
ブラッシング時に髪が抜けること自体は、ほとんどの場合ヘアサイクルの自然な過程です。
人間の頭皮にはおよそ10万本の毛髪があり、そのうち10〜15%がテロゲン期(休止期)にあるため、毎日50〜100本程度の脱毛は正常範囲とされています。
ブラシが物理的な力を加えることで、すでに毛根との結合が緩んでいた休止期の毛がまとめて落ちるため多く感じやすいですが、通常は新しい毛がすぐに生え始めるので目に見えた薄毛にはつながりません。
ただし、1日200本以上抜ける状態が数か月続いたり、分け目が広がって頭皮が透けるようになった場合は、テロゲン・エフルビウムやAGA・FAGAなどの進行性脱毛が隠れている可能性があるため、専門クリニックでの相談を検討してください。
AGA・FAGAは進行性の病気です。
実は、気にしている今も進行しています。


正しい対策をしなければ、髪の毛の数は減り続け、抜け毛・薄毛が徐々に目立ってきます。

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- ブラッシングで抜ける毛の大半はヘアサイクルで自然に脱落する予定だった休止期の毛
- ブラシの種類・とかす順番・力加減・頻度の見直しで不要な抜け毛や切れ毛を大幅に軽減可能
- 栄養不足・ホルモン変動・ストレスなどブラッシング以外の原因が抜け毛を加速させるケースも
- 改善しても抜け毛が続く場合はAGA・FAGA治療を含む専門クリニックへの早めの相談が重要
髪の毛がブラシでのブラッシング中に抜ける仕組みとヘアサイクルの関係
ブラッシングで髪が抜ける理由を正しく理解するためには、まず「ヘアサイクル(毛周期)」の仕組みを知っておく必要があります。
ここでは、ヘアサイクルの基本構造から、ブラッシングが抜け毛を誘発するメカニズム、そしてどれくらいの量までが正常範囲なのかを順に解説していきます。
ヘアサイクルの基本構造を知っておこう

髪の毛は、一度生えたらずっとそのまま伸び続けるわけではありません。

1本1本が「成長→退行→休止→脱毛」という一連の流れを繰り返しながら、古い毛が抜けて新しい毛に入れ替わっています。
この一連の流れが「ヘアサイクル*1(毛周期)」です。
具体的には、次の4つの段階に分けられます。
- 成長期(アナゲン期):毛母細胞が活発に分裂し、毛髪が太く長く伸びていく期間です。頭髪の場合はおよそ2〜6年間続き、全体の約85〜90%の毛髪がこの時期にあたります。
- 退行期(カタゲン期):毛母細胞の分裂が徐々に止まり、毛球部が縮小していく移行期間です。2〜3週間ほどで完了し、全体の約1%未満がこの段階にあるとされています。
- 休止期(テロゲン期):毛髪の成長が完全に止まり、毛根が浅い位置で固定されている期間です。約3か月続き、全体のおよそ10〜15%がこの時期に該当します。
- 脱毛期(エクソゲン期):休止期を終えた毛が頭皮から自然に離脱し、新しい成長期の毛に押し出されて抜け落ちるフェーズです。

こう考えると、頭皮の毛髪のうち常に10〜15%程度は「いつ抜けてもおかしくない状態」で待機していることになります。
10万本の毛髪のうち10%は1万本ですから、毎日数十本〜100本程度が抜けたとしても、次の成長期の毛がすぐに生え始めるため、通常は目に見えて薄くなることはありません。
物理的な力が「抜ける準備のできた毛」を引き離す


ブラッシングとは、ブラシの毛先やピンが頭皮や毛幹に接触し、物理的な力を加える行為です。
この力が加わることで、休止期(テロゲン期)に入ってすでに毛根との結合が緩んでいる毛髪が、頭皮からスルッと離れていきます。
言ってしまえば、ブラッシングはこうした「抜ける待機中の毛」を効率よく回収する作業のような側面があるのです。
もしブラッシングを1日サボれば、翌日とかしたときに前日分の抜け毛もまとめて出てくるため、ブラシに絡まる量が増えたように感じるかもしれません。
逆に言えば、毎日こまめにとかしていれば、一度に抜ける量は分散されて少なく見えます。
ここで大切なのは、テロゲン期の毛は根元に白っぽい毛球(クラブヘア)がついているのが特徴だという点です。
抜けた毛の根元を観察して白い塊が確認できれば、それはヘアサイクルの一環として正常に脱落した毛と考えてよいでしょう。
一方、途中でプツッと切れていて根元がない場合は、毛幹の途中で折れた「切れ毛」であり、ブラッシングの摩擦やダメージが原因の可能性が高まります。
テロゲン期の毛髪が多くなるケースとは


通常であればテロゲン期の毛髪は全体の10〜15%に収まっていますが、何らかのトリガーによってこの比率が急増することがあります。
代表的なのが「休止期脱毛症(テロゲン・エフルビウム)」です。
テロゲン・エフルビウムとは、身体的・精神的ストレス、ホルモンの急激な変化、栄養不足、高熱、大きな手術などをきっかけに、成長期の毛が一斉にテロゲン期へ移行してしまう状態を指します。

NIHの文献によると、強いストレス下ではアナゲン期の毛の最大約70%がテロゲン期に移行する可能性があるとされています。
こうなると、毎日のブラッシングで抜ける量は通常の数倍に膨れ上がります。
トリガーとなる出来事から2〜3か月後に抜け毛のピークが訪れるのが特徴で、原因が解消されれば多くの場合は半年〜1年ほどで元の毛量に回復します。
ただし、テロゲン・エフルビウムとAGA*2(男性型脱毛症)やFAGA(女性型脱毛症)が同時に進行しているケースでは、回復が不十分になることもあるため、抜け毛が長期間続く場合は早めの対応が大切です。
ブラッシング頻度が多いほど抜け毛は増えるのか

実際にブラッシングの頻度と抜け毛の量には関係があるのか。

この疑問に直接答えた研究があります。
2009年にJournal of Dermatological Treatmentに掲載された研究では、14人の女性を対象にブラッシング頻度を変えて4週間にわたり抜け毛の本数を計測しました。

結論として、ブラッシングの頻度を減らすと抜け毛の量も減少したと報告されています。
参考:The effect of brushing on hair loss in women
もちろん、ブラッシングを完全にやめることが良いわけではありません。

適度なブラッシングには、頭皮の皮脂を毛先へ行き渡らせてツヤを出す効果や、頭皮の血行を促進する効果があるとされています。

この研究が示唆しているのは、「過度なブラッシングは物理的な力の蓄積によって抜け毛を増やしてしまう」ということです。
なお、この研究はサンプルサイズが14人と小規模であり、サブグループ解析では統計的有意差が得られなかった比較もあったと記載されています。
そのため、結果を絶対視するのではなく、「やり過ぎは避けたほうがよい」という参考程度に捉えておくのがよいでしょう。
「抜け毛」と「切れ毛」は違う問題

ブラシに残っている毛をよく見ると、2種類の毛が混ざっていることに気づくかもしれません。
一つは、根元に白い塊(毛球)がついている「抜け毛」。
もう一つは、根元が見当たらず途中から切れている「切れ毛」です。
抜け毛は、前述の通りヘアサイクルで自然に脱落したものであり、毛根から新しい毛が再び生えてきます。
一方、切れ毛は毛幹のダメージが蓄積し、外力に耐えきれなくなって途中で折れた状態です。
切れ毛が多い場合は、毛根自体に問題があるわけではなく、髪の毛の表面を覆うキューティクルが傷んでいる可能性が高いといえます。
主に、乾燥、熱ダメージ、化学的な処理(カラーリングやパーマ)、そして不適切なブラッシングが原因になります。

ここで重要なのは、切れ毛が増えたからといってすぐに薄毛につながるわけではないものの、毛髪の見た目のボリュームは確実に減ってしまうという点です。
つまり、「ブラシにたくさん毛がついていた=全部が根元から抜けた毛」とは限りません。
切れ毛と抜け毛を区別して考えることで、適切な対策を選びやすくなります。
濡れた髪へのブラッシングがとくに危険な理由

シャンプー後やお風呂上がりに、髪が濡れたままブラシを通してしまう方は少なくありません。
しかし、濡れた状態の髪はとくに傷みやすく、乾いた髪に比べて切れ毛のリスクが大幅に上がります。
その理由は、髪の毛の主成分であるケラチンタンパク質の性質にあります。
毛髪が水分を吸収すると、キューティクル(毛髪の表面を覆うウロコ状の組織)が開いた状態になり、毛幹内部の構造が外部からのダメージを受けやすくなります。
Journal of the Society of Cosmetic Chemistsに掲載された研究によると、濡れた毛髪は乾いた状態よりもコーミング時の摩擦係数が高く、引っ張りに対する抵抗力が低下するため、切れ毛が生じやすいことが示されています。
もっと言えば、濡れた髪は乾いた髪と比べて伸縮性が大きくなるため、ブラシで引っ張った際に「通常なら切れない力加減」でも簡単にブチッと折れてしまうことがあります。
だからこそ、入浴後のブラッシングには注意が必要です。
具体的な対処法については、後のセクションで詳しく触れます。
季節や体調による抜け毛の変動もある

「最近急に抜け毛が増えた」と感じるとき、季節の変わり目が関係しているケースも珍しくありません。
とくに秋口は、夏の紫外線ダメージや気温変化の影響でテロゲン期に入る毛髪の比率が一時的に高まりやすいとされています。
また、体調面でも抜け毛は変動します。
- 急激なダイエットやタンパク質不足
- 鉄分・亜鉛などのミネラル不足
- 出産後のホルモン変動(産後脱毛)
- 甲状腺機能の異常
- 高熱が出るような感染症

いずれも一時的なテロゲン・エフルビウムを引き起こす原因になりえます。
このような場合は、ブラッシング方法を変えるだけでは根本的な改善にはつながりません。

原因そのものに対処し、体調が安定すれば、多くのケースで半年〜1年程度で毛量が回復していきます。
ちなみに、女性の場合は月経にともなう鉄分の喪失が慢性的な鉄欠乏につながり、それが抜け毛の一因になっていることもあります。
ある研究では、過度な抜け毛を訴える女性のうち約59%がフェリチン(貯蔵鉄の指標)40μg/L未満の低鉄状態にあったと報告されています。
参考:Low iron stores: a risk factor for excessive hair loss in non-menopausal women
こうした栄養面の問題は、ブラッシングの仕方以前に食事やサプリメントによる改善が優先されるべきポイントです。
ブラッシングで抜け毛を増やさないための正しい方法と注意点
前のセクションでは、なぜブラッシング中に髪が抜けるのかという「理由」の部分を解説しました。
ここからは、日々のブラッシングで実践できる具体的な対策や、やってしまいがちなNG行動についてまとめていきます。
ちょっとした意識の違いで抜け毛や切れ毛の量は変わってきますので、できるところから取り入れてみてください。
ブラシの選び方が最初のステップ


ブラッシングの質は、使うブラシによって大きく左右されます。
まず結論から言うと、毛先が硬すぎるブラシは避けたほうが無難です。
ナイロン製や金属製のピンが密集したブラシは、頭皮に過度な刺激を与えやすく、毛幹にも摩擦ダメージを蓄積させてしまいます。
とくに髪が細い方や乾燥しやすい方は、猪毛や豚毛などの天然毛ブラシを選ぶと、キューティクルへの負担を軽減できるとされています。
天然毛は静電気が起きにくいため、毛髪同士の絡まりを穏やかにほぐしてくれるのがメリットです。
一方で、天然毛ブラシは絡まりがひどい場合にはほどく力がやや弱いというデメリットもあります。
そこで、絡まりやすい髪質の方や、濡れた髪をやむを得ずとかす必要がある場合には、先端に丸いボールがついたワイドピッチのデタングルブラシが適しています。
デタングルブラシはピンの間隔が広く弾力性があるため、引っかかった毛を無理に引きちぎらずに解きほぐせます。
また、毛量が多くて太い髪質の方は、クッション性の高いパドルブラシが扱いやすいでしょう。
パドルブラシはブラシ面が広いため、広範囲を一度にとかせて力の分散も利くためです。
このように、自分の髪質・髪の状態に合ったブラシを選ぶことが、不要な抜け毛や切れ毛を防ぐ第一歩になります。
とかす順番は「毛先から」が鉄則

ブラシを手に取ったとき、つい頭頂部から毛先に向かって一気にとかしてしまいがちです。
しかし、根元から力を入れて引き下ろすと、途中の絡まりにブラシが引っかかり、毛幹に大きな負荷がかかります。
結果として、テロゲン期の毛が強引に引き抜かれるだけでなく、健康な成長期の毛まで切れてしまうリスクが高まるのです。
正しい手順は、まず毛先のほうから軽くとかして絡まりをほぐし、そのあとで中間部分、最後に根元近くという順序です。
なぜならば、毛先で生じている結び目やもつれを先に解消しておけば、ブラシが根元までスムーズに通るようになるからです。
こうすれば、毛幹全体にかかる負荷が最小限に抑えられます。
実際、ロングヘアの方がこの「毛先からルール」を守るだけで、ブラシに絡まる毛の量が目に見えて減ったという声は多く聞かれます。
たとえ短髪であっても、寝癖や絡まりがある朝のスタイリング時には、毛先優先の順番を意識してみてください。
濡れた髪をとかすときのリスクを最小限にする方法

前述の通り、濡れた髪はキューティクルが開いて脆い状態になっています。
そのため、できる限り「完全に乾いてからブラッシングする」のがベストです。
しかし、現実的にはシャンプー後にコンディショナーを行き渡らせるために軽くとかしたいときや、絡まりをそのまま乾かすとかえって癖がつくケースもあるでしょう。
そういった場面では、次のポイントを意識してください。
- タオルドライの段階でタオルをゴシゴシ擦らず、優しく押さえるようにして水分を取る。
- 粗めの歯のコーム(ワイドトゥースコーム)や先述のデタングルブラシを使い、できるだけ力をかけずにとかす。
- 洗い流さないトリートメントやヘアオイルを毛先中心につけ、滑りをよくしてから梳かす。
- 毛先から優しくほぐし、絡まりを取り除いてから中間、根元へと進む。
なお、ドライヤーで完全に乾かすまでの間は、できるだけブラッシングの回数を抑えるのが望ましいです。
とくに、タオルで巻いたまま長時間放置すると、摩擦と湿気の二重ダメージが蓄積するため、なるべく早めに乾かすことも切れ毛対策になります。
頭皮を傷つけないブラッシングの力加減

ブラッシングには「頭皮マッサージ効果がある」と聞いたことがある方もいるかもしれません。

確かに、適度な刺激は頭皮の血行を促し、毛根への栄養供給をサポートするとされています。
しかし、力を入れ過ぎて頭皮にブラシのピンをグイグイ押し当てるのは逆効果です。
頭皮が傷ついたり炎症を起こしたりすると、かえって毛根にダメージが及び、抜け毛を助長する原因になりかねません。
目安としては、「頭皮にブラシの先が軽く触れて心地よい」と感じる程度の圧力が適切です。
もし頭皮に赤みやフケ、痒みなどの炎症症状が見られる場合は、ブラッシングの圧力を見直すと同時に、頭皮環境を整えるケアを優先しましょう。
ここでは具体的な製品名には触れませんが、低刺激のシャンプーを使い、洗浄後に頭皮をしっかり乾かすだけでも、炎症リスクは大きく下がります。
ブラッシングの適切な回数とタイミング

「1日100回ブラシをかけると髪が美しくなる」という言い伝えを耳にしたことはないでしょうか。
これは古くからの俗説であり、現代の毛髪科学ではむしろ「やり過ぎは逆効果」というのが一般的な見解です。
前述のJournal of Dermatological Treatmentの研究でも、ブラッシング頻度の増加が抜け毛量の増加と関連していることが示唆されています。
おすすめのタイミングと回数は次の通りです。
- 朝のスタイリング前に1回:寝ている間にできた絡まりをやさしくほぐすために行います。
- シャンプー前に1回:先に毛先の絡まりを解いておくことで、洗髪時の摩擦ダメージを軽減できます。
- 就寝前に1回(必要に応じて):日中に付着したほこりや皮脂を毛先まで分散させ、髪全体にツヤを与える目的で行います。
つまり、1日2〜3回で十分ということです。
いくらブラッシング自体にメリットがあるとはいえ、何度も繰り返せば毛幹への物理的負荷が蓄積します。
回数よりも「正しいやり方で、丁寧に」を意識するほうがよほど効果的です。
ヘアゴムやヘアアクセサリーとの組み合わせにも注意


ブラッシング以外にも、日常的に髪に物理的な力がかかる場面があります。
代表的なのが、きつく結んだポニーテール、お団子ヘア、編み込みなどのタイトなヘアスタイルです。
毛髪に長時間にわたって牽引力がかかると、「牽引性脱毛症(トラクション・アロペシア)」という脱毛の原因になります。
牽引性脱毛症に関する文献によれば、生え際やこめかみ周辺の毛髪に長期間の強い引っ張りが加わると、最終的には毛包が瘢痕化して毛が再生しなくなるケースもあると報告されています。
参考:Traction alopecia: the root of the problem
だからこそ、ブラッシングで髪を整えた後にヘアゴムで結ぶ際は、きつく引っ張り過ぎないことが大切です。
金属パーツのないシリコン素材のヘアゴムや、スプリング型のヘアリングなど、摩擦と牽引力が少ないアクセサリーを選ぶだけでも、頭皮と毛根への負担を減らせます。
このように、ブラッシング単体だけでなく、ヘアスタイル全体を通じて「毛根に過度な力をかけない」という意識を持つことが、抜け毛対策の土台になります。
カラーやパーマとブラッシングの相互ダメージ


カラーリングやパーマなどの化学的処理を受けた毛髪は、薬剤によってキューティクルが損傷し、内部のタンパク質構造が変質しています。
この状態の毛髪に通常と同じ力加減でブラッシングをすると、健康な毛髪よりもはるかに切れやすくなります。
例えば、ブリーチ後の毛髪は元の引張強度を大幅に失っているため、軽い力でもプツプツと切れてしまうことがあります。
もちろん、カラーやパーマをすること自体が悪いと言いたいわけではありません。

ただし、化学処理後の1〜2週間はとくに毛髪がデリケートな時期ですので、ブラッシングの力加減をいつも以上に弱くする意識が必要です。
併せて、洗い流さないトリートメントやヘアマスクなどで毛髪の保護層を補ってあげると、ブラッシング時の摩擦ダメージを軽減できます。
多くの美容専門家も、カラーやパーマの施術後には「保湿ケアの頻度を上げ、ブラッシングの強度を下げる」ことを推奨しています。
ブラシの衛生管理も忘れてはいけないポイント

意外と見落とされがちなのが、ブラシそのもののメンテナンスです。
使い続けたブラシには、抜け毛、皮脂、ほこり、ヘアケア製品の残留物が蓄積します。
このような汚れがたまったブラシで頭皮をこすると、雑菌の繁殖によって頭皮環境が悪化し、フケや炎症のリスクが高まります。
頭皮環境が荒れた状態では毛根の健康も損なわれやすく、結果として抜け毛が増える可能性もあるのです。
少なくとも週に1回は、ブラシに絡まった毛を取り除き、ぬるま湯と少量のシャンプーで洗浄するのがよいでしょう。
天然毛ブラシの場合は水洗いで劣化しやすいため、専用のクリーナーやドライクリーニング方法を使うのが長持ちのコツです。
こうした地味なケアの積み重ねが、頭皮と毛髪のコンディションを底上げしてくれます。
ブラッシングでの抜け毛が止まらないときに考えたい原因と対処法
ブラシの選び方ややり方を見直しても、抜け毛が一向に減らない。
あるいは、以前に比べて明らかに毛のボリュームが減ってきたと感じる。
そういった場合は、ブラッシングの問題を超えたところに原因がある可能性が高いです。
ここでは、慢性的な抜け毛の背景として考えられる主な要因と、それぞれの対処の方向性について解説します。
正常な抜け毛と異常な抜け毛の見分け方


まず押さえておきたいのは、「どこからが異常なのか」という基準です。
先述の通り、健康な頭皮では1日50〜100本程度の脱毛は正常範囲とされています。
しかし、この数字を自分で毎日正確にカウントするのは現実的ではありません。
そこで、目安となるチェックポイントをいくつか挙げます。
- 排水口にたまる毛の量が以前と比べて明らかに増えた。
- 枕カバーに残る毛が目立つようになった。
- 分け目が以前より広がって頭皮が透けて見える。
- 前髪の密度が薄くなった、おでこが広くなった気がする。
- ブラッシングのたびに束になって毛が抜ける。
こうした変化が複数当てはまり、なおかつ3か月以上続いている場合は、テロゲン・エフルビウム以外の原因、たとえばAGAやFAGAのような進行性の脱毛が始まっている可能性を視野に入れるべきです。
AGA・FAGAが隠れている可能性

男性にも女性にも起こりうる進行性の脱毛症として、AGA(男性型脱毛症)とFAGA(女性型脱毛症、正式にはFPHL=Female Pattern Hair Loss)があります。
AGAは男性においてもっとも多い脱毛パターンで、前頭部の生え際の後退や頭頂部の毛髪の軟毛化(細く短い毛に変わっていく現象)が特徴です。

一方、FAGAは女性に見られるびまん性の毛髪密度低下であり、生え際はおおむね保たれるものの、頭頂部を中心に分け目が広がっていくのが典型的な進行パターンです。
AGAの有病率は年齢とともに上昇し、男性では50歳までに約50%、70歳までには約80%が何らかの形で影響を受けるとされています。
女性においても閉経後にFAGAの発症率が顕著に高まり、生涯で最大50%程度が発症するとの報告があります。
AGAやFAGAは、テロゲン・エフルビウムのように一過性で自然回復するタイプの脱毛ではなく、治療しなければ進行し続けるという点が大きな違いです。
「ブラッシングのときにたくさん抜ける」という自覚症状をきっかけに、実はAGA・FAGAが進行していたと気づくケースは珍しくありません。
ホルモンバランスの乱れと抜け毛の関係


AGAの根本的なメカニズムには、ジヒドロテストステロン*3(DHT)というアンドロゲン(男性ホルモンの一種)が深く関わっています。

テストステロンが5αリダクターゼ*4という酵素によってDHTに変換されると、DHTは毛包のアンドロゲン受容体に結合し、毛母細胞の活動を抑制します。
すると、成長期が短縮され、毛髪は十分に太く長く育つ前にテロゲン期へ移行してしまいます。
これが繰り返されることで毛包自体が次第に小型化(ミニチュア化)し、やがて目に見えないほど細い軟毛しか生えなくなるのです。
男性ではこのプロセスが前頭部や頭頂部で顕著ですが、女性の場合はホルモンバランスの変化が要因となって、びまん性に進行することが多いです。
とくに、閉経前後のエストロゲン減少、多嚢胞性卵巣症候群(PCOS)、甲状腺機能異常、過度なストレスなどが引き金になることがあります。
こう考えると、ブラッシングの仕方を改善しても抜け毛が減らない場合、ホルモンの問題が背景にあるかどうかを確認するのは合理的なステップといえるでしょう。
栄養不足が毛根の力を奪う

毛母細胞は体の中でもっとも分裂速度が速い細胞の一つであり、健全な成長のためには十分な栄養素の供給が不可欠です。
主に、以下の栄養素が不足すると毛髪の成長に悪影響が出るとされています。
- タンパク質:毛髪の約90%はケラチンというタンパク質で構成されているため、タンパク質の摂取不足は毛幹の強度低下に直結します。
- 鉄分:鉄は赤血球によるヘモグロビンの生成に必要であり、毛根への酸素供給にも影響します。鉄欠乏はテロゲン・エフルビウムの一因にもなりえます。
- 亜鉛:毛包の細胞分裂やタンパク質合成に関与するミネラルであり、不足すると成長期が短縮する可能性があります。
- ビタミンD:毛包のサイクル調節に関わり、不足状態では脱毛と関連するとの報告があります。
- ビオチン(ビタミンB7):ケラチン生成の補酵素として働くため、欠乏すると毛髪や爪がもろくなることがあります。
とくにダイエット中の方や偏食の方は、意識的にこうした栄養素を摂取するよう心がけてください。
「ブラシに毛がたくさんついていた=ブラッシングの問題」と短絡的に考えてしまうと、こうした栄養面の原因を見落としてしまうことがあります。
もし抜け毛とともに疲れやすい、爪が割れやすい、立ちくらみがするなどの症状がある場合は、鉄分をはじめとした栄養素の不足が全身に影響している可能性も考えられます。
ストレスが引き起こす脱毛の連鎖

精神的・身体的ストレスがテロゲン・エフルビウムの主要なトリガーになることは先ほど触れました。
ただ、ストレスと抜け毛の関係はもう少し複雑です。
ストレスによって抜け毛が増える → 抜け毛を見てさらに不安やストレスが増す → さらにテロゲン期に移行する毛が増える、という悪循環に陥ることがあるのです。
こうした負のサイクルは、ストレス管理だけでは断ち切れないこともあります。
実際、テロゲン・エフルビウムの患者は非患者と比較してうつ傾向や不安症状が有意に高いとの報告もあります。
参考:Significant impact of telogen effluvium on quality of life, depression and stress
もしストレスによる抜け毛が長引いている場合は、心理面のケアを並行して行うことで回復が早まるケースも少なくありません。
少なくとも、「抜け毛は気にしすぎてもよくない」という点は覚えておいてください。
AGA治療・FAGA治療

ブラッシング方法の改善、栄養バランスの見直し、ストレス管理。
これらを行っても抜け毛の進行が止まらず、明らかにボリュームの低下が続いている場合は、AGA治療やFAGA治療を検討するのが現実的な選択肢です。

AGA治療では、フィナステリド*5やデュタステリド*6といった内服薬が5αリダクターゼを阻害し、DHTの生成を抑えることで毛包のミニチュア化を食い止めます。
また、ミノキシジル*7外用薬は毛包周辺の血管を拡張し、毛母細胞への栄養供給を促進する作用があります。
FAGAの場合は、女性にはフィナステリドの使用が原則として推奨されないため、ミノキシジル外用薬やスピロノラクトン*8などの抗アンドロゲン薬が選択肢となります。
いずれの治療法も、効果を実感するまでに最低4〜6か月の継続使用が必要であり、効果を維持するためには長期的に使い続けることが前提となります。
ただし、AGA治療薬には副作用が存在します。
男性の場合、フィナステリドでは性機能に関する副作用が報告されていますし、ミノキシジルでは頭皮のかゆみや初期脱毛(使用開始後に一時的に抜け毛が増える現象)が見られることもあります。
だからこそ、自己判断で市販薬を使い始めるのではなく、AGAやFAGAの専門クリニックで医師に相談したうえで治療方針を決めるのが安心です。
むしろ、専門の医療機関であれば、血液検査や頭皮の精密診断を通じて原因を正確に特定し、一人ひとりに合った治療プランを提案してもらえます。
「ブラッシングのたびに髪が抜けて心配」という段階であっても、早めに相談しておくことで、進行する前に手を打てる可能性が広がります。
日常の生活習慣で意識したいこと

抜け毛対策はブラッシングの見直しや治療だけでなく、日々の生活習慣にも密接に関わっています。
まず、睡眠は毛母細胞の修復・分裂が活発になる時間帯であるため、質のよい睡眠を確保することは重要です。
成長ホルモンは深い睡眠中に多く分泌されるため、夜更かしや睡眠不足が常態化している方は、毛髪の成長サイクルにも悪影響が及んでいる可能性があります。
また、適度な運動は全身の血流を改善し、頭皮への栄養供給を促進します。
喫煙は末梢血管を収縮させて頭皮への血流を低下させるだけでなく、酸化ストレスを増加させるため、毛包にとってはマイナスファクターです。
アルコールの過剰摂取も肝臓に負荷をかけ、ホルモン代謝やタンパク質合成に影響する可能性があるため、節度をもった飲酒を心がけるのが望ましいでしょう。
こうした生活習慣の改善は、直接的に「ブラシに残る毛を減らす」という即効性のある対策ではありませんが、毛髪の健康を底支えする土台として非常に重要です。
まとめ:髪の毛がブラシでブラッシングしたときに抜ける悩みを放置しないことが大切
記事のポイントのまとめです。


ここまで解説してきたように、ブラッシングで髪が抜けること自体は、ほとんどの場合、ヘアサイクルの自然な一部です。
1日50〜100本程度であれば心配はいりません。
しかし、明らかに量が増えた、数か月以上続いている、毛の太さが変わってきたといった変化がある場合はAGA、FAGAなど、別の要因が関わっている可能性を考える必要があります。
これまでの話を踏まえて、最後に全体のポイントを振り返ります。
- ブラシに残る毛の多くは、テロゲン期に自然に脱落する予定だった毛であり、ブラッシングがそのきっかけになっているだけのケースが大半です。
- ブラシの種類、とかす順番、力加減、頻度を見直すだけで、不必要な抜け毛や切れ毛をかなり抑えられます。
- 濡れた髪へのブラッシングはとくに注意が必要であり、デタングルブラシや洗い流さないトリートメントの活用が効果的です。
- 栄養バランスの偏り、ホルモン変動、ストレス、化学的処理によるダメージなど、ブラッシング以外の原因が抜け毛を加速させることもあります。
- ブラッシング方法を改善しても抜け毛が減らない場合、AGAやFAGAの可能性を含め、専門クリニックでの相談を検討するのが最善です。
抜け毛の悩みは男性にも女性にも共通するテーマであり、早い段階で正しい知識と適切な対処法を身につけておくことが、将来の毛量を守るうえで何よりも大切です。
一人で抱え込まず、気になる方はぜひ専門の医療機関に足を運んでみてください。






































































































































































































