育毛

育毛剤の効果は嘘ばかり?「育毛剤」と「発毛剤」の違いを徹底解説

    育毛剤と発毛剤
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    質問:育毛剤の効果は嘘ばかりですか?
    回答

    育毛剤の効果が嘘ばかりと言われるのは、多くの方が期待する「発毛」効果がないためであり、製品の目的を誤解していることが主な原因です。

    育毛剤の役割は、あくまで現在生えている髪を健康に保ち、抜け毛を予防するための頭皮環境を整える「育毛(守りのケア)」であり、法律上は作用が穏やかな「医薬部外品」に分類されます。

    一方で、髪を新たに生やす「発毛(攻めのケア)」は、ミノキシジルなど医学的に効果が認められた成分を含む「医薬品」である発毛剤の領域であるため、この目的の違いを知らずに使うと期待とのギャップから「嘘だ」と感じてしまうのです。

    AGA・FAGAは進行性の病気です。

    実は、気にしている今も進行しています。

    正しい対策をしなければ、髪の毛の数は減り続け、抜け毛・薄毛が徐々に目立ってきます。

    そして、治療を開始するタイミングが遅れれば遅れるほど、回復が難しくなり、治療の選択肢も限られてしまいます。

    男性の薄毛の進行状況の解説図 女性の薄毛の進行状況の解説図

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    当記事のここがポイント
    • 育毛剤が「嘘・効果なし」と言われる理由
    • 育毛剤と発毛剤の目的、成分、分類における明確な違い
    • 自分の薄毛の状態や目的に合った製品の選び方
    • 薄毛の根本原因と専門クリニックに相談する重要性

    なぜ育毛剤の効果は嘘ばかりと言われるのか?

    多くの人が育毛剤に対して「効果がない」「嘘だ」と感じてしまうのには、いくつかの理由が存在します。

    理由1:期待される「発毛」効果がないから

    育毛剤が「嘘」と言われる最も大きな理由は、多くの人が「育毛剤=髪を生やすもの」と誤解している点にあります。

    薄毛に悩む方が最も望むのは、失われた髪が再び生えてくる「発毛」でしょう。

    しかし、育毛剤の本来の目的は発毛ではありません。

    育毛剤の主な役割は、現在生えている髪を健康に育てること、そして抜け毛を予防することです。

    例えるなら、畑の土壌を豊かにして、今ある作物が元気に育つように手助けするのが育毛剤。

    栄養を与え、環境を整えることで、作物が枯れたり抜け落ちたりするのを防ぎます。

    一方で、「発毛」は、作物がなくなってしまった畑に、新たに種を蒔いて芽を出させる行為に相当します。

    この「新しい髪を生やす」という効果は、後述する「発毛剤」にのみ認められたものです。

    このように、髪を生やす「発毛」を期待して育毛剤を使っても、その目的が異なるため、望む結果は得られません。

    この期待と現実の大きなギャップこそが、「育毛剤は嘘ばかりだ」という不満や失望感を生む最大の要因なのです。

    理由2:誇大広告や誤解を招く表現

    残念ながら、一部の育毛剤の広告には、消費者の期待を過剰に煽るような表現が見受けられることがあります。

    例えば、「これ一本でフサフサに」「驚きの変化を実感」といったキャッチコピーは、あたかも髪が新しく生えてくるかのような印象を与えかねません。

    日本では、医薬品や化粧品などの品質、有効性、安全性を確保するための法律として「薬機法(医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律)」が定められています。

    育毛剤は「医薬部外品」に分類されるため、この法律の規制を受けます。

    薬機法では、医薬部外品が謳える効果・効能の範囲が厳密に定められており、「発毛」や「毛が生える」といった表現は認められていません。

    また、実際の商品やサービスの内容よりも著しく優良であると見せかける表示を禁止する「景品表示法」という法律もあります。

    科学的根拠がないにもかかわらず、誰にでも劇的な効果があるかのように謳う広告は、この法律に抵触する可能性もあります。

    このような誤解を招きやすい広告表現によって、消費者は過大な期待を抱いてしまいます。

    そして、実際に使用してみて広告通りの「発毛」効果が得られないことから、「話が違う、嘘だった」と感じてしまうのです。

    理由3:効果を実感できるまでに時間がかかる

    私たちの髪の毛は、「成長期」「退行期」「休止期」というサイクルを繰り返しており、これを「ヘアサイクル*1(毛周期)」と呼びます。

    *1. 参考文献
    PubMed Central (PMC)
    Integrative and Mechanistic Approach to the Hair Growth Cycle and Hair Loss
    • 成長期(2年~6年):髪が太く長く成長する期間。全体の約85~90%を占めます。
    • 退行期(約2週間):髪の成長が止まり、毛根が縮小していく期間。
    • 休止期(約3ヶ月~4ヶ月):髪が抜け落ちるのを待つ期間。この後、再び成長期へと移行します。

    育毛剤は、このヘアサイクルのうち、主に「成長期」を長く維持し、髪が健康に育つための頭皮環境を整えることを目的としています。

    頭皮環境が改善され、その効果が髪に現れるまでには、少なくともこのヘアサイクル1周分の期間、つまり最低でも3ヶ月から6ヶ月程度の時間が必要となります。

    多くの人は、1ヶ月や2ヶ月で目に見える変化を期待しがちです。

    しかし、実際には髪の成長には時間がかかるため、短期間で効果を判断して使用をやめてしまうケースが少なくありません。

    すぐに結果が出ないために「効果がない、やっぱり嘘だった」と結論付けてしまうことも、「育毛剤は効果がない」という評判が広まる一因と言えるでしょう。

    理由4:自身の薄毛の原因と合っていない

    一言で「薄毛」と言っても、その原因は人それぞれで、実に多岐にわたります。

    • 遺伝やホルモンの影響によるAGA*2(男性型脱毛症)やFAGA(女性男性型脱毛症)
    • *2. 参考文献
      Cleveland Clinic
      Hair Loss: Causes, Treatments and Prevention Options
    • 食生活の乱れや睡眠不足などの生活習慣
    • 精神的なストレス
    • 頭皮の乾燥や皮脂の過剰分泌といった頭皮環境の悪化
    • 特定の病気や薬剤の副作用

    育毛剤がアプローチできるのは、主に「頭皮環境の悪化」に起因する抜け毛や髪の質の低下。

    頭皮の血行を促進したり、炎症を抑えたり、保湿したりすることで、髪が育ちやすい環境を整えます。

    しかし、もしあなたの薄毛の原因がAGAやFAGAであった場合、話は大きく異なります。

    AGAやFAGAは、男性ホルモンの一種であるDHT(ジヒドロテストステロン*3)がヘアサイクルを乱し、髪の成長期を極端に短くしてしまう進行性の脱毛症。

    *3. 参考文献
    StatPearls(NCBI Bookshelf)
    Male Hypogonadism

    このDHTの働きを抑制しない限り、薄毛は進行し続けます。

    育毛剤には、このDHTの働きを直接抑えるような強力な作用はありません。

    そのため、AGAやFAGAの方が育毛剤を使用しても、進行を食い止めることは難しく、根本的な解決には至らないのです。

    自身の薄毛の本当の原因に適したケアを選べていないことも、「育毛剤は効かない」と感じる大きな理由の一つです。

    育毛剤と発毛剤の目的と成分を徹底比較

    「育毛剤」と「発毛剤」。

    この二つの言葉は、日常的によく似た意味で使われがちですが、実は法律上の分類から目的、成分に至るまで、全くの別物。

    この違いを正しく理解することが、薄毛対策の第一歩となります。

    両者の間には、越えられない明確な一線があるのです。

    目的の違い:「育毛」と「発毛」は全くの別物

    前述の通り、両者の最も大きな違いはその「目的」にあります。

    この点を理解するだけでも、製品選びの失敗は格段に減るでしょう。

    • 育毛剤の目的:「育毛」(守りのケア) 育毛剤の目的は、今ある髪の毛を健康に保ち、その成長を助け、抜け毛を予防することです。頭皮の血行を良くしたり、栄養を与えたり、炎症を抑えたりすることで、髪が育ちやすい土壌(頭皮環境)を整えます。あくまでも「今ある髪を守り育てる」という、守りのアプローチが中心です。
    • 発毛剤の目的:「発毛」(攻めのケア) 一方、発毛剤の目的は、髪が抜けてしまった毛穴から、新しい髪の毛を生やすことです。ヘアサイクルに直接働きかけ、休止期にある毛根を活性化させ、新たな成長期へと導く作用を持ちます。こちらは「失われた髪を取り戻す」という、攻めのアプローチと言えます。

    このように、育毛剤が「予防」や「現状維持」を目指すのに対し、発毛剤は「改善」や「回復」を目指すという点で、その役割は根本的に異なります。

    分類の違い:医薬品と医薬部外品

    目的の違いは、法律上の分類の違いにも明確に表れています。

    これが、両者の効果と信頼性を担保する上で非常に重要なポイントとなります。

    • 発毛剤 → 「医薬品」 発毛剤は、病気の「治療」を目的とした医薬品に分類されます。配合されている有効成分の「発毛効果」が、厚生労働省によって科学的に認められています。医薬品であるため、効果が期待できる一方で、副作用のリスクも伴います。日本では、薬剤師からの情報提供が義務付けられている「第一類医薬品」として販売されています。
    • 育毛剤 → 「医薬部外品」 育毛剤は、病気の「防止」や「衛生」を目的とした医薬部外品に分類されます。「脱毛の予防」や「育毛」といった効果・効能が認められた有効成分が、一定の濃度で配合されていますが、その作用は医薬品に比べて緩やかです。治療ではなく、あくまでも予防や頭皮環境の改善を目的としています。

    ちなみに、これらとは別に「化粧品」に分類されるヘアトニックや頭皮用美容液も存在します。

    これらは頭皮を清潔に保ったり、潤いを与えたりすることを目的としており、有効成分は含まれていません。

    したがって、「育毛」や「抜け毛予防」といった効果を謳うことはできません。

    配合されている有効成分の違い

    目的と分類が異なるため、配合されている主要な有効成分も全く異なります。

    発毛剤の代表的な有効成分:「ミノキシジル*4」 現在、日本で唯一「発毛効果」が認められている市販の有効成分が「ミノキシジル」です。

    *4. 参考文献

    もともとは高血圧の治療薬として開発されましたが、その副作用として多毛が見られたことから、発毛剤として転用された経緯があります。

    ミノキシジルには、主に二つの作用があると考えられています。

    1. 血管拡張作用:頭皮の毛細血管を広げ、血流を増加させます。これにより、髪の成長に必要な栄養素が毛根へ届きやすくなります。
    2. 毛母細胞への直接作用:髪の毛を作り出す毛母細胞に直接働きかけ、その活動を活性化させます。また、ヘアサイクルの成長期を延長させる効果も確認されています。

    このミノキシジルが配合されているものだけが、「発毛剤」と名乗ることができるのです。

    市販薬では、男性用で最大5%、女性用で最大1%の濃度が認められています。

    育毛剤の代表的な有効成分 育毛剤には、発毛を目的とするミノキシジルは配合されていません。

    その代わりに、頭皮環境を健やかに保つための様々な有効成分が組み合わされています。

    代表的なものには以下のような成分があります。

    • 血行促進成分:センブリエキス、ニンジンエキス、ビタミンE誘導体(酢酸トコフェロール)など。頭皮の血行を促し、毛根への栄養補給をサポートします。
    • 抗炎症成分:グリチルリチン酸ジカリウム、アラントインなど。頭皮の炎症やフケ、かゆみを抑え、健やかな状態に保ちます。
    • 皮脂分泌抑制成分:ビタミンB6(ピリドキシン塩酸塩)など。過剰な皮脂の分泌を抑え、毛穴の詰まりを防ぎます。
    • 保湿成分:ヒアルロン酸、コラーゲン、セラミドなど。乾燥しがちな頭皮に潤いを与え、バリア機能を高めます。

    これらの成分が複合的に働くことで、抜け毛の予防や今ある髪のハリ・コシの改善といった「育毛」効果が期待できるのです。

    副作用・リスクの違い

    効果の強さに比例して、副作用のリスクにも違いがあります。

    発毛剤(ミノキシジル)の副作用

    医薬品である発毛剤には、効果がある一方で、以下のような副作用が報告されています。

    • 初期脱毛:使用開始後、数週間で一時的に抜け毛が増えることがあります。これは、乱れたヘアサイクルが正常化する過程で、古い髪が新しい髪に押し出されるために起こる現象です。
    • 頭皮トラブル:かゆみ、かぶれ、赤み、発疹、フケなど。
    • 全身性の副作用(稀):もともと血管に作用する薬であるため、ごく稀に動悸、息切れ、めまい、頭痛、むくみなどが現れることがあります。
    育毛剤の副作用

    医薬部外品である育毛剤は、医薬品に比べて作用が穏やかなため、重篤な副作用の心配はほとんどありません。

    ただし、配合されている成分に対するアレルギー反応として、頭皮のかゆみ、赤み、かぶれなどが起こる可能性はあります。

    特に肌が敏感な方は、使用前にパッチテストを行うことが推奨されます。

    このように、発毛剤は高い効果が期待できる反面、副作用のリスクも理解した上で使用する必要があるのです。

    あなたはどっち?育毛剤と発毛剤の選び方

    育毛剤と発毛剤の明確な違いを理解した上で、次に考えるべきは「自分にはどちらが合っているのか」という点。

    自身の髪や頭皮の状態、そして薄毛対策の目的を冷静に見極めることが、正しい製品選びに繋がります。

    ここでは、それぞれどのような人に向いているのかを具体的に解説します。

    育毛剤が向いている人

    育毛剤は、主に薄毛の「予防」や「初期段階」のケアに適しています。

    以下のようなお悩みや目的を持つ方は、育毛剤から試してみるのが良いでしょう。

    • 最近、抜け毛が増えたと感じる人:シャンプーやブラッシングの際に、以前より抜け毛が目立つようになった、という段階です。まだ地肌が透けて見えるほどではないものの、将来的な薄毛の進行に不安を感じている場合に適しています。
    • 髪のハリやコシがなくなってきた人:髪の毛一本一本が細く、弱々しくなり、全体のボリュームが減ってきたと感じる場合です。育毛剤で頭皮環境を整え、髪に栄養を与えることで、ハリやコシのある健康な髪を育む効果が期待できます。
    • 将来の薄毛を予防したい人:現在は特に薄毛の悩みはないものの、家族に薄毛の人がいるなど、遺伝的な不安がある方です。早めにケアを始めることで、健やかな頭皮環境を維持し、将来の抜け毛リスクを低減させることを目的とします。
    • 頭皮の乾燥、フケ、かゆみが気になる人:薄毛そのものよりも、頭皮のコンディションが悪いと感じている場合です。保湿成分や抗炎症成分が配合された育毛剤は、これらの頭皮トラブルを改善し、髪が育ちやすい環境を作るのに役立ちます。
    • 副作用のリスクをできるだけ避けたい人:前述の通り、育毛剤は医薬品である発毛剤に比べて作用が穏やかで、副作用のリスクが低いのが特徴です。まずは安全性の高いものから試したい、と考える方に向いています。

    発毛剤が向いている人

    発毛剤は、すでにある程度薄毛が進行しており、「新しい髪を生やしたい」という明確な目的がある場合に選択すべき製品です。

    • 髪の分け目や頭頂部の地肌が目立つ人:明らかに髪の密度が低下し、地肌が透けて見えるようになってきた状態です。このような場合は、抜け毛予防だけでは不十分であり、積極的に「発毛」を促すアプローチが必要となります。
    • 壮年性脱毛症(AGA/FAGA)の疑いがある人:壮年性脱毛症は、生え際の後退や頭頂部の薄毛(男性の場合)、あるいは頭部全体の髪がびまん性に薄くなる(女性の場合)といった特徴を持つ進行性の脱毛症です。発毛剤の有効成分ミノキシジルは、この壮年性脱毛症に対して効果が認められています。
    • 具体的な発毛効果を求めている人:予防や現状維持ではなく、「失った髪を取り戻したい」という強い意志がある方です。医薬品として効果が認められた成分で、本格的な薄毛改善を目指したい場合に適しています。

    ただし、発毛剤を使用する際は、初期脱毛などの副作用の可能性も十分に理解しておく必要があります。

    使用に不安がある場合は、購入前に医師や薬剤師に相談することが賢明です。

    どちらも効果が期待できないケース

    育毛剤や発毛剤は、全ての脱毛症に効果があるわけではありません。

    以下のようなケースでは、市販の製品では改善が期待できず、専門的な治療が必要となります。

    • 円形脱毛症や抜毛症:円形脱毛症は、自己免疫疾患の一種と考えられており、発毛剤の適応外です。また、自分で髪を抜いてしまう抜毛症も、心理的なアプローチが必要となります。これらの場合は、皮膚科や心療内科の受診が必要です。
    • 病気や薬剤の副作用による脱毛:甲状腺疾患などの内科的な病気や、特定の薬剤の副作用によって脱毛が起こることがあります。この場合、原因となっている病気の治療や、薬剤の変更などを優先しなければなりません。
    • 毛根が完全に活動を停止している場合:薄毛が長期間進行し、産毛すら生えてこない状態になっている場合、毛髪を作り出す細胞(毛母細胞)が完全に活動を止めてしまっている可能性があります。このような状態では、外用薬である育毛剤や発毛剤の効果は期待できません。

    自分の薄毛がどのタイプに当てはまるのか自己判断が難しい場合は、安易に市販薬に頼るのではなく、まずは専門の医療機関で正確な診断を受けることが、改善への一番の近道となります。

    薄毛の根本原因

    育毛剤や発毛剤を正しく選ぶためには、まず自分の薄毛がなぜ起きているのか、その根本原因を理解することが不可欠。

    特に、成人男女の薄毛の悩みの大部分は、単なる頭皮環境の悪化だけでは説明がつかない、特定の脱毛症が原因となっています。

    その代表格が「AGA」と「FAGA」です。

    男性の薄毛の大多数を占める「AGA(男性型脱毛症)」

    AGAは「Androgenetic Alopecia」の略で、日本語では「男性型脱毛症」と呼ばれます。

    成人男性に見られる薄毛のほとんどが、このAGAに該当すると言われています。

    思春期以降に始まり、徐々に進行していくのが特徴です。

    AGAのメカニズムには、男性ホルモンが深く関わっています。

    1. 男性ホルモンの一種である「テストステロン」が、体内の還元酵素「5αリダクターゼ*5」と結合します。
    2. *5. 参考文献
      European Association of Urology
      Management of Non-neurogenic Male LUTS – Disease Management
    3. すると、より強力な男性ホルモンである「DHT(ジヒドロテストステロン)」に変換されます。
    4. このDHTが、毛根にある男性ホルモン受容体と結合すると、脱毛シグナルが発信されます。
    5. その結果、髪の毛の成長期が極端に短縮され、髪が太く長く成長する前に抜け落ちてしまいます。
    6. このサイクルが繰り返されることで、髪の毛は徐々に細く、短くなり、最終的には生えてこなくなってしまいます。

    AGAは、遺伝的な要因が大きく影響すると考えられており、5αリダクターゼの活性度や男性ホルモン受容体の感受性は、親から子へと受け継がれやすいことが分かっています。

    重要なのは、AGAは「進行性」であるという点。

    育毛剤による頭皮ケアなど、何もしなければ薄毛はゆっくりと、しかし確実に進行し続けます。

    AGAの進行を食い止めるには、DHTの生成を抑制するなど、そのメカニズムに直接働きかける治療が必要不可欠なのです。

    女性の薄毛で最も多い「FAGA(女性男性型脱毛症)」

    女性の薄毛にも、男性のAGAに似たメカニズムで起こる脱毛症があり、これを「FAGA(Female Androgenetic Alopecia)」、または「女性型脱毛症」と呼びます。

    男性のAGAがM字型やO字型など局所的に進行するのに対し、FAGAは頭頂部を中心に髪の分け目が広がるように、頭部全体の髪が均等に薄くなる「びまん性脱毛」という特徴があります。

    男性のように生え際が後退したり、完全に禿げ上がったりすることは稀です。

    FAGAの主な原因は、女性ホルモンである「エストロゲン」の減少と、それに伴うホルモンバランスの乱れにあると考えられています。

    エストロゲンには、髪の成長を促進し、成長期を維持する働きがあります。

    しかし、加齢(特に更年期)や出産、ストレス、過度なダイエットなどによってエストロゲンが減少すると、相対的に男性ホルモンの影響が強まります。

    その結果、男性のAGAと同様にDHTが生成されやすくなり、ヘアサイクルが乱れて薄毛が進行してしまうのです。

    FAGAもAGAと同様に進行性であるため、改善を目指すにはホルモンバランスに着目した専門的なアプローチが必要となります。

    その他の薄毛の原因

    AGAやFAGA以外にも、薄毛を引き起こす要因は日常生活の中に潜んでいます。

    これらは単独で原因となることもあれば、AGAやFAGAの進行を加速させてしまうこともあります。

    • 生活習慣の乱れ:髪の毛は、私たちが食事から摂取するタンパク質やビタミン、ミネラルなどを栄養源として作られています。偏った食生活や無理なダイエットは、髪への栄養供給を滞らせ、健康な髪の成長を妨げます。また、睡眠不足は髪の成長を促す成長ホルモンの分泌を減少させ、運動不足は全身の血行不良を招き、頭皮への血流を悪化させる原因となります。
    • ストレス:過度な精神的ストレスは、自律神経のバランスを乱します。自律神経が乱れると、血管が収縮して頭皮の血行が悪化し、髪の成長に必要な栄養が届きにくくなります。また、ストレスはホルモンバランスの乱れにも繋がり、抜け毛を増加させる一因となります。
    • 間違ったヘアケア:洗浄力の強すぎるシャンプーで皮脂を落としすぎたり、一日に何度もシャンプーしたりすると、頭皮が乾燥してバリア機能が低下し、かえって皮脂の過剰分泌を招くことがあります。また、爪を立ててゴシゴシ洗うなどの物理的な刺激も、頭皮を傷つけ、炎症や抜け毛の原因となるため注意が必要です。

    これらの要因による薄毛は、育毛剤による頭皮環境の改善や、生活習慣の見直しによって改善が期待できる場合があります。

    しかし、もし自分の薄毛がAGAやFAGAの兆候と一致する場合は、これらのセルフケアだけでは根本的な解決には至らないことを理解しておく必要があります。

    育毛剤の効果は嘘ばかり?本気で薄毛を改善したいなら医療機関への相談が最善策

    これまで見てきたように、育毛剤と発毛剤には明確な違いがあり、特に進行性の脱毛症であるAGAやFAGAに対しては、市販の育毛剤では効果が限定的。

    また、市販の発毛剤も有効な選択肢の一つではありますが、副作用のリスクや濃度の限界があります。

    もしあなたが、薄毛の進行を食い止め、失われた髪を本気で取り戻したいと考えるのであれば、自己判断でケアを続けるよりも、薄毛治療を専門とするクリニックなどの医療機関に相談することが、最も確実で効果的な解決策となります。

    なぜ専門クリニックが推奨されるのか

    専門クリニックには、市販の製品や自己流のケアでは得られない、多くのメリットがあります。

    正確な診断

    クリニックでは、医師が問診や視診、マイクロスコープを用いた頭皮の診察などを通して、あなたの薄毛の根本原因を正確に診断します。

    それがAGA/FAGAなのか、他の要因によるものなのかを特定することで、初めて最適な治療法を選択できます。

    自己判断による間違ったケアを続けて、時間とお金を無駄にしてしまうリスクを避けることができます。

    原因に合った治療法の提案

    診断結果に基づき、医師はあなたの症状や進行度、体質、ライフスタイルに合わせた最適な治療プランを提案してくれます。

    市販薬のように画一的なケアではなく、医学的根拠に基づいたオーダーメイドの治療が受けられるのです。

    市販薬より効果的な治療薬の処方

    クリニックでは、市販では手に入らない、より効果の高い医療用の治療薬を処方してもらうことができます。

    • 内服薬(フィナステリド*6、デュタステリド*7など):これらはAGAの原因物質であるDHTの生成を抑制する薬です。抜け毛の根本原因に直接アプローチするため、薄毛の進行を食い止める上で非常に高い効果が期待できます。これらは医師の処方が必要な医療用医薬品であり、市販の育毛剤や発毛剤には含まれていません。
    • *6. 参考文献
      American Urological Association
      Benign Prostatic Hyperplasia(BPH)Guideline
      *7. 参考文献
      U.S. FDA
      AVODART Highlights of Prescribing Information(label PDF)
    • 女性向けの治療薬:女性のFAGAに対しては、男性ホルモンの影響を抑える「スピロノラクトン*8」といった内服薬や、ホルモンバランスを整える治療が用いられることもあります。
    • *8. 参考文献
      Mayo Clinic
      Spironolactone (oral route) — Side effects & dosage
    • 高濃度のミノキシジル外用薬:市販薬のミノキシジル濃度は最大5%ですが、クリニックでは医師の判断のもと、より高濃度のミノキシジル外用薬が処方される場合があります。

    クリニックで受けられる主な治療法

    クリニックでは、投薬治療以外にも、より積極的に発毛を促すための様々な治療法が用意されています。

    投薬治療(内服薬・外用薬)

    前述のフィナステリドやミノキシジルなどを用いた、薄毛治療の基本となる治療法。

    内服薬で抜け毛の原因を抑制し(守り)、外用薬で発毛を促進する(攻め)という、両面からのアプローチが一般的です。

    植毛

    投薬治療など他の治療法で十分な効果が得られなかった場合や、薄毛がかなり進行してしまった場合の最終的な選択肢として、植毛手術があります。

    これは、AGAの影響を受けにくい後頭部や側頭部の自分自身の毛髪を、毛根ごと薄毛部分に移植する外科手術。

    移植した髪は、元の性質を保ったまま生え変わり続けるため、拒絶反応の心配がなく、半永久的な効果が期待できます。

    生え際のデザインなどを自然に仕上げることも可能です。

    まとめ:育毛剤は嘘ばかりではないが発毛効果はないので医薬品で治療しよう

    記事のポイントのまとめです。

    育毛剤が嘘ばかりと言われてしまう主な理由は、多くの人が期待する「発毛」効果はなく、その役割が「今ある髪を健康に育て、抜け毛を予防する」という守りのケアにあるからです。

    この期待と現実のギャップが、失望感を生んでいるのです。

    一方で、新しい髪を生やす「発毛」効果が医学的に認められているのは、ミノキシジルを配合した「発毛剤」だけです。

    これは治療を目的とした「医薬品」であり、予防を目的とした「医薬部外品」である育毛剤とは、法律上の分類も、配合成分も、そして副作用のリスクも全く異なります。

    そして最も重要なことは、成人男女の薄毛の多くは、単なる頭皮環境の悪化ではなく、AGAやFAGAといった進行性の脱毛症が原因であるという事実。

    これらの脱毛症に対しては、育毛剤によるセルフケアだけでは進行を食い止めることは困難です。

    幸いなことに、現代の医療ではAGAやFAGAは治療できる時代になっています。

    市販薬では手に入らない内服薬や、より効果的な治療法が、専門のクリニックには用意されています。

    「どうせ治らない」と諦めてしまう前に、まずは一度、専門医に相談してみましょう。