牛乳は育毛効果がある？髪の毛に良い食べ物ランキングとAGA治療

AGA・FAGAは進行性の病気です。

実は、気にしている今も進行しています。

正しい対策をしなければ、髪の毛の数は減り続け、抜け毛･薄毛が徐々に目立ってきます。

そして、治療を開始するタイミングが遅れれば遅れるほど、回復が難しくなり、治療の選択肢も限られてしまいます。

しかし、安心してください。

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牛乳は育毛効果がある？

牛乳には髪の毛の成長に欠かせない栄養素が含まれているため、「健やかな髪を育むためのサポート」は期待できます。

しかし、牛乳を飲むだけで髪が生えたり、薄毛が改善したりするわけではありません。

あくまで、バランスの取れた食事の一部として捉えることが重要です。

ここでは、牛乳に含まれる栄養素や、飲む際の注意点について詳しく見ていきましょう。

牛乳に含まれる髪に良い栄養素

牛乳が髪の健康維持に役立つとされる理由は、主に以下の栄養素が含まれているためです。

タンパク質

髪の毛の約90%は、「ケラチン」というタンパク質で構成されています。

つまり、タンパク質は髪の主成分であり、これが不足すると髪が細くなったり、ハリやコシが失われたりする原因となります。

牛乳には良質なタンパク質が豊富に含まれており、髪の材料を補給する上で役立ちます。

ビタミンB群

牛乳には、ビタミンB2やB12、ビオチンといったビタミンB群が含まれています。

ビタミンB2は頭皮の皮脂バランスを整え、新陳代謝を促進する働きがあります。

また、ビオチンはタンパク質の代謝を助け、ケラチンの生成をサポートする重要な栄養素です。

亜鉛

亜鉛は、タンパク質が髪の毛（ケラチン）に再合成される際に不可欠なミネラル。

どれだけタンパク質を摂取しても、亜鉛が不足しているとうまく髪の毛を作ることができません。

亜鉛は体内で生成できないため、食事から積極的に摂取する必要があります。

カルシウム

カルシウムは髪の直接的な成分ではありませんが、心身の健康を保つ上で重要な役割を担っています。

ストレスは自律神経を乱し、頭皮の血行不良を引き起こす一因とされています。

カルシウムには神経の興奮を鎮める作用があるため、ストレス緩和を間接的にサポートし、頭皮環境を健やかに保つことにつながります。

牛乳を飲むことのメリット

栄養補給以外にも、牛乳を飲むことにはいくつかのメリットが考えられます。

例えば、牛乳に含まれる「トリプトファン」というアミノ酸は、体内で「セロトニン」という神経伝達物質に変わり、夜になると睡眠を促す「メラトニン」に変化します。

良質な睡眠は、髪の成長を促す成長ホルモンの分泌に不可欠。

そのため、就寝前に温かい牛乳を飲むと、リラックス効果と合わせて睡眠の質を高め、髪の成長サイクルを整える助けになる可能性があります。

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牛乳を飲む際の注意点・デメリット

一方で、牛乳の飲み過ぎには注意が必要です。

牛乳に含まれる脂質は、飽和脂肪酸が中心。

これを過剰に摂取すると、血液中のコレステロール値が上昇し、血液がドロドロになる可能性があります。

血行不良は頭皮に十分な栄養が届きにくくなる原因となり、かえって髪の成長を妨げることにもなりかねません。

また、日本人には牛乳に含まれる「乳糖」をうまく分解できない「乳糖不耐症」の方も多く、飲むとお腹がゴロゴロしたり、下痢をしたりすることがあります。

腸内環境の乱れは栄養の吸収率を低下させるため、ご自身の体質に合わない場合は無理に飲む必要はありません。

牛乳を飲むとハゲる？

一部で「牛乳を飲むと薄毛になる」という噂を聞いたことがあるかもしれません。

これは、牛乳に含まれる「IGF-1（インスリン様成長因子）」が、男性型脱毛症（AGA^*1）の原因物質である「DHT（ジヒドロテストステロン^*2）」の働きを活性化させる可能性がある、という説に基づいています。

しかし、現在のところ、牛乳の摂取と薄毛の進行に明確な因果関係があるという科学的根拠は確立されていません。

過度に心配する必要はないでしょう。

育毛を考える上での牛乳との付き合い方

このように考えると、牛乳は髪に良い面と注意すべき面の両方を持ち合わせていると言えます。

健やかな髪のために牛乳を取り入れるのであれば、1日にコップ1杯（約200ml）程度を目安にするのが良いでしょう。

脂質が気になる方は、低脂肪乳や無脂肪乳を選ぶのも一つの方法です。

繰り返しになりますが、牛乳はあくまで食事全体のバランスを整えるための一つの食品。

牛乳だけで髪の悩みが解決するわけではないことを理解しておくことが大切です。

髪の毛の成長に不可欠な栄養素とは？

牛乳の話から少し視野を広げて、そもそも髪の毛が健康に育つためには、どのような栄養素が必要なのかを理解しておきましょう。

髪に良い食べ物を知る前に、その根拠となる栄養素の働きを知ることで、より効果的に日々の食事を選択できるようになります。

髪の主成分「ケラチン」とタンパク質

前述の通り、髪の毛の主成分はケラチンというタンパク質。

そのため、質の良いタンパク質を十分に摂取することが、美しく力強い髪の土台となります。

タンパク質には、肉や魚、卵、乳製品などに含まれる「動物性タンパク質」と、大豆製品などに含まれる「植物性タンパク質」があります。

これらをバランス良く摂取することが理想的です。

頭皮環境を整えるビタミン類

ビタミンは体の調子を整える潤滑油のような役割を果たしますが、髪と頭皮にとっても非常に重要です。

• ビタミンA：頭皮の新陳代謝（ターンオーバー）を正常に保ち、乾燥やフケを防ぎます。不足すると頭皮環境が悪化しやすくなります。
• ビタミンB群：特にビタミンB2とB6は、皮脂の分泌量をコントロールし、頭皮の炎症を防ぐ働きがあります。過剰な皮脂は毛穴を詰まらせ、抜け毛の原因となることがあります。
• ビタミンC：頭皮の血管や組織を構成するコラーゲンの生成を助けます。また、鉄分の吸収率を高める働きや、ストレス対抗ホルモンの生成にも関わっています。
• ビタミンE：強い抗酸化作用を持ち、血管を拡張して血行を促進する働きがあります。頭皮の毛細血管の血流が良くなることで、髪の成長に必要な栄養素が毛根まで届きやすくなります。

髪の生成をサポートするミネラル類

ミネラルもまた、髪の健康に欠かせない栄養素です。

• 亜鉛：タンパク質を髪の毛（ケラチン）に変える際に必要不可欠なミネラルです。不足すると髪の成長が滞り、抜け毛や薄毛につながる可能性があります。
• 鉄分：血液中のヘモグロビンの成分となり、全身に酸素を運ぶ役割を担っています。頭皮も例外ではなく、鉄分が不足して酸素供給が滞ると、毛母細胞の働きが低下してしまいます。特に女性は月経により鉄分が不足しがちなので、意識的な摂取が推奨されます。

その他、注目したい成分

上記の三大栄養素（タンパク質・ビタミン・ミネラル）に加え、以下のような成分も髪の健康をサポートします。

• イソフラボン：大豆製品に多く含まれる成分で、女性ホルモン「エストロゲン」と似た働きをします。エストロゲンは髪の成長を促進し、ハリやツヤを保つ役割があるため、イソフラボンの摂取はヘアサイクル^*3の維持に役立つと考えられています。
*3. 参考文献
MDPI
Hormonal Effects on Hair Follicles
https://www.mdpi.com/1422-0067/21/15/5342
• カプサイシン：唐辛子などに含まれる辛味成分です。知覚神経を刺激することで、血行促進に関わる成長因子「IGF-1」の生成を促すと言われています。

これらの栄養素を複合的に、かつバランス良く摂取することが、健やかな髪を育むための食事の基本となります。

髪の毛に良い食べ物ランキングTOP10

それでは、これまで解説してきた栄養素を効率良く摂取できる、髪に良い食べ物をランキング形式でご紹介します。

特定の食品ばかりを食べるのではなく、日々の食事にバランス良く取り入れることを意識してみてください。

1位：卵

卵は「完全栄養食」と呼ばれるほど、ビタミンCと食物繊維以外のあらゆる栄養素をバランス良く含んでいます。

髪の主成分であるタンパク質はもちろん、ケラチンの生成を助けるビオチンや亜鉛も豊富。

手軽に調理でき、毎日でも食事に取り入れやすい点が最大の魅力と言えるでしょう。

2位：牡蠣

牡蠣は「ミネラルの王様」とも呼ばれ、特に亜鉛の含有量が全食品の中でもトップクラス。

亜鉛は髪の生成に不可欠な栄養素であり、不足すると抜け毛のリスクが高まります。

亜鉛は体内に貯蔵できないため、定期的に摂取することが重要です。

3位：レバー

レバー（特に豚レバー）には、タンパク質、鉄分、亜鉛、ビタミンA、ビタミンB群といった、髪の健康に必要な栄養素が凝縮されています。

貧血予防にも効果的で、血行を改善し頭皮に栄養を届けやすくする働きも期待できます。

ただし、ビタミンAは過剰摂取すると健康に影響を及ぼす可能性もあるため、適量を心がけましょう。

4位：大豆製品（納豆、豆腐など）

大豆製品は、良質な植物性タンパク質の供給源。

さらに、女性ホルモンと似た働きをするイソフラボンを豊富に含んでおり、ヘアサイクルを整え、髪のハリやコシを保つ助けとなります。

納豆には血流を改善するナットウキナーゼも含まれており、一石二鳥の食材です。

5位：青魚（サバ、イワシ、アジなど）

サバやイワシなどの青魚には、良質なタンパク質に加え、DHAやEPAといったオメガ3系脂肪酸が豊富に含まれています。

これらの脂肪酸は血液をサラサラにし、血行を促進する効果が期待できます。

頭皮の毛細血管の血流が改善されることで、毛根まで栄養がしっかりと届くようになります。

6位：緑黄色野菜（ほうれん草、ブロッコリーなど）

ほうれん草やブロッコリー、にんじんといった緑黄色野菜には、β-カロテン（体内でビタミンAに変換）、ビタミンC、ビタミンEなど、頭皮環境を整えるビタミンが豊富に含まれています。

また、鉄分や葉酸も多く含むため、健康な髪の土台作りに欠かせません。

7位：ナッツ類（アーモンド、くるみなど）

アーモンドやくるみなどのナッツ類は、血行促進作用のあるビタミンEや、髪の生成に必要な亜鉛を手軽に補給できる食品。

良質な脂質（不飽和脂肪酸）も含まれており、健康維持にも役立ちます。

ただし、カロリーが高いため、食べ過ぎには注意し、1日ひとつかみ程度を目安にしましょう。

8位：柑橘類（レモン、みかん、キウイフルーツなど）

レモンやみかん、キウイフルーツなどに豊富なビタミンCは、頭皮の健康を保つコラーゲンの生成に不可欠。

また、ストレスへの抵抗力を高める働きや、鉄分の吸収を助ける働きもあります。

喫煙やストレスで失われやすい栄養素なので、意識して摂取することが大切です。

9位：海藻類（わかめ、昆布、ひじきなど）

海藻類には、ヨウ素や亜鉛、カルシウムといったミネラルが豊富に含まれています。

特にヨウ素は、甲状腺ホルモンの材料となり、全身の代謝を活発にする働きがあります。

代謝が促進されることで、髪の成長もサポートされます。

10位：赤身肉

牛肉や豚肉の赤身には、良質なタンパク質に加え、吸収率の高い「ヘム鉄」や亜鉛が豊富に含まれています。

特にヘム鉄は、野菜などに含まれる非ヘム鉄に比べて体に吸収されやすいため、効率的な鉄分補給が可能。

脂質の少ないヒレ肉やモモ肉を選ぶと良いでしょう。

逆に注意！髪の毛に良くない食生活とは？

髪に良い食べ物を摂ることも大切ですが、同時に髪に良くない食生活を避けることも同じくらい重要。

心当たりのある習慣がないか、チェックしてみましょう。

脂質の多い食事

フライドポテトや唐揚げ、スナック菓子など、脂質の多い食事は皮脂の過剰分泌を招きます。

頭皮の皮脂が多くなりすぎると、毛穴が詰まったり、炎症を起こしたりして「脂漏性脱毛症」の原因となる可能性があります。

糖質の多い食事

ケーキや菓子パン、清涼飲料水など、糖質を過剰に摂取すると、体内でタンパク質と結びついて「糖化」という現象が起こります。

これは体の老化を促進する原因となり、頭皮が硬くなったり、血行が悪くなったりして髪の成長を妨げます。

また、糖質の代謝にはビタミンB群が大量に消費されるため、髪に必要なビタミンが不足しがちになります。

過度な塩分

塩分の摂りすぎは高血圧の原因となり、血管に負担をかけます。

これにより血行が悪化し、頭皮の毛細血管まで十分な栄養が届きにくくなる可能性があります。

インスタント食品や加工食品

インスタント食品や加工食品は、栄養バランスが偏りがちで、食品添加物が多く含まれている場合があります。

これらの食品に頼りすぎると、髪の成長に必要なビタミンやミネラルが不足し、頭皮環境の悪化につながることがあります。

過度なアルコール摂取

アルコールが体内で分解される際には、髪の生成に必要な亜鉛やビタミンB群が消費されてしまいます。

また、過度な飲酒は肝臓に負担をかけ、タンパク質の合成能力を低下させる恐れもあります。

これらの食生活は、髪だけでなく全身の健康にも影響を及ぼします。

健やかな髪を育むためには、まず健康な体を作ることが大前提となります。

育毛・発毛効果を高めたい場合は牛乳だけでは難しい

ここまで、髪と食事の関係について詳しく解説してきました。

バランスの取れた食事は、間違いなく健康な髪を育むための重要な土台。

しかし、「食事内容を改善すれば、薄毛の悩みがすべて解決するのか？」と問われると、必ずしもそうとは言えません。

食事ケアの限界

食事によるアプローチは、あくまで「これから生えてくる髪を健康に育てるための環境作り」や「現状維持」が主な目的です。

特に、薄毛の多くを占める「AGA（男性型脱毛症）」や「FAGA（女性男性型脱毛症）」は、遺伝や男性ホルモンの影響が主な原因であり、進行性の脱毛症。

これらの場合、栄養バランスを整えるだけでは、薄毛の進行を根本的に食い止めることは非常に困難です。

AGA・FAGAとは何か？

AGAやFAGAは、男性ホルモンの一種である「テストステロン」が、特定の酵素の働きによって、より強力な「DHT（ジヒドロテストステロン）」に変換されることで発症します。

このDHTが、髪の成長期を短縮させるシグナルを出すため、髪が太く長く成長する前に抜け落ちてしまいます。

このヘアサイクルの乱れが繰り返されることで、徐々に髪が薄くなっていくのです。

食事改善では、このDHTの生成を抑制したり、その働きを阻害したりすることはできません。

そのため、進行を食い止めるためには、医学的なアプローチが必要となります。

薄毛の悩みを根本から解決するために

食事や生活習慣を見直しても抜け毛が減らない、あるいは薄毛が進行していると感じる場合は、一人で悩まずに専門家へ相談することが解決への一番の近道です。

専門クリニックへ相談

薄毛治療を専門とするクリニックでは、医師が頭皮の状態や生活習慣、遺伝的要因などを総合的に診察し、薄毛の根本原因を正確に診断してくれます。

自己判断で効果の不明確なケアを続けるよりも、医学的根拠に基づいた適切な治療を早期に開始することが、結果的に時間と費用の節約につながります。

クリニックで受けられる主な治療法

クリニックでは、主に以下のような治療法が選択肢となります。

• 内服薬・外用薬による治療：AGA・FAGAの進行を抑制する内服薬（フィナステリド^*4、デュタステリド^*5など）や、発毛を促進する外用薬（ミノキシジル^*6）など、医学的に効果が認められている医薬品を用いた治療が中心です。個々の症状や体質に合わせて、最適な薬が処方されます。
*4. 参考文献
DailyMed
Label: FINASTERIDE tablet（film coated）
https://dailymed.nlm.nih.gov/dailymed/drugInfo.cfm?setid=7432df12-381f-7db6-e053-2991aa0a810a
*5. 参考文献
MedlinePlus（U.S. National Library of Medicine）
Dutasteride: MedlinePlus Drug Information
https://medlineplus.gov/druginfo/meds/a603001.html
*6. 参考文献
Cleveland Clinic
Minoxidil Topical Solution or Foam（Rogaine）
https://my.clevelandclinic.org/health/drugs/18238-minoxidil-topical-solution-or-foam
• 植毛：後頭部など、AGAの影響を受けにくい自身の毛髪を、薄毛が気になる部分に移植する外科的な治療法です。生え際の後退が気になる方や、より確実な見た目の変化を望む方に適した選択肢と言えます。

まとめ：育毛効果を高めるなら牛乳と併用して専門的な治療をしよう

記事のポイントのまとめです。

今回は、牛乳の育毛への影響から、髪に良い食べ物ランキング、そして食事ケアの限界と専門的な治療法について解説しました。

• 牛乳は髪に必要な栄養素を含むが、それだけで育毛はできない。
• タンパク質、ビタミン、ミネラルをバランス良く含む食事が髪の健康の基本。
• 卵、牡蠣、レバー、大豆製品、青魚などが特におすすめの食材。
• 食事を見直しても薄毛の進行が止まらない場合、AGA・FAGAの可能性が高い。

日々の食事は、健やかな髪を育むための大切な土台です。

根本的な解決を目指すなら、専門クリニックへ相談するようにしましょう。