マスターピースの育毛剤（マスターピースセラム）は効果あるか解説

AGA・FAGAは進行性の病気です。

実は、気にしている今も進行しています。

正しい対策をしなければ、髪の毛の数は減り続け、抜け毛･薄毛が徐々に目立ってきます。

そして、治療を開始するタイミングが遅れれば遅れるほど、回復が難しくなり、治療の選択肢も限られてしまいます。

しかし、安心してください。

原因が解明されているので、正しい治療を行えば改善します。

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マスターピースセラムの基本情報

まずは、マスターピースの育毛剤（マスターピースセラム）がどのような製品なのか、その概要と特徴を整理しておきましょう。

商品の概要と特徴

マスターピースセラムは、医学博士によって発見された「NcPA（環状リゾホスファチジン酸Na）」を主要成分として配合した、頭皮用の美容液。

法的な分類は「化粧品」となります。

最大の特徴は、これまでの育毛剤の多くが「今生えている髪の成長をサポートする」ことに主眼を置いていたのに対し、マスターピースセラムはヘアサイクル^*1のより根源的な部分、つまり「髪が作られる初期段階の頭皮環境」に着目している点です。

また、製品のベースとなる液体に一般的な精製水を使用せず、保湿効果や芳香を持つ「ダマスクバラ花水」を採用していることも大きな特徴と言えるでしょう。

これにより、成分のほとんどが頭皮への何らかの働きを担うという、こだわりある処方となっています。

マスターピースの育毛剤は効果ある？

マスターピースセラムは、医薬品や医薬部外品ではなく「化粧品」に分類される製品。

そのため、AGA^*2（男性型脱毛症）やFAGA（女性男性型脱毛症）を直接治療し、髪を生やす「発毛効果」を謳うことはできません。

しかし、配合されている注目の成分「NcPA」やその他の植物エキスには、頭皮環境を健やかに整え、髪にハリやコシを与えるといった、化粧品としてのスカルプケア効果が期待できます。

【成分分析】マスターピースセラムの注目の成分を徹底解説

ここでは、マスターピースセラムの核心部分である配合成分について、一つひとつその役割を詳しく見ていきましょう。

成分の働きを理解することが、製品の効果を正しく見極めるための鍵となります。

最重要成分「NcPA（環状リゾホスファチジン酸Na）」とは？

マスターピースセラムの根幹をなす成分が、この「NcPA（環状リゾホスファチジン酸Na）」です。

これは、大豆などにも含まれるリン脂質の一種で、細胞の増殖や分化に関わる情報伝達物質として、近年、再生医療や化粧品分野で大きな注目を集めています。

化粧品の成分としての主な働きは、肌（頭皮）にうるおいを与え、角質層のバリア機能をサポートすることです。

頭皮が乾燥すると、かゆみやフケの原因となったり、健やかな髪が育ちにくい環境になったりすることがあります。

NcPAは、頭皮に水分を保持させ、しっとりとした状態に整えることで、頭皮環境の正常化を助ける役割が期待されます。

メーカーは、このNcPAが「眠っている毛根を呼び覚ます」という、全く新しい概念を持つと説明しています。

ただし、これはあくまで化粧品としての表現であり、医学的な「発毛」を意味するものではない点を理解しておく必要があります。

化粧品に認められている効能の範囲内では、「頭皮を健やかに保つ」「肌にハリを与える」といったアプローチを通じて、結果的に健やかな毛髪の土台作りをサポートするというニュアンスで捉えるのが適切です。

つまり、NcPAは頭皮のコンディションを整えるための高機能な保湿・整肌成分と位置づけることができます。

ベース成分「ダマスクバラ花水」の役割

多くの化粧水や美容液は、その大部分が「精製水」で構成されています。

しかし、マスターピースセラムは精製水を一切使用せず、代わりに「ダマスクバラ花水」をベースに採用しています。

ダマスクバラ花水は、ダマスクローズの花びらを水蒸気蒸留して得られる芳香蒸留水。

これには、水溶性の芳香成分や微量の美容成分が含まれており、主に以下のような役割が期待されます。

1. 保湿効果：肌にうるおいを与え、乾燥を防ぎます。頭皮も顔の肌とつながっているため、保湿は非常に重要です。
2. 肌を整える効果：肌のキメを整え、すこやかな状態に導く働きがあります。
3. 芳香によるリラックス効果：ダマスクローズの優雅で上品な香りは、心地よいスキンケアタイムを演出し、リラックス効果をもたらします。

ただの液体で薄めるのではなく、ベースとなる成分そのものにも美容効果を持たせるという点に、この製品の強いこだわりが見て取れます。

その他の保湿・整肌成分

マスターピースセラムには、NcPAとダマスクバラ花水の他にも、頭皮環境をサポートするための植物由来エキスが豊富に配合されています。

• アロエベラ葉エキス：古くから保湿や肌荒れ防止に用いられてきた成分です。頭皮にうるおいを与え、乾燥によるダメージから保護する働きが期待できます。
• キュウリ果実エキス：保湿効果が高く、肌を引き締める収れん作用もあるとされています。頭皮をさっぱりとさせながら、うるおいを保ちます。
• カンゾウ根エキス：主成分であるグリチルリチン酸は、肌荒れを防ぐ目的で多くの化粧品に配合されています。デリケートな頭皮を穏やかに整え、すこやかに保つ助けとなります。
• ダイズエキス：イソフラボンを含み、肌にハリとうるおいを与える効果が期待されます。女性のスキンケア製品にもよく使用される成分です。
• アンマロク果実エキス（アムラ）：ビタミンCを豊富に含み、肌を整え、ハリを与える効果があるとされています。インドの伝統医学アーユルヴェーダでも重用されてきた果実です。
• ナツメヤシ種子エキス：保湿効果や、肌の酸化を防ぐ効果が期待される成分です。
• タマネギ根エキス：硫黄化合物を含み、肌を清浄に保つ働きがあるとされています。
• サフランエキス：高い保湿力と、肌を整える働きが注目されている成分です。

これらの植物エキスは、それぞれが異なるアプローチで頭皮の保湿、肌荒れ防止、コンディショニングに貢献します。

複数の成分が多角的に作用することで、頭皮全体の環境を底上げし、健やかな状態へと導くことを目指している処方と言えるでしょう。

マスターピースセラムの期待できる育毛効果と発毛の限界

成分を詳しく見てきたところで、次に「結局、どのような効果が期待できて、何はできないのか」という、最も重要な点を解説します。

期待できる効果：頭皮環境の改善

前述の通り、マスターピースセラムは化粧品。

そのため、その効果は「頭皮環境の改善」という範囲に限定されます。

具体的には、以下のような効果が期待できると考えられます。

1. 頭皮の保湿：NcPA、ダマスクバラ花水、アロエベラ葉エキスなどをはじめとする豊富な保湿成分が、乾燥しがちな頭皮にうるおいを与え、柔軟に保ちます。乾燥はフケやかゆみ、過剰な皮脂分泌の原因にもなるため、保湿はスカルプケアの基本です。
2. 肌荒れの防止：カンゾウ根エキスなどが、外部からの刺激によってゆらぎがちな頭皮を穏やかに整え、肌荒れを防ぎます。
3. 髪にハリ・コシを与える：頭皮が健やかになることで、そこから生えてくる髪の毛も根元から立ち上がりやすくなり、結果として髪全体にハリやコシ、ボリューム感が出ることが期待できます。これは、髪が太くなったのではなく、髪の土台である頭皮が健康になったことによる副次的な効果と捉えるべきです。

このように考えると、マスターピースセラムは「未来の髪のための土壌作り」をするための、高機能な頭皮用美容液であると言えます。

限界：AGA・FAGAへの直接的な発毛効果はない

一方で、明確にしておかなければならないのは、その限界。

マスターピースセラムには、AGA（男性型脱毛症）やFAGA（女性男性型脱毛症）の進行を抑制したり、毛母細胞に直接働きかけて髪を生やしたりする「医学的な発毛効果」は認められていません。

AGAやFAGAの主な原因は、男性ホルモンの一種であるジヒドロテストステロン^*3（DHT）が毛根の受容体と結びつき、ヘアサイクルを乱すことにあります。

このホルモンの働きを抑制したり、血行を促進して毛母細胞を活性化させたりするためには、医薬品成分（フィナステリド^*4、デュタステリド^*5、ミノキシジル^*6など）が必要です。

マスターピースセラムには、これらの医薬品成分は一切含まれていません。

したがって、すでに薄毛が進行している方が、この製品だけで髪を取り戻そうとすることは、残念ながら現実的ではありません。

あくまで、現状の頭皮環境をより良く保つための「守りのケア」「予防的ケア」と位置づけることが重要です。

マスターピースセラムのメリット・デメリット

ここまでの情報を基に、マスターピースセラムを使用する上でのメリットとデメリットを客観的に整理してみましょう。

メリット

• 独自成分「NcPA」による新しいアプローチ：これまでとは異なる視点から頭皮環境にアプローチするNcPAを配合している点は、最大の魅力です。新しいスカルプケアを試してみたい方にとっては、非常に興味深い選択肢となるでしょう。
• 質の高いベース成分と豊富な植物エキス：精製水を使わずにダマスクバラ花水をベースとし、多種の植物エキスを配合している処方は、製品としてのクオリティの高さを物語っています。頭皮に直接つけるものだからこそ、成分にこだわりたいという方には適しています。
• 頭皮環境の土台作りに特化：「発毛」という直接的な効果ではなく、その土台となる「頭皮環境」を整えることに特化しているため、将来的な薄毛を予防したい方や、髪のハリ・コシの低下が気になり始めた方の初期ケアとして有効です。
• 医薬品ではないため副作用のリスクが低い：医薬品成分を含まないため、全身への副作用といった心配は基本的にありません。もちろん、化粧品なので肌に合わない可能性はゼロではありませんが、より手軽に始められるスカルプケアと言えます。

デメリット

• 価格が高価であること：定期購入でも月々1万円近いコストがかかるため、継続するには経済的な負担が大きくなる可能性があります。化粧品カテゴリーのスカルプケア製品としては、トップクラスの価格帯です。
• AGA・FAGAへの直接的な治療効果はない：繰り返しますが、すでに進行している薄毛に対する医学的な改善効果は期待できません。この点を誤解して購入すると、「効果がなかった」という結果になりかねません。
• 効果の実感には個人差がある：化粧品である以上、その効果の感じ方には個人差が大きくなります。すぐに変化を実感できる人もいれば、長期間使用してもあまり変化を感じられない人もいる可能性があります。
• 購入方法が限られている：主に公式サイトでのオンライン販売が中心となるため、ドラッグストアなどで気軽に手に取って試すことができません。

マスターピースセラムをおすすめできる人・できない人

それでは、どのような人にマスターピースセラムは向いていて、どのような人には向いていないのでしょうか。

おすすめできる人

• 将来の薄毛を予防したいと考えている20代～30代：の方まだ薄毛は進行していないものの、予防的な観点から質の高いスカルプケアを始めたい方には良い選択肢です。
• 髪のハリ・コシ・ボリューム感の低下が気になり始めた方：頭皮環境を整えることで、髪の根元の立ち上がりをサポートし、若々しい印象を保ちたいと考えている方に適しています。
• 頭皮の乾燥やベタつき、かゆみなどのトラブルを抱えている方：豊富な保湿・整肌成分が頭皮のコンディションを整え、健やかな状態に導く助けとなります。
• 成分にこだわりがあり、高品質なスカルプケア製品を求めている方：NcPAやダマスクバラ花水といった特徴的な成分に魅力を感じる方には、満足度の高い製品となる可能性があります。

おすすめできない人

• すでにAGA・FAGAが進行し、明らかな薄毛に悩んでいる方：この場合、化粧品によるケアでは不十分です。後述する専門クリニックでの医学的治療を優先すべきです。
• 即効性や目に見える「発毛」を期待している方：マスターピースセラムは、じっくりと頭皮環境を育む製品です。短期間での劇的な変化を求める方には向きません。
• スカルプケアにあまりコストをかけられない方：価格が高価なため、継続が難しい場合は、より安価な他の選択肢を検討する方が賢明です。

効果を求めるならマスターピースの育毛剤ではなく医療機関で

マスターピースセラムのような化粧品によるセルフケアは、あくまで「予防」や「現状維持」のサポートが中心。

もし、あなたの悩みが以下のケースに当てはまる場合は、セルフケアの範囲を超えている可能性が高いため、専門家への相談を推奨します。

抜け毛が明らかに増えた、地肌が透けて見える場合

「朝起きたときの枕元の抜け毛が急に増えた」「髪を洗うと排水溝がすぐに詰まる」「鏡を見ると頭頂部や生え際の地肌が以前より透けて見える」といった自覚症状がある場合、それはAGAやFAGAが進行しているサインかもしれません。

このような状態は、ヘアサイクルが正常に機能しなくなり、髪が太く長く成長する前に抜け落ちてしまっていることを示唆しています。

これを化粧品だけで食い止めることは極めて困難です。

AGA・FAGA専門クリニックでの治療

薄毛の原因を正確に診断し、根本的な治療を行う場所が、AGA・FAGA専門のクリニック。

クリニックでは、医師による問診や視診、場合によっては血液検査などを行い、薄毛の原因を特定します。

その上で、医学的根拠に基づいた治療法が提案されます。

主な治療法には以下のようなものがあります。

• 内服薬：フィナステリドやデュタステリド（AGA治療）といった、薄毛の原因となるDHTの生成を抑制する薬を服用します。
• 外用薬：ミノキシジルという、血行を促進し毛母細胞を活性化させる成分が含まれた塗り薬を頭皮に塗布します。

これらの治療は、医師の監督のもとで行われる医療行為であり、化粧品とは全く異なる次元のアプローチ。

費用はかかりますが、薄毛の進行を抑制し、改善させる効果が科学的に証明されています。

植毛

内服薬や外用薬でも満足のいく効果が得られなかった場合や、すでにある程度薄毛が進行してしまった部位に髪を取り戻したい場合の選択肢として「植毛」があります。

これは、後頭部などの薄毛になりにくい部分から自分自身の毛髪を毛根ごと採取し、薄毛が気になる部分に移植する外科手術。

移植した髪は、元の性質を保ったまま生え続けるため、非常に効果的で根本的な解決策となり得ます。

ただし、高額な費用がかかることや、外科手術であるという点を十分に理解しておく必要があります。

まとめ：育毛と発毛の両方ができるのはマスターピースの育毛剤ではなくAGAクリニック

記事のポイントのまとめです。

この記事では、マスターピースセラムについて、成分から期待できる効果、そして限界まで解説しました。

最後に、重要なポイントをもう一度まとめます。

• マスターピースセラムは「化粧品」であり、高機能な頭皮用美容液である。
• 独自成分「NcPA」や豊富な植物エキスにより、頭皮を保湿し、健やかな環境に整える「スカルプケア効果」が期待できる。
• 髪にハリやコシを与え、ボリューム感をサポートする可能性はあるが、AGAやFAGAを治療する「発毛効果」はない。
• 将来の予防や、髪の質の低下が気になり始めた方の初期ケアには適している。

すでに薄毛が進行している場合は、マスターピースセラムでは効果が不十分であるため、AGA・FAGA専門クリニックに相談するようにしましょう。