この製品は「医薬部外品」として、国に認められた9つの効能・効果が期待できます。
具体的には、今ある髪を健康に育てる「育毛」や「養毛」、抜け毛を防ぐ「脱毛の予防」、そして新しい髪が育つ環境をサポートする「発毛促進」や「毛生促進」です。
さらに、頭皮環境を整えることで「ふけ」や「かゆみ」を防ぐ効果や、「病後・産後の脱毛」に対するサポートも認められています。
これらはAGA治療薬のような「治療」を目的とするものではなく、あくまで男女の薄毛や抜け毛の「予防」と頭皮環境の「衛生」を目的としたサポート的な効果です。
AGA・FAGAは進行性の病気です。
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- ホルモプレミアムヘアグロウエッセンスの医薬部外品としての効果（育毛・脱毛予防）
- 主要な有効成分（エチニルエストラジオール等）が男女の薄毛要因にどう作用するか
- 「育毛剤（医薬部外品）」と「発毛剤（医薬品）」の目的と効果の明確な違い
- 製品のメリット・デメリットと、使用が推奨される人・そうでない人の特徴
目次
ホルモプレミアムヘアグロウエッセンス育毛剤の概要と分類（医薬部外品）
まず知っておきたいのは、ホルモプレミアムヘアグロウエッセンスの「分類」です。
この商品は、日本の法律上「医薬部外品」にカテゴライズされています。
「医薬部外品」と聞くと、少し難しく感じるかもしれません。
これは、「医薬品」と「化粧品」の中間に位置するもので、厚生労働省が許可した効果・効能に有効な成分が、一定の濃度で配合されている製品のことを指します。
もっと分かりやすく言うと、「治療」を目的とする「医薬品」（病院で処方される薬や、一部の「発毛剤」など）とは異なります。
一方で、肌を保湿したり清潔に保ったりすることが主な目的の「化粧品」とも違います。
医薬部外品である「育毛剤」の主な目的は、「予防」や「衛生」です。
つまり、薄毛や抜け毛の「予防」、今ある髪を健やかに「育てる（育毛）」、頭皮環境を整えて「ふけ・かゆみを防ぐ」といったサポート的な役割を担うもの、と考えると分かりやすいかもしれません。
ホルモプレミアムヘアグロウエッセンスも、この医薬部外品の枠組みの中で、薄毛や脱毛の悩みにアプローチする製品、ということになりますね。
「日本初※1」の配合とは？
この商品のパッケージや広告を見ると、「日本初※1」という言葉が目に入ります。
これは、消費者の期待を高めるキャッチコピーですが、何が「日本初」なのかを正確に理解しておくことが大切ですね。
※1 日本で初めて「エチニルエストラジオール」と「和漢植物エキス」を配合した育毛剤（TPCマーケティングリサーチ（株）調べ 2022年11月4日時点）
この注釈にある通り、「エチニルエストラジオール」という成分と、「和漢植物エキス*」という成分の「組み合わせ」を配合した育毛剤として、日本初（調査時点）である、ということです。
＊カッコンエキス、ニンジンエキス、ツボクサエキス（保湿成分）
「エチニルエストラジオール」は、後ほど詳しく解説しますが、この商品の核心とも言える有効成分です。
そして、カッコンエキス、ニンジンエキス、ツボクサエキス（近年CICAとして有名ですね）といった和漢植物エキス（これらは保湿成分として配合）との組み合わせが新しい、という点が特徴のようです。
「日本初」と聞くと、何かすごい特効薬のように感じてしまうかもしれませんが、あくまで「成分の組み合わせが新しい」という事実を示している、と冷静に受け止めるのが良いかなと思います。
ホルモプレミアムヘアグロウエッセンスの効果
では、「効果」について見ていきましょう。
育毛剤を選ぶ上で最も知りたい部分ですね。
医薬部外品として認められた9つの効能・効果
前述の通り、ホルモプレミアムヘアグロウエッセンスは医薬部外品です。
そのため、国（厚生労働省）から認められた「効能・効果」の範囲が明確に決まっています。
商品には、以下の9つの効能・効果が記載されています。
- 発毛促進
- 育毛
- 毛生促進
- 養毛
- 薄毛
- 脱毛の予防
- ふけ
- かゆみ
- 病後・産後の脱毛
これらの言葉が並んでいますが、少し分かりにくいかもしれませんね。
簡単にまとめると、「髪が抜けにくくなるように予防し、今ある髪を健康に育て（育毛・養毛）、新しい髪が生まれやすい環境をサポートし（発毛促進・毛生促進）、頭皮のトラブル（ふけ・かゆみ）も防ぎますよ」ということです。
これらの効果はあくまで医薬部外品の範囲内でのものであり、「AGA*1（男性型脱毛症）が治る」とか「失った髪がフサフサに戻る」といった、医薬品的な「治療」効果を保証するものではない、という点です。
「発毛促進」という言葉に過度な期待を抱きがちですが、これは「発毛剤（医薬品）」の「発毛」とは区別して考える必要があります。
「発毛促進」と「育毛」の違い
9つの効能・効果の中でも、特に「発毛促進」と「育毛」は、どう違うのか気になるポイントかなと思います。
一般的に、これらは以下のように使い分けられることが多いです。
「育毛」は、主に「今ある髪」に着目しています。
頭皮環境を整えたり、髪に栄養が行き渡るようにサポートしたりすることで、今生えている髪を太く、強く、健康に育てること。
そして、抜け毛を防ぐこと。
これが「育毛」の主なイメージですね。
一方で、「発毛促進」は、「これから生える髪」にも目を向けています。
毛根にある毛母細胞の働きを活発にするよう促したり、ヘアサイクル*2（髪の生え変わりの周期）が乱れるのを防いだりすることで、新しい髪が生まれやすい環境をサポートする、といった意味合いが含まれます。
ホルモプレミアムヘアグロウエッセンスは、この「育毛（今ある髪を健やかに）」と「発毛促進（新しい髪が育つサポート）」の両方の効果・効能が認められている、ということになります。
なぜ男女兼用？ホルモプレミアムヘアグロウエッセンスの配合成分
市場には「男性用育毛剤」「女性用育毛剤」と分かれている商品が多い中で、ホルモプレミアムヘアグロウエッセンスは「男女兼用」をうたっています。
その理由は、この商品が着目している「薄毛・抜け毛の根本原因のひとつ」と、配合されている「有効成分」に秘密がありそうです。
公式サイトによれば、薄毛・抜け毛の根本原因のひとつに「男女特有のホルモンバランスの変化」がある、と指摘しています。そして、この商品が、その男女それぞれのホルモン由来の悩みにアプローチする設計になっているんですね。
最大の特徴：有効成分「エチニルエストラジオール（発毛促進ホルモン※2）」
この育毛剤が男女兼用である最大の理由、それは有効成分として配合されている「エチニルエストラジオール」にあると考えられます。
この成分は、商品ページ内で「発毛促進ホルモン※2」と呼ばれていますが、これは女性ホルモンの一種（合成卵胞ホルモン）です。
※2 エチニルエストラジオール
「え、ホルモン？ 大丈夫なの？」と不安に思う方もいるかもしれません。
ここで非常に大切なことが、公式サイトにも明記されている「※身体へ直接ホルモンを補給するものではありません」という注釈です。
これは、全身のホルモンバランスに影響を与えるような「ホルモン補充療法」とは全く異なり、あくまで頭皮に塗布する「医薬部外品」の「有効成分」としての働きを目的としている、ということです。
この点は誤解しないようにしたいですね。
では、このエチニルエストラジオールが、男女それぞれの薄毛の悩みに、どのようにアプローチするとされているのでしょうか。
男性へのアプローチ：脱毛酵素への働きかけ
まず、男性の薄毛（特にAGA＝男性型脱毛症）のメカニズムから見てみましょう。
AGAの多くは、体内の男性ホルモン「テストステロン*3」が、「脱毛酵素（5αリダクターゼ*4）」という酵素と結びつくことで、「DHT（ジヒドロテストステロン）」という、いわゆる「悪玉脱毛ホルモン」に変化することが原因とされています。
このDHTが毛根の受容体と結合すると、髪の成長期が強制的に短縮され、髪が太く長く育つ前に抜け落ちてしまう（ヘアサイクルの乱れ）のです。
ホルモプレミアムヘアグロウエッセンスの公式ページによれば、有効成分「エチニルエストラジオール」は、このプロセスに対して「脱毛酵素の働きを阻害し、悪玉脱毛ホルモンの生成を防ぎ脱毛を抑制、発毛を促進します」と説明されています。
つまり、AGAの引き金となる「脱毛酵素」の働きをブロックすることで、抜け毛のシグナル（DHT）が作られるのを防ぐ、というアプローチですね。
これが、男性特有の薄毛・抜け毛の原因に対するアプローチのようです。
女性へのアプローチ：発毛促進力（髪の成長力）不足
一方、女性の薄毛（FAGA＝女性男性型脱毛症など）は、男性とは異なる要因が大きく関わってきます。
もちろん、女性も微量ながら男性ホルモンを持っているため、DHTが影響することもありますが、それ以上に大きいのが「加齢による女性ホルモンの減少」です。
女性ホルモン（エストロゲン）には、髪の「成長期」を維持し、髪を豊かに保つ働きがあります。
しかし、女性ホルモンの分泌量は40代頃から急激に減少し始めます。
すると、髪の成長期を維持する力が弱まり、ヘアサイクルが乱れて「休止期」の髪の割合が増え、結果として髪が細くなったり、全体のボリュームが減ったり（びまん性脱毛）しやすくなるんですね。
この女性特有の悩みに対し、エチニルエストラジオールが「女性の薄毛・抜け毛の原因、発毛促進力(髪の成長力) 不足にアプローチして抜け毛を防ぎ、発毛を促進」とあります。
女性ホルモンであるエチニルエストラジオールを頭皮に塗布することで、加齢によって不足しがちな「髪の成長力」をサポートし、ヘアサイクルを整える手助けをする、といった狙いがあると考えられます。
このように、男性の「DHT生成の抑制」と、女性の「髪の成長力サポート」という、男女それぞれの異なるホルモン由来の原因に、一つの成分（エチニルエストラジオール）でアプローチしようとしている点。
これが「男女兼用」の最大の根拠と言えそうです。
その他の有効成分：センブリエキスとグリチルリチン酸ジカリウム
ホルモプレミアムヘアグロウエッセンスには、エチニルエストラジオールの他にも、2つの有効成分が配合されています。
これらも育毛剤の定番とも言える成分ですね。
一つは、「センブリエキス」です。
「当薬（とうやく）」とも呼ばれ、昔から民間薬や育毛剤成分として使われてきたハーブです。
このセンブリエキスの主な働きは「血行促進」です。
頭皮には毛細血管が張り巡らされており、髪の成長に必要な栄養や酸素は、血液によって毛根（毛母細胞）に運ばれます。
センブリエキスは、頭皮の血流をサポートすることで、髪に栄養がしっかり届く環境を整え、抜け毛予防や育毛を助ける効果が期待されます。
もう一つは、「グリチルリチン酸ジカリウム」です。
これは、漢方薬でもおなじみの「甘草（カンゾウ）」という植物の根から抽出される成分です。
この成分の最大の特徴は「抗炎症効果」にあります。
頭皮も顔や体と同じ「肌」の一部。
乾燥、過剰な皮脂、紫外線、間違ったヘアケアなどで、頭皮が炎症を起こし、赤み、かゆみ、ふけといったトラブルを抱えることがあります。
頭皮環境が悪化すれば、当然、健康な髪は育ちにくくなります。
グリチルリチン酸ジカリウムは、この頭皮の炎症を鎮め、頭皮環境を健やかに保つことで、ふけやかゆみを予防し、育毛をサポートする役割を担っています。
エチニルエストラジオールが「ホルモン」という根本原因にアプローチするのに対し、センブリエキスは「栄養補給路（血行）」、グリチルリチン酸ジカリウムは「土壌（頭皮環境）」を整える。
この3つの有効成分による多角的なアプローチが、この商品の設計思想のようですね。
注目したいその他の成分（保湿・頭皮ケア）
有効成分（医薬部外品としての効果が認められた成分）以外にも、ホルモプレミアムヘアグロウエッセンスには、頭皮ケアをサポートする様々な成分が配合されています。
公式ページによれば、「15種のこだわり和漢植物を厳選」しているとのこと。
例えば、保湿成分として「ニンジンエキス（高麗人参）」「タケノコ皮抽出液」「カッコンエキス」、そして肌荒れケアで人気の「ツボクサエキス（CICA）」などが含まれています。
これらは主に、頭皮にうるおいを与え、乾燥や外部刺激から守る「保湿・保護」の役割を期待して配合されていると考えられます。
また、「美容液成分99%」という表記もあります。
（一般的に水やエタノールなどを除く成分の多くが美容・保湿成分であることを指す場合が多いかなと思います）
育毛剤というとスースーするだけの液体、というイメージがあるかもしれませんが、この商品は頭皮用の「美容液」のような側面も持たせているようです。
さらに、「5つの無添加」として、石油系界面活性剤、合成香料、合成着色料、パラベン、鉱物油が不使用となっています。
毎日、直接頭皮に塗るものだからこそ、こうした肌へのやさしさを考慮した処方になっている点は、敏感肌の方や添加物が気になる方にとっては、安心材料の一つになるかもしれません。
ホルモプレミアムヘアグロウエッセンスのメリットとデメリット（注意点）
さて、商品の特徴や成分が分かってきたところで、次にこの商品を使う上での「メリット」と、知っておくべき「デメリット（注意点）」を整理してみたいと思います。
考えられるメリット
まず、メリットとして考えられる点です。
1. 男女兼用で使える手軽さ
これは大きなメリットかなと思います。
薄毛の悩みは男性だけのものではありません。
ご夫婦やパートナー、あるいは家族（成人）で、悩みを共有し、一つの商品を一緒に使えるのは、経済的にも、精神的にも手軽かもしれません。
「男性用」「女性用」と洗面所にいくつも並べなくて良いのはスッキリしますね。
2. ホルモン変化に着目したアプローチ
多くの育毛剤が「血行促進」や「抗炎症」「保湿」をメインにうたう中で、この商品は「エチニルエストラジオール」を配合し、「男女のホルモン変化」という、より根本的な原因の一つに着目している点がユニーク。
特に、加齢によるホルモンバランスの変化が気になっている方にとっては、試してみる動機になるかもしれません。
3. 頭皮環境も同時にケアできる可能性
前述の通り、3つの有効成分（エチニルエストラジオール、センブリエキス、グリチルリチン酸ジカリウム）と、15種の和漢植物エキスなどが配合されています。
これにより、発毛促進・育毛のサポートだけでなく、ふけ、かゆみ、乾燥といった頭皮トラブル全般の予防・ケアも同時に期待できるのは嬉しいポイントですね。
4. 肌への配慮（5つの無添加）
毎日継続して使うことが前提の育毛剤ですから、肌への負担は少ない方が良いに決まっています。
石油系界面活性剤やパラベンなどが不使用という「5つの無添加」処方は、デリケートな頭皮を持つ方にとっては、選択肢に入れやすい理由の一つになるでしょう。
考えられるデメリットや使用上の注意点
一方で、購入する前、使う前に必ず知っておくべきデメリットや注意点もあります。
1. 医薬品（発毛剤）ではない
商品名に「ホルモ」とあり、有効成分に「エチニルエストラジオール」が使われているため、何か強力な「発毛効果」を期待してしまうかもしれません。
しかし、これは医薬部外品。
「ミノキシジル*5」や「フィナステリド*6」といった医薬品（発毛剤）とは全く異なります。
「AGAが完治する」「髪がフサフサに生え揃う」といった効果を期待して購入すると、ほぼ間違いなく「効果がなかった」と感じることになるでしょう。
あくまで「予防」と「育毛サポート」がメイン、と考えるべきです。
2. すべての人に効果があるとは限らない
これは、ホルモプレミアムヘアグロウエッセンスに限らず、全ての育毛剤に共通して言えることです。
薄毛・抜け毛の原因は、ホルモンバランスの変化以外にも、遺伝、ストレス、生活習慣の乱れ、栄養不足、特定の疾患（円形脱毛症など）など、本当に様々。
もし、あなたの薄毛の原因が、この商品のターゲットとしている「ホルモン変化」や「血行不良」「頭皮環境の悪化」でない場合、期待する効果は得られにくい可能性があります。
3. 肌に合わない可能性（アルコール配合）
公式ページの全成分表示を見ると、「エタノール」が配合されています。エタノール（アルコール）には、成分を溶かしやすくしたり、清涼感を与えたり、防腐効果を高めたりする役割がありますが、一方で肌の水分を奪ったり、刺激になったりすることもあります。「5つの無添加」ではありますが、アルコールに敏感な方、肌が極端に弱い方は注意が必要。使用前には、腕の内側などでパッチテストをしてみることをおすすめします。
4. 継続的な使用とコストが必要
育毛剤は、魔法の薬ではありません。
ヘアサイクル（髪が生え、成長し、抜け落ちるまでの周期）は、通常数ヶ月から数年単位。
そのため、育毛剤を使い始めてすぐに変化を感じることは稀で、一般的には最低でも3ヶ月、できれば6ヶ月以上は継続して使用しないと、その効果（抜け毛が減った、髪にハリが出てきた等）は判断できないと言われています。
ホルモプレミアムヘアグロウエッセンスがおすすめな人、そうでない人
ここまでのメリット・デメリットを踏まえて、この商品がどのような人に向いている可能性があるか、逆にどのような人は他の選択肢を考えた方が良いかを、私なりに整理してみたいと思います。
こういう人には試す価値があるかも
- 最近、抜け毛が増えてきた、髪のボリュームダウンが気になり始めた、といった薄毛の初期段階の人。
- 男女ともに、「年齢のせいかな（加齢によるホルモン変化かも）」と、ご自身の薄毛の原因を感じている人。
- 薄毛や抜け毛だけでなく、頭皮の乾燥、ふけ、かゆみといった頭皮トラブルも同時にケアしたい人。
- クリニックでの「治療」や、「発毛剤（医薬品）」を使うことにはまだ抵抗がある。まずはセルフケアで予防・対策を始めたい人。
- パートナーや家族（男女）で、一緒に使える育毛剤を探している人。
こういう人は他の選択肢を検討した方が良いかも
- すでに薄毛がかなり進行しており、地肌がはっきりと見えている人。
- 医師から、すでに「AGA（男性型脱毛症）」や「FAGA（女性男性型脱毛症）」と明確に診断されている人。
- 育毛剤に「予防」や「育毛」ではなく、短期間での明らかな「発毛効果」（＝治療）を求めている人。
- アルコール（エタノール）にアレルギーや過敏症があり、肌が荒れやすい人。
育毛剤（医薬部外品）と発毛剤（医薬品）の違い
「おすすめでない人」の部分でも触れましたが、ここで、ホルモプレミアムヘアグロウエッセンスのような「育毛剤（医薬部外品）」と、世間で言う「発毛剤（医薬品）」との決定的な違いについて、もう少し詳しく解説させてください。
ここを誤解していると、お金と時間を無駄にしてしまう可能性があるからですね。
目的の違い：「予防・育毛」か「治療・発毛」か
最も大きな違いは、その「目的」です。
育毛剤（医薬部外品）
- 例：ホルモプレミアムヘアグロウエッセンス、市販の多くの育毛トニックなど
- 目的：「予防」と「育毛」
- 主な働き：頭皮環境を整える（抗炎症、保湿、血行促進）。今ある髪を健康に育て、抜け毛を防ぐ。ヘアサイクルが乱れるのを防ぐ。
- 効能・効果：「脱毛の予防」「育毛」「発毛促進」「ふけ・かゆみ防止」など。
発毛剤（医薬品）
- 例：ミノキシジル配合の外用薬（リアップなど）、フィナステリド・デュタステリド*7配合の内服薬（プロペシア、ザガーロなど）
- 目的：「治療」と「発毛」
- 主な働き：新しい髪を生やす。髪を太く成長させる。AGAの進行を強力に抑制する。
- 効能・効果：「壮年性脱毛症における発毛、育毛及び脱毛（抜け毛）の進行予防。」など。
ホルモプレミアムヘアグロウエッセンスの効能にある「発毛促進」は、あくまで医薬部外品としての「発毛を促す環境づくり」であり、医薬品の「発毛（治療）」とは、その強さや定義が異なる、と理解しておく必要があります。
成分の違い：ミノキシジルやフィナステリド
目的が違うのは、配合されている「有効成分」が全く異なるからです。
現在、日本国内で「発毛効果」が国に認められている医薬品成分は、主に以下の3つです。
- ミノキシジル（外用薬）：もともとは血圧を下げる薬として開発されましたが、副作用として多毛が見られたことから、発毛剤として転用されました。詳しいメカニズムは完全には解明されていませんが、毛根の血管を拡張させて血流を増やしたり、毛母細胞に直接働きかけて成長を促したりすると考えられています。
- フィナステリド（内服薬・男性のみ）：これは「AGA治療薬」として非常に有名ですね。AGAの原因となる「脱毛酵素（5αリダクターゼ）」の働きを阻害し、悪玉脱毛ホルモン（DHT）の生成を抑えます。つまり、抜け毛の根本的な原因（DHT）を元から減らす「守り」の薬です。
- デュタステリド（内服薬・男性のみ）：フィナステリドと同じく、5αリダクターゼを阻害する薬ですが、フィナステリドが阻害する酵素（II型）だけでなく、I型の酵素も阻害するため、より強力にDHTの生成を抑えるとされています。
ホルモプレミアムヘアグロウエッセンスに配合されている「エチニルエストラジオール」も、脱毛酵素の働きを阻害」とうたっていますが、これは医薬部外品としての作用です。
医薬品であるフィナステリドやデュタステリドの内服（全身作用）と、医薬部外品であるエチニルエストラジオールの外用（局所作用）とでは、その作用の強さやメカニズムは同等ではない、と考えるのが自然ですね。
副作用のリスクと入手方法
効果が強い医薬品には、その分「副作用」のリスクも伴います。
例えば、ミノキシジル外用薬には、使用初期の「初期脱毛」や、頭皮のかゆみ・かぶれ、まれに動悸やめまいなど。
フィナステリドやデュタステリドの内服薬には、性機能障害（性欲減退、勃起不全など）や肝機能障害などが報告されています。
そのため、これらの「発毛剤（医薬品）」は、医師の診断・処方が必要なもの（内服薬すべて）や、薬剤師による説明と対面販売が義務付けられているもの（高濃度のミノキシジル外用薬など）がほとんどです。
一方、ホルモプレミアムヘアグロウエッセンスのような「育毛剤（医薬部外品）」は、医薬品に比べて作用が穏やかである分、副作用のリスクも一般的に低いとされています（もちろん、前述のアルコール刺激など、肌に合わないリスクはゼロではありません）。
そのため、通販やドラッグストアなどで、医師の処方なく購入することが可能です。
この「手軽さ」と「リスクの低さ」が育毛剤のメリットであり、その裏返しとして「効果の穏やかさ」がデメリット（あるいは限界）とも言えるわけですね。
もし育毛剤で満足できない場合は？
この記事では、ホルモプレミアムヘアグロウエッセンスについて詳しく解説してきました。
これは医薬部外品として、薄毛予防や頭皮ケアの「セルフケア」の選択肢の一つです。
しかし、もしあなたが、この商品を含め、様々な育毛剤を長期間（例えば6ヶ月以上）試しても、
「抜け毛が一向に減らない」
「むしろ薄毛が進行している気がする」
「地肌の見える範囲が広がってきた」
と感じる場合。
それは、残念ながら、あなたの薄毛の進行度合いや原因が、セルフケア（医薬部外品）で対応できるレベルを超えている可能性が高い、というサインかもしれません。
その時は、いたずらに育毛剤を買い替え続けるのはやめて、一度、勇気を出して「専門家」に相談することをおすすめします。
薄毛・抜け毛の専門家「クリニック」への相談
薄毛・抜け毛の専門家とは、皮膚科、あるいは「薄毛専門クリニック（AGAクリニック、FAGAクリニック）」の医師のことです。
なぜクリニックへの相談を勧めるのか。
それは、クリニックでしかできない、最も重要なことがあるからです。
それは、「あなたの薄毛の“原因”を診断すること」です。
セルフケアでは、自分の薄毛が「AGAなのか」「FAGAなのか」「加齢によるものなのか」「ストレスなのか」「頭皮環境の悪化だけなのか」を正確に知ることはできません。
ホルモプレミアムヘアグロウエッセンスが効かなかったとしても、それは商品が悪いのではなく、あなたの薄毛の原因が「ホルモン変化」ではなかった、あるいは、原因は合っていても、医薬部外品では追いつかないほど進行していた、というだけかもしれません。
クリニックでは、医師による問診、視診、場合によっては血液検査や頭皮のマイクロスコープ診断などを用いて、あなたの薄毛の原因を医学的に特定してくれます。
AGA治療・FAGA治療
そして、もしあなたの薄毛が「AGA」や「FAGA」であると診断された場合。
そこではじめて、セルフケアの領域を超えた「治療」という選択肢が具体的に見えてきます。
これには、この記事でも触れた「医薬品」を用いた治療が含まれます。
内服薬（飲み薬）
- 男性の場合：フィナステリド、デュタステリド（AGAの原因であるDHTの生成を抑える）
- 女性の場合：スピロノラクトン*8（男性ホルモンの働きを抑える）、ミノキシジル（血流促進・発毛促進）
- 男女共通：パントガール（髪の栄養サプリメント・医薬品扱いの場合あり）
外用薬（塗り薬）
- 男女共通：ミノキシジル（市販のものより高濃度のものが処方される場合がある）
これらはすべて医療行為であり、医師の診断と管理下で行われるからこそ、育毛剤（医薬部外品）よりも高い効果が期待できるわけです。
もちろん、副作用のリスクや費用の問題（多くは自由診療で保険適用外）もありますが、本気で薄毛を改善したいと悩んでいるのであれば、知っておくべき選択肢と言えます。
植毛
さらに、投薬治療などを行っても効果が限定的であったり、すでに薄毛が広範囲に進行して毛根自体が失われてしまったりしている場合には、「植毛」という外科的な選択肢もあります。
植毛には、主に2つのタイプがあります。
- 自毛植毛：これは、AGAの影響を受けにくいとされる、ご自身の後頭部や側頭部の元気な毛根を、皮膚ごと（または毛根単位で）採取し、薄くなった部分（生え際や頭頂部など）に移植する手術です。自分の組織を使うため拒絶反応が少なく、一度生着すれば、その後は自分の髪として半永久的に生え変わり続ける、という大きなメリットがあります。ただし、外科手術であるため、ダウンタイムや傷跡のリスクがあり、費用も非常に高額（数十万～数百万円）になります。
- 人工毛植毛：これは、ナイロンやポリエステルなどで作られた人工の毛を頭皮に植え込む方法です。手術後すぐに髪が増えた実感を得られるメリットがありますが、体にとっては「異物」であるため、拒絶反応による炎症や脱落が起きやすく、定期的なメンテナンスが必要になるなど、デメリットも多いとされています。
育毛剤を検討している段階で、すぐに植毛を考える必要はまったくありません。
しかし、セルフケア（育毛剤）の先には、専門的な「投薬治療」があり、さらにその先には「植毛」という手段もある、という“地図”を知っておくことは、あなたが今後、薄毛とどう向き合っていくかを考える上で、決して無駄にはならないかなと思います。
まとめ：ホルモプレミアムヘアグロウエッセンス育毛剤の効果は限界がある
記事のポイントのまとめです。
さて、長くなりましたが、「ホルモプレミアムヘアグロウエッセンス」（販売名：薬用ヘアエッセンスHTMa）について、効果や成分、メリット・デメリットを詳しく解説してきました。
この商品は、国が認めた「医薬部外品」の育毛剤です。
最大の特徴は、有効成分「エチニルエストラジオール（発毛促進ホルモン※1）」を配合し、男性と女性、それぞれの「ホルモン変化」に着目したアプローチを採用している点にあります。
※1 エチニルエストラジオール
さらに、「センブリエキス」（血行促進）と「グリチルリチン酸ジカリウム」（抗炎症）という2つの有効成分も配合し、頭皮環境を多角的にケアする設計になっています。
医薬品（発毛剤）ではないため、「薄毛を治療する」「髪が必ず生える」といった強力な効果は期待できません。
しかし、医薬部外品として認められた「発毛促進」「育毛」「脱毛の予防」「ふけ・かゆみ防止」といった、頭皮環境を健やかに保ち、薄毛の進行を予防するサポート効果は期待できます。
以下のような方であれば、選択肢の一つとして検討する価値はあるかもしれません。
- 薄毛や抜け毛が気になり始めた「初期段階」の方
- 加齢によるホルモンバランスの変化が、薄毛の原因かもしれないと感じている方（男女とも）
- まずはセルフケアで、頭皮環境のケアから始めたい方
- パートナーと二人で使える育毛剤を探している方
一方で、もしあなたが、すでに薄毛がかなり進行している、あるいは「予防」ではなく「治療（発毛）」を望むのであれば、この商品に時間とお金を使うよりも、早めに専門のクリニック（AGA/FAGAクリニック）のドアを叩く方が、結果として近道になる可能性が高いです。
ご自身の悩みの深刻度、薄毛の原因（推測）、そしてどこまでのケア（予防か、治療か）を望むのか。
これらを冷静に見極めた上で、あなたにとって最適な選択をすることが、薄毛の悩みから解放されるための一番大切なステップかなと思います。
