縮毛矯正そのものが直接的に大量の抜け毛を引き起こしてハゲさせるわけではありませんが、髪のうねりが取れて根元の立ち上がりがなくなることで、物理的に地肌が透けて見えやすくなる現象は男女問わず頻繁に起こります。
特に、もともと髪が細い方や毛量が少なめの方、あるいはつむじの位置が高い方は、クセ毛特有のふんわりとしたボリュームが消失するため、実際の毛量は変わっていなくても視覚的に「急に薄くなった」と強く感じてしまう傾向があります。
しかし、過度な施術頻度や強力な薬剤選定によって髪のタンパク質が変性し、結果として髪が痩せてハリやコシを失う「ダメージによるボリュームダウン」が起きている可能性もゼロではないため、まずはそれが「ヘアスタイルの変化による錯覚」なのか「髪質の劣化によるもの」なのかを見極めることが重要です。
AGA・FAGAは進行性の病気です。
実は、気にしている今も進行しています。
正しい対策をしなければ、髪の毛の数は減り続け、抜け毛･薄毛が徐々に目立ってきます。
そして、治療を開始するタイミングが遅れれば遅れるほど、回復が難しくなり、治療の選択肢も限られてしまいます。
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- 縮毛矯正で頭頂部の地肌が目立ちやすくなる仕組みと原因
- 「スタイルによる見え方の問題」か「実際の薄毛進行」かの見極め方
- つむじ割れをカバーするカットやスタイリングなどの美容室対策
- 専門クリニックでの治療を検討すべき具体的ケースと判断基準
縮毛矯正でつむじはげが目立ちやすく感じる仕組みを知る
まずは、「なぜ縮毛矯正をすると頭頂部の地肌が目立ちやすくなるのか」という仕組みを理解しておくと、必要以上に不安にならずに済みます。
ここから、髪と頭皮、そして光の当たり方という3つの視点で考えていきます。
ここで縮毛矯正の仕組みと髪への負担を簡単に押さえる
縮毛矯正は、薬剤で髪の内部構造をいったん切り離し、そのあとストレートアイロンの熱で形を固定していく施術です。
もともとねじれていたり波打っていたりする髪の結合を組み替えることで、まっすぐで扱いやすい状態を長期間キープできるようにしています。
しかし、いくら技術が進歩しても、薬剤と熱を使う以上は、髪や頭皮への負担がゼロになるわけではありません。
特にアルカリ性の薬剤や高温のアイロンを繰り返し使うと、髪のタンパク質が傷みやすくなり、細く・コシのない毛になっていく可能性があります。
このように考えると、「縮毛矯正をしたから一気にはげた」というよりも、「もともとあったダメージや細毛傾向が、ストレートになったことで目立った」という場合も多いといえます。
特に、もともと毛量がそこまで多くない人や、つむじの位置が高めで地肌が見えやすい人は、変化を強く感じやすい傾向があります。
実際つむじ周りがペタンと見える主な理由
実際につむじ周りが急にペタンとして見えるとき、多くの場合は「ボリュームの出方」が大きく変わっています。
クセがある状態では、根元に自然な立ち上がりがつき、多少地肌が見えていても、髪がふわっと被さることで目立ちにくくなります。
一方で、縮毛矯正をすると根元から毛先までまっすぐになるため、髪が頭皮に沿って寝やすくなります。
これを横や上から見ると、つむじ部分の地肌の丸がくっきり見えやすくなり、「前よりも薄くなった」と感じてしまうわけです。
さらに、以下のような条件が重なると、より目立ちやすくなります。
- もともと頭頂部の密度がやや少なめだった
- 毛が細くやわらかく、1本1本の存在感が小さい
- カラーやブリーチの履歴が多く、ダメージで髪が痩せている
- 分け目やつむじの位置が高く、光が当たりやすい
このため、「施術後に髪の本数が急に減った」というより、「髪が寝て、光の反射で地肌の白さが強調されている」という現象が起こっているケースが多いと考えられます。
「本当にはげた」のか「目立っているだけ」なのか
つまり、今の状態が「実際に毛が減っている」のか「スタイルの変化による見え方の問題なのか」を見極めることが、最初の重要なポイントになります。
これにより、対処法も大きく変わってきます。
目安としては、次のような点をチェックしてみると判断しやすくなります。
- ここ数カ月で抜け毛の量が明らかに増えたと感じるかどうか
- つむじ以外（前髪の生え際や側頭部など）にもボリュームダウンがあるかどうか
- 家族や友人から「最近薄くなった？」と指摘されるレベルかどうか
- 過去の写真と比べて、毛の密度そのものが変わって見えるかどうか
多くの人は、「写真を撮る角度」や「照明の強さ」を変えるだけで、見え方がかなり違うことに気づきます。
一方で、つむじから周辺にかけて明らかに毛量が減っている場合、男性ではAGA*1、女性ではFAGAなど、ホルモンや体質に関連した脱毛症が背景にあることも少なくありません。
このため、見た目のショックだけで判断せず、「見え方の問題」と「毛が本当に減っている状態」を分けて捉えることが大切です。
縮毛矯正後につむじはげが気になるときのヘアスタイルと施術の見直し
ここでは、「どう見せるか」という観点からできる工夫にフォーカスしていきます。
つむじ周りの地肌が目立つタイミングで、ヘアスタイルや施術の受け方を少し変えるだけでも、印象がかなり違ってくることがあります。
このようにカットやスタイリングでボリュームの見え方を変える
髪の本数をいきなり増やすことはできませんが、「見え方」を変えることはできます。
ここで役立つのが、カットとスタイリングの工夫です。
具体的には、次のようなポイントが考えられます。
- つむじ周りのレイヤー（段差）を調整して、ふんわりかぶさる毛を増やす
- 根元がつぶれにくいように、トップだけ少し短めにする
- 前髪や前側の髪をやや長めに残し、後ろに流すことで頭頂部をカバーする
- 分け目を毎回同じ位置に固定しすぎないようにする
特にロングヘアの場合、根元が伸びて重くなると、どんどんペタンとしやすくなります。
カットでトップに軽さと動きを出してもらうだけでも、「つむじの丸見え感」がやわらぐケースは多いです。
また、スタイリングでは、強いホールド力のワックスよりも、ボリュームが出やすい軽めのスタイリング剤や、根元用のスプレーなどを使ってもらうと、頭頂部の立ち上がりをサポートしやすくなります。
男性・女性どちらの場合でも、「ふんわり見せたいポイントはどこか」を美容師と共有しながらカットやスタイリングを決めることが重要です。
一方で美容室で相談するときに伝えたいポイント
一方で、「なんとなく薄く見える気がする」というだけだと、美容師側もどこまで踏み込んでよいか迷うことがあります。
そのため、相談するときは次のようなポイントをできるだけ具体的に伝えると、仕上がりの満足度が上がりやすくなります。
- いつ頃から頭頂部が気になり始めたのか（縮毛矯正の直後からなのか、徐々になのか）
- 家族や人から指摘されたことがあるかどうか
- 抜け毛の増加を感じているかどうか
- 「写真を撮るとこの角度が特に気になる」など、具体的な見え方
これを理解した上で相談すると、美容師も「ボリュームの見せ方に重点を置いたカット」や「ダメージを抑えた薬剤選び」など、より適切な提案がしやすくなります。
可能であれば、スマホで撮った頭頂部の写真を見せると、つむじの向きや地肌の見え方が伝わりやすいのでおすすめです。
もちろん、美容室は医療機関ではないため、「これはAGAです」「これはFAGAです」といった診断はできません。
あくまでヘアスタイルの面からできることを一緒に考えてもらう場所だという前提を持っておくと、期待値のすり合わせもしやすくなります。
ただしやり過ぎの頻度や強さは逆効果になりうる
ただ、見え方をなんとかしようとして、縮毛矯正の頻度や強さをどんどん上げてしまうのは、逆効果になる可能性があります。
薬剤や熱の負担が積み重なることで、髪のハリ・コシが失われ、結果的にボリュームダウンにつながってしまうことがあるためです。
このため、次のような点には注意しておくと安心です。
- 根元から毛先まで毎回全体をかけるのではなく、伸びた部分中心にリタッチしてもらう
- 髪の状態に合わせて薬剤を変えてもらう（ダメージが強い部分は弱めの薬剤など）
- 施術間隔を短くしすぎない（髪と頭皮の状態を見ながら美容師と相談する）
- ダメージが強く出ている部分には、無理に高温アイロンを当てないようにしてもらう
もっと言えば、「絶対にまっすぐピンピンにしたい」という希望を少しだけ緩めて、ナチュラルなストレートにしてもらう選択もあります。
多少うねりが残っても、トップにふんわり感が出やすくなり、結果的に頭頂部の印象が良くなることも少なくありません。
何はともあれ、「髪を守りながら長く縮毛矯正を続ける」という視点を持っておくと、つむじ周りが目立ちにくい状態をキープしやすくなります。
縮毛矯正でつむじはげが気になったとき専門クリニックを検討する判断基準
ここでは、「髪型や施術の工夫」だけでは不安が拭えないときに、専門クリニックでの相談も視野に入れるべきケースについて解説します。
AGA・FAGAなど頭頂部の薄毛に多い原因を確認する
男性に多いAGA（男性型脱毛症）、そして女性に多いFAGA（女性型脱毛症）があります。
AGAの場合、頭頂部や前髪の生え際から徐々に毛が細く・短くなっていくのが特徴で、放置すると少しずつ進行していくとされています。
FAGAでは、分け目が広がる、全体的にボリュームが減るなど、男性とはやや違うパターンで進行していくことが多いといわれています。
一方で、ストレスや睡眠不足、過度なダイエット、病気や服用中の薬の影響などが、つむじ周りの薄さに関わる場合もあります。
また、いつも同じ位置で強く髪を結んでいるときに起こりやすい「牽引性脱毛症」など、生活習慣に由来する薄毛も存在します。
このように、頭頂部の薄さには複数の要因が絡むことが多く、「縮毛矯正によるダメージ」と「体質やホルモンに関連する要因」が重なっている可能性もあります。
そのため、「縮毛矯正をやめればすべて解決する」と決めつけてしまうのも、必ずしも現実的ではありません。
もし専門の薄毛治療クリニックを受診するなら知っておきたいこと
もし、抜け毛が増えている感覚が強かったり、過去の写真と比べて明らかに頭頂部の密度が落ちていると感じたりする場合は、専門の薄毛治療クリニックや皮膚科で相談する選択肢も検討できます。
ここでは、受診を考える際に知っておきたいポイントをまとめます。
一般的に、AGAやFAGAに対する治療では、内服薬や外用薬などを用いて「抜け毛を抑える」「発毛をうながす」ことを目指します。
男性と女性では使える薬が異なる場合があるため、診察時に医師が体質や持病、ライフスタイルなどを確認したうえで治療方針を決めていきます。
効果の出方には個人差があり、数カ月単位で経過を見ながら調整していくのが一般的です。
また、薬によっては副作用が起こる可能性もあるため、医師からリスクや注意点の説明を受けて納得した上で治療を選ぶことが重要です。
なお、植毛（自毛植毛など）のように、自分の毛根を別の場所に移植する方法もありますが、こちらは手術を伴う医療行為です。
痛みやダウンタイム、費用面などを含め、医師と十分に相談しながら検討していくものだと考えておくとよいでしょう。
まとめ：縮毛矯正でつむじはげが目立つときは専門治療を検討しよう
記事のポイントのまとめです。
縮毛矯正でつむじはげが目立つと感じたとき、「まずはヘアスタイルと施術の見直し」をしつつ、「必要であれば専門治療も視野に入れる」という二段構えで考えるのが現実的です。
最後に、専門クリニックや医療機関への相談を考えるタイミングの目安をまとめます。
- 縮毛矯正の有無に関わらず、ここ1〜2年で頭頂部の密度が明らかに落ちてきた
- 家族に薄毛が多く、自分も同じようなパターンで進行している気がする
- 男女問わず、つむじだけでなく全体的なボリュームダウンが気になり始めている
- 生活習慣を整えても抜け毛の多さが変わらないと感じる
- 心理的なストレスが大きく、「このまま進行したらどうしよう」と不安が強い
もし、いくつか当てはまる項目があるなら、一度専門家の目で現状を確認してもらうのがおすすめです。
診察を受けた結果、「まだ経過観察でよい段階ですね」と言われることもありますし、「早めに薬で進行を抑えておいた方がよさそうです」と提案されることもあります。
いずれにしても、縮毛矯正をきっかけとして頭頂部の状態に目を向けること自体は、決して悪いことではありません。
むしろ、「今のうちにできることは何か」「ヘアスタイルと医療、どこまで組み合わせるか」を早めに考えるチャンスだと捉えることもできます。
一歩ずつ対策を進めていきましょう。
