因が解明されているので、今日から正しい治療をスタートすれば改善する可能性が十分あります。
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- トリートメント自体が直接的に髪を抜かす原因になることはほぼなく、休止期の毛が滑り落ちているだけ
- すすぎ残しやシリコーンの蓄積は頭皮環境を悪化させ、間接的に抜け毛リスクを高める要因
- 抜け毛の中に細く短い軟毛が増えてきたら、AGAやFAGAの初期サインの可能性
- 進行性の脱毛症は早期にAGAクリニックへ相談することで改善の選択肢が広がる
トリートメントで髪の毛が抜ける原因
正しい使い方をしていれば、トリートメントが直接的に抜け毛を引き起こすことはほとんどありません。
トリートメント自体が毛根にダメージを与えて髪を抜かしている可能性は極めて低いということです。
多くの場合、トリートメント時に抜け毛が増えたように見えるのは、「すでに抜ける準備ができていた髪の毛」が一度にまとめて落ちているだけにすぎません。
ここでは、その背景にあるメカニズムをひとつずつ掘り下げていきます。
ヘアサイクルと「休止期の抜け毛」の関係

髪の毛には寿命があります。
成長期(アナゲン期)、退行期(カタゲン期)、休止期(テロゲン期)の3つのフェーズを繰り返しながら、1本1本がそれぞれのペースで生え替わっています。
成長期は2〜6年ほど続き、この間に髪はどんどん伸びていきます。
退行期には2〜3週間かけて成長がストップし、やがて休止期に入ると毛根から髪が離れる準備が始まります。
正常な頭皮では、全体の約5〜10%の毛髪が常にこの休止期にあるとされています。
休止期に入った髪は、新しい毛に押し出されるかたちで自然に抜けていくのが通常の流れです。
つまり、毎日ある程度の髪の毛が抜けること自体は、まったく異常ではありません。
中国の北京大学人民医院が中国人被験者176名を対象に行った研究では、髪に問題のない健常者が日々のシャンプー時に失う毛髪の平均本数は27.9±12.2本だったと報告されています。
一般的に「1日50〜100本の抜け毛は正常」と言われることが多いですが、洗髪時に限れば実際にはそこまで多くないことがわかっています。
参考:Hair Shedding Evaluation for Alopecia: A Refined Wash Test
ただし、この研究では洗髪以外の時間帯(ブラッシングや日常生活中)に抜ける分は含まれていません。
そのため、1日のトータルで見ると50〜100本程度の抜け毛は十分にあり得る範囲です。
トリートメントをすると、指通りが滑らかになることで、洗髪中にすでに抜けかけていた休止期の髪がスルッと落ちやすくなります。
これが「トリートメントで髪が抜けた」と感じる最大の要因です。
濡れた髪は想像以上にもろい

もうひとつ見落としがちなのが、濡れた状態の髪は乾いた状態よりもかなりデリケートであるという事実です。

髪の毛の構造を簡単に説明すると、外側をキューティクル(毛小皮)が覆い、その内側にコルテックス(毛皮質)、そして中心部にメデュラ(毛髄質)があります。
乾いた状態ではキューティクルがぴったり閉じて髪を守っていますが、水に濡れるとキューティクルが開き、外部からの刺激を受けやすくなります。
Journal of Investigative Dermatology Symposium Proceedingsに掲載された論文によると、濡れた髪は元の長さの約30%まで伸ばしても損傷しませんが、30〜70%を超える伸長では不可逆的な変化が起こるとされています。
つまり、濡れた状態の髪は乾いた状態よりも弾力がある反面、力が加わると切れやすくなるわけです。
トリートメントを塗布して髪を揉み込んだり、すすぎの際に髪をかき上げたりする動作は、この濡れた状態の髪に物理的な力を加えることになります。
特に絡まった髪を無理にほどこうとすると、切れ毛や抜け毛が起きやすくなります。
ちなみに、ここで言う「切れ毛」と「抜け毛」はまったく別物。
切れ毛は毛幹の途中で折れて切れたもの、抜け毛は毛根から離れたものを指します。
排水口にたまった髪を確認して、根元に白い塊(毛球部)がついていれば抜け毛、ついていなければ切れ毛と判断できます。
すすぎ残しが頭皮環境を悪化させるリスク

トリートメント自体が悪いのではなく、使い方に問題があるケースも見逃せません。
なかでも特に注意が必要なのが「すすぎ残し」です。
トリートメントに含まれるシリコンや油性成分は、髪の表面をコーティングして手触りやツヤを向上させる役割を担っています。
これらの成分が髪だけにとどまっていれば問題ありませんが、頭皮にまで付着して洗い流しが不十分だと話は変わってきます。

頭皮に残留したトリートメント成分は、皮脂や汚れと一緒に毛穴周辺に蓄積しやすくなります。
Trüebらの研究レビューでは、頭皮の健康状態が毛髪の成長と維持に直接影響を与えること、そして頭皮の酸化ストレスが早期の脱毛に関与していることが示されています。
参考:Scalp Condition Impacts Hair Growth and Retention via Oxidative Stress
頭皮に蓄積した残留物は、常在菌であるマラセチア菌のエサとなり、過剰な増殖を招きやすくなります。
マラセチア菌は皮脂中のトリグリセリドを分解する過程で遊離脂肪酸を放出し、これが頭皮の炎症やフケ、かゆみの原因となることがわかっています。
こうした慢性的な頭皮トラブルが続くと、毛穴の周囲に炎症が波及し、毛髪の正常なヘアサイクル*1を乱す要因になり得ます。
実際に同研究レビューでは、フケや脂漏性皮膚炎を放置すると、早期脱毛のリスクが高まる可能性があると指摘されています。
だからこそ、トリートメントは「毛先を中心に塗布する」「頭皮にはできるだけつけない」「ぬめりがなくなるまでしっかりすすぐ」の3点を意識することが大切です。
シリコン成分の蓄積による影響

トリートメントに関する話題で避けて通れないのが、シリコン(シリコーン)に関する議論。
ジメチコンやシクロメチコンなどのシリコーン成分は、多くのトリートメントやコンディショナーに配合されています。
シリコーンの役割は髪の表面にフィルムを形成して、なめらかさやツヤを出すこと。
これ自体は髪にとって悪いことではありません。
一方で、水に溶けにくいタイプのシリコーン(ジメチコンなど)は、通常のシャンプーだけでは完全に洗い流せない場合があります。
PMC(PubMed Central)に掲載されたレビュー論文では、水不溶性シリコーンを長期間使い続けると、毛髪表面に蓄積する可能性があると指摘されています。
参考:With or without Silicones? A Comprehensive Review of Their Role in Hair Care
蓄積したシリコーンが髪に与える影響として考えられるのは、主に以下のような点です。
- 髪が重くなり、ボリュームが出にくくなることでペタンとした印象になる。結果として「髪が減った」「薄くなった」と感じやすくなる。
- 頭皮に付着した場合は毛穴周辺の通気性を妨げ、環境の悪化につながる可能性がある。
- 次のトリートメントやヘアケア成分の浸透を阻害してしまう。
ただし、シリコーンが直接的に毛根を破壊したり、脱毛を引き起こしたりするというエビデンスは確認されていません。

あくまでも、蓄積が間接的に頭皮環境や髪のコンディションに影響し得るという話です。
もしシリコーンの蓄積が気になるのであれば、週に1回程度クラリファイング(ディープクレンジング)シャンプーを使って、しっかりと髪と頭皮の残留物をリセットする方法があります。
トリートメントの種類と頭皮への影響の違い

「トリートメント」と一言で言っても、実はさまざまな種類があります。
それぞれの特性を理解しておくと、不要な不安を抱えずに済みます。
インバストリートメント(洗い流すタイプ)は、浴室でシャンプーの後に使い、数分置いてから洗い流すものです。
髪の内部に補修成分を届けることを目的としており、正しくすすげば頭皮への影響は限定的です。
アウトバストリートメント(洗い流さないタイプ)は、タオルドライ後の髪に塗布してそのまま乾かすタイプ。
オイル系、ミルク系、ミスト系などがあり、主にドライヤーの熱や外部ダメージから髪を守る目的で使われます。

こちらは頭皮に直接つける必要がないため、正しく毛先〜中間部に塗布していれば、頭皮トラブルのリスクは低いと言えます。
一方で注意が必要なのが、サロンで行われるケラチントリートメントやストレートメント(縮毛矯正を兼ねた施術)。
米国FDA(食品医薬品局)の調査では、一部のヘアスムージング製品にホルムアルデヒドが含まれていることが確認されており、これが頭皮の刺激や炎症を引き起こす場合があるとされています。
参考:Formaldehyde in Hair Smoothing Products: What You Should Know
もちろん、すべてのサロントリートメントが危険というわけではありません。
施術前に使用成分を確認すること、そして施術後に頭皮にかゆみや赤みが出ていないかチェックすることが重要です。
トリートメント時の物理的な摩擦と引っ張り

意外と見落とされがちなのが、トリートメントを塗布するときの「手の動き」です。
髪が絡まったままの状態でトリートメントをなじませようとして、指でゴシゴシと揉み込んだり、引っ張るようにして髪を通したりしていないでしょうか。

濡れた髪は、乾いた状態と比べて摩擦による抵抗が大きくなります。
Journal of Investigative Dermatology Symposium Proceedingsの論文でも、濡れた髪のほうが梳く際の摩擦が大きく、脆くなった髪が切断点に達しやすいと述べられています。
こうした物理的な力が繰り返し加わると、一時的に「トリートメントのたびに髪がたくさん抜ける」と感じることになります。
実際にはそれが「抜けた」のか「切れた」のかを見分けることが大切。
毛根部分(根元の白い膨らみ)がないなら切れ毛である可能性が高く、その場合は毛穴からの脱落ではなく毛幹の破損です。
対策としては、目の粗いコームで事前に絡まりをほどいてからトリートメントを塗布すること、そして揉み込む際は優しく握るように浸透させることがポイントです。
頻度が高すぎるトリートメントのデメリット


「髪に良いことは多くやったほうがいい」と考えてしまうのは自然なことです。
しかし、トリートメントの頻度が高すぎると逆効果になることもあります。
特にコーティング力の強いトリートメントを毎日使い続けると、前述の通り、髪や頭皮にシリコーンや油性成分が蓄積しやすくなります。
蓄積が進むと髪が重くなり、1本1本にかかる負荷が増します。
これは特に、もともと毛が細い方や、髪のボリュームが少ない方に顕著。
毛が細い方の場合、コーティング成分の重みに髪が耐えきれず、ペタンと寝てしまうだけでなく、引っ張る力が加わったときに根元から抜けやすくなることも考えられます。

また、過剰なトリートメントによって髪の水分バランスが崩れることがあります。
油分でコーティングされた髪は、外部からの水分補給がしにくくなり、結果的にパサつきや硬さが増すケースもあります。
適切な頻度はヘアケア製品の種類や髪質によって異なりますが、インバストリートメントであれば週2〜3回を目安にすると良いでしょう。
毎回のシャンプー後にはコンディショナーだけにとどめ、ディープトリートメントは週1回に限定するなど、メリハリをつけた使い方が理想的です。
洗髪頻度と抜け毛の関係

ここで一つ補足しておきたいのが、洗髪の頻度と抜け毛の「見え方」に関する話です。
たとえば、毎日髪を洗う方と、2〜3日に1回しか洗わない方を比較した場合、後者のほうが「洗髪時の抜け毛が多い」と感じやすい傾向があります。
これは当然のことで、洗っていない間に自然に抜けた休止期の髪が、次の洗髪時にまとめて流されるからです。
実際の1日あたりの抜け毛量が変わったわけではないのに、洗ったときに大量に見えるため不安になってしまいます。
トリートメントとの組み合わせでも同じことが言えます。
トリートメントを使う日は髪に触れる時間が長くなるため、休止期の毛が物理的に落ちやすくなり、「トリートメントのせいで抜けた」と感じやすくなるのです。
つまり、抜け毛の量を正確に把握するためには、数日間にわたって継続的に観察することが大切。

洗髪のたびに排水口にたまる本数を気にするよりも、1週間〜2週間単位で「増えているか、変わっていないか」を見るほうが、正確な判断材料になります。
トリートメントで抜ける髪の毛が「正常」か「異常」かを見分けるポイント
ここまで読んで、「トリートメントで抜ける髪の多くは自然な抜け毛で、過度に心配しなくていい」ということがわかったかと思います。
しかし、すべてのケースで安心していいわけではありません。
なかには、トリートメント時の抜け毛の「量」や「質」に、注意すべきサインが隠れている場合があります。
ここからは、正常な抜け毛と異常な抜け毛を見極めるためのポイントを具体的に解説していきます。
正常な抜け毛の特徴とは

正常なヘアサイクルの一環として抜ける髪には、いくつかの共通した特徴があります。
まず、毛根部分を確認してみてください。

正常な休止期脱毛(テロゲン脱毛)の場合、毛根にはこん棒状の白っぽい塊がついています。
これを「クラブヘア」と呼び、休止期を経て自然に離脱した髪の証拠です。
また、正常な抜け毛は太さが比較的均一。
先ほど紹介した北京大学の研究データでは、健常者の抜け毛の平均直径は76.9±9.0μmでした。
つまり、しっかりとした太さのある毛が抜けていれば、ヘアサイクルの正常な入れ替わりである可能性が高いということです。
本数の目安としては、1日あたりのトータルが50〜100本程度であれば通常の範囲内。
洗髪時に限ると、毎日洗う方であれば30本前後にとどまるのが一般的と言えます。
もちろん、個人差は大きいです。
髪の密度や長さ、太さ、洗髪の頻度によっても見え方は異なりますので、あくまでも参考値として捉えてください。
こんな抜け毛は要注意のサイン

逆に、以下のような特徴が見られる場合は、単なるヘアサイクルの入れ替わりではなく、何らかの脱毛症が進行しているサインかもしれません。
- 抜けた毛が明らかに細い、短い、色が薄い。特に産毛のような毛(軟毛)が混じっている場合は注意が必要です。
- 以前と比べて明らかに抜け毛の本数が増えた。たとえば、毎日洗髪していて排水口にたまる量が目に見えて変わったなど。
- 分け目が広がってきた、つむじ周辺の地肌が透けて見えるようになった。
- 前髪の生え際が後退している、額が広くなった気がする。
- 抜けた毛の根元が萎縮している、または毛根が黒ずんでいる。
特に注目したいのが「軟毛(ベラス毛)」の割合。
先の北京大学の研究では、AGA*2(男性型脱毛症)患者の抜け毛における軟毛の割合は8.3±6.6%で、健常者の1.0±1.6%と比較して有意に高かったと報告されています。
参考:Hair Shedding Evaluation for Alopecia: A Refined Wash Test

つまり、日々の抜け毛のなかに細く短い毛が目立つようになってきたら、AGA(もしくは女性の場合はFAGA)が始まっている可能性が考えられるということです。
AGA・FAGAによる抜け毛の特徴

AGA(男性型脱毛症)とFAGA(女性男性型脱毛症)は、男女ともにもっとも多い脱毛症のひとつです。
韓国・延世大学のLeeらによるアジア人のAGA特性に関するレビューでは、アジア人男性におけるAGAの有病率は年齢とともに増加し、韓国人男性の場合は全年齢で14.1%、中国人男性では19.9%と報告されています。
参考:Characteristics of Androgenetic Alopecia in Asian
女性に関しても、韓国人女性では全年齢で5.6%にAGAが認められ、加齢とともに有病率が上昇するとされています。

AGAの抜け毛にはいくつかの特徴があります。
男性の場合は生え際の後退(M字型)や頭頂部の薄毛(O字型)から始まることが多く、女性の場合は分け目を中心としたびまん性の薄毛が典型的です。
こうした脱毛パターンは、ジヒドロテストステロン*3(DHT)という男性ホルモンの一種が毛包に作用し、ヘアサイクルの成長期を短縮させることで起こります。
成長期が短くなった毛は十分に太く長く育たないまま抜けてしまうため、徐々に細い毛(軟毛化)が増えていきます。
トリートメント時にやたらと細い毛が抜けるようになった場合は、トリートメントの問題ではなく、AGAやFAGAによる毛包の萎縮が進んでいる可能性があります。
休止期脱毛症(テロゲン・エフルビウム)との違い

もうひとつ知っておいてほしいのが、「休止期脱毛症(テロゲン・エフルビウム)」です。
これはAGAやFAGAとはまったく異なるメカニズムで起こる一時的な脱毛です。
休止期脱毛症は、強いストレス、出産、急激なダイエット、高熱、手術、薬の副作用などをきっかけに、多くの毛髪が一斉に休止期に入ることで発症します。
きっかけとなった出来事から2〜3ヶ月後に突然大量の抜け毛が始まるのが特徴です。
先述の北京大学の研究では、休止期脱毛症の患者は1日の洗髪あたり平均125.5±62.7本の毛髪が抜けており、健常者(27.9本)の約4.5倍に達していました。
ただし、抜ける毛は太さが正常(82.7±9.2μm)で、軟毛の割合も1.0±1.0%と低いのが特徴です。
この点がAGAとの大きな違いです。
AGAでは抜ける毛が細く、軟毛の割合が高い一方、休止期脱毛症では太い毛がそのまま大量に抜けます。
休止期脱毛症の場合、原因が取り除かれれば通常6〜12ヶ月で自然回復します。
しかし、AGAやFAGAが背景にある場合は自然回復を待っていても改善しないため、早い段階で専門的な判断を仰ぐことが重要です。
季節性の抜け毛を見分ける

「夏の終わりや秋口に抜け毛が増える」という話を聞いたことがあるかもしれません。
実はこれにも科学的な裏付けがあります。
中国人被験者を対象とした研究では、8〜9月にかけて休止期の毛髪(テロゲン毛)の割合が増加する傾向が確認されています。
これはヨーロッパ人を対象とした先行研究とも一致する結果です。
参考:Changes in Chinese hair growth along a full year
この季節的な抜け毛増加は、紫外線の影響やホルモンの季節変動が関係していると考えられています。
夏場の強い紫外線が頭皮にダメージを与え、そのストレスが2〜3ヶ月後の秋口に休止期脱毛として表れるメカニズムです。
秋にトリートメントをする機会が増えるタイミングと重なって「急に抜け毛が増えた」と感じる方がいるのは、この季節性の変動も一因と考えられます。
ただ、こうした季節性の抜け毛は一時的なもので、冬〜春にかけて通常は落ち着いていきます。
数週間〜1ヶ月以上にわたって抜け毛の増加が止まらない場合は、季節性だけでは説明がつかない可能性があるため、専門家への相談を検討してみてください。
性別による抜け毛パターンの違い


男性と女性では、抜け毛のパターンに明確な違いがあります。
この違いを理解しておくことで、自分の抜け毛がどの段階にあるのかをより正確に判断しやすくなります。
男性の場合、AGAは前頭部の生え際や頭頂部から進行するのが典型的。
ハミルトン・ノーウッド分類と呼ばれる指標では、ステージII(額の生え際がやや後退)からステージVII(頭頂部と前頭部の広範な脱毛)まで段階的に分類されています。
アジア人男性の場合は、ヨーロッパ人と比較して約10年遅れでAGAが進行する傾向があるとされています。
女性の場合は、FAGAは分け目の幅が広がるように進行するびまん性のパターンが主流。
ルードウィヒ分類ではグレードI(軽度)〜グレードIII(重度)に分類されます。
男性のようにおでこが後退するパターンは少なく、前頭部のヘアラインはほぼ保たれるのが特徴です。
いずれの場合も、共通しているのは「毛の軟毛化(細く短い毛が増えること)」です。
トリートメント時の抜け毛を確認する際に、こうした細い毛の割合が増えていないかをチェックすることで、AGAやFAGAの早期発見につながる可能性があります。
自分では判断が難しいケースについて

正常な抜け毛とAGAやFAGAの初期段階の抜け毛を、自分だけで正確に区別するのは簡単ではありません。
北京大学の研究でも、「抜け毛本数」と「軟毛の割合」を組み合わせて初めて、AGA診断の精度(AUC値)が0.957に達すると報告されています。
逆に言えば、どちらか一方だけでは判断が不十分になりがちだということです。
自宅で毎日の抜け毛をひとつひとつ分析するのは現実的ではないため、「最近なんだか抜け毛が増えた気がする」「細い毛が排水口に目立つようになった」と感じた段階で、早めにAGAクリニックに相談するのが賢明です。
最近では無料のカウンセリングやマイクロスコープでの頭皮診断を行っているクリニックも多く、気軽に現状を把握することができます。
AGAやFAGAは進行性の脱毛症。
時間が経つほど毛包の萎縮が進み、治療による改善が難しくなるケースも少なくありません。
同レビュー論文のなかでも、「AGA治療は早期に始めるほど効果が高く、現在の治療法はさらなる進行を止める効果がある」と述べられています。
参考:Characteristics of Androgenetic Alopecia in Asian
「少し気になる」程度の段階でも、専門のクリニックに相談することで安心を得られたり、必要に応じて早期治療に踏み切れたりします。
トリートメントで髪の毛が抜けるのを防ぐための正しい使い方と注意点
ここまでの内容で、トリートメント時の抜け毛の原因や、正常と異常の見極め方について理解が深まったかと思います。
最後に、トリートメントを使う際に押さえておきたい正しい方法と、抜け毛が気になる方が知っておくべき注意点をまとめていきます。
正しいトリートメントの使い方

トリートメントの効果を最大限に引き出しながら、頭皮への悪影響を最小限に抑えるためには、以下のステップを意識してみてください。
- シャンプー後、軽く水気を切ってからトリートメントを塗布する。髪がびしょ濡れのままだとトリートメント成分が薄まり、十分に浸透しません。
- トリートメントは毛先から中間部にかけて塗布し、頭皮には極力つけない。頭皮にトリートメント成分が残ると、毛穴詰まりの原因になります。
- 塗布後は製品に記載された放置時間を守る。長く置けばいいというものではなく、放置しすぎると成分が頭皮に流れ落ちるリスクが高まります。
- すすぎは丁寧に、ぬるめのお湯で行う。髪を触ったときに「ぬめり」が完全になくなるまですすぐのが目安です。熱すぎるお湯は頭皮の必要な皮脂まで奪ってしまうため、38℃前後がベストです。
- すすぎの際に髪を引っ張ったり、無理に絡まりをほどいたりしない。手ぐしで優しく髪の流れに沿って流す程度にとどめましょう。
こうした基本的なステップを守るだけでも、トリートメント時の不要な抜け毛をかなり減らすことができます。
トリートメント前のブラッシングの重要性

意外に思われるかもしれませんが、シャンプー前の乾いた状態でブラッシングをしておくことは、洗髪時の抜け毛を減らすうえで非常に効果的です。
乾いた髪のほうが濡れた髪よりも強度が高いため、絡まりをほどく際のダメージが少なくなります。
目の粗いブラシやパドルブラシを使って、毛先から順に優しく梳かしていくのがコツです。
シャンプー前に絡まりが解消されていれば、トリートメントの塗布時やすすぎの際に不要な摩擦が起きにくくなり、結果として切れ毛や物理的な脱毛を防ぐことにつながります。
ただし、ブラッシング自体を力任せに行ってしまうと本末転倒。
引っかかりを感じたら無理に引っ張らず、少しずつ毛先からほどいていくことを心がけてください。
頭皮に合った製品選びのコツ

抜け毛が気になる方にとって、トリートメント選びは重要なテーマです。
まず確認してほしいのは、自分の頭皮タイプに合っているかどうかという点。
脂性肌の方がコーティング力の強いシリコーン系トリートメントを多用すると、皮脂と相まって毛穴の詰まりが起きやすくなります。
逆に、乾燥肌の方がさっぱりタイプのものばかり使っていると、頭皮の潤いが不足してフケやかゆみが出ることもあります。
また、トリートメントの成分表示にも目を通す習慣をつけると良いでしょう。
特に敏感肌の方は、以下のような成分に注意が必要です。
- DMDMヒダントインなどのホルムアルデヒド放出型防腐剤。米国では一部のヘアケア製品に含まれるこの成分がアレルギー反応や頭皮トラブルの原因として報告されています。
- 高級アルコール系の界面活性剤が多く含まれている製品は、頭皮への刺激が強い場合があります。
- 強い香料が配合されている製品は、敏感な頭皮にとっては刺激になることがあります。
なお、「ノンシリコーンだから安全」「シリコーン入りだから危険」という単純な図式ではありません。
ノンシリコーン製品でも、代替のコーティング剤が頭皮に合わないケースは十分にあります。
大切なのは成分のひとつひとつではなく、自分の肌質との相性です。
ドライヤーの使い方も抜け毛に影響する

トリートメント後のドライヤーの使い方も、抜け毛に関係しています。
濡れた髪を長時間そのまま放置すると、キューティクルが開いた状態が続きます。
この状態では外部からの摩擦(枕との擦れ、タオルとの接触など)に弱いままで、切れ毛のリスクが高まります。
一方で、ドライヤーの熱を至近距離から長時間当てると、髪のタンパク質が変性し、やはりダメージの原因になります。
理想的なのは、タオルドライで余分な水気を吸い取った後に(このとき髪をゴシゴシ擦らず、押さえるように拭くのがポイントです)、ドライヤーを20cm以上離して温風で全体を乾かし、最後に冷風で仕上げる方法です。

冷風で仕上げるとキューティクルが引き締まり、髪の表面がなめらかになります。
トリートメントで補給した成分を閉じ込める効果も期待できるため、仕上がりの質も変わってきます。
生活習慣が抜け毛に与える影響


実はトリートメントや外的なケアだけでなく、日々の生活習慣が髪の健康に深く関わっています。

栄養面では、タンパク質、鉄分、亜鉛、ビタミンDなどが毛髪の成長に不可欠な栄養素として知られています。
無理なダイエットや偏った食事が続くと、毛根への栄養供給が不足し、休止期脱毛症を引き起こすきっかけになることがあります。
ストレスも大きな要因。
強い精神的ストレスは自律神経のバランスを乱し、頭皮の血行不良を引き起こします。
血行が悪くなると毛母細胞への酸素・栄養の供給が滞り、ヘアサイクルの乱れにつながります。
睡眠の質も見逃せません。
成長ホルモンが分泌されるのは主に深い睡眠中であり、慢性的な睡眠不足は毛髪の再生サイクルに悪影響を及ぼすと考えられています。
喫煙に関しても、台湾の研究では喫煙状況が中等度以上のAGAと統計的に有意に関連していたことが報告されています。
喫煙は末梢血管を収縮させ、頭皮の血流を低下させるため、脱毛リスクを高める一因となります。
こうした生活習慣の改善は、トリートメントの効果を高める土台にもなります。
外からのケアと内からの健康維持、この両面を意識することが、抜け毛対策の本質と言えるでしょう。
男性がトリートメントを使う際の注意点

「トリートメントは女性が使うもの」というイメージを持っている男性もいるかもしれません。
しかし、実際には男性もトリートメントを使うことで髪のダメージ補修やまとまりの改善が期待できます。
ただし、男性特有の注意点がいくつかあります。

まず、男性は女性に比べて髪が短い方が多く、トリートメントが頭皮に直接付着しやすい傾向にあります。
短髪の方がトリートメントを使う場合は、特に頭皮への付着を避ける工夫が求められます。
毛先だけに薄くなじませ、すすぎを入念に行いましょう。
また、男性は女性よりも皮脂分泌量が多い傾向があります。
過剰な皮脂にトリートメントの油性成分が重なると、頭皮環境が急速に悪化しやすくなります。
脂性肌の男性は、軽い質感のトリートメントを選ぶか、使用頻度を週1〜2回に抑えるのが良いでしょう。
そして何より重要なのが、男性の場合はトリートメント時の抜け毛がAGAの初期サインである可能性があるという点。
AGAは進行性であり、放置すると毛包が縮小して回復が難しくなります。
「最近トリートメントのときに抜け毛が気になるな」と感じたら、まずはAGAクリニックで専門的な診断を受けることをおすすめします。
女性がトリートメントを使う際の注意点

女性の場合は、ヘアカラーやパーマ、縮毛矯正など、化学的な施術を受けている方が多いため、トリートメントの選び方がさらに重要になります。
カラーやパーマを繰り返した髪はキューティクルが損傷しており、トリートメントによる補修効果が発揮されやすい反面、すでにダメージが蓄積している髪は物理的な力に弱くなっています。
トリートメントの塗布やすすぎの際に、思っている以上に髪が切れやすいことを意識しておく必要があります。
また、女性は出産後やホルモンバランスの変化によって一時的に抜け毛が増える時期があります。
産後脱毛(分娩後脱毛症)は典型的な休止期脱毛症であり、出産から2〜3ヶ月後に突然始まって数ヶ月で落ち着くのが一般的。
このタイミングでたまたまトリートメントを使うと、「トリートメントが原因で抜けている」と誤解しやすいので注意が必要です。

一方で、30代後半〜40代以降の女性で、分け目の幅の広がりや全体的な髪のボリュームダウンが続く場合は、FAGAの可能性があります。
FAGAはAGAと同様に進行性であるため、「年齢のせいだから仕方ない」と放置せず、早い段階でAGAクリニックに相談することが大切です。
最近では女性専用の待合室やオンライン診療を提供しているクリニックも増えているため、以前よりもずっと相談のハードルは下がっています。
まとめ:トリートメントで髪の毛が抜ける不安を感じたら、まずはAGAクリニックへ

記事のポイントのまとめです。

ここまで、トリートメントと抜け毛の関係について、さまざまな角度から解説してきました。
おさらいすると、トリートメント自体が直接的な抜け毛の原因となることはほぼありません。
多くの場合、トリートメント時に感じる抜け毛は、休止期にあった毛髪が滑りやすくなったことで一度にまとめて落ちているだけです。
しかし、「以前よりも明らかに抜け毛が増えた」「細い毛が目立つようになった」「分け目や生え際に変化がある」と感じるなら、AGAやFAGAといった進行性の脱毛症が潜んでいる可能性は否定できません。
AGAやFAGAは、治療を始めるタイミングが早ければ早いほど、改善の可能性が高いとされています。
Lee WS.らのレビューにおいても、アジア人のAGA治療は毛包がまだ萎縮しきっていない早い段階で始めることの重要性が強調されています。
反対に、「もう少し様子を見よう」「自分でなんとかしよう」と先延ばしにしてしまうと、毛包の萎縮が進行し、治療効果が限定的になるリスクがあります。
だからこそ、少しでも抜け毛に不安を感じたら、まずはAGAクリニックで専門の医師に相談してみてください。
無料カウンセリングを実施しているクリニックも多いため、「まだ治療が必要なレベルかわからない」という段階でも気軽に足を運ぶことができます。
AGA治療は男性だけのものではありません。
女性のFAGA治療も専門的に対応しているクリニックが増えていますので、性別を問わず、髪の悩みを抱えている方は一度プロの意見を聞いてみることをおすすめします。






























































































































































































































