安全とは言えません。
むしろ、頭皮の炎症やかぶれ、アレルギー反応を引き起こす可能性があり、非常に高いリスクを伴います。
ご家庭での手作りでは、生姜の刺激成分の濃度を正確に管理することは不可能であり、また、作成過程や保存中に雑菌が繁殖して、かえって頭皮環境を深刻に悪化させる危険性が高いためです。
医学的根拠のある効果が証明されていない一方で、頭皮トラブルのリスクは明確に存在するため、使用は推奨されません。
AGA・FAGAは進行性の病気です。
実は、気にしている今も進行しています。
正しい対策をしなければ、髪の毛の数は減り続け、抜け毛・薄毛が徐々に目立ってきます。
そして、治療を開始するタイミングが遅れれば遅れるほど、回復が難しくなり、治療の選択肢も限られてしまいます。


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- 自宅でできる手作り生姜育毛剤の作り方
- 手作り育毛剤に潜む頭皮トラブルなどの危険性とデメリット
- 多くの薄毛の根本原因であるAGA・FAGAのメカニズム
- 医学的根拠に基づいた薄毛の正しい解決策と専門的な治療法
生姜育毛剤の作り方
ご家庭で実践可能な手作り生姜育毛剤の作り方を解説します。
しかし、作成と使用にあたっては、この後の章で詳しく解説する「危険性」と「注意点」を必ず熟読し、完全に自己責任において行ってください。
これらのレシピは、効果を保証するものでも、安全を約束するものでもありません。
少しでも不安を感じる方や、肌が敏感な方は、決して試さないでください。
【基本編】アルコールで抽出する「生姜チンキ」
アルコール(酒精)を使って、生姜の有効成分を抽出する方法。
「チンキ」とは、ハーブなどの成分をアルコールに浸して作る抽出液のことで、長期保存しやすいのが特徴です。
準備するもの
- 新鮮な生姜:100g程度(皮がみずみずしく、ハリのあるものを選びましょう)
- ホワイトリカーまたは無水エタノール:200ml
- ホワイトリカー(35度)は酒屋やスーパーで手に入ります。
- 無水エタノールは薬局で購入できますが、刺激が強いため、精製水で70~80%程度の濃度に薄めてから使用することをおすすめします。
- 密閉できるガラス瓶:煮沸消毒済みの清潔なもの
作成手順
- 生姜の下準備:生姜をよく水洗いし、土や汚れをきれいに落とします。皮には有効成分が多く含まれているため、剥かずにそのまま使用します。水気をキッチンペーパーなどで完全に拭き取ってください。水分が残っていると、腐敗の原因になります。
- 生姜を細かくする:生姜をすりおろすか、フードプロセッサーで細かくします。細かくすればするほど、成分がアルコールに溶け出しやすくなります。
- 瓶に詰めて漬け込む:煮沸消毒して完全に乾かしたガラス瓶に、細かくした生姜を入れます。その上から、ホワイトリカーまたは希釈した無水エタノールを注ぎ入れます。生姜が完全に浸るようにしてください。
- 冷暗所で熟成させる:瓶の蓋をしっかりと閉め、直射日光の当たらない冷暗所に保管します。1日に1回程度、瓶を軽く振って中身を混ぜ合わせます。
- 成分を抽出する:約2週間ほど漬け込むと、アルコールが生姜の色素で茶色っぽく色づいてきます。これが成分が抽出されたサインです。
- 濾して完成:ガーゼやコーヒーフィルターなどを使って、生姜の固形物を濾します。絞りカスを取り除いた液体が「生姜チンキ」の原液です。この原液を、再度清潔な遮光瓶などに入れて保管します。
使用方法と注意点
完成した生姜チンキはアルコール濃度が高く、刺激が非常に強いため、絶対に原液のまま頭皮に使用しないでください。
使用する際は、この原液を精製水で10倍~20倍以上に薄めます。
例えば、原液1mlに対して精製水10ml~20mlを加える計算。
まずはかなり薄い濃度から試し、刺激を感じないか確認しながら、徐々に濃度を調整していくのが安全です。
薄めた液体をスプレーボトルなどに入れ、洗髪後の清潔な頭皮に数プッシュ吹きかけ、指の腹で優しくマッサージするようになじませます。
その後、ドライヤーでしっかりと乾かしてください。
保存は冷暗所で行い、約半年~1年程度が使用期限の目安ですが、異臭や変質が見られた場合は直ちに使用を中止し、廃棄してください。
【応用編】キャリアオイルで抽出する「生姜オイル」
アルコールの刺激が苦手な方や、頭皮の乾燥が気になる方向けに、植物性のキャリアオイルを使って成分を抽出する方法。
頭皮マッサージ用のオイルとして使用できます。
準備するもの
- 新鮮な生姜:50g程度
- キャリアオイル:100ml
- ホホバオイル、スイートアーモンドオイル、オリーブオイルなど、酸化しにくく、肌なじみの良いものがおすすめです。
- 鍋
- ガーゼや茶こし
- 保存用の遮光瓶
作成手順
- 生姜の下準備:生姜チンキの場合と同様に、生姜をよく洗い、水気を完全に拭き取ります。皮付きのまま、薄くスライスするか、すりおろします。
- オイルで加熱抽出する(湯煎法):鍋にキャリアオイルとスライス(またはすりおろし)した生姜を入れ、極めて弱い火にかけます。焦げ付かないように、ゆっくりと加熱するのがポイントです。直接火にかけるのが不安な場合は、湯煎で温める方法がより安全です。オイルが100度以上にならないよう、注意してください。
- 成分をじっくり移す:オイルが温まり、生姜の良い香りがしてきたら火を止めます。そのまま蓋をして、オイルが冷めるまでじっくりと放置し、成分をオイルに移します。この工程を2~3回繰り返すと、より濃度の高いオイルを作ることができます。
- 濾して完成:オイルが完全に冷めたら、ガーゼや茶こしで生姜を濾します。スプーンの背などで生姜を軽く押し、オイルを最後まで絞り出しましょう。
- 保存瓶に移す:濾したオイルを、煮沸消毒した清潔な遮光瓶に移し替えて完成です。
使用方法と注意点
完成した生姜オイルは、シャンプー前の乾いた頭皮に使用するのが一般的です。
数滴を指先に取り、頭皮全体にいきわたるように塗布します。
その後、指の腹を使って、頭皮を優しく揉みほぐすようにマッサージを行います。
5~10分ほどマッサージし、成分を浸透させた後、通常通りシャンプーでオイルをしっかりと洗い流してください。
オイルが頭皮に残ると、毛穴詰まりや雑菌繁殖の原因になるため、すすぎは念入りに行う必要があります。
手作りオイルは防腐剤を含まないため、非常に傷みやすいです。
冷蔵庫で保管し、1ヶ月以内を目安に使い切るようにしてください。
少しでも酸化したような匂いがした場合は、使用しないでください。
生姜に期待される「育毛効果」
古くから香辛料や薬味として、また体を温める食材として親しまれてきた生姜。
この生姜が、なぜ育毛にも良いと言われるのでしょうか。
ここでは、その根拠とされる生姜の成分と、頭皮に与える可能性のある影響について掘り下げていきます。
ただし、大前提としてご理解いただきたいのは、現時点において「生姜そのものに発毛効果がある」と医学的に証明された研究結果は存在しないということです。
あくまで、含有成分の働きから「頭皮環境を健やかに保つ一助となる可能性」が期待されているに過ぎません。
この点を念頭に置いて、読み進めてください。
生姜の主要な有効成分「ジンゲロール」と「ショウガオール」
生姜の独特な辛味や香りのもととなっているのが、「ジンゲロール」と「ショウガオール」という二つの主要な有効成分。
これらの成分が、頭皮に対して良い影響をもたらすのではないかと考えられています。
ジンゲロール
生の生姜に最も多く含まれている辛味成分。
非常に強い殺菌作用や抗酸化作用を持つことで知られています。
頭皮に適用した場合、毛穴の詰まりやフケの原因となりうる雑菌の繁殖を抑え、頭皮を清潔に保つ助けとなる可能性があります。
また、血行を促進する作用も報告されており、これが育毛への期待につながる大きな理由の一つとなっています。
ショウガオール
ジンゲロールを加熱したり乾燥させたりすることで生成される成分。
ジンゲロールよりも体を内側から温める作用が強いとされています。
血行促進作用もジンゲロールより強力であると言われ、血流を促して頭皮の隅々にまで栄養を届けるサポートをすることが期待されます。
このように、ジンゲロールとショウガオールは、それぞれが持つ特性によって頭皮環境にアプローチすると考えられているのです。
「血行促進作用」が頭皮にもたらす影響
髪の毛は、毛根部分にある「毛母細胞」が分裂を繰り返すことによって成長します。
そして、この毛母細胞が活発に活動するためには、血液によって運ばれてくる酸素や栄養素が不可欠です。
つまり、頭皮の血行が悪化すると、毛母細胞に十分な栄養が届かなくなり、結果として髪の成長が妨げられ、細く弱い髪しか生えなくなったり、抜け毛が増えたりする原因となり得ます。
生姜に含まれるジンゲロールやショウガオールには、血管を拡張させ、血流を促進する働きが期待されています。
この作用によって頭皮の血行が改善されれば、毛母細胞への栄養供給がスムーズになり、健やかな髪が育つための土台作りにつながる、というのが生姜の育毛効果における主な理論です。
マッサージをしながら生姜エキスを頭皮に塗布することで、その物理的な刺激と生姜の成分の相乗効果で、より血行促進が見込めるかもしれません。
抗炎症作用と抗菌作用
頭皮も皮膚の一部であり、汗や皮脂、外部からのホコリなどによって、常に炎症や雑菌繁殖のリスクにさらされています。
頭皮に炎症が起きると、かゆみやフケ、赤みといったトラブルが発生し、これもまた抜け毛や健康な髪の成長を妨げる要因となります。
生姜の成分であるジンゲロールには、強い殺菌作用や抗炎症作用が期待されています。
この働きにより、頭皮の雑菌の過剰な繁殖を抑えたり、軽度の炎症を鎮めたりすることで、頭皮環境を正常化する手助けとなる可能性があります。
フケやかゆみに悩んでいる方にとっては、こうした生姜の作用が魅力的に感じられるかもしれません。
手作り生姜育毛剤の危険性とデメリット
手軽に作れるように思える生姜育毛剤ですが、多くの危険性とデメリットが潜んでいます。
効果を期待するあまり、かえって頭皮環境を悪化させ、薄毛を進行させてしまう可能性すらあるのです。
ここでは、その具体的なリスクについて、一つひとつ詳しく解説します。
深刻な頭皮トラブルのリスク①:刺激による炎症・かぶれ
生姜の辛味成分であるジンゲロールやショウガオールは、薬効が期待される一方で、皮膚に対する強い刺激物でもあります。
特に、頭皮は顔や腕の皮膚と比べてもデリケートな部分です。
手作りの場合、生姜の成分濃度を正確にコントロールすることは不可能。
生姜の個体差(収穫時期や産地による成分量の違い)や、抽出方法によって、意図せず非常に高濃度の刺激物が頭皮に付着することになります。
その結果、ヒリヒリとした痛み、赤み、かゆみといった接触皮膚炎(かぶれ)を引き起こす可能性が非常に高いのです。
一度炎症を起こしてしまうと、頭皮のバリア機能が低下し、さらなるトラブルを招く悪循環に陥ります。
健康な髪が育つどころか、炎症が原因で抜け毛が増加する「炎症性脱毛」につながる危険性も否定できません。
深刻な頭皮トラブルのリスク②:アレルギー反応
生姜は食品ですが、人によってはアレルギー反応を引き起こすアレルゲンにもなり得ます。
食べて問題がなくても、皮膚に直接塗布することでアレルギーが誘発されるケース(感作)もあります。
もし生姜に対してアレルギーがあった場合、使用後に強いかゆみ、腫れ、湿疹、じんましんなどの症状が現れる可能性があります。
重篤な場合には、アナフィラキシーショックを引き起こす危険性もゼロではありません。
特にアトピー性皮膚炎など、もともとアレルギー体質の方は、使用を避けるべきです。
深刻な頭皮トラブルのリスク③:雑菌繁殖による頭皮環境の悪化
市販されている化粧品や育毛剤には、品質を保ち、製品が腐らないように、厳格な基準のもとで防腐剤が配合されています。
一方、手作りの育毛剤には、当然ながら防腐剤は含まれていません。
作成過程で手指や器具、容器に付着した目に見えない雑菌や、空気中のカビなどが混入し、時間とともに爆発的に繁殖するリスクが常にあります。
特に、水分を多く含む生姜チンキ(を薄めたもの)は、雑菌にとって格好の栄養源となります。
雑菌が繁殖した液体を頭皮に塗布することは、自らフケやかゆみ、悪臭、毛嚢炎(もうのうえん)といった深刻な頭皮トラブルの原因を塗り込んでいるのと同じ行為。
不衛生な環境は、健康な髪の育成を著しく妨げます。
効果が不安定で、期待した結果が得られない可能性
仮に頭皮トラブルが起きなかったとしても、手作り育毛剤で満足のいく効果を得られる可能性は極めて低いと言わざるを得ません。
- 有効成分の濃度が不明・不安定:手作りでは有効成分の濃度を一定に保てません。効果が期待できるほどの濃度になっていないかもしれませんし、逆に危険なほど高濃度になっているかもしれません。
- 成分の浸透技術がない:市販の高品質な育毛剤は、有効成分を毛根までしっかりと届けるため、ナノ化技術や浸透促進成分の配合など、様々な工夫が凝らされています。手作りの液体をただ頭皮に塗るだけでは、成分のほとんどが頭皮の表面にとどまり、肝心の毛根まで届いていない可能性が高いのです。
時間と手間をかけて作ったにもかかわらず、全く効果が感じられない、という結果に終わる公算が大きいのが実情です。
作成と管理に多大な手間とコストがかかる
一見すると安価に作れるように思えますが、実際には相応の手間と継続的なコストがかかります。
- 作成の手間:生姜をすりおろし、漬け込み、濾すといった一連の作業は、思いのほか時間を要します。また、使用する器具の煮沸消毒など、衛生管理にも細心の注意を払う必要があります。
- 管理の手間:防腐剤フリーのため、品質管理が非常にシビアです。特にオイルは酸化しやすく、チンキも変質の可能性があります。常に状態を確認し、少しでも異常があれば廃棄しなければなりません。
- 継続的なコスト:生姜やアルコール、オイルなどを定期的に購入し続ける必要があります。長期的に見れば、決して「タダ同然」というわけにはいきません。
これらの手間やコストをかけても、得られる効果が不確かで、かつ高いリスクを伴うことを考えると、手作り生姜育毛剤は決して賢明な選択とは言えないでしょう。
どうしても生姜育毛剤を試したい場合の最低限の遵守事項
これまでに述べた多くの危険性を理解した上で、それでもなお自己責任で試してみたいと考える方のために、リスクを最小限に抑えるための注意点を解説します。
① 必ず「パッチテスト」を実施する
手作りした育毛剤を頭皮につける前に、必ずパッチテストを行い、アレルギー反応や刺激が出ないかを確認してください。
【パッチテストの方法】
- 作成した生姜育毛剤(チンキの場合は使用する濃度に薄めたもの)を、絆創膏のガーゼ部分に少量染み込ませます。
- 二の腕の内側など、皮膚の柔らかい部分に貼り付けます。
- そのまま24時間~48時間放置し、皮膚の状態を観察します。
- 途中でかゆみ、赤み、腫れ、ブツブツなどの異常が現れた場合は、直ちに絆創膏を剥がし、水でよく洗い流してください。その場合、その液体はあなたには合わないため、絶対に使用してはいけません。
- 48時間経過後、剥がした際に皮膚に何の異常も見られない場合に限り、使用を検討できます。
ただし、パッチテストで問題がなくても、よりデリケートな頭皮では刺激を感じる可能性は十分にあります。
② 使用頻度と使用量を厳守する
「効果を高めたい」という気持ちから、濃度を濃くしたり、一日に何度も使用したりすることは絶対にやめてください。
刺激が強すぎ、頭皮環境を悪化させるだけです。
使用は1日1回までとし、ごく少量から始めるようにしましょう。
頭皮に軽く湿り気を感じる程度で十分。
つけすぎは、かえって毛穴詰まりや蒸れの原因になります。
③ 異常を感じたら即座に使用を中止し、専門医へ
使用中や使用後に、少しでも頭皮にかゆみ、痛み、赤み、フケの増加などの異常を感じた場合は、直ちに使用を中止してください。
そして、ぬるま湯で丁寧に洗い流しましょう。
「これくらいなら大丈夫だろう」「そのうち慣れるだろう」と自己判断で使い続けると、症状が悪化し、治療が長引く可能性があります。
症状が改善しない場合や、ひどい場合は、迷わず皮膚科を受診し、専門医の診察を受けてください。
その際、使用していた手作りの育毛剤を持参すると、診断の助けになる場合があります。
④ 傷や湿疹、炎症がある部位には使用しない
頭皮に切り傷やニキビ、湿疹、炎症などがある場合、その部位への使用は絶対に避けてください。
傷口から刺激成分や雑菌が入り込み、症状を悪化させたり、深刻な感染症を引き起こしたりする危険性があります。
頭皮が完全に健康な状態にあることが、使用を検討する上での最低条件です。
なぜ生姜育毛剤だけでは薄毛は改善しないのか?
手作り生姜育毛剤のリスクについて詳しく解説してきましたが、ここでより本質的な問題に触れておきましょう。
それは、そもそもなぜ、血行促進を主眼としたケアだけでは、多くの人の薄毛の悩みは根本的に解決しないのか、という点です。
その答えは、成人男女の薄毛の大部分を占める「AGA*1」と「FAGA」という進行性の脱毛症にあります。
薄毛の根本原因のほとんどは「AGA・FAGA」
あなたがもし、生え際が後退してきた、頭頂部が薄くなってきた、髪全体のボリュームが減って地肌が透けて見える、といった悩みを抱えているのであれば、その原因は単なる血行不良や頭皮環境の乱れではなく、「AGA(男性型脱毛症)」または「FAGA(女性男性型脱毛症)」である可能性が極めて高いと考えられます。
- AGA(Androgenetic Alopecia)成人男性に最も多く見られる脱毛症です。男性ホルモンと遺伝が深く関与しており、思春期以降に発症し、徐々に進行していくのが特徴です。日本の成人男性の約3人に1人が発症すると言われています。
- FAGA(Female Androgenetic Alopecia)女性の男性型脱毛症とも呼ばれ、特に更年期前後の女性に多く見られます。男性のように生え際が後退することは稀で、頭頂部を中心に髪が全体的に薄くなる「びまん性脱毛」が特徴です。
これらの脱毛症は、体質的な要因によって引き起こされるため、生活習慣の改善や、生姜育毛剤のような外的なケアだけで進行を食い止めることは、残念ながらできません。
AGA・FAGAが進行するメカニズム
AGA・FAGAは、なぜ進行してしまうのでしょうか。
その鍵を握るのが、「DHT(ジヒドロテストステロン*2)」という強力な男性ホルモンです。
- 体内の男性ホルモン「テストステロン」が、頭皮(特に前頭部や頭頂部)に多く存在する「5αリダクターゼ*3」という還元酵素と結びつきます。
- この結合によって、悪玉男性ホルモンとも呼ばれる「DHT(ジヒドロテストステロン)」が生成されます。
- 生成されたDHTが、毛根にある「毛乳頭細胞」の受容体(アンドロゲンレセプター)と結合します。
- すると、毛乳頭細胞から「脱毛因子(TGF-βなど)」が放出され、「髪の毛の成長を止めろ!」という命令が出されます。
- この命令により、髪の毛が太く長く成長する期間(成長期)が極端に短縮されてしまいます。
- 本来であれば数年間続くはずの成長期が数ヶ月~1年程度で終わってしまい、髪の毛は十分に育たないまま、細く短い産毛のような状態で抜け落ちてしまいます。
- このサイクルが繰り返されることで、徐々に薄毛が進行していくのです。
この一連の流れは、体内で起こっている化学反応。
いくら外から生姜エキスを塗って頭皮の血行を良くしたとしても、DHTの生成を抑制したり、その働きをブロックしたりすることはできません。
蛇口から水が漏れているのに、床を拭いているだけのようなものなのです。
したがって、AGA・FAGAを本気で改善したいと考えるのであれば、この根本的なメカニズムに直接アプローチできる、医学的根拠に基づいた「治療」が必要不可欠となります。
薄毛・抜け毛の根本的な解決を目指すなら
手作りケアの限界と、薄毛の本当の原因についてご理解いただけたかと思います。
では、深刻な悩みを解決するためには、具体的にどうすれば良いのでしょうか。
最も確実で安全、そして効果的な方法は、薄毛治療を専門とするクリニックに相談することです。
自己判断で高価な育毛剤を試したり、効果の不確かな民間療法に時間とお金を費やしたりする前に、一度専門家の診断を仰ぐことが、結果的に最善の道となるケースがほとんどです。
専門クリニックでの「AGA・FAGA治療」という選択肢
皮膚科や薄毛治療専門のクリニックでは、医師の診断のもと、医学的根拠(エビデンス)に基づいて有効性が認められた治療を受けることができます。
現在のAGA・FAGA治療の主流は、内服薬と外用薬による投薬治療です。
主な治療薬
内服薬(AGA治療)
- フィナステリド*4/デュタステリド*5:これらは「5αリダクターゼ阻害薬」と呼ばれ、AGAの根本原因であるDHTの生成を抑制する働きがあります。薄毛の進行を止め、現状を維持・改善させる「守りの治療薬」です。
内服薬(AGA・FAGA治療)
- ミノキシジル*6(内服):もともとは血圧を下げる薬ですが、血管を拡張して血流を大幅に改善し、毛母細胞を活性化させることで、強力な発毛効果が認められています。攻めの治療薬とされ、特にFAGA治療では中心的な役割を担います。
外用薬(AGA・FAGA治療)
- ミノキシジル(外用):日本で唯一、発毛効果が認められている市販の成分です(※濃度による)。頭皮に直接塗布することで、毛母細胞に働きかけ、発毛を促進します。クリニックでは、市販薬よりも高濃度のものが処方されることが多く、より高い効果が期待できます。
これらの治療薬を、医師が個々の症状や体質に合わせて適切に処方することで、多くの方が薄毛の改善を実感しています。
治療は保険適用外の自由診療となりますが、その効果は自己流のケアとは比較になりません。
自毛植毛
投薬治療でも満足のいく効果が得られない場合や、すでにある程度薄毛が進行してしまった部位に、より確実な変化を望む場合には、「自毛植毛」という外科的な選択肢もあります。
自毛植毛とは、AGAの影響を受けにくい後頭部や側頭部の自分自身の毛髪を、毛根ごと(毛包単位で)採取し、薄毛が気になる前頭部や頭頂部に移植する手術です。
移植した髪の毛は、元の場所の性質を引き継ぐため、生着すればその後も生え続け、半永久的な効果が期待できます。
自分の髪の毛なので、拒絶反応の心配もなく、見た目も非常に自然です。
費用は高額になりますが、薄毛の悩みを根本的に解消できる可能性のある、非常に有効な治療法として確立されています。
まとめ:生姜の育毛剤の作り方を把握&本格的な治療も視野に
記事のポイントのまとめです。
今回は、生姜を使った育毛剤の作り方や危険性、薄毛の根本的な解決策までを詳しく解説しました。
- 生姜には血行促進や抗炎症作用が期待される成分が含まれるが、「発毛効果」が医学的に証明されたわけではない。
- 手作り生姜育毛剤は、成分濃度が不安定で、強い刺激による頭皮トラブル(炎症・かぶれ)やアレルギーのリスクが非常に高い。
- 防腐剤を含まないため、雑菌が繁殖しやすく、かえって頭皮環境を悪化させる危険性がある。
- 成人男女の薄毛の主な原因は「AGA・FAGA」であり、これは体内で生成されるDHT(ジヒドロテストステロン)が引き起こす進行性の脱毛症である。
- 生姜による血行促進ケアだけでは、AGA・FAGAの根本原因にはアプローチできず、進行を止めることはできない。
- 本気で薄毛を改善したいなら、自己判断のケアに頼るのではなく、薄毛治療専門のクリニックで医師の診断を受け、医学的根拠に基づいた治療(投薬治療や植毛)を検討することが最も確実で安全な方法である。
手作りのケアは、一見すると自然で体に優しく、安価に思えるかもしれません。
しかし、育毛に関しては、不確かな効果と高いリスクを天秤にかける必要があります。
あなたの髪の悩みは、専門的な治療によって改善できる可能性が十分にあります。
大切な時間とお金を、リスクの高い民間療法に費やすのではなく、ぜひ一度、専門クリニックで相談するようにしましょう。