育毛

育毛剤は使わない方がいい?逆効果になるのか解説

    育毛剤を見つめている男性
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    質問:育毛剤は使わない方がいいですか?
    回答

    育毛剤は、頭皮環境を整え抜け毛を予防する「育毛」が目的であり、肌に合わず頭皮トラブル(かゆみや炎症)を起こす場合は使用を中止すべきです。

    もし薄毛の原因がAGA(男性型脱毛症)やFAGA(女性男性型脱毛症)のような進行性の脱毛症である場合、育毛剤(医薬部外品)だけでは進行を止めることが難しく、効果が期待できません。

    ご自身の薄毛の原因が不明な場合や、育毛剤で効果を感じられない場合は、自己判断を続けずに専門のクリニックで診断を受け、適切な治療(内服薬や外用薬、植毛など)を検討することが重要です。

    AGA・FAGAは進行性の病気です。

    実は、気にしている今も進行しています。

    正しい対策をしなければ、髪の毛の数は減り続け、抜け毛・薄毛が徐々に目立ってきます。

    そして、治療を開始するタイミングが遅れれば遅れるほど、回復が難しくなり、治療の選択肢も限られてしまいます。

    男性の薄毛の進行状況の解説図 女性の薄毛の進行状況の解説図

    しかし、安心してください。

    原因が解明されているので、正しい治療を行えば改善します。

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    当記事のここがポイント
    • 育毛剤が「逆効果」になると言われる理由
    • 育毛剤(医薬部外品)と発毛剤(医薬品)の違い
    • 育毛剤の使用が適していない人の特徴や頭皮の状態
    • 育毛剤で効果を感じない場合に検討すべき専門的な治療(AGA/FAGA治療など)

    目次

    育毛剤が「逆効果」と言われる主な理由

    育毛剤を使ったのに逆効果だった、と感じるのは色々なパターンがあるかなと思います。

    ここでは、その主な理由を掘り下げてみましょう。

    そもそも育毛剤の「目的」を誤解しているかも

    まず一番多いのが、育毛剤の「目的」と「効果」を誤解しているケースですね。

    世の中には「育毛剤」と「発毛剤」という、似ているようで全く異なる製品が存在します。

    この違いを理解していないと、「育毛剤を使ったのに毛が生えてこない!逆効果だ!」という誤解につながりやすいんです。

    育毛剤(医薬部外品)の目的

    一般的にドラッグストアや通販などで「育毛剤」として販売されているものの多くは、「医薬部外品」に分類されます。

    医薬部外品である育毛剤の主な目的は、以下の通りです。

    • 頭皮環境を整える(保湿、血行促進、抗炎症など)
    • フケやかゆみを防ぐ
    • 毛髪にハリやコシを与える
    • 今ある髪の毛の成長をサポートする
    • 抜け毛を予防する

    言ってしまえば、育毛剤は「今ある髪を健康に保ち、抜けにくくするための土壌(頭皮)を整える」アイテムなんですね。

    農業で例えるなら、畑(頭皮)に栄養を与えたり、雑草を抜いたりして、作物が育ちやすい環境を作るイメージです。

    発毛剤(第一類医薬品)の目的

    一方、「発毛剤」は「第一類医薬品」に分類されます。

    こちらは、厚生労働省に「発毛効果」が認められた有効成分(例えばミノキシジル*1など)が配合されています。その目的は、読んで字のごとく「新しい髪の毛を生やす(発毛させる)」ことです。

    *1. 参考文献
    European Dermatology Forum
    Evidence-based (S3) guideline for the treatment of androgenetic alopecia in women and in men

    先ほどの農業の例で言えば、種(毛根)がなくなってしまった場所に、新しく種をまいて芽吹かせるイメージに近いかもしれません。

    「生えない」=「逆効果」という誤解

    このように、育毛剤の本来の目的は「発毛」ではなく、あくまで「育毛(毛を育てる環境整備)」と「抜け毛予防」です。

    それにもかかわらず、「育毛剤を使えば、薄くなった部分からどんどん髪が生えてくるはずだ」と期待して使い始めると、どうなるでしょうか。

    もちろん、新しい髪は生えてきません。

    なぜなら、それが育毛剤の役割ではないからです。

    この結果、「こんなにお金と時間をかけたのに、全然生えてこないじゃないか!」「むしろ、使っている間にも薄毛が進行した気がする…」と感じてしまい、「育毛剤は逆効果だ」「使わない方がいい」という結論に至ってしまうケースが非常に多いんですね。

    これは育毛剤が何か悪い作用(逆効果)をもたらしたわけではなく、単に期待していた「発毛」という効果が得られなかった、というミスマッチが原因かなと思います。

    自分の薄毛の原因と合っていない

    次に考えられるのは、使用している育毛剤が、ご自身の薄毛の原因と合っていない可能性。
    薄毛や抜け毛の原因は、本当に人それぞれ多様なんですね。

    • AGA*2(男性型脱毛症)やFAGA(女性男性型脱毛症)といった、ホルモンの影響による進行性の脱毛症
    • *2. 参考文献
      American Academy of Dermatology
      What is male pattern hair loss, and can it be treated?
    • ストレスや睡眠不足、食生活の乱れといった生活習慣によるもの
    • 頭皮の乾燥や皮脂の過剰分泌といった頭皮環境の悪化
    • 加齢による毛周期の乱れ
    • 特定の病気や薬の副作用

    など、さまざまな要因が考えられます。

    育毛剤にも、配合されている成分によって「血行促進が得意なタイプ」「保湿が得意なタイプ」「皮脂を抑えるのが得意なタイプ」など、それぞれ特徴があります。

    例えば、頭皮がひどく乾燥している人が、皮脂を抑えるタイプの育毛剤(アルコール濃度が高いものなど)を使ってしまったらどうでしょうか。

    おそらく、乾燥がさらに悪化してフケやかゆみが出てしまい、頭皮環境はむしろ悪くなる可能性がありますね。

    また、最も注意が必要なのが、AGAやFAGAの場合です。

    AGAやFAGAは、特定の男性ホルモン(DHT:ジヒドロテストステロン*3)が毛根に作用することで毛周期が乱れ、髪が十分に育つ前に抜け落ちてしまう進行性の脱毛症です。

    *3. 参考文献
    Harvard Health Publishing
    Testosterone — What It Does And Doesn’t Do

    この場合、育毛剤による頭皮環境の改善や血行促進だけでは、脱毛症の進行を根本的に食い止めるのは非常に難しいのが現実です。

    育毛剤を使っているにもかかわらず薄毛が進行してしまうため、「育毛剤は逆効果だ」と感じてしまうわけですが、実際には「育毛剤の効果が、脱毛症の進行スピードに追いついていない」状態と言えるでしょう。

    頭皮トラブル(かゆみ・赤み)を引き起こしている

    これが、本当の意味で逆効果と言える最も分かりやすいケースかもしれません。

    育毛剤は、頭皮に直接塗布するものです。

    そのため、配合されている成分がご自身の肌に合わない場合、アレルギー反応や刺激によって、かゆみ、赤み、発疹、フケの増加といった頭皮トラブルを引き起こすことがあります。

    育毛剤に含まれる成分で、特に刺激となりやすい可能性があるのは以下のようなものです。

    • アルコール(エタノール):清涼感や殺菌、成分の浸透を助ける目的で配合されますが、揮発する際に頭皮の水分を奪い、乾燥を招くことがあります。敏感肌や乾燥肌の人は刺激を感じやすいかもしれません。
    • 香料や着色料:製品の使用感を良くするために添加されますが、アレルギーの原因となることがあります。
    • 防腐剤(パラベンなど):品質を保つために必要ですが、これも肌質によっては合わない場合があります。
    • 特定の植物エキス:天然由来だから安全とは限らず、植物アレルギーを持っている場合は反応が出ることがあります。

    頭皮に炎症が起きている状態は、髪の毛が育つ土壌が荒れているのと同じです。

    このような状態で育毛剤を使い続けることは、荒れた畑に無理やり肥料をまき続けるようなもので、頭皮環境はさらに悪化します。

    結果として、健康な髪が育たなくなり、抜け毛が増えてしまう…これはまさに「逆効果」ですよね。

    使用方法を間違えている

    育毛剤は、ただ闇雲に使えばいいというものではありません。

    メーカーが推奨する使用方法を守らないと、逆効果になる可能性があります。

    使用量が多すぎる

    「早く効果が欲しい」と焦るあまり、定められた量よりも多く塗布してしまうケースです。

    たくさん塗ればそれだけ効果が高まるわけではありません。

    むしろ、過剰な成分が頭皮に残り、毛穴を詰まらせたり、ベタつきや雑菌繁殖の原因になったりする可能性があります。

    これも頭皮環境の悪化につながりかねませんね。

    清潔でない頭皮に使っている

    皮脂や汗、スタイリング剤などで汚れた頭皮に育毛剤を使っても、成分がうまく浸透しません。

    それどころか、汚れと育毛剤が混ざり合って雑菌が繁殖しやすい環境を作り出し、毛穴の詰まりや炎症を引き起こす原因になることも考えられます。

    育毛剤は、基本的にシャンプー後の清潔な頭皮に使うのが原則です。

    頭皮マッサージが強すぎる

    育毛剤を塗布する際、浸透を促そうとゴシゴシと強く頭皮をこすったり、爪を立ててマッサージしたりしていませんか?

    強い摩擦は、デリケートな頭皮を傷つける原因になります。

    傷ついた頭皮はバリア機能が低下し、炎症を起こしやすくなりますし、今ある健康な髪の毛まで引き抜いてしまうことにもなりかねません。

    マッサージは、指の腹を使って優しく揉み込むように行うのが基本ですね。

    「育毛剤を使わない方がいい」のはどんな人?

    ここまでの話をまとめると、育毛剤が逆効果になる可能性を理解した上で、「こういう人は、今は育毛剤を使わない方がいいかもしれない」というケースが見えてきます。

    すでに頭皮に炎症やかゆみがある人

    現在、すでに頭皮が赤い、かゆい、フケがひどい、湿疹ができている、といった症状がある人。
    このような状態の頭皮に育毛剤を使用すると、その刺激によって症状がさらに悪化する可能性が非常に高いです。

    育毛どころか、まずは頭皮の「治療」が必要な段階かもしれません。

    育毛剤を試す前に、まずは皮膚科を受診し、頭皮の状態を正常に戻すことを最優先すべきかなと思います。

    明らかに薄毛が進行している(AGA/FAGAが疑われる)人

    「最近、抜け毛が急に増えた」「生え際が後退してきた」「つむじ周りの地肌が目立つようになった」など、薄毛が明らかに進行していると感じる場合です。

    特に、ご家族に薄毛の方がいる場合、AGAやFAGAの可能性が考えられます。

    前述の通り、AGAやFAGAは進行性。

    育毛剤(医薬部外品)による頭皮環境のケアだけでは、その進行を止めることは難しいでしょう。

    もちろん、育毛剤を使うことが直接的な「逆効果」になるわけではありません。

    しかし、本来必要な「治療」を行わずに育毛剤でのケアを続けている間に、薄毛がどんどん進行してしまう…という意味では、「時間を無駄にしてしまう」リスクがあります。

    この場合、「育毛剤を使わない方がいい」というよりは、「育毛剤“だけ”に頼らない方がいい」と言った方が正確かもしれませんね。

    育毛剤の成分にアレルギーがある人

    これは当然のことですが、配合されている成分に対してアレルギー反応が出てしまう人です。

    過去に化粧水やシャンプーなどで肌がかぶれた経験がある人、特定の成分(アルコールや植物エキスなど)にアレルギーがあると分かっている人は、特に注意が必要です。

    新しい育毛剤を試す場合は、いきなり頭皮全体に使うのではなく、まずは腕の内側などでパッチテストを行い、数日間様子を見ることをおすすめします。

    もし赤みやかゆみが出た場合は、その育毛剤の使用は避けた方が賢明です。

    「発毛効果」を期待している人

    これも繰り返しになりますが、育毛剤(医薬部外品)に「髪を生やす」効果を期待している人です。

    目的と手段が一致していないため、どれだけ真面目に育毛剤を使い続けても、期待した結果は得られません。

    「こんなはずじゃなかった」と失望し、「育毛剤なんて意味ない」「逆効果だ」と感じてしまうくらいなら、最初から使わない方が精神衛生上いいかもしれません。

    もし「発毛」を本気で目指すのであれば、選択すべきは育毛剤ではなく、「発毛剤(医薬品)」の使用や、専門クリニックでの治療になります。

    育毛剤のメリットとデメリット

    育毛剤は「絶対悪」でも「万能薬」でもありません。

    使うかどうかを判断するために、ここで改めてメリットとデメリット(注意点)を整理しておきましょう。

    育毛剤を使うメリット

    育毛剤には、もちろん良い面もあります。

    手軽に始められる

    最大のメリットは、その手軽さでしょう。

    ドラッグストアやオンラインショップで、医師の処方箋なしに誰でも簡単に購入できます。

    「最近少し抜け毛が気になるな」「将来のために予防しておきたいな」と思ったときに、すぐにセルフケアを始められるのは大きな利点ですね。

    薄毛の「予防」や「初期段階」のケア

    育毛剤の本来の目的である「頭皮環境の改善」や「抜け毛予防」は、薄毛がまだ深刻化していない初期段階や、予防的なケアとしては有効な手段と考えられます。

    頭皮を清潔に保ち、血行を促進し、栄養を与えることで、今ある髪を健康に保つサポートが期待できます。

    頭皮環境の改善(フケ・かゆみ対策)

    薄毛そのものへの効果は限定的であっても、フケやかゆみを抑える成分(抗炎症成分や保湿成分)が配合されている製品も多くあります。

    頭皮の不快な症状を和らげ、健やかな状態を保つ目的で使うのは非常に有意義かなと思います。

    医薬品に比べて副作用のリスクが低い

    発毛効果が認められている医薬品(発毛剤など)は、効果が期待できる反面、体質によっては副作用(頭皮のかゆみ、かぶれ、低血圧、初期脱毛など)が起こる可能性が育毛剤(医薬部外品)よりも高くなります。

    その点、育毛剤は医薬部外品であり、作用が比較的マイルドなものが多いため、肌トラブルさえ起きなければ、大きな副作用の心配は少ないと言えるでしょう。

    育毛剤を使うデメリット・注意点

    一方で、使用する前に知っておくべきデメリットや注意点もあります。

    即効性は期待できない

    育毛剤は、使い始めてすぐに効果が出るものではありません。

    髪の毛には「ヘアサイクル*4(毛周期)」があり、新しい髪が成長し、抜け落ちるまでには数ヶ月から数年の時間がかかります。

    *4. 参考文献
    NCBI – StatPearls
    Physiology Hair

    育毛剤で頭皮環境を整えたとしても、その効果が髪の状態として現れるまでには、最低でも3ヶ月から6ヶ月程度は継続して使用する必要があると言われています。

    すぐに結果を求める人にとっては、もどかしいかもしれません。

    継続的なコストがかかる

    効果を維持するためには、育毛剤を使い続ける必要があります。

    育毛剤は製品によって価格に幅がありますが、1本数千円から1万円以上するものも珍しくありません。

    これを毎月、あるいは数ヶ月ごとに購入し続けるとなると、年間のコストはかなりの額になります。

    この費用対効果をどう考えるかは、重要なポイントですね。

    発毛効果は期待できない

    何度も繰り返しますが、医薬部外品である育毛剤に「髪を生やす」効果はありません。

    この点を理解していないと、時間とお金をかけた結果、期待外れに終わってしまいます。

    肌トラブルのリスク

    これも前述の通りですが、どんなに良いとされる育毛剤でも、すべての人に合うとは限りません。

    自分の肌質に合わないものを使えば、かゆみや炎症を引き起こし、逆効果になるリスクは常にある、ということを覚えておく必要があります。

    育毛剤は使わない方がいいと感じた時の対処法

    もし、今使っている育毛剤が「合わないかも」「逆効果かも」と感じたら、どうすればよいでしょうか。

    まずは使用を中止する

    これが一番大切です。

    かゆみ、赤み、痛み、フケが急に増える、抜け毛が明らかに増えた(※)、といった異常を感じたら、ためらわずに使用を中止してください。

    ※初期脱毛について:医薬品の発毛剤では、ヘアサイクルがリセットされる過程で一時的に抜け毛が増える「初期脱毛」が起こることがありますが、医薬部外品の育毛剤で明確な初期脱毛が起こることは稀とされています。

    もし育毛剤を使い始めて抜け毛が明らかに増えた場合は、肌トラブルによる悪化の可能性を疑った方がよいかもしれません

    使い続けることで頭皮環境がさらに悪化し、回復に時間がかかってしまう恐れがあります。

    別の成分の育毛剤を試してみる

    使用を中止して頭皮の状態が落ち着いた後、それでも育毛剤でのケアを続けたい場合は、今使っているものとは異なるタイプの製品を試してみるのも一つの手です。

    例えば、アルコール(エタノール)の配合量が多いもので刺激を感じたなら、アルコールフリーや低刺激性をうたった敏感肌向けの製品を選んでみる、といった具合です。

    ただし、試す際も必ずパッチテストを行ってからにしましょう。

    皮膚科医に相談する

    使用を中止しても頭皮のかゆみや赤みが治まらない場合、あるいは育毛剤が原因かどうか分からないけれど頭皮の状態が悪い場合は、自己判断を続けずに皮膚科を受診してください。

    接触皮膚炎(かぶれ)や、脂漏性皮膚炎など、別の皮膚疾患が隠れている可能性もあります。

    専門医の診断を受け、適切な治療やアドバイスをもらうことが重要です。

    育毛剤で効果が感じられないなら、専門的な治療も視野に

    育毛剤を長期間(例えば6ヶ月以上)使ってみたけれど、抜け毛が減る気配がない、あるいは薄毛が進行しているように感じる…。

    もしあなたがそう感じているなら、それは育毛剤のせい(逆効果)というよりも、あなたの薄毛の原因が、育毛剤(医薬部外品)のケアの範囲を超えている可能性が高い、というサインかもしれません。

    薄毛の原因を特定することが最優先

    大切なのは、自己判断で「次はあの育毛剤を試してみよう」と次々に製品を乗り換え続けることではありません。

    まずは、「なぜ自分の髪が薄くなっているのか」という根本的な原因を特定することです。

    その原因がAGA・FAGAなのか、生活習慣なのか、頭皮の疾患なのかによって、とるべき対策は全く異なってきます。

    AGA・FAGA治療

    もし薄毛の原因が、男性のAGA(男性型脱毛症)や女性のFAGA(女性男性型脱毛症)であった場合、これらは進行性の脱毛症です。

    放置しておくと、毛根が休止期に入り、やがて髪を生み出す力を失ってしまう可能性があります。

    AGAやFAGAの場合、育毛剤での頭皮ケアと並行して、あるいはそれ以上に、進行を抑制したり、発毛を促したりする「治療」が必要になるケースが多いです。

    現在は、男女ともに、薄毛治療を専門とするクリニック(皮膚科や美容皮膚科など)で、医学的根拠に基づいた治療を受けることが可能です。

    クリニックでは、医師が頭皮の状態や既往歴、生活習慣などを詳細に問診・診察し、必要に応じて血液検査なども行い、薄毛の原因を診断してくれます。

    その上で、内服薬(男性のフィナステリド*5やデュタステリド*6、女性のスピロノラクトン*7など)や、外用薬(高濃度のミノキシジルなど、育毛剤ではなく「発毛剤」)の処方、あるいは頭皮への直接的な施術(メソセラピーなど)といった、個々の状態に合わせた治療法を提案してくれます。

    *5. 参考文献
    MedlinePlus(U.S. National Library of Medicine)
    Finasteride: MedlinePlus Drug Information
    *6. 参考文献
    EMC(UK Patient Leaflet)
    Avodart 0.5 mg — Package Leaflet (PIL)
    *7. 参考文献
    StatPearls(NCBI Bookshelf)
    Spironolactone — StatPearls

    もちろん、治療には費用がかかりますし、医薬品には副作用のリスクも伴います。

    しかし、進行性の脱毛症に対しては、育毛剤を使い続けるよりも、医学的なアプローチの方が改善を期待できる可能性が高いのは事実かなと思います。

    植毛

    すでに薄毛がかなり進行してしまい、治療薬だけでは満足のいく回復が見込めない場合や、薬の副作用が心配な場合には、「植毛」という選択肢もあります。

    植毛には、人工の毛を植え込む「人工毛植毛」と、ご自身の後頭部や側頭部にある、AGAの影響を受けにくい健康な毛髪を、毛根ごと薄毛の部分に移植する「自毛植毛」があります。

    特に自毛植毛は、自分自身の組織を使うため拒絶反応のリスクが低く、一度生着すれば、その後も自分の髪として生え変わり続けるため、非常に自然な仕上がりが期待できる方法です。

    もちろん、外科的な手術になるため費用は高額になりますし、ダウンタイムも必要ですが、根本的な解決を目指す上での最終的な選択肢の一つとして知っておいてもよいかもしれません。

    まとめ:育毛剤は使わない方がいい?「目的」と「体質」が合えば有効、合わなければ見直しを

    記事のポイントのまとめです。

    さて、今回は育毛剤は使わない方がいいのか?逆効果になるのか解説してきました。

    結論をまとめると、以下のようになります。

    1. 育毛剤(医薬部外品)は「発毛」させるものではなく、「頭皮環境を整え、抜け毛を予防する」のが目的です。
    2. 「生えない」=「逆効果」と誤解しているケースが多いですが、本当の「逆効果」とは、肌に合わず頭皮トラブル(かゆみ・炎症)を引き起こしてしまうことです。
    3. 育毛剤を使わない方がいいのは、「すでに頭皮トラブルがある人」「成分にアレルギーがある人」「発毛を期待している人」です。
    4. AGAやFAGAなど進行性の脱毛症が疑われる人は、育毛剤“だけ”でのケアでは不十分な可能性が高く、時間を無駄にしてしまうリスクがあります。
    5. 育毛剤は、薄毛の「予防」や「初期ケア」として、手軽に始められるメリットがあります。
    6. もし育毛剤で効果を感じない、あるいは逆効果かもと感じたら、使用を中止し、専門のクリニックで一度ご自身の薄毛の原因を診断してもらうことをおすすめします。

    育毛剤は、決して「使わない方がいい」と一概に言えるものではありません。

    ご自身の目的(予防なのか、発毛なのか)と、ご自身の体質(頭皮の状態)に合っていれば、薄毛対策の心強いパートナーになり得ます。

    しかし、もしその選択が間違っていた場合、貴重な時間とお金を浪費してしまうことにもなりかねません。

    今、育毛剤を使うべきか迷っている方、あるいは今のケアに疑問を感じている方は、一度立ち止まって、ご自身の頭皮と髪に本当に必要なケアは何なのか、考えてみる良い機会かもしれませんね。