育毛

緑茶に育毛効果はある?頭皮に塗ったりお茶で髪を洗うのは大丈夫?

    緑茶が入っている湯呑み
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    質問:緑茶に育毛効果はありますか?
    回答

    緑茶に含まれるカテキンやカフェインには、頭皮環境を健やかに保つ働きが期待されますが、これはあくまで育毛の土台作りをサポートする補助的な役割です。

    そのため、緑茶を飲む習慣だけで薄毛の進行を止めたり、髪の状態を大きく改善したりすることは極めて困難と言えます。

    AGA・FAGAは進行性の病気です。

    実は、気にしている今も進行しています。

    正しい対策をしなければ、髪の毛の数は減り続け、抜け毛・薄毛が徐々に目立ってきます。

    そして、治療を開始するタイミングが遅れれば遅れるほど、回復が難しくなり、治療の選択肢も限られてしまいます。

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    当記事のここがポイント
    • 緑茶の成分(カテキン等)が頭皮環境に与えるプラスの可能性
    • 緑茶を飲むことによる育毛効果の限界
    • 緑茶で髪を洗うなど直接使用する行為に伴う危険性
    • 薄毛改善におけるセルフケアの限界と専門医療の重要性

    緑茶に含まれる成分と育毛の関係性

    古くから健康飲料として親しまれてきた緑茶には、私たちの身体に良い影響をもたらす様々な成分が含まれています。

    その中でも特に、育毛との関連で注目されているのが「カテキン」や「カフェイン」です。

    ここでは、緑茶の含有成分が、髪や頭皮に対してどのような働きを期待されているのかを具体的に解説します。

    注目すべき成分「カテキン」

    緑茶の渋みの主成分であるカテキンは、ポリフェノールの一種であり、強力な抗酸化作用を持つことで知られています。

    カテキンにはいくつかの種類が存在しますが、中でも特に含有量が多く、強い生理活性を持つのが「エピガロカテキンガレート(EGCg)」です。

    まず、カテキンの持つ抗酸化作用は、頭皮の健康を維持する上で重要な役割を果たすと考えられています。

    私たちの身体は、呼吸によって取り込んだ酸素の一部から「活性酸素」を生成します。

    この活性酸素は、過剰になると細胞を傷つけ、老化を促進する原因となります。

    頭皮も皮膚の一部であり、活性酸素によるダメージは、毛母細胞の働きを弱めたり、頭皮環境を悪化させたりする一因になり得ます。

    カテキンは、この活性酸素の働きを抑制することで、頭皮の老化を防ぎ、健やかな状態を保つサポートをすると期待されているのです。

    さらに、カテキン、特にEGCgには、AGA*1(男性型脱毛症)の大きな原因とされる「5αリダクターゼ*2」という酵素の働きを阻害する可能性が、いくつかの研究で示唆されています。

    *1. 参考文献
    National Library of Medicine
    Androgenetic Alopecia
    *2. 参考文献
    Nature Communications(PubMed Central)
    Structure of human steroid 5α-reductase 2 with anti-androgen drug finasteride

    5αリダクターゼは、男性ホルモンであるテストステロン*3を、より強力な脱毛作用を持つジヒドロテストステロン(DHT)に変換する働きをします。

    *3. 参考文献
    Cleveland Clinic
    Testosterone: What It Is, Function & Levels

    このDHTが毛乳頭細胞の受容体と結合することで、髪の成長期が短縮され、抜け毛が進行してしまうのです。

    カテキンがこの酵素の働きを穏やかに抑えることができれば、理論上はAGAの進行を緩やかにする一助となる可能性があります。

    その他にも、カテキンには血行を促進する作用も期待されています。

    髪の成長に必要な栄養素は血液によって毛母細胞へと運ばれるため、頭皮の血行は髪の健康に直結します。

    血流が改善されることで、髪の成長に必要な酸素や栄養が隅々まで行き渡りやすくなるのです。

    カフェインが持つ頭皮への影響

    緑茶にはカテキンだけでなく、カフェインも含まれています。

    カフェインと聞くと覚醒作用が有名ですが、育毛の観点からは、その血管拡張作用と血行促進効果が注目されます。

    カフェインには、毛細血管を拡張させ、血流を促す働きがあることが知られています。

    前述の通り、頭皮の血行は髪の成長にとって生命線。

    カフェインを摂取することで頭皮の血流が促進されれば、毛母細胞が活性化し、健康な髪が育ちやすい環境を整える一助となるかもしれません。

    実際に、海外の研究では、カフェインが毛包の成長を促進する可能性が報告されているものもあります。

    ただし、これはあくまで細胞レベルでの研究結果であり、緑茶を飲むことで得られるカフェインの量が、育毛に直接的な影響を与えるほど十分であるかは、まだ明らかになっていません。

    その他の含有成分(ビタミン、ミネラルなど)

    緑茶には、カテキンやカフェイン以外にも、髪の健康に関わるビタミンやミネラルが含まれています。

    例えば、ビタミンCは強力な抗酸化作用を持つだけでなく、頭皮のコラーゲン生成を助ける働きがあります。

    コラーゲンは皮膚の弾力性を保つために不可欠な成分であり、健康な頭皮環境の維持に貢献します。

    また、ビタミンEも同じく抗酸化作用が強く、血行を促進する働きがあるため、頭皮の老化防止や血流改善に役立つとされています。

    さらに、亜鉛も重要なミネラルの一つです。

    亜鉛は、髪の主成分であるケラチンというタンパク質を合成する際に必要不可欠な栄養素であり、不足すると髪の成長が妨げられる可能性があります。

    緑茶には微量ながらこうしたビタミンやミネラルも含まれており、総合的に見て髪と頭皮の健康をサポートする飲料であると言えるでしょう。

    「緑茶を飲む」ことによって育毛効果はある?

    緑茶に含まれる成分が育毛に対して良い影響をもたらす可能性があることは、ご理解いただけたかと思います。

    それでは、実際に緑茶を日常的に飲むことで、薄毛や抜け毛の悩みを改善できるのでしょうか。

    カテキンの摂取とAGA(男性型脱毛症)の関係を示唆する研究

    前述の通り、緑茶カテキン(特にEGCg)がAGAの原因酵素である5αリダクターゼの働きを阻害する可能性については、国内外で研究が進められています。

    いくつかの研究では、試験管内(in vitro)の実験において、EGCgが5αリダクターゼの活性を抑制することが確認されています。

    また、動物実験レベルでは、EGCgを投与したマウスの発毛が促進されたという報告も存在します。

    これらの結果は、緑茶カテキンが育毛分野において有望な成分であることを示唆しており、大きな期待が寄せられているのは事実です。

    しかし、ここで注意しなければならないのは、これらの多くが試験管レベルや動物実験の結果であるという点。

    人間が緑茶を飲んだ場合に、体内で吸収されたカテキンが、頭皮の5αリダクターゼに対してどの程度有効に作用するのかは、まだ科学的に明確には証明されていません。

    言ってしまえば、実験室での結果が、そのまま人間の身体で再現されるとは限らないのです。

    そのため、現段階では「緑茶を飲めばAGAが改善する」と断定することはできず、あくまで「その可能性がある」というレベルに留まることを理解しておく必要があります。

    血行促進による頭皮環境改善への期待

    緑茶に含まれるカテキンやカフェインによる血行促進効果は、頭皮環境を良好に保つ上でプラスに働く可能性があります。

    私たちの身体は、摂取した食べ物から栄養を吸収し、血液に乗せて全身の細胞に送り届けています。

    髪の毛を作り出す毛母細胞も例外ではなく、活動のためには十分な酸素と栄養素が不可欠。

    したがって、血行が悪い状態が続くと、毛母細胞は栄養不足に陥り、健康な髪を育てることが難しくなります。

    細く弱々しい髪しか生えなくなったり、成長途中で抜け落ちてしまったりする原因にもなり得ます。

    緑茶を飲む習慣を持つことで、全身の血行が促進され、結果として頭皮への血流も改善されることは十分に考えられます。

    これにより、毛母細胞が活性化し、髪が健やかに育つための土台作りには貢献するかもしれません。

    ただ、これもまた、緑茶の飲用が直接的な「発毛効果」を持つことを意味するわけではありません。

    あくまで、健康な髪が育ちやすい「環境を整える」という間接的なサポート効果として捉えるべきでしょう。

    緑茶の飲用だけで薄毛は改善するのか?

    ここまでの情報を総合して考えると、結論として、緑茶を飲むことだけで薄毛が目に見えて改善するというほどの強力な効果は、残念ながら期待しにくいと言わざるを得ません。

    緑茶に含まれる成分が育毛に良い影響を与える可能性は否定できませんし、健康的な生活習慣の一環として緑茶を飲むことは、髪だけでなく全身の健康にとって有益であることは間違いないでしょう。

    抗酸化作用によって体の内側から老化を防いだり、血行を促進したりすることは、長期的に見れば頭皮環境にとってもプラスに働きます。

    しかし、薄毛、特にAGAのように進行性の脱毛症の場合、その原因は遺伝的要因やホルモンバランスが複雑に関与しており、緑茶の成分だけでその進行を食い止めたり、失われた髪を取り戻したりすることは極めて困難です。

    緑茶の飲用に期待できるのは、あくまで頭皮環境を健やかに保つための「補助的な役割」です。

    これを主軸の対策と考えるのではなく、日々の食生活に取り入れる健康習慣の一つとして位置づけるのが、最も現実的で賢明な向き合い方と言えるでしょう。

    「緑茶で髪を洗う・頭皮に塗る」ことによって育毛効果はある?

    「緑茶を飲む」こととは別に、「緑茶そのもの、あるいはお茶の出がらしを髪や頭皮に直接使う」という民間療法的な話を聞いたことがある方もいるかもしれません。

    抽出した緑茶で髪をすすいだり、頭皮にスプレーしたりする方法。

    果たしてこの行為に、育毛効果や頭皮環境を改善する効果は期待できるのでしょうか。

    ここでは、その有効性と、見過ごされがちなリスクについて詳しく解説します。

    昔ながらの民間療法としての背景

    まず、なぜ「お茶で髪を洗う」という話が生まれたのか、その背景を考えてみましょう。

    古くから、お茶には殺菌作用や消臭作用があることが経験的に知られていました。

    例えば、魚を調理した後に手をお茶で洗うと臭みが取れる、といった生活の知恵がその一例です。

    この考え方がヘアケアにも応用され、緑茶に含まれるカテキンの殺菌作用によって頭皮の雑菌の繁殖を抑えたり、フケやかゆみを防いだりする効果が期待されたのではないかと推測されます。

    また、カテキンの収れん作用(組織を引き締める作用)によって、頭皮の過剰な皮脂分泌を抑える目的もあったのかもしれません。

    現代のように高機能なシャンプーがなかった時代には、身近にある緑茶が有用なケア用品として考えられていた可能性があります。

    頭皮への直接塗布で期待されること

    理論上、緑茶の成分を頭皮に直接塗布することで、いくつかのポジティブな効果が期待できる可能性はあります。

    前述の通り、カテキンには抗酸化作用や抗菌作用があります。

    これを頭皮に直接適用できれば、酸化ストレスによる頭皮の老化を防いだり、フケやかゆみの原因となる常在菌(マラセチア菌など)の異常繁殖を抑制したりする助けになるかもしれません。

    また、皮脂の過剰分泌に悩んでいる方にとっては、カテキンの収れん作用が皮脂バランスを整え、頭皮のべたつきを軽減する効果も期待できるかもしれません。

    このように、表面的な頭皮環境の改善という点においては、一定の役割を果たす可能性はゼロではないでしょう。

    現実的な効果と大きな懸念点

    しかし、理論上の期待と現実の効果との間には、大きな隔たりがあることを理解しなければなりません。

    そして何より、この行為には無視できない複数のリスクが伴います。

    第一に、緑茶の有効成分が皮膚から十分に浸透するという科学的根拠は乏しいのが現状。

    私たちの皮膚にはバリア機能があり、外部からの異物の侵入を容易には許しません。

    カテキンのような分子量の大きな成分が、毛穴の奥深くにある毛母細胞にまで到達し、育毛に影響を与えるほどの効果を発揮するとは考えにくいのです。

    第二に、むしろ逆効果となるリスクがあります。

    緑茶を抽出した液体には、カテキン以外にも様々な成分が含まれており、これらが洗い流されずに頭皮や毛穴に残ることで、毛穴詰まりを引き起こす可能性があります。

    毛穴が詰まれば、皮脂が正常に排出されず、炎症やニキビ、さらには抜け毛の原因となることもあります。

    第三の懸念点は、髪そのものへの影響。

    緑茶に含まれるタンニンという成分は、髪のタンパク質と結びつきやすく、髪のきしみやごわつきの原因となることがあります。

    良かれと思って行ったケアが、かえって髪の質感を損なってしまうのでは本末転倒です。

    第四に、衛生面の問題も深刻。

    自分で淹れた緑茶をスプレーボトルなどに入れて使用する場合、非常に雑菌が繁殖しやすくなります。

    防腐剤などが一切入っていないため、数時間後には細菌の温床となっている可能性も否定できません。

    そのようなものを頭皮に使用すれば、炎症やかぶれを引き起こすリスクが非常に高くなります。

    最後に、アレルギー反応の可能性も忘れてはなりません。

    緑茶は飲む分には問題ない人でも、肌に直接塗布することで、接触性皮膚炎(かぶれ)などを引き起こすことがあります。

    頭皮への直接使用は推奨できない

    これらの点を総合的に判断すると、緑茶で髪を洗ったり、頭皮に塗ったりする行為は、期待できる効果が不確かである一方で、頭皮トラブルを引き起こすリスクが非常に高いと言えます。

    メリットよりもデメリットが大きく上回る可能性が高いため、育毛や頭皮ケアを目的とした直接的な使用は、残念ながら推奨できません。

    もし頭皮の炎症や皮脂が気になるのであれば、緑茶成分が配合された、品質管理の行き届いた市販のシャンプーや頭皮用ローションを選ぶ方が、はるかに安全かつ効果的。

    これらは皮膚への浸透性や安全性、保存性などが考慮されて開発されており、自己流のケアとは全く異なるものであることを理解しましょう。

    緑茶と育毛に関するよくある誤解と注意点

    緑茶の育毛効果については、期待が先行するあまり、いくつかの誤解が広まっているようです。

    正しい知識を持たずに間違った方法を試してしまうと、効果がないばかりか、かえって健康を害する可能性もあります。

    ここでは、緑茶と育毛に関する代表的な誤解を解き、安全に付き合うための注意点を解説します。

    誤解1:「たくさん飲めば飲むほど髪が生える」

    「体に良いものなら、たくさん摂取した方が効果も高まるはず」と考えてしまうのは自然なことかもしれません。

    しかし、緑茶に関しても「過ぎたるは猶及ばざるが如し」です。

    緑茶を過剰に摂取することは、育毛効果を高めるどころか、いくつかの健康上のリスクをもたらします。

    最も注意すべきは、カフェインの過剰摂取。

    適量のカフェインは血行促進などのメリットがありますが、摂りすぎると交感神経が過剰に刺激され、不眠やめまい、動悸、不安感などを引き起こす可能性があります。

    特に睡眠は、髪の成長ホルモンが分泌される重要な時間帯。

    カフェインの影響で睡眠の質が低下すれば、育毛にとってマイナスに働いてしまいます。

    また、胃腸への負担も懸念されます。

    空腹時に濃い緑茶を大量に飲むと、カテキンやカフェインが胃の粘膜を刺激し、胃痛や胃もたれの原因となることがあります。

    さらに、緑茶に含まれる「シュウ酸」という成分にも注意が必要。

    シュウ酸は、体内でカルシウムと結合してシュウ酸カルシウムとなり、尿路結石の原因になることが知られています。

    通常の飲用量であれば問題になることは稀ですが、毎日何リットルも飲むような極端な摂取は避けるべきです。

    健康な成人であれば、1日に湯呑みで5〜6杯程度までを目安にするのが良いでしょう。

    何事も適量を守ることが大切です。

    誤解2:「緑茶を使えば誰でも効果がある」

    仮に緑茶に一定の育毛サポート効果があったとしても、それが全ての人に当てはまるわけではありません。

    なぜなら、薄毛や抜け毛の原因は、人によって千差万別だからです。

    薄毛の最も一般的な原因であるAGA(男性型脱毛症)やFAGA(女性男性型脱毛症)は、ホルモンバランスや遺伝的要因が大きく関わっています。

    その他にも、円形脱毛症のように自己免疫疾患が原因の場合や、牽引性脱毛症のように物理的な負担が原因の場合もあります。

    また、過度なストレス、栄養バランスの偏り、睡眠不足といった生活習慣の乱れが、抜け毛を引き起こしているケースも少なくありません。

    緑茶の成分がアプローチできる可能性があるのは、これらの多様な原因のうち、酸化ストレスや血行不良といった、ごく一部の要因に過ぎないのです。

    例えば、AGAの進行を緑茶だけで止めることは不可能ですし、栄養不足が原因の抜け毛は、まず食生活の見直しから始めるべきです。

    自分の薄毛の原因が何であるかを正しく理解せず、ただ闇雲に「緑茶が良いらしい」と試してみても、望むような結果は得られないでしょう。

    原因に応じた適切な対策を講じることが、問題解決への最短ルートとなります。

    誤解3:「すぐに効果が現れる」

    育毛に取り組む際に陥りがちなのが、すぐに結果を求めてしまうことです。

    しかし、髪の毛には「ヘアサイクル*4」と呼ばれる成長の周期があり、目に見える変化を実感するには、相応の時間が必要です。

    *4. 参考文献
    Healthline
    What Are the Four Stages of Hair Growth?

    ヘアサイクルは、髪が成長する「成長期」、成長が止まる「退行期」、そして髪が抜け落ちる「休止期」の3つの段階を繰り返しています。

    このサイクルは、1本1本の髪の毛で異なり、全ての髪が一度に生え変わるわけではありません。

    食品による体質改善や頭皮環境の改善は、このヘアサイクルに穏やかに働きかけるものです。

    そのため、効果を実感できるまでには、少なくとも3ヶ月から半年、あるいはそれ以上の期間を要するのが一般的。

    緑茶を飲み始めて1〜2週間で髪が増えるといった、劇的な変化は起こり得ません。

    もし短期間で効果が出ないからといって諦めてしまっては、せっかくの努力も水の泡。

    育毛は長期戦であると心構え、焦らずじっくりと取り組む姿勢が何よりも重要になります。

    緑茶はあくまで補助的な役割と心得るべき

    これまで見てきたように、緑茶にはカテキンやカフェインといった、髪と頭皮の健康にとって有益な可能性を秘めた成分が含まれています。

    抗酸化作用によって頭皮の老化を防いだり、血行を促進して髪の成長をサポートしたりする効果が期待されるのは事実です。

    したがって、日々の生活に緑茶を飲む習慣を取り入れることは、健康維持の一環として、そして健やかな頭皮環境を育むための一助として、決して無意味ではありません。

    しかし、最も重要なのは、緑茶の役割を正しく認識し、過度な期待をしないことです。

    緑茶は医薬品ではありません。

    それ自体が「発毛剤」のように直接的かつ強力な作用を持ち、薄毛を治療するものではないのです。

    薄毛や抜け毛の悩みに本気で向き合うのであれば、緑茶を飲むといった一つの習慣に頼るのではなく、もっと包括的な視点を持つ必要があります。

    それは、バランスの取れた食事で髪に必要な栄養をしっかりと摂ること、質の高い睡眠を確保して成長ホルモンの分泌を促すこと、適度な運動で全身の血行を良くすること、そしてストレスを溜め込まないように上手に発散することです。

    緑茶は、こうした健康的な生活習慣という大きな土台の上に成り立つ、あくまで「補助的な役割」を担うもの。

    そのように位置づけることが、緑茶と上手に付き合っていくための鍵となります。

    この基本を理解した上で、さらに確実な一手を打ちたいと考えるならば、次のステップに進む必要があります。

    育毛効果を求めるなら緑茶ではなく医療の力を借りる

    緑茶を用いたセルフケアの可能性と限界について解説してきましたが、もしあなたが「これ以上悩みたくない」「もっと確実な方法で改善したい」と強く願うのであれば、専門的な医療の力を頼ることを推奨します。

    ここでは、なぜセルフケアだけでは限界があるのか、そしてどのような選択肢があるのかをご紹介します。

    なぜセルフケアだけでは限界があるのか

    薄毛の多くを占めるAGA(男性型脱毛症)やFAGA(女性男性型脱毛症)の最大の特徴は、「進行性」であるという点。

    これは、一度発症すると、何も対策をしなければ症状は時間をかけて着実に悪化していくことを意味します。

    セルフケアで頭皮環境を整えたり、生活習慣を改善したりすることは非常に重要ですが、AGAやFAGAの根本原因であるホルモンの働きかけを、それだけで完全に止めることはできません。

    自己判断で「まだ大丈夫だろう」と対策を先延ばしにしている間に、髪の毛を生み出す毛母細胞の活力が失われ、治療の効果が出にくい状態になってしまう可能性もあります。

    つまり、自己流のケアを続けることは、適切な治療を開始する貴重な時間を失ってしまうリスクと隣り合わせなのです。

    確実性を求めるなら専門クリニックへの相談を

    薄毛の悩みを解決するためには、薄毛治療を専門とするクリニックで医師の診断を受けることです。

    専門クリニックでは、まず医師による問診や視診、場合によっては血液検査などを通じて、あなたの薄毛の原因を正確に特定します。

    原因がわかれば、それに応じた最適な治療法を選択することが可能になります。

    内服薬、外用薬を使用した治療

    クリニックで受けられる治療は、科学的根拠(エビデンス)に基づいて有効性が認められたものが中心。

    例えば、AGA治療では、5αリダクターゼの働きを阻害する「フィナステリド*5」や「デュタステリド*6」といった内服薬や、発毛を促進する「ミノキシジル*7」という外用薬などが主に用いられます。

    *5. 参考文献
    *7. 参考文献

    これらは市販の育毛剤とは異なり、医師の処方が必要な医薬品であり、高い効果が期待できます。

    FAGA治療においても、ミノキシジル外用薬や、ホルモンバランスを整える「スピロノラクトン*8」などの内服薬が用いられることがあります。

    *8. 参考文献
    Mayo Clinic
    Spironolactone (oral route) — Side effects & dosage

    医師が患者一人ひとりの状態や体質に合わせて、薬の種類や量を調整してくれるため、安心して治療に専念できるのが大きなメリットです。

    植毛

    薬物治療では改善が難しいほど症状が進行している場合や、生え際の後退など、特定の部位の見た目をより劇的に改善したいと考える場合には、「植毛」という選択肢もあります。

    現在主流となっている自毛植毛は、AGAの影響を受けにくい後頭部や側頭部の自分自身の毛髪を、毛根ごと薄毛の気になる部分に移植する手術。

    自分自身の組織を使うため、拒絶反応が起こる心配がほとんどなく、移植した髪はその後も生え変わり続けます。

    費用は高額になりますが、生え際のデザインを自由に行えたり、薬物治療のように継続的な服薬が不要になったりするメリットがあり、根本的な解決策の一つとして確立されています。

    まとめ:緑茶はあくまで補助的役目|本格的な育毛は専門クリニックで

    記事のポイントのまとめです。

    緑茶に含まれるカテキンなどの成分は、抗酸化作用や血行促進作用を通じて、頭皮環境を健やかに保つ一助となる可能性はあります。

    しかし、緑茶を飲むことだけで薄毛が改善したり、発毛が促進されたりするほどの直接的かつ強力な効果は、現時点では科学的に証明されていません。

    あくまで健康的な生活習慣を構成する一つの要素として捉えるべきです。

    また、緑茶で髪を洗ったり、頭皮に直接塗布したりする行為は、効果が不確かであるばかりか、毛穴詰まりや雑菌の繁殖、アレルギーといった様々なリスクを伴うため、決して推奨できる方法ではありません。

    解決策は、自己判断に頼らず、AGA・FAGA治療や植毛などを扱う専門のクリニックに相談することです。